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2009年1月 9日 (金)

十分に情報を得たアメリカ人(日本人)でいることの難しさ

ポール・クレイグ・ロバーツ

2009年1月8日、 "Information Clearinghouse"

アメリカの活字・TVメディア、決して良いものであったためしはない。今どきのマスコミはひどいものだ。十分に情報を得たいと思ったなら、海外のニュース放送や、インターネット・サイトや、インターネット上で読める外国の新聞や、様々な都市で誕生しているオルタナティブ(体制派でない)新聞を読む必要がある。マードックのフォックス・“ニューズ”やら、CNNやらの放送を見ている人や、ニューヨーク・タイムズを読んでいる人は、全く、プロパガンダで洗脳されているのだ。

保守派諸氏が同意してうなずく前に申しあげよう。私は「リベラルなマスコミ」のことを言っているのではない。アメリカ政府とイスラエル・ロビーが支給するプロパガンダのことを言っているのだ。

ジュディス・ミラーや、ニューヨーク・タイムズや、マードックのフォックス「ニューズ」からアメリカに流される、ネオコン・ブッシュ政権のプロパガンダが、地球の半周先にあるイラクという名のちっぽけなアラブの世俗国家によって、危機にさらされているとアメリカ人に思いこませたのだ。イラクに存在などしていなかった、危険な「大量破壊」兵器を取り除くことなどごく簡単で、イラクの石油資源というおつりがくると、アメリカ人に思い込ませたのは、アメリカのマスコミだった。

嘘と欺瞞に基づいて、7年間にわたって、ブッシュのイラクやアフガニスタンへの違法な侵略を合理化したのは、同じプロパガンダ行動をしているアメリカの活字・TVメディアだ。

現在、ガザにおけるイスラエルの戦争犯罪に関して、イスラエルのプロパガンダだけを「報道」として提供しているのは、その同じマスコミだ。

ブッシュ政権が、アメリカの法律に違反して、令状もなしに、違法にアメリカ人をスパイしているという、国家安全保障局から漏れた情報を、一年間抑えていたのは、ニューヨーク・タイムズだった。「リベラル」なニューヨーク・タイムズは、ブッシュが、違法な行動という闇に包まれての再選などという目に遭わないようにすべく、この記事を差し押さえることに同意したのだ。

社説と解説ページが、ネオコンとその同調者に支配されているという事実にもかかわらず、ワシントン・ポストが「リベラルな新聞」だ、と保守派は思い込んでいる。

戦争の前段階、そして戦争中、アメリカのマスコミは、常に政府の宣伝担当だった。唯一の例外は、ベトナム戦争と、中米でのコントラ-サンディニスタ紛争の間にあっただけだ。カレン・デ・ヤングと他の何人かは、コントラとサンディニスタを正直に報道しようとしたが、政府の嘘にだまされた「愛国者」によって、悪者扱いされた。

実際、あらゆるマスコミがしたことは、一部のアメリカ人の目を開かせた若干の本当の報道にすぎないにもかかわらず、保守派は、依然として、ベトナム戦争に負けたのを、「リベラル」なマスコミのせいにしている。

真実がアメリカ政府の立場の邪魔になると、保守派はそれを「リベラル」と見なす。

プロパガンダが政府の嘘を支持すると、保守派はそれを「愛国的」と見なす。

しかしながら、クリントン大統領の民主党政権が、マードックと、ごく少数の大立て者が、アメリカ・マスコミを少数企業の手中に集中することを許した時に、あらゆる独立した報道らしきものは、アメリカのマスコミから消滅した。あれがアメリカ・ジャーナリズムの終焉だったのだ。

ジャーナリストは、マスコミ経営陣から消滅し、広告収入源を怒らせず、まして、超巨大企業の価値を生み出す放送の許認可を管理する政府を、決して怒らせないよう目を配る、企業広告担当幹部に置き換えられた。今日では、記者たちはご主人様が聞きたがる記事を書く。さもなくば首だ。編集者の機能は、企業や政府に不具合な情報が大衆に伝わらないよう見張ることだ。

