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2009年6月22日 (月)

イラン大統領選挙抗議デモは、アメリカが仕組んだ新手の「カラー革命」?

Paul Craig Roberts

2009年6月20日

"Information Clearing House"

多数の評論家は、テヘランのムーサビーや、モンタゼリや、西欧化した若者たちの純粋さ、という理想主義的な信念への信頼を表明している。二年前(下記参照)発表されたCIAの不安定化計画、展開しつつある出来事によってお釈迦になっているようには見えない。

全投票を開票するには早すぎる時期に、選挙結果が発表されたのだから、アフマディネジャドが不正な選挙で勝利したのだと主張されている。だが、ムーサビーは彼の勝利を投票終了の数時間前に宣言したのだ。これは、不利な結果の信用を傷つけることを狙った典型的なCIAの不安定化策だ。それは早めの選挙結果発表を強いるものだ。先手をとった勝利宣言から、開票結果発表までの時間が長ければ長いほど、当局がその時間を、投票結果に不正工作をするのに使ったという印象を、生み出すのにムーサビーが使える時間が長くなる。人々がこのトリックを見破れないのは、驚くべきことだ。

選挙は不正だったという大アヤトラ、モンタゼリの主張に関して言えば、彼は当初ホメイニの第一後継者だったが、現在の最高指導者に破れたのだ。彼は、抗議デモを、ハメネイに仕返しする好機と見たのだ。不満を抱いている政治家を見事に操って来た歴史を誇るCIAに、彼が操られていようといまいと、モンタゼリには、選挙無効を言い立てる動機がある。

アヤトラの間で権力闘争がおきているのだ。アフマディネジャドが自分たちの腐敗を攻撃するので、多くのアヤトラは反アフマディネジャドで連携しており、アヤトラの生活様式は、権力と金が行き過ぎた状態を示すものだと考えている、地方に暮らすイラン人に受けようと狙っている。私の考えでは、アフマディネジャドのアヤトラ連中攻撃は、日和見主義的だ。とはいえ、すると、アメリカで中傷する連中が、彼はアヤトラ連中と同盟した保守反動だと言うのは奇妙なことになる。

評論家達は、イラン大統領選挙を、自分たちの抱く幻想、妄想、感情と、既得権益に基づいて"説明"しているのだ。アフマディネジャドの勝利を予言する選挙結果が信頼できようとそうでなかろうと、今のところ、選挙は不正工作されたという憶測以上の証拠はない。一方、CIAが二年間にわたりイラン政府を不安定化させようと工作してきたという信頼できる報告がある。

2007年5月23日、ブライアン・ロスとリチャード・エスポジトは、ABCニューズでこう報じた。「CIAは、イラン政府を不安定化させる秘密「ブラック」作戦を開始する、秘密の大統領承認を得たと、諜報関係の現行および元職員がABCニューズに語った。」

2007年5月27日、ロンドン・テレグラフは独自にこう報じた。「宗教指導者達による神権統治体制を不安定化させ、最終的には転覆させることを狙った、CIAのプロパガンダ・偽情報キャンペーン計画を是認する公式文書に、ブッシュ大統領は署名した。」

それより少し前の2007年5月16日、ブッシュ政権のネオコン戦争屋ジョン・ボルトンが、テレグラフ紙に、アメリカ軍のイラン攻撃は“経済制裁や、大衆による革命を醸成する企みに失敗した場合、「最後の選択肢」になるだろう”と語ったとテレグラフ紙は報じた。

2008年6月29日、シーモア・ハーシュはニューヨーカーに書いている。「現行、および元の軍、諜報、および議会関係者によると、昨年末、議会は、対イラン秘密作戦を大幅にエスカレートするために、資金を出すというブッシュ大統領の要求に同意している。大統領が400万ドルを要する、これら作戦は、ブッシュが署名した大統領所見の中で、イランの宗教指導者層を不安定化させるべく計画されていると書かれている。”

テヘランの抗議デモに、心からの参加者が多数いたことは疑うべくもない。しかし、抗議デモは、CIAが仕組んだグルジアやウクライナでの抗議デモの特徴を共有している。すっかり目をつぶらない限り、これが見えないはずがないのだ。

ダニエル・マカダムは、重要な指摘をしている。 http://www.lewrockwell.com/blog/lewrw/archives/027782.html たとえば、ネオコンのケネス・ティンマーマンは、投票日前日に、「テヘランでは‘緑の革命’が語られている。」と書いていた。これが仕組まれた出来事でないのなら、一体どうやって、ティンマーマンがそれを知ることができたのだろう? 投票前に、特にもしムーサビーと彼の支持者が、彼らが主張する通り、勝利を確信していたのであれば、何故‘緑の革命’が準備される必要があったろう? これは、アメリカが選挙結果への抗議行動に関与している確定的な証拠のように思える。

ティンマーマンは、更に書いている。「全米民主主義基金は、‘カラー’革命推進のために、何百万ドルも費やしてきた . . . そうした資金の一部は、全米民主主義基金が資金援助している、イラン国外の非政府組織と関係がある親ムーサビー派の手に無事渡ったようだ。」ティンマーマン自身のネオコン・デモクラシー財団は、「イランにおける、デモクラシーと国際的に認められている人権の標準を推進するため、全米民主主義基金 (NED)の助成を得て、1995年に設立された私的な非利益組織」だ。

記事原文のurl:informationclearinghouse.info/article22875.htm

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同じ著者による別記事(英語)

Iran Falls to US PSYOPS

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日本の選挙でも、万一、自民党、公明党、民主党以外の第三政党が、余りに多い議席を得る結果になれば、同じ作戦が必ず発動されるだろう。もちろん世界一飼い馴らされた属国で、その可能性は、99.99%ありえない。

70年代、過激学生運動が日本で勃興したのも、国民を巻き込む本格的反安保運動を二度と起こさせないようにするための予防作戦だったのではないだろうか、と妄想している。

ホメイニ廟自爆テロのニュースをきくと、益々こうした説の信ぴょう性が増すように思えてならない。

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