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2009年2月 4日 (水)

中央アジアにおけるアメリカの戦争

ケンブリッジ大学法学部を占拠した学生への演説

クレイグ・マーレー

Global Research

2009年1月28日

法学部ビルへの正常な入構を阻まれながらも、元大使のクレイグ・マーレーは、入り口で、45分以上にわたり、演説し、質問に答えた。彼は中央アジアでの天然ガス・パイプライン支配を巡るアメリカの戦争、ブラックバーンのテイラー卿や、他の戦争成金たち、および商業マスコミの反イスラム・プロパガンダについて語った。マーレーは、占拠の主要な要求のいくつかを妥当なものだとしてはっきり支持した。大学は、武器輸出への投資を止めるべきこと。パレスチナ人学生に奨学金をだすべきこと。大学はイスラエルの最近のガザに対する行動を非難すべきこと。

(法学部に到着したマーレーは、大学職員から大学のメンバーではないといわれ、建物への入場を阻まれた。そこで、彼はビルの入り口で、色とりどりの衣服を着た大学職員に取り囲まれて演説した。およそ60から70人の学生が、ビル内の床に座りこんで、彼の講演を聴いた。学生でないとして、彼と同様にビルへの入場を拒否された人々は、彼の側のドア周辺で講演を聴いた。本文章は講演を分かりやすく書き起こしたものである。場所は、一般討論がしやすいものとは言い難いものであったが、マーレーは、最後に講演を聴いていた学生何人かの質問に答えていた。)

マーレーの演説

最初に、私が見えない方々にお詫びを申しあげます。あるいは、これは利点とお考えになっている可能性もありますが。そもそも私は、ケンブリッジ大に、アフガニスタン戦争に関する討論に参加するよう招かれました。その後、事態が展開し、皆様にここでお話しするよう招かれたわけですので、現在、世界で戦争が頻発している原因について、大雑把にお話してみたいと思います。

皆様の中の多くの方は、小生がかつてイギリスのウズベキスタン大使だったことを覚えておられるでしょう。1997年4月3日にかかれた、世界のその地域についての一通の手紙を引用することから始めましょう。(http://www.thesmokinggun.com/archive/bushlay12.html を参照。) 当時テキサス州知事だった、尊敬すべきジョージ・W・ブッシュ宛てに、エンロン会長、最高経営責任者、ケネス・レイが書いたものです。

"親愛なる、ジョージ"、手紙の書き出しはこうです。"あなたは、4月8日にウズベキスタンの駐米大使、サデク・サファエフと会談される予定です. ...エンロンはタシケントに事務所を開設し、ウズベキスタンのネフトガス、ロシアのガスプロムと、ウズベキスタンの天然ガス開発と、ヨーロッパ、カザフスタンと、トルコの市場へその輸送に関して20億ドルのジョイント・ベンチャーの交渉をしています。このプロジェクトは、テキサス州にとっても、ウズベキスタンにとっても、重要な経済的機会をもたらすものです... あなたとサファエフ大使の会談が生産的なものとなり、テキサス州とウズベキスタンとの間の友情に至るものと考えております。敬具、ケン。"

驚くべき'友情'が、確かに、テキサス州 - 後にはアメリカ合州国全体と、ウズベキスタンとの間で育ちました。ひとつは、タシケントが、アメリカの特例拘置引き渡しプログラム(訳注:要するにアメリカ軍による「拉致」だろう)の主要中心地の一つとなったことがあります。しかし、レイとブッシュにとって、決定的に重要なことは、もちろん、中央アジアの天然ガス資源でした。ウズベキスタンの天然ガス埋蔵量の熱量単位の価値は、イラクの石油埋蔵量に等しいのです。この埋蔵ガスを開発し、ヨーロッパ市場への経路を支配すること。これは新たなグレート・ゲームなのです。

