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2009年7月14日 (火)

アメリカ基地帝国に、どう対処すべきか 駐留軍受け入れ国に対する控えめな私案

チャルマーズ・ジョンソン

2009年7月3日

"TomDispatch"

アメリカ基地帝国は、年間1020億ドル、既に世界で最も金のかかる軍事事業であるにもかかわらず、更に高価になろうとしている。まず手始めとして、5月27日、国務省が、新"大使館"を、パキスタンのイスラマバードに建設する予定であるということを知った。経費は、もしも見積超過が起きなければ、ブッシュ政権がバグダッドにしつらえた、バチカン市程の規模のものより、わずか400万ドル安いだけの7億3600万ドルで、これまで建設されたものの中で二番目に高価だ。報道によれば、国務省は、アフガニスタンとの国境に近い、ペシャワルでも、五つ星のパール・コンチネンタル・ホテル(プール付き) を購入し、領事館と、その現地スタッフの住居として使用する計画だそうだ。

そのような計画にとって不幸なことに、6月9日、過激派パキスタン人が、爆薬を満載したトラックでホテルに突入し、18人の滞在客を殺害し、少なくとも55人を負傷させ、建物の一つのウイングは、すっかり崩壊した。国務省が依然として購入を進める計画かどうかについては、その後、何のニュースもない。

その費用が、一体いくらになろうとも、既に肥大化したアメリカの軍事予算に、含まれることはあるまい。たとえ、そうした建物の一つとして、本当の大使館、つまり現地の人々が、ビザ取得にやってきたり、アメリカ人の役人達が、商業、外交上のアメリカ権益を代表している場所として設計されてなどいなくとも。そうではなく、これら、いわゆる大使館というのは、実際は中世の要塞に近い、四方を壁で囲った場所で、そこで、アメリカのスパイ、兵士、諜報機関職員や、外交官達が、戦争状態にある市域の、敵意を抱いた国民に、目を光らせようとしているのだ。それが大量の海兵隊員を擁しており、屋上には迅速撤退用のヘリコプター着陸場があるだろうことは、誰でも確信をもって断言できる。

危険な地域で仕事をしている国務省職員にとって、何らかの物理的な防御があることを知っていれば、安心かも知れないが、彼等にとっても、また彼等が働いている国の国民にとっても、その造作は公然たるアメリカ帝国駐留の一部であることが、今や明白になってしまう。アメリカを攻撃しようとする過激派が、たとえどれほど厳重に警備されていようと、基地のような一大使館の方が、巨大軍事基地より容易な標的だと考えても、決して驚きはしない。

いずれにせよ、世界中の他人の国々に散在し、今や800箇所にもなろうという、こうした軍事基地に対して、一体何が行われているのだろう? 議会やオバマ政権が、銀行救済、新たな健康保険、汚染管理や、その他の必要性の高い国内支出の費用を巡り論争する中でさえ、こうした不人気で、金のかかる帝国の飛び地のいくつかを閉鎖するのが、かなりの金が節約できる良い方法だと、誰も提案しようとしない。

そうではなく、そうした基地は、明らかに、一層高価になって行こうとしている。6月23日に、元ソ連の中央アジアの共和国だったキルギスタンが、2009年2月に、アメリカ軍を、マナス空軍基地(2001年以来、アフガニスタン戦争用の準備地域として)から追い出すつもりだと発表していたが、アメリカ軍の駐留継続を認めるよう説得されたことを知った。しかし、問題はここだ。アメリカの願いを聞いてくれるお礼として、基地使用のためにワシントンが支払う年間賃貸料は、1740万ドルから、6000万ドルへと、三倍以上になり、更に何百万ドルもが、空港施設を改良する約束や、他の財政的賄賂のようなものにつぎ込まれる。こうした全てが、この地域における戦争を拡大することを公約しているオバマ政権が、アフガニスタンへの補給品を備蓄し、積み換えるため、この基地の必要性を確信しているためなのだ。

