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2009年6月 4日 (木)

オバマの大奇術

Yvonne Ridley

2009年6月2日

Information Clearing House

皆様方のうち、一体どれだけの方が、アメリカの新指導者が、実に政治上のフーディーニであることにお気づきになっておられるだろう。... 彼は大統領レベルの奇術師(イリュージョスト)なのだ。

我々が注視する中、彼は、穏やかで、知的で、強力な人権の擁護者から、暗殺を支持し、いとも気軽に先制攻撃を命じる、戦争を挑発するごろつきへと変身したのだ。

ジョージ・W・ブッシュが、本当の狙いを思い切って公表し、イラクを侵略し、数千人のアメリカ兵の命を犠牲にし、無数の民間人を虐殺した戦争で、300万人の人々を追い出すまでには何年もかかった。

一方、口の達者なオバマは、パキスタンに対する違法な戦争を始めることによって、同じ目標を、ホワイト・ハウス入りしてわずか数ヶ月のうちに達成した... ただし、彼は自らのアメリカ軍ではなく、人さまの軍隊を利用しているのだが。

彼は、ホワイト・ハウスの前任者の倍、賢く、はるかにずっと破壊的だ。オバマは、おそらくは、世界でも最も巧妙な操り人の一人であり、これまでで最大の彼の大奇術は、国民とマスコミを欺いていることだ。

安い外注軍事労働として、パキスタン軍をずうずうしく利用しながら、何百万ドルもの援助と、世界最大の軍事機構による支援の約束で、パキスタン指導者アシフ・アリ・ザルダリを誘って、ほとんど催眠状態のまま、どうすることもできない状態に追い込み、まるでアニメの一時停止状態にしている。

むろん、大統領として、国や国民が望んでいる威厳をもって行動するのではなく、奇術師の助手であるかのように使われてしまっているザルダリにも責めるべきところはある。

オバマは、前任者よりもはるかに破壊的であり、しかも、ナイス・ガイから、何かずっと不気味なものへの彼の変身は、豊穣で、滑らかな、魅惑的な彼の口調から発散される強力なカリスマに酔いしれているかに見える世界中のマスコミから、ほとんど気づかれないままに過ぎた。

グアンタナモを閉鎖し、軍事法廷を終わらせ、2001年以来、前政権の対テロ戦争の拷問と虐待をビデオや映画として記録した、不名誉の記録を丸ごと公開する等の約束を、彼は既に破っている。

元グアンタナモ抑留者モアッザム・ベッグは、オバマ大統領の180度転換の一つを巡り、最近こう発言している。「オバマ大統領は最近、CIA工作員の免責を認めた ... もし、失敗したものごとの理由を知りたいという願望が、「国家安全保障上の配慮」という名目のもとで、これほど大胆にもみ消されてしまうのなら、こうしたことに際限がなくなる。そして主戦論者たちは、別の醜悪で犯罪的な隠ぺい工作で、またもや逃げおおせるのだ。」

グアンタナモの恥ずべき監獄を消滅させる権力がオバマにはあるため、世界中の人権活動家達は、キューバ、バグラムや他の場所にある監獄が、パッと開放されるのをここ数週間、息をのんで待ち構えていた。

マスコミにとって、自社の記録保管所をちょっと調べ、選挙遊説にした約束をオバマに指摘し、責任を課するのに、はたして、それほど手間がかかることだろうか? ホワイト・ハウス・ウェブでの最初の約束は、自分の政権はアメリカ史上、最も透明性の高いものになるというものだった。不幸にも、こうした壮大な発言、決して、実行されていない。

しかし、このマスコミの健忘症、あまりに好都合すぎるではないか。18ヶ月内に、イラクから、全戦闘部隊をアメリカに帰還させるという彼の決意に一体何が起きたのだろう?

テレビ放映された大統領候補討論会で、オサマ・ビン・ラディン逮捕は「我々にとって最大の国家安全保障上の優先課題」だと発言していたたではないか、と指摘する覚悟があるホワイト・ハウス番記者はいないのだろうか? おそらくはオバマの催眠作用が、連中のコンピューターのハードディスク・ドライブと、メモリーを消去してしまったのだろうが、彼のアメリカの全軍最高司令官としての最初のTVインタビューを聞けば、オサマは単なるシンボルどころではないと彼は発言しているのだ。

彼の実際の発言はこうだ。「彼は、アメリカ国内の標的に対して、攻撃を計画している組織の作戦指揮者でもある」そして「アルカイダを撲滅する上で、ビン・ラディンの逮捕、あるいは殺害は、極めて重要な部分である。」とも言った。

オサマを捕まえるつもりだと発言して、無教養な白人労働者の多い南部の票を確保したオバマは、今や、「アメリカを守るという我々の狙いを達成するのに」アルカイダの親玉を殺害したり、逮捕したりすることはもはや不要となった、と言っている。

とはいえ、アルメニ系アメリカ人は、それほど騙されやすくなく、最近のトルコ訪問で、アメリカ大統領が、またもやお得意の早変わりを易々と演じたのを見て、恍惚状態から目覚めたむきがかなりいた。

「大統領として、私はアルメニア人虐殺問題を認知するつもりだ」と、彼は選挙キャンペーン中に、はっきり堂々と宣言していたのだが、トルコ到着時、この大いに微妙な話題について尋ねられると、ブツブツ言っただけ。「私の考え方は公式に記録にされており、誰もが私の考え方を知っている。」そして過去の発言を詳細に述べることを拒否した。

「日光は最高の消毒薬だ」と、オバマはホワイト・ハウスの鍵を手に入れる前に語っていた。アメリカ大統領が、世界という舞台で、脚光を浴びながら、演じるのを見ていると、何か暗闇のようなものが、大統領の影でコソコソうごめいているのが見える理由は、これかも知れない。

新大統領の魔法にかからない人々も多少はいる。彼らも、私のように、羊の衣はもはや消え去り、今や危険な狼が、連邦議会、政治権力の中心を、闊歩している、と思っているのだろう。

近頃ホワイト・ハウスでは新たな出し物が演じられており、ハリー・フーディーニは、命知らずの脱出劇や手品を演じて、名声を確立したのだが、彼の政治上の分身、確かに、闇の芸術と集団幻想の名人であるに違いない。

この大統領、人々を魅惑する人物から、危害を与える人物へと変身したのに、ほとんどの人がそれに気づいていないのだ。

ジャーナリストYvonne Ridleyは、人権団体ケージ・プリズナーズ www.cageprisoners.com後援者、政党RESPECTメンバーで、Press TVの政治番組The Agendaの司会者でもある。

記事原文のurl:informationclearinghouse.info/article22753.htm

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属国の元変人首相の演技を、さらに拡大した、宗主国アメリカ版?

共和党のブッシュ大統領から、民主党のオバマ大統領に、「チェンジ」した。

「継続は、チェンジだ。」「戦争は、平和だ。」「侵略は解放だ。」とばかりに、前政権以上に、戦争を継続・拡大し、日本からは、金をまきあげるだけでなく、ソマリアへ派兵を命じている。

属国日本の衆議院選挙で、仮に自民党・公明党から、民主党に政権が変わっても、宗主国と同様、庶民は裏切られるだけの結果になるのは明白。911小泉目くらまし選挙の焼き直し。

日本における無差別「政権交代原理主義」、疫病蔓延状態。豚インフルエンザより恐ろしい。

インフルエンザ、所詮は一時的なもの。体の不調をまねくだけ。

えせ二大政党間政権交代、疲弊した社会が永続的に破壊される。完全属国化に向かって。

オバマの『動物農場』: より大規模で残酷な戦争は、平和で公正だ。

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