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2008年11月28日 (金)

決定的な選挙におけるベネズエラ社会主義者の勝利

James Petras

2008年11月27日、 "Information Clearinghouse"

チャベス派のベネズエラ統一社会主義党(PSUV)が、2008年11月23日、選出知事の72%を占め、投票の58%を獲得し、大半の資本主義寄りの世論調査会社やら、大半の野党好みマスコミによる予想を唖然とさせた。

PSUV候補者は、三州(グアロ、スクレ、アラグア)で、現職野党知事を打倒し、二州(ミランダとタチラ)で敗北した。野党は、観光の中心地(ヌエバ・エスパルタ)で知事の座を維持し、コロンビア、カラボボに接する州タチラ、と石油を産出するズリア州で勝利し、人口の多いミランダ州で逆転勝ちをおさめ、首都カラカス首都区長官の座を得た。65%という投票率は、これまでの全ての非大統領選挙を越えていることから、社会主義者の勝利は、特に意義深い。投票率が高いと野党が有利になるという、プロパガンダ世論調査会社の予想は、希望的観測を反映するものだった。歴史比較という文脈で見てみると、社会主義者の勝利の重みは明白だ。

1. ヨーロッパ、北あるいは南アメリカのいかなる与党も、自由で公開された選挙で、これほど高いレベルの国民支持をえているものはほとんどない。

2. セメント、鉄鋼、金融、および他の主要な民営資本主義主義独占企業の国有化を含めたいくつかの急進的な経済政策という文脈の中で、PSUVは高い水準の支持を維持した。

3. ベネズエラの主要輸出収入源である、石油価格の70%もの下落(一バレル140ドルから52ドル)にもかかわらず、社会主義者が勝利したが、これは政府の社会計画用の資金拠出を政府が維持したことによる所が大きい。

4. チャベス派候補者に関する投票判断の上で、選挙民はいっそう目が肥えた、つまり、十分に政府サービスを提供するよう努めた候補者には報い、大衆の要求を、無視したか、敏感でない人々を懲らしめたのだ。チャベス大統領は全ての社会主義者候補者の選挙で遊説したが、退陣するミランダ州のディスダド・カベジョ知事と、カラカス首都区長官らがそうであったように、地方のチャベス派現職知事に対して、強い不満がある地域では、投票者は、必ずしも一様にチャベスの指示に従ったわけではない。社会主義者の勝利は、大半が、意図的な階級的利害に基づく投票結果によるものであり、単にチャベス大統領との一体感を反映するものではない。

5. PSUVの決定的な勝利地よって、世界資本主義の崩壊が深化しつつあるのに対し、国家資金を、破産した資本主義の銀行、商業、製造企業の救済に注ぎ込むのではなく、社会主義政策によって対処する基盤ができた。資本主義の崩壊が、大半の重要な経済セクターの国有化を容易にしている。大半のベネズエラ企業は、国営および地方の銀行に負債が膨大にある。チャベス政府は、企業に借金を返済するか、企業の鍵を引き渡すか、尋ねることが可能で、実質上、痛みのない、社会主義への完璧に合法的な移行をもたらせる。

選挙結果は、極右と社会主義左翼との間の分極化が深化していることを示している。中道主義の社会民主的な元チャベス派知事たちは、事実上、政治地図から拭い去られてしまった。ミランダ州で当選した右翼、エンリケ・カプリレス・ラドンスキーは、2002年4月の失敗した軍事クーデターの際に、キューバ大使館を焼き払おうとした人物だし、新たに選挙されたズリア州知事パブロ・ペレスは、元右翼強硬派知事のロサレスが自ら選んだ候補者だった。

野党は州知事と首都区長官を支配して、中央政府を攻撃する基盤を得たものの、経済危機によって福祉サービスを維持するのに使える資源の額が大幅に減少し、連邦政府に対する依存の度合いが増すだろう。チャベス政府支出に対する正面攻撃は、国家と地方の資金を、ゲリラ戦争に向けさせ、連邦の福祉の低下を招き、草の根の不満をひき起こす。右翼は、州と市の福祉サービスを向上させ、腐敗とえこひいきを止めると約束によって勝利したのだ。縁故政治や極端な議事進行妨害といった、連中の過去の慣習に戻れば、大衆の支持を失い、地方での勝利を、全国的な力に変えようという願いを突き崩すだろう。新たに選出された野党の知事や首都区長官たちは、とりわけ深化しつつある危機という文脈の中で、連邦政府との協調と支持が必要であり、さもなくば彼等は国民の支持と信頼を失うだろう。