こうした展開は、アメリカ人が、やはり嫌われ者の進駐軍になっている他の国々にも、気づかれずには済まないだろうと思う。例えば、エクアドルは、アメリカに、今年11月までに、マンタ空軍基地から出て行ってくれと言ってきた。もちろん、彼等にも自尊心があり、アメリカ兵士が、コロンビアやペルーをいじくりまわすのが気に食わないのだなどという事実を言ったりはしない。それでも、彼等は基地で、おそらくもっと稼げよう。

57年間以上にわたり、米軍基地を自国領土に置いておくため、膨大な金額を支払ってきた日本人はどうだろう? 最近彼等は、ワシントンと、一部のアメリカ海兵隊員を、沖縄の基地から、アメリカ領グアムに移動させることに合意した。ところがその過程で、日本人は、海兵隊員の引っ越し費用だけ支払うのではなく、グアムに彼等を受け入れる新施設を建設することまで強いられたのだ。日本人も、今やキルギスタン政府を見習って、アメリカ人に、出て行ってくれ、費用も自分で賄ってくれというようなことがあり得るだろうか? それとも、少なくとも、日本人女性をおきまりのように強姦している(一ヶ月に二件の割合で)のと、まさに同じアメリカ軍人に、資金を援助するのをやめ、沖縄にある約38の米軍基地に暮らす連中が誰であれ、その生活を惨めなものにする可能性はあるだろうか。これは確かに、1945年にアメリカが進駐して以来、沖縄人が請い願ってきたことだ。

実際、自国領土に米軍を駐留させておくことに、いささか飽き飽きしている他の国々に、ご提案がある。手遅れになる前に、現金化なさるように。値段をつり上げるか、アメリカ人に、帰ってくれと言うかのどちらかだ。私が、こうした行動をお勧めするのは、アメリカ基地帝国は、もう間もなく、アメリカを破産させると、私は確信しており、そして、金融バブルや、ねずみ講から類推するに、読者が投資家であれば、お金は引きだせるうちに、引きだしておいた方が良いのだ。

これは、もちろん、中国や、他のアメリカ国債への投資家の間で起きていることだ。ただ、連中がまだ膨大な国債の束を抱えている間に、ドルが暴落しないようにするため、連中は、ひっそり、ゆっくり、現金化している。ただし、間違いのないように。流血が、急速であろうと、あるいは、ゆっくりであろとうと、アメリカはともあれ流血しているのだ。アメリカ軍事帝国や、それに伴うあらゆる基地にしがみついていても、最終的には、我々が知っているアメリカ合州国に終止符を打つことになろう。

信じていただきたい。海外旅行をする今から数十年後の将来世代のアメリカ人は、10億ドル近くもする "大使館"が点在している光景を見ることはあるまい。

チャルマーズ・ジョンソンはブローバック三部作の著者。『アメリカ帝国への報復』(2000年・集英社)、『アメリカ帝国の悲劇』(2004年・文藝春秋)、および『ネメシス』(2006・未だに邦訳なし)、いずれも原作はMetropolitan Books刊。アメリカ基地帝国に関するジョンソン氏のTomDispatchオーディオ・インタビューはここをクリックしてどうぞ。

記事原文のurl:www.tomdispatch.com/post/175091/chalmers_johnson_baseless_expenditures

チャルマーズ・ジョンソン教授関連記事の翻訳:

アメリカ軍はなぜいまだに沖縄にいるのか? 1997年4月記事

アメリカを衰亡させる方法:なぜ累積債務危機が、今アメリカ共和国とって最大の脅威なのか

チャルマーズ・ジョンソン: 『復讐の女神ネメシス: アメリカ共和国最後の日々』

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戦後、一貫して自民党を支持してきた大多数の国民が選んだ政治家たち(もちろん小沢氏らは、確信犯だろう)が、小選挙区を導入した。

