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2008年12月11日 (木)

武装勢力のNATOトラック攻撃、アメリカのアフガニスタンにおける軍事的危機を浮き彫りに

wsws.org

Barry Grey

2008年12月9日

日曜と月曜の、パキスタン北西部の都市ペシャワールにあるアメリカとNATOの軍需物資兵站部に対する一連の攻撃は、隣国アフガニスタンで対ゲリラ戦争を遂行しているアメリカと同盟諸国軍が直面する、益々悲惨となりつつある治安状況を浮き彫りにするものだ。

反米武装勢力は、個別に三カ所の兵站部を攻撃し、アフガニスタンの山岳地帯国境を越え、アメリカとNATO軍宛てへと運ぶ、軍装備品や糧食を載せた約200台のトラックとコンテナを破壊した。トラックは何十台ものハンビーや兵員輸送車や他の資材を積んでいた。

一カ月もしないうちにおきた武装勢力によるパキスタン内でのNATO補給に対する三度目の大規模攻撃は、アフガニスタンにおけるアメリカと同盟諸国占領軍用軍事補給の80パーセントを中継する経路に対するこれまでで最大かつ最も成功した攻撃だった。先月、NATO当局からタリバンだと特定されている約60人の武装勢力が、両国間のカイバル街道で、白昼公然、輸送隊のトラックをハイジャックした。

日曜の午前2:30、200-300人の武装勢力が、トラックが駐車している敷地の原始的な警備を圧倒し、警備員を武装解除し、荷物を積載したトラックに手榴弾を投げ、ロケット弾を発射し、約150台の車両を破壊した。月曜日早朝、西側の補給に対する更に別の攻撃が同じ地域で行われたと報告されている。ある警備員は、50のコンテナが燃え、何台かの車がロケット攻撃で破壊されたと語っている。

攻撃はパキスタン軍第11兵団を擁する都市中心で起きたゆえに一層注目すべきなのだ。

NATO補給焼き討ちの後、金曜日、ペシャワール都心で、それとは明らかに無関係な自動車爆弾で29人が亡くなった。

アメリカは、軍需物資の大部分を、パキスタンのカラチ港から、ペシャワールの輸送拠点を経て、カイバル峠を越えて、陸地に囲まれた国、アフガニスタンへと輸送している。ペシャワールは、国境までおよそ一時間、距離にして40マイルの最終輸送拠点だ。軍需物資を積んだパキスタンのトラックは、ペシャワールから、カイバルを経由し、パキスタンの連邦直轄部族地域を。カイバル地域は、タリバンの一つの派や、他の反乱分子によってほぼ完全に支配されており、もはや多くの一般政府職員は、トラックが使っている道路をあえて通行しないようにしている。

ペシャワール兵站部の装備破壊は、アフガニスタンにおけるアメリカとNATOの作戦に対して「最小限の」影響があるだろうとアメリカ当局は語っている。彼らは、急襲で破壊されたハンビーや他の自動車の台数を明らかにすることを拒否した。

しかしながら、アフガニスタンへの兵站線に対する脅威には測り知れない重要性がある。アジア・タイムズ・オンラインは、パキスタンの国防研究センターの理事ファルーク・サリーム博士による以下の発言を引用している。「ソ連がアフガニスタン戦争で敗北したのは、主として補給路を断たれたためでした。ムジャヒディンは、中央アジアから北部アフガニスタンへの補給路を遮断することに力を注ぎました。現在、アフガニスタンには、アメリカの戦闘旅団がいます[約5,000人]。この12月、もう一つの戦闘旅団が到着する予定で、更に二つの戦闘旅団が来年やってきます。従って、一層の補給が必要になります。もしも、この重大な時期に、戦士たちが補給路を断てば、アフガニスタンのNATO軍にとって、破壊的なことになります。」

アジア・タイムズ・オンラインは、7月、アフガニスタンのNATO-タリバン戦争が最高潮だった際に、NATOの補給路に対するタリバンの攻撃によって、ガズニやヘルマンドなどの重要な基地におけるNATOの食料や他の品目の備蓄容量が、一カ月分から、わずか一週間分に低下したことも書いている。

最近の攻撃は、アフガニスタン内のアメリカ-NATOの軍事状況そのものが劇的に悪化している山のような証拠と符合している。ニューヨーク・タイムズは、日曜、来月アフガニスタンに派兵される新たなアメリカ戦闘旅団は、大半の戦闘が起きているアフガニスタン東部と南部地域ではなく、首都カーブルの南部に隣接する二つの州に配備される予定だと報じた。

