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2009年2月15日 (日)

北大西洋共同体(NATO)に日本を組み込む ブレジンスキー

『オバマ危険な正体』(ウェブスター・タープレイ著)にはブレジンスキーの著書『セカンド・チャンス』の話がでてくる。

同書、185ページから引用しよう。

ブレジンスキーは、オバマの外交政策を担当しているだけではない。オバマのイメージ戦略を、あらゆる意味で創り上げた人物でもある。イメージの出どころは、ブレジンスキーの著書『セカンド・チャンス』だ。

翻訳がないか探してみると、この『セカンド・チャンス』、邦題『ブッシュが壊したアメリカ』として、2007年9月徳間書店から刊行されている。早速読んでみると、ブッシュ父、クリントン、ブッシュ息子、三人の大統領の通信簿兼、民主党新大統領用教科書のようなもの。

Secondchance_2

案の定、下記記述があった。「ソマリアの海賊対応」を口実に、ブレジンスキー戦略は着々と進んでいるのだろう。

 「大西洋共同体に日本を組み込む」という見出し が、217ページにある。(原文に該当する見出しがあるかどうかは、原文を読んでいないので、別として。)

ご覧の通り、腰巻きにも書いてある。日本をNATOに組み込み、中国の独走をゆるすな!

pp 245-247

ふくれあがる一方の負債(現在、アメリカは世界の総貯蓄額のおよそ八割を一手に借り入れている)、巨額の貿易赤字、全世界で煮えたぎる反米感情─このような環境下で、大規模な金融危機が勃発した場合、アメリカの繁栄と安全には恐ろしい結果がもたらされるかもしれない。ユーロはドルの強力なライバルとなっており、アジアでも共通通貨の導入がささやかれている。アメリカを敵視するアジアと、自分のことを考えるので精一杯のヨーロッパは、いつアメリカから資金を引き揚げる気になってもおかしくはない。

このように、アメリカが手をこまねいていれば、地政学上の坂道を転げ落ちていくだけである。アメリカが第一にとりくむべきは、大西洋共同体の絆を維持強化すること。アメリカは、前向きな政治目標をもち、世界の舞台で協力できる相手を必要としており、それはヨーロッパでしかありえない。また、責任ある世界政策を形成するとき、アメリカはヨーロッパの助けを必要とするが、それ以上にヨーロッパはアメリカの助けを必要とする。アメリカの助けがなければ、ヨーロッパは自分の殻に閉じこもり、それぞれのナショナリズムに酔いしれ、全地球規模の使命を忘れる可能性がある。もしも、ヨーロッパが扉を閉ざしてしまったら、トルコは宗教紛争の続く不安定な中東へ向かわざるをえないだろう。無防備に孤立したウクライナは、帝政復活をもくろむロシアの餌食となるだろう。

米欧の提携強化が必要なのはもちろんだが、新たな世界情勢の現実として、昔ながらの『西』の支配が低落傾向にある以上、大西洋共同体はほかの地域からも、成功した国々を可能なかぎり受け入れなければならない。最優先の課題は、米欧間の主要な協議に日本を(できれば韓国もいっしょに)参加させること。NATOの安全保障政策を拡大し、計画立案のプロセスに日本を巻き込むだけでなく、NATOの任務に日本の自主的参加を取り付ける必要がある。つまり、非ヨーロッパの先進民主国を引き抜いて、世界政策にかんする緊密な提携係を結ぶことで、大西洋共同体は繁栄と穏健主義と民主主義の中核として、前向きな影響力を世界にあたえつづけられるわけだ。

近い将来、日本は平和主義の立場――広島と長崎の恐怖を経験したあと、アメリカの起草した憲法を授けられた日本が、このような反応をとったことは理解できる――を捨て去り、より自発的な安全保障上の役割を担う可能性が高い。当然ながら、この過程で日本は軍事大国への道を歩む。

しかし、日本がNATOと連携しNATOの軍事演習や平和維持活動に参加するようになれば、極東におけるアメリカの軍事プレゼンスが日本を通じて高まる場合よりも、あるいは日本自身が単独で軍備の増強を進めていく場合よりも、中国が抱く警戒感は少なくてすむはずだ。

中国と日本の関係改善を推し進めれば、アメリカも利益が得られる。日中関係の悪化から生じるリスクを回避できると同時に、中国に世界システムの一翼をになわせやすくなるからだ。日本を『西』に引き込むことはアメリカの国益となる。しかし、日本を中国と対立させることは、アメリカにとっても東アジアにとっても利益にはならない。

逆にいえば、いくら日中関係が改善されても、日本は東アジア共同体―中国によって支配され、アメリカがほぼ排除された組織---の重視には傾かないであろう。中国の取りこみ、日本の同盟、日中関係の安定化。この三つは相互補完の関係にあるのだ。

