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2009年4月17日 (金)

グルジア: 大衆の抗議デモ、カフカスにおける政治危機を浮き彫りに

wsws.org

Markus Salzmann

2009年4月15日

先週末以来、グルジアの首都トビリシでは、ミヘイル・サーカシビリ大統領の退陣を求める、数万人の抗議デモ参加者により、一連のデモが行われている。金曜日、グルジア最大の港バトゥミで、数千人が抗議デモを行った。

サアカシュヴィリと その親西欧政府を、アメリカとヨーロッパ大国の支持で、権力につけた2003年のいわゆる“バラ革命”以来、最大の抗議デモだ。

抗議デモ参加者は、国家の長には、昨年8月の対ロシア戦争の結果に責任があると考えている。アメリカ支援を得て、グルジアは、南オセチア共和国に軍隊を送り込み、in an action南オセチアの首都ツヒンバリを大きく破壊した作戦を遂行し、何百人もの死傷者を生みだし、何万人もの南オセチア人に、国境を越え、隣国ロシアへの逃亡を強いた。これに対応して、ロシアは軍隊を送り込み、グルジア軍を地域から追い出した。グルジアの侵略後、アブハジアと南オセチア地域は、モスクワにより、独立したものと承認された。

サアカシュヴィリは、今や旧ソ連共和国に全力で襲いかかっている経済危機に対し、不適切な対応をしていることも、反対派から、非難されている。更に、反対派は、グルジアという国のあらゆるレベルでみられる、おびただしい種類の腐敗も批判している。

野党側は、サアカシュヴィリが退陣するまで、抗議デモを継続すると発表している。大統領としては、2013年に予定されている選挙までは、職にとどまるという決意を明らかにしている。

サアカシュヴィリは、450万人のグルジア国民の間で非常に不人気で、いかなる反対も、厳重に取り締まる流儀をとってきた。2007年11月、政府は、平和的なデモを強制的に抑圧し、グルジア全土に戒厳令を発令した。国軍が政府に批判的な民営放送局イメジTVを含む幾つかの放送局を急襲し、閉鎖させた。およそ600人の抗議デモ参加者が、当時、警察によって入院させられた。昨年、グルジアの放送規制委員会は、マエストロ・テレビ局が、政治番組を放送するのを禁じた。

一方、貧困は国中に広まったままで、サアカシュヴィリが、前任者エドアルド・シュワルナゼから、政府を引き継いで以来、事態は進歩していない。国民のほぼ半数は、最低生活線以下で暮らしており、大半の家族が、外国に出稼ぎに出ている親戚からの送金に頼っている。年金の平均は、約20ユーロだ。この国は、近年9パーセントの経済成長という実績をあげながらも、失業率は高いままで、首都でおよそ40パーセントだ。

とはいえ、右翼的で、腐敗した政府に対する、国民の様々な層の正当な怒りには、抗議デモという歪んだ表現形式しか捌け口がないようだ。抗議の背後にあるのは、主として、サアカシュヴィリの元支持者から取り込んだ、反対する人々の同盟だ。

最も顕著な人物には、ニノ・ブルジャナゼ(元国会議長)、イラクリ・アラサニア(元国連大使)、サロメ・ズラビシビリ(元外務大臣)、ズラブ・ノガイデリ(元首相) そして、イラクリ・オクルアシビリ(元国防相)らがいる。

彼らは全員が、親西欧で、新自由主義的政策の支持者だ。サアカシュヴィリの政治に対する、彼らの主な批判は、大統領が、十分な気力をもって、グルジアの利害関係を守ることをし損ねているというものだ。

元国連大使で、アブハジア亡命政府の元首相は、この点を極めて明確にした。彼は公的にアブハジアと南オセチアという分離主義者の地域の喪失を非難し、モスクワに対するグルジアの妥協なき政策を要求している。

元国会議長ブルジャナゼは、また極めて反ロシア的な姿勢をとっている。「我々は、領土の20パーセントを失った。この国は経済と政治的困難に直面する国になってしまった。またもやロシア軍事基地だ。」オーストリアン・スタンダードとのインタビューで、彼女はこう発言した。抗議デモの時期すらも、グルジアの独立を求める抗議が、ソ連軍によって粉砕された20周年と重なるよう、仕組まれていた。

昨年まで首相で、グルジアの南オセチア侵略に際して、サアカシュヴィリ大統領の背後にしっかりと立っていたノガイデリも、今やかつての導師のことを、「犯罪人」。チャチバイア大将が最近辞任し、サアカシュヴィリが、軍内部からの反対にも直面していることが明らかになっている。

元アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュが、“デモクラシーの指針”だと称揚した「バラ革命」の本当の実態を、今の状況があからさまにしている。グルジアにおける最近の展開は、ワシントンとブリュッセルが、多くの東欧諸国でひき起こした、様々な名で呼ばれた革命が、デモクラシーとは無関係だったことを示している。そうではなしに、対抗する政治党派が、関連した国々の大衆に大変な犠牲を強いながら、影響力と権力を求めて戦ったのにすぎない。

アメリカ、欧州連合加盟諸国も、ロシアも、今や状況をなんとかエスカレートさせないように努めている。先週始め、ロシア外務省次官グリゴリー・カラシンと、在モスクワ・アメリカ大使ジョン・バイアリーが、グルジアの悪化しつつある状況と、高まる抗議の波について会談した。南オセチアとアブハジアとグルジア国境の治安を、いかにして確保するかが、この会談の重要な議題の一つだった。

ヨーロッパ大陸の東半分全域で高まる抗議を背景に、西欧の有力諸国とアメリカは、現在自制し、節度を求めている。彼らは、この抗議が、極めて急速に、この地域の脆弱な政府では統制しきれない大変な事態になりかねないことを十分承知している。先週も、モルドバ共和国で、警官と、政府の退陣を求めるデモ参加者の間で、暴力的な衝突があった。

グルジアにおける、政治状況の激化は、あきらかに、この国の悪化しつつある経済的衰退と結びついている。グルジアは、昨年末以来、経済の急激な悪化を味わっている。2008年の最終四半期、経済成長は、2007年の7パーセント以上から、わずか2パーセントへと落ち込んだ。

サアカシュヴィリの元で、外国人投資家をひき寄せることを狙った無数の改革が実施された。企業税は大幅に引き下げられ、外国資本に対する制限は、かなりwaived。世界銀行が行った、世界各国の「対事業-好意度」の度合いを測定する世論調査では、グルジアは、2005年の112番目から、2008年には15番目へと急上昇した。2007年、経済に対する直接投資は、国民総生産のおよそ20パーセントにものぼった。

国際的な金融危機の結果として、そうした投資が枯渇することにより、グルジアや、他の多くの東欧諸国における経済崩壊がひき起こされた。9月にIMFは、グルジアに対し、7億5000万ドルのクレジットを供与することに合意した。しかしながら、この金額は、経済の安定性を保証するのに十分ではないことは、既に明白だ。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2009/apr2009/geor-a15.shtml

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タイや、東欧やら、フランスの大衆運動の記事を読むと、日本に暮らしている人々の多くは、ガラパゴス諸島の絶滅危惧種生物のような、特別な種族なのかもしれないと、妄想してしまう。遺伝子が違うのか、マスコミが強力なのか?中国古典にある、「朝三暮四」的な人種なのかもしれない。

名著『ゾウの時間、ネズミの時間』冒頭にある、「島の規則」と呼ばれる古生物学の法則なるものを読んで以来、頭にうかんだこの妄想が、ずっと消えずにいる。古来「島はガラパゴス化する」もののようだ。

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