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2009年8月25日 (火)

オバマ政権、無人飛行機による殺害にブラックウォーターを活用

wsws.org

Tom Eley

2009年8月22日

アルカイダ・メンバーとされる人々の暗殺を実行するために、ブッシュ政権が、ブラックウォーターUSAを、雇っていたという木曜日の暴露報道後、うさんくさい準軍事警備会社と、アメリカという国家との間の、継続中の親密な関係に関する更なる情報が明るみに出た。

ブラックウォーター社の、イラク民間人の無差別殺人という確立した実績にもかかわらず、オバマ政権は、アフガニスタンでの業務に使い続けており、新たな報道が、ブラックウォーターが、暗殺を実行し、東部と南部アフガニスタンとパキスタンの国境地域の村々を脅かしている、プレデター無人飛行機の仕事をする契約を受注していることを明らかにした。

オバマの下、中央情報局(CIA)とブラックウォーター間の親密な関係は続いている。こうした関係は、何兆ドルという軍事契約の世界至るところにある、腐敗や利害の対立を明らかにしているばかりではない。表向きは、選挙で選ばれたアメリカの議員によって管理されている、アメリカ軍の仕事は、どこで終わり、利潤追求型の事業体であり、誰に対しても説明責任を負わない、大半が元アメリカ軍特殊作戦要員によって構成されているブラックウォーターの仕事は、どこから始まるのか、という問題を提起しているのだ。

しかも、ワシントンのブラックウォーターとの関係に関してこれまでに明らかにされた物事、つまりアメリカ人の見えないところで締結された契約は、氷山の一角に過ぎないことは明白だ。ブラックウォーターと、無数の人的、資金的絆でつながっている、国家中の国家である軍-諜報機関は、これ以上の情報が明るみに出るのを防ぐべく、作戦をしかけている。

アフガニスタンやパキスタンで多数の一般市民を殺害している、遠隔操縦で飛行するプレデター無人飛行機使用の上で、ブラックウォーターの極めて重要な役割を、オバマ政権は、ブッシュ政権から受け継いだことを、金曜日のニューヨーク・タイムズ記事が明らかにした。無人飛行機の狙いは、アルカイダ指導者達を暗殺することだといわれている。アメリカが、決してこの南アジアの国に宣戦布告したわけではない以上、パキスタンにおける無人飛行機の配備は、明らかに国際法に違反している。

イラクで、狙撃兵や奇襲によって、“標的暗殺”を実行するために、ブラックウォーターをブッシュ政権が雇ったのと、犠牲者として、圧倒的に民間人が多くでる、“アフ-パク戦域”における無人飛行機による暗殺計画を、オバマ政権が警備会社に外注することの間には、実質的な差異など存在しない。

ブラックウォーターは、社名をXeサービシズLLC(“Xe”は“ズィー”と発音する)に変更しているが、オバマが大統領に就任して以来、劇的に増加した無人飛行機による攻撃を実行している“パキスタンとアフガニスタンにある秘密基地”の警備を行っていると、タイムズは報じている。ブラックウォーターの要員が、かつてはCIAによって遂行されていた作業である“ヘルファイア・ミサイルや、500ポンド・レーザー誘導ミサイルの、組み立て・搭載”を行っている。

長年、CIAは、パキスタンのシャムシにある基地から、プレデターによる攻撃を行ってきたが、最近アフガニスタンのジャララバードに、二つ目の、秘密基地を増設したと、匿名の情報源が、タイムズに語っている。大半の無人機による任務は、現在はジャララバードから発進し、攻撃や、ミサイル発射は、バージニア州、ラングレーのCIA本部で、CIA職員が操作している。

ブラックウォーターは、2002年に、カーブルの新たな諜報基地を、警備するという契約を得て以降、アフガニスタンでのCIA支援を開始した。プレデター無人飛行機任務で働く同社従業員は、ネバダ基地で、アメリカ空軍によって訓練を受けている。

オバマ政権の中で、国防省とCIAだけが、ブラックウォーターと仕事をしている政府機関というわけではない。オバマ就任以来、国務省が、イラクとアフガニスタンにおける警備作業を、1億7,400万ドル以上も、同社に外注していたことを、最近のネーションによる報道が明らかにした。

最も悪名高い出来事は、2007年9月、バグダッドのニスール広場で、ブラックウォーター社員が、17人の非武装イラク民間人を殺害したことだ。捜査当局が特定した、社員達は、挑発もされていないのに、警告もせずに、運転手と歩行者達に、機関銃と、ロケット弾発射砲を発砲し、降伏し、逃げようとする民間人を殺害し続けたのだ。最終的に、5人のブラックウォーター警備員が、殺人で起訴された。

ニスール広場の虐殺で殺害されたイラク人の遺族たちによって起こされた訴訟で、元ブラックウォーター社員二人は、ブラックウォーターのオーナー、エリック・プリンスと「彼の従業員が、同社が継続中の犯罪行為について、連邦当局に、情報を提供したか、情報を提供しようとしていた一人、あるいはそれ以上の人を殺害した」と証言した。

