プリマコフ発言: NATOのベオグラード爆撃の後にイラク攻撃が起きた
ボイス・オブ・ロシア
2009年3月24日
北大西洋条約機構によるユーゴスラビア攻撃時、ロシア首相だったエフゲニー・プリマコフは、NATOのベオグラード爆撃がなければ、イラク侵略もなかっただろうと感じている。NATOのベオグラード爆撃10周年のテレビ・インタビューでプリマコフは語った。
ロシアは十年前、西欧のユーゴスラビア攻撃に、はっきり、反対すると言っていたのだ。プリマコフ首相の行動から見て、ロシアの姿勢に対する疑念の余地はない。プリマコフは、十年前の今日、飛行機でアメリカ合州国に向かっていた。最初のベオグラード爆撃を知ってすぐに、彼は、大西洋上空で、引き返すよう命令を出した。このアメリカ行き飛行の中断について、彼はこう語っている。
≪これは、訪問を、激励のしるしと受け止められることを望まない人間にとっては普通の対応です。飛行機で大西洋上を飛んでいる間に、私はアルバート・ゴア副大統領に電話をかけ、彼の国は非常に大きな過ちを犯していると言いました。あなたたちは、今していることを、決してしなければ良かったと、後悔するようになりますよと言ったのです。国連を無視することはできませんよ、と私は言いました。アメリカは今していることをするしかないのだ、と彼は言いました。彼らの決断を説明しようとしたのです。しかし、彼の主張は、現実を反映しそこねていると思いました。そして、訪問予定を組み直すという決定書類で、彼の署名の隣に、署名をして欲しいと彼は頼んできました。私は言いました。「いいえ、それはお断りします。お望みであれば、あなたがたが、ユーゴスラビア爆撃を決断されたので、私が飛行機に引き返すよう命じた、と発表していただいてかまいません。≫
元首相プリマコフは、承認されなかったベオグラード爆撃は許せるものではないと、絶対的に信じている。
あの爆撃は、防がれるべきだった。あの攻撃がイラクにおけるアメリカの作戦に道を開いたのだ。決して国連に承認されなかったもう一つの作戦に。全ての動きは、相互にからみあっている。もしも、こうした爆撃が避けられていれば、世界は違っていただろう。
ユーゴスラビア大統領スロボダン・ミロシェビッチがハーグ国際戦犯法廷に直面した際には、プリマコフは弁護人となった。そして、ロシアでの医療というミロシェビッチの要求を却下した国際戦犯法廷の判断は、法廷審問が終わる前に、ミロシェビッチが亡くなるかも知れないという希望が理由なのだと、彼は依然として説明している。
プリマコフは、旧ユーゴスラビアへのNATO爆撃の政治的結果を、公正なものであるとも、長期的に続くとも考えてはいない。北部の、セルビア人が居住している、コソボの一部は、最終的には、セルビアと一緒になるものと彼は予想している。地域の安定を実現するのは容易ではなく、継続的な財政支援注入や、外国軍の駐留や、他の諸手段が必要だろうと語っている。
記事原文のurl:www.ruvr.ru/main.php?lng=eng&q=42548&cid=58&p=24.03.2009
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