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2009年7月19日 (日)

ワシントンご指名のホンジュラス・クーデター調停者 オスカル・アリアスとは何者?

wsws.org

Bill Van Auken

2009年7月11日

コスタリカ大統領オスカル・アリアスは、追放されたホンジュラス大統領マヌエル・セラヤと、彼を打倒した軍事クーデターの指導者たちとの和解を調停するには、理想的な選択肢だと、アメリカのマスコミによって、もてはやされている。

アリアス・プランとして知られるようになった、いわゆるエスキプラスII和平合意を実現へと導いたことへの褒賞として、ノーベル平和賞を1987年に受賞したことで、彼は称賛されている。この合意は、ニカラグアのサンディニスタ政府の破たん、エルサルバドルのファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)ゲリラの武装解除、そして、両国における、ワシントンと緊密に提携した政府による政権掌握の基盤となった。

コスタリカで最も裕福なコーヒー農園のひとつに生まれた、現在68歳のアリアスは、大統領フィゲーレス“ぺペ”フィゲーレスの顧問として政治活動を開始した。コスタリカの主要政党である国民解放党(PLN)の創始者フィゲーレスは、1948年の内戦で勝利し、権力の座についた。内戦では、保守的なブルジョア政府と連合した、スターリン主義者のパルティード・ヴァングァルディア・ポプラール(人民前衛党)に組織された軍と民兵に対し、彼は、コスタリカの右派と、社会民主党と連合した反政府軍を率いた。

フィゲーレスは、彼の“リベラル”という反共性についての信任により、CIAの支持と、資金援助をかち取った。中南米で、偽装団体をたちあげるために、長年の工作員コード・ マイアーと密接に協力した。

アリアスは、PLN指導者として、フィゲーレスの後を継ぎ、1986年、初めて選挙で選ばれた大統領となった。一年後、彼はエスキプラスIIの中米五カ国の大統領による批准の功績があると見なされ、ノーベル賞を授与された。

わずかに、あと二人だけ生存している条約署名者、ニカラグアのダニエル・オルテガと、グアテマラのビニシオ・セレソは、いずれも、アリアスの功績とされるものに激しく異議を唱え、「アリアス・プラン」等と言うものは存在せず、アリアスが大統領に選出される前に、セレソがイニシアチブを発揮したのだと非難している。

エスキプラス20周年記念として、ニカラグアのあるラジオ局でおこなったインタビューの中で、セレソもオルテガも、和平交渉におけるアリアスの主な役割は、協定をサンディニスタ政府に対する最後通告に変えようとする企みで、ニカラグアを交渉から締め出すべく、ワシントンと「共謀」することだったと非難した。

遂には、サンディニスタも、アメリカの支援を受け、ニカラグア国民に対し戦争犯罪を実行したコントラ・ゲリラに対し、大赦を行うエスキプラスに屈し、右派野党の勝利を確実にするため、ワシントンが、何百万ドルも注ぎ込むことや、他の秘密支援をする行動の自由も認められた選挙に合意した。同様に、FMLNは、その指導者たちが、ゲリラからブルジョア政治家や国会議員に変貌することを可能にする和解に合意した。

アリアスは、アメリカ帝国主義に捧げた貢献により得たノーベル平和賞、つまりヘンリー・キッシンジャーに与えられたのと同じ賞を運用して、個人的な財産と、世界的「政治家」という名声を作り出した。

彼自身、2006年大統領選挙に、もう一期出馬できるよう、司法上の浅ましい策略を駆使して、コスタリカ憲法改訂を、なんとかやりとげている。このエピソードを巡っては、ワシントンや、アメリカのマスコミで、抗議の声は全く起きなかった。

ホンジュラスのクーデターを支持したのと同じ、多国籍企業と、中米の大事業家連中からの政治的、財政的支援により、アメリカ合州国との自由貿易協定を実現するという目標を持って、アリアスは大統領の座についた。2007年10月、中央アメリカ自由貿易連合(CAFTA)加盟を、国民多数からの猛烈な反対を押し、ごく僅差で実現することに成功した。

クーデター指導者と追放されたホンジュラス大統領との間の調停者という役割をつとめてはいるものの、アリアスは隣国政府の崩壊を事前に知っていたという指摘もある。クーデター政権の外務大臣に任命されたエンリケ・オルテス・コリンドレス(彼は、人前でオバマのことを、“ese negrito que no sabe nada”と呼んだ後、今週辞職を余儀なくされた。この発言「何も知らないこのチビクロ」というような感じに訳せる)行動を起こす前に、クーデター指導者が、アリアスに相談していたと、BBCに語っていた。

「オスカル・アリアス大統領は、事前に聞かされており、惨事を避けるべく、彼を受け入れることに同意していた」とオルテスは語っていた。

アリアスが、クーデターの匿名パートナーであろうとなかろうと、彼の長い経歴を考えれば、彼ならワシントンの忠実な召し使いであることを、再び証明してくれるに違いないという確信を持って、アメリカ国務長官ヒラリー・クリントンが、彼を調停者として指名したことは疑いようがあるまい。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2009/jul2009/aria-j11.shtml

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コスタリカは、人口400万人

日本は、人口1億2776万人

コスタリカには軍隊がない。世界遺産のココ島に、アメリカ軍が駐留している。

日本には軍隊があり、アメリカの傭兵として世界各地で活用され始めている。首都圏を含む日本各地の巨大な基地にアメリカ軍が駐留している。特に、世界遺産もある沖縄には、特別に広大なアメリカ軍基地・施設が多数ある。

「軍隊がない国」としてしか知らなかった。思わず、日本を描いたガバン・マコーマック著『空虚な楽園』(品切れ?)を思い出した。

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