大衆はゆっくりと気がつきつつあり、活字メディアは緩慢な死を迎えつつある。ニューヨーク・タイムズ、シカゴ・トリビューンや、ロサンゼルス・タイムズ等は、全て多かれ少なかれ絶体絶命状態にある。

アメリカ人は、依然として、空港の待合所、病院や、スポーツ・ジムに流し込まれるフォックス「ニューズ」やCNNプロパガンダに曝されたままだ。ジョージ・オーウェルが、小説「1984年」で描いた状況とそっくりだ。

信頼できる情報はどこで得られるのかと人々に良く質問される。時間をかけなければ、皆さんの狙いは実現しませんよとお答えすることにしている。

イランのプレスTV、ロシア・トゥディ、あるいは、アル・ジャジーラ等の英語の外国放送によるテレビ番組をみることができる方々は、アメリカのマスコミが悪者に仕立てあげている国々からこそ、ニュースや事の実態が得られるのだ。

BBCワールド・サービスは、依然として事実を報道してはいるものの、アメリカ、イギリスや、イスラエル政府の見解を報道することで、それ自体を覆ってしまっている。

アジア・タイムズと、ハーレツのようなイスラエル新聞も、オンラインで英語記事が読める。他にもそのような新聞はあり、そうしたものはどれも、アメリカ人が、アメリカそのもののマスコミでは決してお目にかかれないような情報を提供してくれる。イスラエル政府について、ハーレツ程、本当のことを書けば、どんなアメリカの新聞でも廃業させられるだろう。

私が良く知っている唯一のアメリカの活字メディアで、定期的に公正な報道を読むことができるのはマックラッチー新聞だ。

活字メディアにうつつを抜かしているアメリカ人は、オルタナティブ新聞に目をむけるべきなのだ。そうしたものは週刊か隔週刊のことが多い。ただし、そこに書かれているニュースと解説は素晴らしいことが良くある。

新聞の研究をしたことがないので、私が知っているものはごく僅かだ。ロック・クリーク・フリー・プレス(www.RockCreekFreePress.com)は素晴らしい。どれか一号を読まれれば、「主流マスコミ」で時間を無駄にすることを止めてしまわれるだろう。ロック・クリーク・フリー・プレスは、最高に鈍い頭すら、洗脳状態から救い出してくれる可能性が高い。

リバティー・ボイス(www.TheLibertyVoice.com )等のような他のオルタナティブ新聞は、情報を与えてくれるのみならず、意気軒昂にしてくれる。

オルタナティブ新聞は、正義感と、真実を愛することに動機づけられた人々が生み出しているものであることが多い。そのような人々は、アメリカの「主流マスコミ」では、絶滅危ぐ種になってしまった。今日、アメリカ人が得られる言論の自由は、オンラインと、オルタナティブ・メディアの上だけにある。

「主流マスコミ」の機能は、政府と利益集団のために、視聴者に製品を売り込み、洗脳することだ。そういうものを講読することで、アメリカ人は自分を洗脳する手助けをしているのだ。

ロバーツ博士は、ウォール・ストリート・ジャーナルと、ビジネス・ウイークの元副編集長兼コラムニスト、スクリップス・ハワード新聞の元コラムニスト。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article21690.htm

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大変残念ながら、本文章、日本におきかえても、そのまま通じてしまう。

「十分に情報を得た日本人でいることの難しさ」

小沢現民主党代表が背後にいた細川政権、小選挙区・政党助成金制度導入、良いことだとマスコミと御用学者達が宣伝した。

郵政911選挙での(小選挙区制度による)なだれをうつような自民党勝利。マスコミは小泉一派を強く支持していた。朝日の愚劣な社説、死ぬまで忘れまい。

郵政改悪や、狂った経済破壊政策推進が可能になったのは、あの選挙のせいだ。

それが今の大量失業・住宅問題を生んでいるのだろうが。マスコミは反省しない。それが彼等の仕事だ。

陸上と航空部隊のイラク派兵をマスコミは称賛している。航空部隊は兵站への参戦だったのに。

対テロ戦争のための?インド洋海上燃料補給をマスコミは称賛している。

これからまもなく起きる、

  • ソマリア海賊対策用の軍艦派遣=アメリカ製テロ戦争への参戦その二

も、マスコミは称賛し

  • 小泉の売国的破壊ゆえにジリ貧の自民党から民主党への政権交代(または大連立)

