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2009年5月18日 (月)

オバマの『動物農場』: より大規模で残酷な戦争は、平和で公正だ

Prof James Petras

Global Research

2009年5月17日

デルタ部隊の連中は、精神病者だ。…デルタ部隊で服務するには、折り紙付きの精神病者でないといけない…」、フォート・ブラッグ基地の、ある陸軍大佐が、1980年代、私にそう言ったことがある。今や、オバマ大統領は、最も悪名高い精神病者スタンリー・マクリスタル中将を、アフガニスタンにおける、アメリカとNATO軍司令官に昇進させたのだ。マクリスタルの昇進は、裁判なしの暗殺、体系的拷問、一般市民社会への爆撃、そして、索敵殲滅作戦を遂行する特殊作戦チームを指揮する上で、彼が果たした重要な役割によって特徴づけられる。彼は、軍主導の帝国形成にともなう、残虐さと血糊の権化まさにそのもの。2003年9月から、2008年8月まで、マクリスタルは、外国での暗殺を行う特殊部隊を運営する、ペンタゴンの米統合特殊作戦コマンドを指揮していた。

「特殊作戦」チーム (SOT)の要は、民間人と反対勢力軍を、活動家とその同調者や、武装反抗勢力を、区別しないことにある。暗殺隊を作り、民兵部隊を採用し、訓練し、アメリカ属国政権に反対するコミュニティー、地域、社会運動を威嚇することが、SOTの専門だ。SOTの「テロ対策」なるものは、アメリカの代理人と、武装抵抗勢力との間にたつ、社会-政治集団に焦点を当てる裏返しのテロだ。マクリスタルのSOTは、イラク、アフガニスタンやパキスタンの、現地反抗勢力指導者を、奇襲攻撃や空爆による、標的としてきた。過去5年間にわたる、ブッシュ-チェイニー-ラムズフェルド時代に、SOTは、政治犯や容疑者の拷問に深く関与していた。「特別任務部隊」の「直接行動」部隊責任者だったために、マクリスタルは、ラムズフェルドとチェイニーの大のお気に入りだった。「直接行動」工作員は、暗殺隊であり、拷問人であり、現地住民に対する彼らの唯一の関与は、威嚇することであって、宣伝活動ではない。彼らは「死のプロパガンダ」に従事し、現地の指導者達を暗殺して、占領に服従、屈伏するよう現地人を「教えこむ」のだ。オバマがマクリスタルをトップに任命したことは、アフガニスタン中で広がっている抵抗に直面して、アフガニスタン戦争を、新たに大規模に軍事エスカレーションすることを反映している。

アメリカの立場が悪化していることは、アフガニスタンの首都カーブルに出入りする全ての道路を巡る円陣が強化されていること、パキスタン-アフガニスタン国境全域にわたるタリバンの支配と影響力の拡大から、歴然としている。オバマは、新たなNATO増派を期待することができないので、軍主導型の帝国を推進するためのホワイト・ハウス唯一の望みは、アメリカ兵士の人数を増やし、アフガニスタンの武装反抗勢力によって支配されている地域のあらゆる、全ての疑わしい民間人の殺傷率を高めることしかない。

ホワイト・ハウスとペンタゴンは、マクリスタル任命は、現地状況の「複雑さ」と、「戦略変更」の必要性によるものだと主張している。「複雑さ」というのは、伝統的な絨毯爆撃と軍事掃討作戦を困難にしつつある、民衆の対アメリカ抵抗が増大していることの婉曲表現だ。マクリスタルが実施する新戦略は、武装抵抗勢力に支援体制を提供している、現地の社会ネットワークや共同体の指導者を壊滅し殺害する、大規模で長期的な「特殊作戦」を伴うのだ。

(特に「特別部隊」の指揮の下での)アメリカ兵士による囚人の拷問と「尋問」に関わる多数の写真記録の公開を阻止するというオバマの決断は、イラクにおいて広く行われていた拷問にかなり深く関与していた「SOT」部隊を指揮していたマクリスタルを任命したことと直接関連している。同様に重要なのが、マクリスタルの指揮の下で、DELTA、SEAL、および、特殊作戦チームが、新たな「対テロ戦略」において、より大きな役割を担うだろうことだ。こうした写真を公開すれば、「兵士達」に対して逆効果になるという、オバマの主張には、特別な意味がある。ブッシュ大統領の下での過去5年間にわたるマクリスタルの手口が、画像で暴露されると、オバマの下で同じ作戦を遂行する上で、彼の有効性が損なわれてしまうのだ。

グアンタナモ監獄に抑留されている外国人政治犯の秘密「軍事法廷」を再開するという、オバマの決断は、オバマが、大統領選挙キャンペーンの間、非難し、無くすと約束していたブッシュ-チェイニー政策の単なる再演ではなく、国を軍事化するという彼のより大規模な政策の一部であり、アメリカ国民に対して行われる大規模な秘密警察監視作戦を彼が承認したこととも、合致する。

マクリスタルを、拡大版アフガニスタン-パキスタン軍事作戦の責任者に据えるということは、軍事テロ、つまり、アメリカ政策に対する反対者への拷問と暗殺の、悪名高い実践者を、アメリカ外交政策の中心に据えるということだ。オバマによる南アジアにおけるアメリカの戦争の量的、質的拡大は、自分たちの農場、家、村の破壊から逃れる膨大な人数の難民を意味する。何万人もの民間人死者と、共同体丸ごとの根絶だ。こうしたこと全てが、「魚(武装反抗勢力と活動家)を獲るべく、湖を空 (カラ)にする(住民全員を強制退去させる)」作戦を進めるために、オバマ政権によって行われるのだ。