このガスをヨーロッパに送るには、経路として三つの可能性があるのです。一番わかりやすい経路は、アメリカ合州国が、何らかの理由で支持を拒否しているのですが、イラン経由のものです。二番目の経路は、グルジアとアゼルバイジャンを経由するものです。ここには昨年夏のグルジアとロシア間の戦争をもたらした緊張関係があります。アメリカ合州国は、第三の可能性に熱心でした。アフガニスタン経由のパイプラインです。それでアメリカのエネルギー企業、ユノカルは、そうしたパイプラインの安全を保障できるパートナーを探し始め、タリバンがこの点で、有用なことを発見しました。ユノカルとタリバンとの交渉が、1997年にテキサス州ヒューストンで行われました。ユノカルのために交渉に参加した二人の人物は、特筆に値します。ハミド・カルザイ、つまり現在のアフガニスタン大統領と、ザルメイ・ハリルザード、後の駐イラク・アメリカ大使、当時アメリカの国連大使です。

戦争は、本質的には、石油なり天然ガスなり、天然資源の支配を巡るものだということを良く耳にします。これはむしろ抽象的に聞こえるでしょう、あたかも単なる学術的な概念であるかのように。けれど、これでそれがどれほど具体的なのかご理解いただけます。

どの天然ガス・パイプラインでも、問題になるのが、実に簡単に爆破されやすいということです。事業としてのガス・パイプライン運営を保障するには、物理的に該当地域を支配する必要があるのです。アメリカ企業、特にベクテルとハリバートンが、このパイプライン・プロジェクトにまつわる契約に取り組んでいます。彼らの利害関係が、NATOのアフガニスタン支配へとつながっているのです。様々なNATO諸国がアフガニスタンの様々な地域を支配していますが、アメリカ合州国に割り当てられた地域の顕著な特徴は、アフガニスタンのいかなる行政上、あるいは地域的な区分とも対応しないということです。実際、そこに建設予定のパイプラインの地図を重ねてみるまでは、さっぱり意味をなしません。

昨年アヘンと麻薬の生産は、史上かつてなかった60%もの増加でした。アヘンはもはや輸出されてはおらず、アフガニスタンで処理され、ヘロインが作られています。タリバンが麻薬密輸業者だといわれています。タリバン政権下では、私は決して、タリバンのように、偏狭で過激な神政政治を支持するものではないことを強調させて頂きますが、アヘン取引は、実質的に根絶されていました。ところが今や世界最大のヘロイン密輸業者のうち四人は、カルザイ政府の大臣たちで、その中でも突出しているのがドスタム将軍、アフガニスタン国軍の長です。

要するに、我々は、内戦状態を永続化させている部族軍の長やら暴漢たちをかなりの人数、権力の地位につけているのです。これは全て、この地域の天然資源を支配しようという努力でして、イラクでもそうであるように、石油からの利益を保護するということのほうが、他の政治目標よりも、優先度が高いのです。

この構内占拠に参加しておられる皆様は、ここ数日忙しすぎて、新聞をお読みになる時間がなかったかも知れません。けれども、ここ数日のニュースをお読みになっている方々には、ブラックバーンのテイラー卿について若干触れておくべきだと思います。サンデー・タイムズは最近、おとり捜査で、代金をもらって、意思決定者達に影響を与えるサービスを提供している彼を捕まえました。これは別に目新しいことではありません。彼はこのようにして20年間仕事をしてきたのです。主に、防衛産業に対するコンサルタントとして。たとえばエレクトロニック・データ・システムズ社、イギリスとアメリカ軍との国防関連契約で何十億円も儲けているうさんくさい企業、に対するサービスで、テイラー卿は、年間84,000ポンドとボーナスを支払われています。テイラーは特に、ブラックバーンの政治を通して知り合ったジャック・ストローに近いのですが、パーティーを開催し、ストローを様々なアメリカ企業に紹介しています。テイラーとストローは二人で効果的なロビー活動を行い、(欧州最大かつ世界有数の防衛航空宇宙企業)BAEに対する刑事訴訟を止めさせました。

テイラーは、(STFC)会員利害関係名簿で、全て有償の12のコンサルティング業務をあげています。

(http://www.craigmurray.org.uk/archives/2007/08/more_lord_scumb.html 参照)