CIAの秘密監獄と、“特例拘置引き渡し”に関する、欧州議会の報告者、ジョヴァンニ・クラウディオ・ファヴァが作成した報告書は、“テロ容疑者”を拉致し、彼等を、秘密飛行によって、拘留・拷問センターの世界ネットワークに送り出す、特例拘置引き渡しプログラムを実行する上で、ブラックウォーターの下請け会社が、極めて重要な役割を果たしていたと結論づけている。

特例拘置引き渡しや、無辜の民間人の殺害へのブラックウォーター社の関与にもかかわらず、オバマは、契約を継続しているが、これは、疑いようもなく、ブラックウォーターの軍-諜報機関内部の有力者達とのコネに、ある程度基づいた判断だ。

「長年にわたり、ブラックウォーター社は、何人かの元CIA幹部を受け入れてきた」とタイムズは述べている。そうした人々の中には、コーファー・ブラックがいる。9/11の二年前の1999年から、2004年まで、CIAのテロ対策センターを率いていたブラックは、CIAの特例拘置引き渡しプログラム立案者の一人だ。2005年に、彼はCIAを退職し、ブラックウォーター副社長になった。

同年、CIAの副本部長ロブ・リッチャーは退職し、ブラックウォーターの諜報部門の副社長になった。

CIA職員がブラックウォーターに天下りする傾向に関する発言で、元CIA長官ポーター・J・ゴス(2004-2006)は、「定年になっても、まだ元気が残っていると感じる人々がいて、彼等はコンサルティング事業に進もうとするわけで、いつでも、入社してほしいという要望に応じられるようにしているのだ。」と語っていた。

もう一つ考えられる解釈は、議会やアメリカ人への説明責任を負わない民間企業に、暗殺を含む犯罪活動を、“外注”する対策の一環として、CIAが、主要幹部に、民間企業に天下るよう推奨している、というものだ。

ブラックウォーターの主要人物達は、共和党や、極右やファシスト組織ともつながっている。プリンスは、共和党候補者や、右翼的な大義に、気前良く献金している。彼の父親は、右派のゲーリー・バウアーと共に、キリスト教原理主義のファミリー・リサーチ・カウンシルを創設した。

レオン・パネッタは、ブラックウォーターが関与する秘密暗殺計画は、オバマによって、CIA長官に任命されてから、六ヶ月後に、初めて知ったのだと主張している。そして、パネッタの議会での秘密宣誓証言までの7年間、議会は、計画のことを全く何も知らされずにいた。明らかに、副大統領ディック・チェイニーの命令で、この計画に秘密にされていたのだ。パネッタの証言後、議会のメンバーは、タイムズの記事が木曜日に現れるまで、ブラックウォーターの役割に関する情報を、国民から隠していた。

カリフォルニア出身の、民主党上院議員で、上院諜報委員会の委員長であるダイアン・ファインスタインを含め、議会の主要メンバーは、未だに、CIA-ブラックウォーター暗殺計画にまつわる情報公開を拒否し続けている。ファインスタインは、この紛糾するすっぱ抜きに関しては、外注に関する一般的な発言以上のコメントを拒否した。

「責任を負いたくないような仕事を、外注にだすのは安易に過ぎます」ファインスタインは語った。「長いこと、諜報機関は、仕事を遂行する上で、民間企業に依存しすぎていると思っていました。本質的に、政府のものである活動を実行するのに、民間企業が利用されるというところが、特に問題です。」

言い換えれば、民主党は、暗殺計画それ自体に反対しているわけではない。彼等は単に、それは、民間業者ではなく、CIA職員が実行する方が良いと言っているだけだ。

それまでの数十年間の、CIAによるおびただしい暗殺や、暗殺未遂によって、世界中で“殺人株式会社”というあだ名を得た後、1976年に、ジェラルド・フォード大統領が発した大統領命令によって、CIAは、法的に暗殺の実行を禁じられている。

パネッタは、CIAをかばおうとしたのだ。彼は、風説によれば、この件を持ち出したのは、違法だと思ったからではなく、計画が計画段階を超えたので、たとえ自分が、計画を中止するつもりであったとはいえ、議会の審査が必要だろうと考えたのだと、諜報委員会メンバーに語ったという。だが、CIA内部、あるいは、CIAと密接な幹部によると、チェイニーは、秘密にしておく、別の理由を語っていたという。チェイニーは、議会はCIA当局に、アルカイダ指導者達を暗殺する許可を既に出していると主張していた。

計画は計画段階のままだという考え方は、CIAに近い匿名情報源によって否定されている。「この対テロ計画が、概要説明用のスライドや、カフェテリアのナプキン上の落書きに留まっていた、と考えるのは間違いだ」ある匿名の幹部は、ワシントン・ポストに語っている。「そんなことよりずっと先まで行っていた。」