オバマが、最も悪名高いブッシュ時代の政策を全て復活させ、ブッシュの最も残酷な司令官を任命したのは、軍が主導する帝国形成というイデオロギーを、彼が全面的に奉じていることによるものだ。アメリカの権力と拡張は、軍事征服と対ゲリラ作戦に基づくものだと、(オバマのように)一度思い込んでしまえば、ほかのあらゆるイデオロギー的、外交的、道徳的、経済的配慮は、軍国主義に従属させられてしまう。あらゆる資源を、軍事征服の成功に集中することにより、アメリカ財務省やアメリカ国内経済の復興を対象に、国民が負担すべき費用に対しては、わずかな注目しか集まらなくなる。これも始めから明らかだった。大規模な景気後退/不況で、何百万人ものアメリカ人が職や家を失うさなか、オバマ大統領は軍事予算を4%も増大し、予算は8000億ドルを超えた。

オバマが軍国主義を奉じていることは、NATOが、更なる戦闘部隊の増派に反対しているにもかかわらず、アフガニスタン戦争を拡大するという彼の決定からも明らかだ。一番の強硬派で、ブッシュ-チェイニー時代の悪名高い特別部隊司令官を、アフガニスタンやパキスタン辺境地域を鎮圧する軍事司令部のトップに任命したことで、それは明白だ。

ジョージ・オーウェルが『動物農場』で描いたのと全く同じだ。民主党の豚たちが、今や、前任者の共和党食用豚と全く同じ、残酷な軍事政策を推進しているのだ。ただ今度は、国民と平和という名の下で。オーウェルなら、バラク・オバマ大統領の政策を、「より大規模でより残酷な戦争は、平和と公正である。」と言い換えたかもしれない。

James Petrasは、Global Researchの常連寄稿者。James Petrasによる、Global Research記事。


 

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© Copyright James Petras, Global Research, 2009

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=13644

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1945年に刊行されたイギリス人作家ジョージ・オーウェルの寓話小説『動物農場』では、「荘園農場」で、家畜を搾取していた持ち主のジョーンズ氏を、豚の指揮のもと、家畜たちが追い出す。しかし、革命の陶酔も長くは続かず、豚が家畜を支配して、人間と取引を始め、甘い汁をすうようになる。農場は人間が支配していた時代以上に、家畜にとって過酷なものとなる。

同じジョージ・オーウェルの『1984年』という、1948年に執筆された小説は、永久に戦争が続く、まさに現代のような状況を描いている。その小説の中で、使われる有名なスローガンは、『戦争は平和である。自由は屈従である。無知は力である。』

オーウェルは、第二次世界大戦時、イギリスBBCで、戦争プロパガンダ番組を作成・放送していた。メディア・プロパガンダの先駆者の一人だろう。

上記記事、『動物農場』同様、現代アメリカでも、主人の交代で庶民の暮らしは良くならないこと、つまり、

「ブッシュ共和党の後、オバマ民主党により、戦争はますます過酷になって行く」ことを端的に示している。

アメリカでは、『動物農場』学校の授業で習う、誰でも知っている小説らしいが、知っていることと、それを避けることは、全く別なのだろう。

庶民にとって意味ある選択肢を無くすため、宗主国と同じ二大政党システムを導入すべく、小選挙区制度を実現したのが小沢元代表。今度こそ、民主党の選挙担当、代表代行として、「民主党」で政権を獲る可能性は高い。

だが属国政治が、宗主国のエミュレーションの域から脱することは決してありえない。

「自民党・公明党連立政権の後、民主党(・xx党連立?)政権により、テロ帝国による戦争への属国の加担はますます過酷になって行く」に違いない。

民主党の長島昭久議員が、対ソマリア海賊派兵を最初に提案したのだ。
民主党小沢元代表が、アフガニスタンのISAF参加を主張しているのだ。
民主党鳩山代表が、憲法9条の破壊を早速示唆しているのだ。

従米自民党とどこが違うだろう。

民主党が、自民党・公明党より、対米自立を主張、実践してきた事実は皆無だろう。

昔、戦争突入をあおったマスコミが、また同じ目的で、何をいうのにも驚かない。しかし、多数のブロガーが、小沢支持一辺倒、民主党による政権交代原理主義者でおられるのは、実に何とも不思議なこと。

小泉911選挙の焼き直し、飛んで火にいる夏の虫。小泉自民党・公明党に投票して、セーフネットをはずされたことをお忘れのようだ。再び、庶民は騙され、宗主国と同じ、庶民にとって利益のない、二大支配政党論に取り込まれる。こうして、属国戦争遂行体制は作られて行く。

「戦争に良い戦争と悪い戦争がある」「一国平和主義は無責任だ」という類の、憲法破壊の主張、

  • 分かっていて主張していれば、戦争で儲かる宗主国の回し者か、死の商人・武器業者、
  • 騙されて主張していれば、いわゆるB層。

一般庶民にとって、良い戦争などあろうはずがない。戦争は皆悪いのだ。悪い平和なら、あるいは、あるかも知れないが、庶民にとっては、必ずや、良い戦争・悪い戦争よりましだろう。

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