も、マスコミは称賛している。

そして、小沢代表の持論、「アフガニスタンISAFへの派兵」が待っている。

いよいよ日本属国民念願のアメリカ製テロ戦争への本格海外派兵・参戦が実現する。

戦争の前段階、そして戦争中、日本のマスコミは常に政府の宣伝担当だ。そう今は対テロ戦争中だ。

まもなく日本総督になるナイ大使決定に関する朝日解説も、きわめつけの提灯記事。日本への苛斂誅求が益々ひどくなるだけ、だろうに。わかっているのに書かない。それが仕事だ。売国大本営記事を読むより、オルタナティブ通信の「オバマ大統領の対日戦略」を読む方が、はるかにためになるだろう。

「バラエティ(やらせ討論)番組を見て、全国紙を読んでいる人は、全くプロパガンダで洗脳されているのだ。」

マスコミの本業、例えば少なくとも90年、変わっていないこと(権力のための洗脳装置)は、アプトン・シンクレアの文章クリスマスの手紙 「百万長者対貧乏作家」でも、ご理解いただけるのではと希望したいものだ。

高校で、「英語を英語で教える」時間があるのなら、海外のオルタナティブ・メディアの英語記事を読む日本語授業でもしたほうが、はるかに容易で、しかも日本の将来にも役立つだろう。

それでは、もちろん属国政府にも、アメリカにも不都合なのだ。

テレビのひどさについては、前から思っていたのと全く同じことを、林秀彦の新刊「おテレビ様と日本人」で読んで安心し、絶望した。201-203ページ 我々そのものが驚愕の映画「トルゥーマン・ショー」になっている、という事実だ。(「映画の森てんこ森」に、ネタバレの詳しい筋が書かれている。)林秀彦氏、テレビを見ている人の顔を横から見ると、茫然としているのが良くわかるという。大宅壮一の至言。「一億総白痴」。

映画「グッドナイト・グッドラック」に描かれたエド・マローのような、硬派ジャーナリストが、テレビで活躍した時期など、ほんの一瞬でしかない。(エド・マローについては、「やむをえぬ事情により」が詳しい。)所詮、テレビは、「日本テレビとCIA」でも、克明にその成立の背景が描かれているとおり、家庭の中におかれた対日電子洗脳装置だろう。森田実氏のように、「不都合な人物」は登場させない。テレビによくでる有名人というのは、「洗脳タレント業者」にすぎまい、と、「おテレビ様と日本人」を読んで一層、確信した。テレビ番組について林氏は「タダほど高いものはない」という。ところで、このブログもタダだ。やはりここは、お金を払って、例えば「おテレビ様と日本人」を読まれることをお勧めしたい。

追記:09/01/24

ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報に「書評:おテレビ様と日本人」が掲載されている。是非、ご一読を。

追記:09/02/5

郵政を売り渡した売国奴の言い分を聞かせるショウ?番組に怒っておられる方々もいる。見ない方が精神衛生と地球にやさしいだろう。とはいえ、国会中継、下記のように見逃せないものもある。国会中継の精髄部分、ゴールデンアワーに実施してもらえないものだろうか。前原氏のよいしょ質問はもちろん不要だが。

【かんぽの宿】郵政民営化がついに目に見える争点に 国民新党の下地幹郎さん

追記2:09/04/09

集中的なテポドン・プロパガンダ。

くだらないので、プロパガンダ大本営報道・テレビも新聞の話題、見ず、読まずにいるが、真に受けている人々がたくさんおられるようだ。

そういう皆様が、石原慎太郎都知事を、森田千葉県知事を、小泉首相を実現させているのだろうか。大本営マスコミには直す薬がない。

民度というのは、「日本の品格」でも明言されているように、進歩しないものなのだろう。

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