それとて、ポスト紙の言葉をかりれば、暗殺計画は「テロ容疑者の一人たりとも、満足に捕獲したり、殺害できていない」と、マスコミが繰り返し国民に断言するのを止められずにいる。この大胆な断定の基盤は、明らかにブラックウォーターの活動に対するCIA自身の評価だろう。

周知の通り、ブラックウォーターは、刑事免責のもと、イラクで殺人を行っていた。CIAの暗殺計画によって与えられた白紙委任を、ほかのどこかで同様な殺害を遂行するために、同社が利用し損ねていたと信じる理由は皆無だ。

最近の報道による暴露にもかかわらず、イラク、アフガニスタンにおけるブラックウォーターの活動の全容や、“特例拘置引き渡し”プログラムの飛行便や拷問室に関する秘密は隠されたままだ。

月曜日には、2004年に発行された、あるCIA内部報告の、機密扱が解除された一部、秘密監獄における拷問の使用を批判しているといわれているものが、公開されると期待されている。

軍-諜報機関は、たとえ形だけのものであれ、自分達の違法な活動に関する、いかなる調査も、聴聞にも一歩も譲ろうとしておらず、ゴスは、最近「ワシントン諜報機関の直撃を狙ったハリケーンが、ワシントンからやってくる」と警告し、もう一人のブッシュ時代の元CIA長官、マイケル・ヘイデンは、ブラックウォーターをあからさまに擁護している。

ゴスとヘイデンは、あらゆる決定的岐路において、オバマ政権が、そうした圧力に、すぐに屈伏し、“対テロ戦争”を継続しながら、前任者の違法な手段をかばうおうと堅く決めていることを知っている。ここ数ヶ月、オバマは、ブッシュ政権幹部が拷問を命じ、監督すらしていたという豊富な証拠の調査を一切行わないと約束しており、アメリカ諜報機関の工作員や軍要員が、イラクやアフガニスタンで囚人を残忍に扱っている様を記録した写真の公開を差し止めるよう動いた。

お勧め記事:

アメリカ暗殺部隊株式会社

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2009/aug2009/blac-a22.shtml

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ロバート・カプランによる下記(2006年9月)Atlantic記事とそのまま連続。

ラスベガスでタリバン狩り -無人機による空爆

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2年前に、関連記事を翻訳しているのを思い出した。

愛し合って、戦争になった:好戦国家アメリカとの遭遇 ノーマン・ソロモン

ブラックウォーター・スキャンダルにおける好戦的底流

報告書『アフガニスタン株式会社』によれば「コントラクター」はひどい仕事で大儲け

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宗主国の政府首脳や省庁の、こうした犯罪が明るみにだされる一方、属国体制翼賛マスコミによれば、属国の選挙は、もっぱら二大政党間の政権交代が主題。そして芸能人麻薬汚染。意図的な歪曲か、意図的な争点ずらし、としか言いようがあるまい。

体制翼賛マスコミの報道、かつて小選挙区制度導入を推進し、小泉郵政911欺瞞選挙を絶賛して以来、これも予定通りの行動。

傀儡(二大政党)支配者、財界、翼賛マスコミ幹部ら、権力者の皆様は毎晩祝杯をあげているだろう。もちろん宗主国の支配層も。

庶民の皆様が政権交代を祝っておられるのが、本当に不思議でならないのだが。

安保・防衛問題は、見事すっぽり、話題から外している。民主党、社民党、国民新党の協定だか、合意だかは、安保・防衛問題に触れることを、きっぱり避けている。

アメリカの新駐日大使との会談で、「今後とも日米間で一層緊密に協力していきたい」と麻生首相は発言している。「今後、益々戦費と兵力を提供します。」ということなのだろうか。

民主党とて「今後とも日米間で一層緊密に協力」する方針には変わりあるまい。

2010/2/27追記:

愛読させて頂いているビル・トッテン氏(刊行されているご本の多くも拝読している)のコラム、最新記事No.908、「日米安全保障条約」について。簡潔にして、要をえたコラムだ。外務省の安保条約へのリンクもつけてくださっている。

アメリカから日本に帰化した、ジャーナリストならぬ、ソフト会社経営者の方でも、こうした見解に到達されている。プロのジャーナリストの方々に、同じ意見になれなどとは決して言わないが、もしトッテン氏の説が、とんでもないしろものであれば、是非とも「反論してみられては」と思う。

一般に、犬は、飼い主のことは、普通、噛まないものだ。人は、金にならないことは、しないものだ。

普天間基地問題、いや沖縄の基地問題、更にはトヨタ問題等々、宗主国・属国の契約である安保の話をよけて、いくら語っても、真相は見えないだろう。そして、真相がわからなければ、根本的な解決策など、永遠に見つからず、実施もできるまい。

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