その結果、マスコミの大キャンペーンの功績もあって、小泉911選挙では、雪崩をうつようにして自民党多数体制が実現した。(不思議なことに小泉元首相は、長らく小選挙区に反対していたという。本当だろうか?彼は「自民党をぶっ壊す」といったような記憶がある。)

そして、今マスコミの、政権(派閥)交代の大キャンペーンによって、「民主党に政権が移行する。」と報じられている。自民党を、小沢氏が、無原則に無理やり二つに分け、その一派閥から、もう一つの派閥に、主導権が移行するだけだろう。小沢氏は、アメリカに頭をなでられているだろうが、自民党とて、党勢が極端に、減少するとはいえ、アメリカ流な無意味な政権交代(単なるポーズにすぎまい)を実現させた功績で、宗主国アメリカから、絶大な報酬をもらうのではあるまいか。小泉政権で、極端な、従米棄民政策をとらせ、次は、民主党に意味もなく期待して、振れさせる。宗主国と属国支配層は、長らく忍耐をしながら、ようやく恐怖による悪しき選択(実質、選択にはならない)の仕組みを完成させたのだ。

日米支配層は、にこにこしながら、今回の衆議院選挙を見守っているだろう。マスコミには、もちろん、二大政党政権交代というくだらない念仏を唱えるよう命じながら。

所詮、普通の人々は、そういうプロパガンダにまんまとのせられるということだろう。小泉911選挙の時には、『B層』という、うまい表現があった。

評論家の故大宅壮一は、『一億総白痴』なる言葉を作り出した。生きていれば、『一億総B層』といったかも知れない。太鼓持ちタレントである彼の娘が言うはずなど全くないが。

本当に政治の行方を考えて投票したのかどうか知らないが、長らく一貫して、自民党を支持してきた大多数の国民が、今度は、どっと(スタンピード現象?)民主党に投票するだろう。小泉・竹中破壊政策を強行すれば、やがて人心が離反するのは、猿でもわかる。その離反を、本質的に制度を改変するような勢力にはむけず、お仲間の中でたらい回しする、インチキ「二大政党間の政権交代」を、支配層は見事に作り上げた。民主党が、またひどい政策をとると、民心は離れ、「やはり自民党だった」となるだろう。今の民主党へのスタンピード現象を見て、米日支配層・マスコミは、「してやったり」とほくそえんでいるだろう。

国家の品格』という本の中にあった

国民は永遠に成熟しない。....成熟した判断が出来る国民という民主主義の暗黙の前提は、永遠に成り立たない。放っておくと、民主主義すなわち主権在民が戦争を起こす。

という部分、その通りではなかろうか。

日本の国民・庶民にとっての本当の地獄は、米日支配層が作り上げた、二大政党(実質は派閥)が定着し(いや派閥の大連立かも知れない)から始まるだろう。小泉生活破壊政治など序の口だった、と思い返す日が、きっとくるに違いない。ただし、そう自覚するのは、全て廃墟となった後のこと。いわゆる「後の祭」。

属国日本が属国ホンジュラスと同じになっては困るが、いつか、大陸移動で、中南米に続けば、目をさます可能性もあるだろ。それには気の遠くなるような地質学的な時間が必要だ。

無限に遠い未来、我々が消滅した後、大陸移動で、つながれば、せめて魚や獣だけは中南米と同じレベルになれる可能性はあるだろう。

2010/5/7追記:

Diamond Online特別レポート【第47回】 2010年5月7日
独占インタビュー
元CIA顧問の大物政治学者が緊急提言
「米軍に普天間基地の代替施設は必要ない!
日本は結束して無条件の閉鎖を求めよ」

 チャルマーズ・ジョンソン 日本政策研究所(JPRI)所長

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コメント

以前に書かれた記事を、タイムリーにTBいただき、ありがとうございました。
シリーズは、今日を最終回にするつもりです。
今後ともよろしく。

           ましま

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