ここにリストされたものが、利害関係や、彼の活動の全貌を反映しているとは考えがたいのですが、データー使って妥当な想定をすれば、彼が年間いくら稼いでいるのか推測することができます。革新的な労働党の国防産業の仲介役として効果的に活動することで、年間約300万ポンドです。

これは腐敗の連鎖連合です。ここでは、防衛産業の利害関係が、政府の利害関係と一致しているのです。イラク戦争で使われている膨大な金額を聞かれる際、アメリカでは一兆以上、イギリスでは何十億ですが、これは決して抽象的な数字ではないことにご留意ください。このうちのごく僅かだけが、こうした戦争で戦って死ぬ哀れな兵士たちに支払われます。大部分は兵器製造企業、傭兵斡旋会社、後方支援業務サービス会社など、全て政府に影響力を及ぼすためロビイストに金を支払っている企業に支払われるのです。利益は何兆にもなります。イラクの地上戦が予想より激しい。これも、BAEの年次報告書では、慶賀すべき機会の一つであり、社長への追加ボーナスとなるのです。戦争の拡大によって直接利益を得ている人々への。

こうしたこと全てが、皆様方が占拠で要求されている一つの重要な項目と関連しているのだと私は思います。ケンブリッジ大学は武器メーカーへの投資を止めるべきなのです。

中東から中央アジアに至る炭化水素のベルト地帯について若干お話しました。この地域は現在、戦争成金たちの金儲けのために行われている戦争の舞台です。これは、一般大衆に対して、一体どのように正当化されて来たのでしょうか? 商業マスコミでイスラム恐怖の興奮状態をあおり、テロの危険を誇張することによってです。

私はテロを糾弾します。しかし、現代のテロは、正確に把握すべきだと思います。過去十年間で、イギリス本土でテロリストの残虐行為で亡くなった人々は、およそ70人です。人はテロ事件で亡くなるより、宝くじに当たったり、風呂で溺れたりする確率の方が高いでしょう。対照的に、1970年代には何千人もの人々が、アイルランドのテロの犠牲として亡くなりました。しかし、ケンブリッジ法学部の学生にお話をするために私が入構することが拒否されることなど、当時は考えられもしませんでした。市民の自由を攻撃するために、テロの危険性の誇張が利用されるのはお決まりのことのようです。

反イスラムというマスコミによるプロパガンダの効果によって、私たちは死者のなきがらに対して鈍感にされているのです。パキスタンで、先週のアメリカの作戦で殺害された15人の方々のことを考えてください。ガザの人々のことを思い起こしてください。

もちろん、最近アメリカ大統領が変わってはいます。しかし、私としては、当面、オバマがどれだけましなのかについて、判断をせずにいたいと思っております。一方で、グアンタナモにかかわるオバマの発表は歓迎します。また一方で、既にオバマの監督下で起きたパキスタンでの軍事作戦にはがっかりしているのです。

恐らくより重要なことは、本当の世論変化要求の証拠と思われるものごとです。ここを、あるいは他の大学を占拠しておられる学生は、若者の間で力強さが増大している証拠のように私には思えるのです。

お話しする機会を頂いたことにお礼を申しあげて話を終わりたいと思います。このようなおかしな状況のもとで行われたことを申し訳なく思いますが、あるいはそうでもなければ、実に退屈なことだったのかも知れません。

クレイグ・マーレーは、Global Researchの常連寄稿者。クレイグ・マーレーによる、Global Research記事

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記事原文のurl:www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=12057

ところで、二大政党派閥の別派閥指導者から、予想通りの発言があった。

小沢外交「政権取れば豹変」=民主・長島昭久氏インタビュー

宗主国の、民主党オバマによる、チェンジという名前の、戦争政策の継続は、

属国の、民主党オザワによる、政権交代チェンジという名前の、戦争政策の継続として再現する。

この人物、ソマリア派兵論を国会で持ち出した英雄。

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