水泡と帰したか、カラー革命?
Russia Today
2009年4月10日、03:54
過去十年間の多くの旧ソ連邦諸国とは違い、モルドバにおける野党側による騒乱の場合、何かが根本的に異なっていた。今週のキシナウ(ロシア語ではキシニョーフ)での出来事を、既に革命と見なしている専門家もいる。
専門家は、これを何と呼ぶべきか、今回は失敗ではあるが、もう一つのカラー革命なのかどうか、既に、決定している。
この情勢の変化に対する表現として一番評価が高いのは“Twitter”革命だ。抗議参加者が組織化活動をする上で、インターネットと、テキスト・メッセージ機能が、決定的な役割を果たしていた。名称こそ新しいが、パターンそのものはお馴染みのものだ。
その一: 選挙で、不正をされた-少なくとも、そういうことになっている。
その二: 投票の再集計- ソ連後の諸国で、今や必須の事後処理だ。
違いはなんだろう? 国際監視員たちは選挙は公正だと言い、今回は、指導部の交代だけでは不十分で、抗議デモ参加者は、主権の変更を要求している。
「デモ参加者ですと? 連中は、破壊者と呼びたいが、モルダビアの独立国家としての地位を崩壊させるという考えに取りつかれている」とロシア外務大臣セルゲイ・ラブロフは発言した。
暴動のさなか、ひるがえっていたのは、モルドバの隣国ルーマニア国旗だ。
「我々は、これについて、EUの注意を喚起したが、彼らはこれを非常に深刻に受け止めることを確約しており、ルーマニア国旗やスローガンが、モルドバ政府の状況を崩壊させるための口実に使われるような状況を防ぐべく、この暴力を非難したEUとルーマニア政府が対策をとってくれるよう期待している」と、ラブロフは補足した。
不思議なことに、EUはこの動きをほとんど無視した。過去10年間にわたって、多くの旧ソ連共和国で、カラー革命が起きた。ウクライナ、グルジアやキルギスタンでの革命では、新たなカリスマ的な「西欧指向」指導者が権力を握り、成功として称賛された。
ウクライナには二人もいた。"オレンジ革命"をかきたてた、ヴィクトル・ユシチェンコと、ユリア・ティモシェンコのデュエットだ。
しかし、一年の内に、この二人組は、革命精神を喪失し、対立して、これも問題であることが判明した。
四年後の今、ウクライナが債務不履行の地獄に直面する中でこの二人は、未だに誰が悪かったのか言い争いを続けている。
トビリシには、ミーシャが現れた。ミヘイル・サーカシビリと、彼のバラだ。大統領エドアルド・シュワルナゼの辞任を要求して、何千人ものグルジア国民が街頭にでての、穏やかなデモから始まった。
英語が流暢なサアカシュヴィリが紅潮してこう語った。「我々は平和的だったので、警察は我々を止めなかった。我々は暴力を用いなかった。武器をもっていないことを示すために、我々は両手をあげていたので、警察は我々が[政府の建物]に入るのを放置した。」
四年後、もう一つの穏やかなデモが行われ、何千人もの人々が、またもや大統領の辞任を要求したが、今度ばかりは、サアカシュヴィリも反抗的だ。
バラ革命は、しおれ、かつての仲間が、サアカシュヴィリの仇敵となり、今週の集会で、何千人もまとまり、辞職を要求した。
キルギスタンはビシケクのチューリップ革命の場合、計画通りに花開きはしなかった。
ソ連後の共和国諸国や他の国々で、革命というハンドルを操作していた西欧が、革命運動の指南をしていた、西欧から資金援助を受けているNGOに対し、厳しい措置をとったのだと、専門家は見ている。
ロシア雑誌プロフィール誌のフョードル・ルキャノフは、こう考えている。「これは、当時アメリカ政権の優先課題だった‘デモクラシーの推進’と称する大きな政策の一部でした。この考え方は、アメリカで衰退しはじめ、アゼルバイジャン、アルメニア、グルジアでも、カザフスタンや、モルドバのどこででも、もはや二度目の革命は成功できなくなっているのです。」
「この現象は、ブッシュ政権時代と、大いに関係していたと思います」とルキャノフは言い添えた。
記事原文のurl:www.russiatoday.com/Politics/2009-04-10/Colour_revolutions_come_to_nought.html
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2003年 グルジア・バラ革命
2004年 ウクライナ・オレンジ革命
2005年 日本・郵政911選挙
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