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文中の太字は、小生が加工したもの。

何度でも繰り返す。国会で「ソマリアの海賊に対処すべく、派兵が必要という話題を最初に持ち出したのは、民主党の長島議員。まるで「ブレジンスキーのお使い」。と書いたのだが、ご自分の「長島フォーラム21」で、堂々と明記しておられる。語るに落ちるとはこのことか。(『ジャパン・ハンドラーズと金融情報』のアルルの・男ヒロシ様に、わざわざコメントで、ご教示いただいた。)

1995年33歳
念願の首都ワシントンDCへ。国際関係論で有名なジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)で修士号取得。
とくに、カーター政権の安全保障担当大統領補佐官だったズビグニュー・ブレジンスキー教授のセミナーでAを取ったのが勲章。

(太字は、こちらで加工させていただいた。)自分がブレジンスキーにリクルートされた時代について、完全な沈黙を守るオバマ大統領と違って、それをわざわざ吹聴する神経が不思議。洗脳されていることを自慢してどうするのだろう。

NATO の集団的自衛権?と日本国憲法の整合性はどうなのだろう?

こういう事実があると「民主党、自民党分派にすぎない」という確信、益々深まる。 (どなたかに、小生、民主党にたいする「懸念・心配」をしていると誤解いただいたことがある。懸念ではなく、確信であることをしつこく書いておく。)911小泉郵政選挙クーデターは、政界・財界・マスコミがぐるになって、「郵政民営化」というシングル・イッシューで、民心をあおりたて、自民党の地滑り的勝利を実現した。そして、次々と、アメリカが喜ぶ日本破壊政策を実施した。その裏返しが、これから起きる。「政権交代」というシングル・イッシューで、民心をあおりたて、民主党の地滑り的勝利を実現する。そして、次々、アメリカが喜ぶ日本破壊政策を実施する。

『オバマ危険な正体』の監訳者大田龍氏は、週刊日本新聞08/6/2の下記記事で、「セカンド・チャンス」(邦訳、徳間書店刊『ブッシュが壊したアメリカ』に触れている。

ブレジンスキーは、単なる「学者」の一人、単なる「大統領補佐官」の一人、などではない、彼はイルミナティ世界権力中枢のまぎれもない一人である、ことを知るべきである。

オルタナティブ通信、

米国次期政権の世界戦略という記事(08/2/5)で、詳しく本書に触れている。

小言航兵衛「大統領の通信簿」(08/1/9)には、本書にある三人の大統領の評点が転載されている。

『世界』3月号『狙いはアフリカの資源確保だ』谷口長世論文には、(ソマリアの)海賊は森を隠す木」という見出しの言葉がある。いい得て妙。

本書の、全く同じ箇所の文章を読んで、うす気味悪く感じたかたが、少なくとも一人はおられる。

blog『真実は何?』の「日本をNATOに参加させろ」に、同じ箇所が引用されている。

2006年5月4日 麻生外務大臣演説でも、既に、しっかり海賊やら、NATOも日本の重要性を再発見などとという重要な単語が入っている。

新たな安全保障環境における日本とNATO

現在、アジアの人々は、伝統的な安全保障環境におかれつつも、テロリズム、海賊、人身売買、麻薬密輸、大量破壊兵器の拡散に対する共同戦線を張りつつあります。

 誰も手をこまねいてはいられないのです。新しい脅威が我々に到達する前に、我々皆が行動しなければなりません。

 この共通認識の下、日本はNATOの重要性を再発見しました。NATOも日本の重要性を再発見したことと期待します。

ところで、あの田中宇氏の記事に下記のものがある。

ソマリアの和平を壊す米軍の「戦場探し」

冒頭にこうある。

12月20日、米軍を牛耳るラムズフェルド国防長官を怒らせる事件があった。ドイツの高官 が、米軍が計画中の作戦をマスコミに暴露してしまったことだった。この日、アメリカと欧州の軍事同盟であるNATOの本部(ブリュッセル)で、米軍幹部が 西欧諸国の政府高官を集め、定期的な状況説明を行った。その後、各国の高官たちは個別にマスコミに囲まれて質問を受けたが、その中でドイツの高官が「次は アメリカはソマリアを攻撃しようとしている」と漏らした。

驚くなかれ、この記事の日付、「2001年12月24日」。

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コメント

TBありがとうございました。
関連情報につないでいただきとてもうれしいです。

またお邪魔します。

TB有難うございました。
ご紹介の田中宇さんの記事と共々に読ませて頂きましたが、
戦争を生業にしている国の厭らしさ恐ろしさ満開ですね。
アメリカが此処までになるまで、成長をとめることが出来なかったことが悔やまれます。
今の世界の国々にとっては、この国の魔の手から、どうやって逃げおおすかというのが、
最大の政治課題なのかもしれませんね。

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