結論

マスコミが、社会主義者の勝利を認めることなど期待しても意味はない。野党が投票の40%を獲得した重さと、20%の州で勝利したことを、マスコミが懸命に誇張するのは予想通りのことだ。選挙後の期間、社会主義者が、結果を批判的に評価するだろうことは疑問の余地はないが、望むらくは、将来の候補者選びを再考し、チャベス大統領や‘社会主義’に対する忠誠心よりも、各地方の問題解決に対する業績を重視することだ。PSUV、チャベス大統領、議員や新たに選ばれたチャベス派幹部、が直面する、喫緊の最も差し迫った課題は、資本主義の世界的な崩壊に対処する、包括的な社会経済的戦略的計画の策定だ。これでは、石油価格、連邦政府の歳入の急激な低落、そして不可避な政府支出の減少への対象が特に重要だ。チャベスは、たとえ石油価格が、一バレル50ドル以下のまま、あるいはそれ以下に下がろうとも、全ての社会計画を維持すると約束した。もしも政府が、民間企業に対する膨大な助成金を削減するのに成功し、破産したか、あるいはほぼ破産状態にある民間企業への、いかなる緊急救済策にも乗り出さない限り、これは明らかに、前向きで、防御可能な立場だ。蓄えの400億ドルは、一時的緩衝材の役は果たせようが、単に、札を印刷し、大赤字を出し、通貨を切り下げ、既に高い率の年間インフレ(11月の時点で31%)を悪化させるだけではなく、連邦議会および州レベルにおける多数派の支持の元、政府が、厳しい選択をしなければならないという事実は、相変わらず存在したままだ。

唯一の合理的な戦略は、海外貿易の支配権を握り、直接に、製造、流通部門の経営を監督し、国民の生活水準を守るよう優先順序をつけることだ。官僚的な無能さを是正し、選挙で選ばれた怠惰な役職者を無力化するには、効果的な権力と支配権が、組織労働者や自治的な消費者や住民の評議会に引き渡されなければならない。近接する過去を振り返れば、社会主義者の市長や知事を選出するだけでは、進歩的政策がきちんと実施され、基本サービスが提供されるようにするのに十分でないことは明らかだ。リベラルな代議政治(たとえ社会主義者が選挙されていようとも)で、深化しつつある長びく経済危機の最中、厳しい決断と、国民にとって意味ある優先順とを実施させるには、最小限、人民管理と大衆の圧力が必要なのだ。

記事原文url:www.informationclearinghouse.info/article21332.htm

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上記記事、二大政党好みの大本営マスコミ記事(見出し)と比較いただきたい。

このベネズエラの選挙についても、予想通りのプロパガンダ記事が目立つ。

マスコミなるものの立場が、露出していて愉快。

日本国内やら、対米関係についての記事、どのような正体のものか、容易に想像がつく。

アメリカ茶番大統領選や、そして現状のどうでも良い情報は、しつこく洗脳報道するが、啓蒙的な記事は決して載せない。

ベネズエラ地方選、反チャベス野党連合が勢力拡大(朝日)

ベネズエラ統一地方選 重要地区でチャベス敗北(サンケイ)

ベネズエラ:統一地方選で野党躍進 チャベス派後退(毎日)

ベネズエラ統一地方選、野党が躍進…首都・重要州で勝利(読売)

ベネズエラ地方選で与党勝利、チャベス大統領の人気示す(AFP)

チャベス大統領派が勝利=野党が予想外の不調-ベネズエラ地方選(時事)

アメリカ茶番大統領選については、日本に帰化する前はアメリカ人だった、ビル・トッテン氏の文章、大本営マスコミのそれとは違い、納得が行く。

誰がなっても変わらない海賊国家の本質

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