これは、反米武装勢力がここ数カ月で力を得て、今やカーブルそのものまで脅かしていることを認めるものだ。カーブル周辺の治安は、過去12か月で劇的に悪化した。

第10山岳部隊の第3旅団の戦闘部隊4,000人ほぼ全員がカーブルに隣接するローガンとワルダクに派遣される予定だ。タイムズによると、「ワルダクとローガンは昨年末までは比較的治安が良かった。しかし、大半の報告によると、昨年、この二つの州で、タリバンの活動は急増し、武装勢力がアフガニスタンと外国軍に対する攻撃を強化し、時にはカーブルを東部と南部と接続する主要な道路の一部まで支配している」

状況の悪化に対応して、次期大統領バラク・オバマによる後継政権は、アフガニスタンとパキスタン国境の部族地域の両方でアメリカ軍の戦闘を大幅にエスカレートする計画をしている。オバマと、この次期大統領が去りゆくブッシュ政権から引き継ぐロバート・ゲーツ国防長官は、20,000人以上のアメリカ戦闘部隊をアフガニスタンで今後増強する予定だ。更に6,000人の航空、および支援部隊と合計すると、計画されている軍事エスカレーションで、アフガニスタン内のアメリカ軍分遣隊の合計人数は、32,000人から、58,000人へと増える。

民間人死傷者数も、これに応じて増加するだろう。土曜日のヘルマンド州ナダリ地域のシェナ・カリ村に対するアメリカ-NATO爆撃のような出来事が増加するだろう。村の住人たちによると、二軒の家が爆撃され、そのうち農家では9人が殺害された。もう一人の村人は、女性や子供を含む十人が、一軒の瓦礫の下から死体で見つかったと語った。

アフガニスタン内部での軍事的エスカレーションは、パキスタン内の隣接する部族地域に対する攻撃の強化を伴い、パキスタン政府が、反米武装勢力に対する作戦を強化するよう要求することになろう。アメリカは、ムンバイにおける先月のテロ攻撃を利用して、アメリカのアフガニスタン戦争を支援して、軍事協力を強化するようイスラマバードへの圧力を強めようとしている。

月曜日、ニューヨーク・タイムズのホワイト・ハウス特派員デーヴィッド・サンガーは、ブッシュ政権が、オバマに対し、アフガニスタンとパキスタンの状況に関する、長たらしい、極めて機密の戦略レビューを渡す準備をしているのを暴露する記事を書いた。このレビューの核心は、サンガーによれば、オバマに対して、パキスタンへの将来の軍事援助を、アフガニスタンとの国境地域にいる武装勢力の一掃に全力を尽くすため、インドとの積年の緊張関係はさしおいて、軍隊の再構成をするようイスラマバードに要求することと結びつけるようにという勧告だ。

これが暗に意味するものは、アフガニスタンに加えてパキスタンを益々巻き込む、より大規模な戦争だ。タイムズは、ある「軍幹部」の「報告書の趣旨は、まずパキスタンを建て直さないとアフガニスタンで勝利できないということだ。しかし、たとえパキスタンを建て直したとしても、それで十分というわけではない。」という発言を引用している。

別の新聞報道は、元国家安全保障会議の南アジア専門家アシュリー・テリスの発言を引用しているが、彼は「これは何十年がかりのプロジェクトです」と語り、「移行だけでも、アフガニスタン国軍に切り換えられるようになるのに十年はかかります。」と付け加えている。

オバマとしては、「対テロ戦争」の「中央正面」は「アフガニスタンと、アフガニスタンとパキスタンとの国境地域」であると繰り返し語っている。日曜NBCニューズの番組「ミート・ザ・プレス」のインタビューで、オバマは、中央アジアにおける、広範な帝国主義戦略の概要を語ったが、これはより大規模な戦争の暗黙の脅威をも意味している。「アフガニスタンを孤立したものと見なし続けるわけには行かない」と彼は語った。「我々は、アフガニスタンを、パキスタンや、インドや、カシミールや、イランを含む地域問題の一部と見なさねばならない」「アメリカのもつ力のあらゆる要素を活用する新たな安全保障戦略」を考えたいと彼は付け加えた。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2008/dec2008/afgh-d09.shtml

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「あほうな首相より、(オバマ大統領と語呂があう?)オザワ首相のほうが良い」という言説を目にする。金をまきあげられたあげく、血を流したがる日本とは、実に不思議な属国だ。

国連の美名のもとアフガン派兵を主張し、おまけに国会で、ソマリア海賊問題対策の必要性をわざわざ取り上げてくれるオザワ民主党は、宗主国アメリカにとってのみ、「よりまし」なのだろうと思うのだが。

森田実氏の12/12付けblogは、下記の言葉で始まっている。

いよいよアメリカが日本をアフガニスタン戦争に誘い込むために動き出しました。

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