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2008年11月 3日 (月)

オバマ、民主党ホワイト・ハウスへの「期待度低下工作」を開始

wsws.org

パトリック・マーチン

2008年11月1日

民主党の大統領候補バラク・オバマは、火曜日の投票日に投票の結論が出る前に、既に社会改革という約束から、身を引き始めている。民主党は、11月4日、ホワイト・ハウスを制し、下院、上院それぞれで多数派を取るだろう。

インタビューでもマスコミへの説明でも、民主党は選挙時の約束を否定する基盤を敷こうとし始めている。「多幸症的な支持者の多くが、オバマが実現できることについて、非現実的な希望を抱き始めているという懸念の真っ只中、バラク・オバマの上級顧問たちは、もしも来週の選挙に勝利した場合の、オバマ大統領への期待度を引き下げるための計画を練り上げた。突然の金融危機や、深くつらい不況という見通しのために、オバマ・チーム内部で、国民を現実に引き戻すことの緊急性が高まった。」と金曜日にロンドン・タイムズは報じた。

候補者本人が、期待度を引き下げるのを率先している。木曜日フロリダ州サラソタでの演説で、オバマは彼が選挙キャンペーンに登場する時にいつも話すテーマを繰り返した。「私はここで、こうしたことがどれも容易だというふりをするつもりはありません。特に今は」と語り、医療保険拡張等のような約束を遂行するのが困難な理由として「この経済危機のコストと、イラク戦争のコスト」を挙げた。

社会福祉の拡大と言うよりは、緊縮経済政策を擁護する口調で、彼は宣言した。「ワシントンは倹約しなければならず、不必要なことへの支出を延期しなければなりません。大統領として、私は連邦予算の各項目を子細に検討し、必要のない項目はやめ、必要で、より費用が少なくて済む項目を作るつもりです。」

コロラドのラジオ局から最初の百日間の目標について質問されて、医療改革、地球温暖化やイラク等の問題は、対処するのにもっと長い時間がかかると彼は答えた。「最初の百日間は大切ですが、肝心なのは、恐らく、最初の千日間ということになるでしょう。」

オバマは冨の再配分を支持している、というマケインの選挙キャンペーンの主張(その最もヒステリックなものは、彼は隠れ社会主義者だというのだが)をふりはらうのに四苦八苦してきた。ABCニューズのキャスター、チャールズ・ギブソンに水曜日のインタビューで「私が金持ちや成功した人々を懲罰することに関心があるなどという認識は馬鹿げています。」と語った。

ギブソンが、オバマが金持ちに課税することを主張しているのは「一種の典型的な階級戦争」ではないかと水を向けると、オバマは最も裕福なアメリカの資本家ウォーレン・バフェットが、自分を支持していることをあげて言った。「私がお話しているのは、...ビル・クリントン政権下で1990年代当時、年間250,000ドル以上の収入がある人々にかけていた税率に戻そうということなのです。決して懲罰的な率ではありません。私たちが言っているのは、累進課税を36から39にするということです。」累進課税は共和党大統領セオドア・ルーズベルトが始めたもので、経済改革とは何の関係もないと彼は述べた。

木曜日、フロリダ州での集会で、元大統領ビル・クリントンも同じ話題に触れた。オバマの横に立ってクリントンは言った。オバマ政権では「多数の百万長者や億万長者が生まれるでしょう。」1990年代の自分の実績を、ブッシュの過去八年間と比較して、クリントンは続けた「彼等よりも我々が多くの百万長者や億万長者を生み出したことは知っていますが、中流階級の所得は増加し、誰もが良い仕事を持っていたので、皆さんはそれに気がついておられないのです。それをバラク・オバマがまたやろうとしているのです。」

これは1990年代の経済実績の異様な歪曲だ。クリントン政権は、クリントン自身がかつて認めていたように、政策を証券市場のなすがままに任せ、経済的不平等は、共和党の前任者の元ではびこっていた以上のレベルで増大していた。

これほどあからさまな百万長者や億万長者の利益の擁護が、時折一般大衆向けの言葉づかいをするにもかかわらず、オバマ選挙キャンペーンが、なぜ大企業の代弁者たちからの支持を益々増やしているかという理由だ。先週イギリス金融資本による二つの主要刊行物、日刊紙ファイナンシャル・タイムズと週刊誌エコノミストが、いずれもアメリカ人にオバマ大統領を選出するよう強く進める記事を載せた。エコノミスト記事は、支配層エリートの象徴かつ、公的な代弁者としてのオバマの価値に触れ、アメリカ合州国は、世界に対して、リーマン・ブラザーズと対になったアメリカ資本主義や、グアンタナモ湾と対になったアメリカの正義ではない、自分を「再売込み」しなければならないのだと書いた。

民主党の優勢に便乗して獲得した重要な業界として、国防産業がある。選挙キャンペーンへの献金を追跡しているワシントンの政治資金監視団体、Center for Responsive Politicsによると、軍事産業は、共和党の競争相手、ジョン・マケイン上院議員よりも、34パーセント多く、オバマに献金している。

「国防部門では、民主党へのかなり大規模な移行が起きています」とこの団体の広報担当者は語っている。この移行は、オバマがイラク戦争反対を余り言わなくなり、アフガニスタンとパキスタンにおけるアメリカ軍の作戦の強化を再三呼びかけ、軍事支出の増加を主張していることと軌を一にしている。

木曜日にウォール・ストリート・ジャーナルがインタビューした何人かの主要民主党議員は、来年早々 医療のような重要な問題の意欲的な法制化の可能性を否定した。「物事は、改革するより、進展するにまかせた方が良い」南カリフォルニア選出の下院院内幹事で、下院のアフリカ系アメリカ人議員集団ブラック・コーカスのメンバーであるジェームズ・クライバーンは同紙に語った。「大改革は危険だ。」

いわゆるブルー・ドッグ派という名の50人ほどの経済的保守派の下院民主議員集団のリーダーである、アーカンサス選出下院議員マイク・ロスによると、オバマは10月に彼を招いて、オバマ政権は、あらゆる支出増を、必ずそれに見合った支出削減あるいは増税で埋め合わせる、アメリカ議会の賦課方式予算を必ず守ると請けあったという。

下院民主党最大の集団は、同紙によると、新政権を、医療等の様な、より広範な課題ではなく、「超党派的な支持が確実な、わずかな項目、例えば、経済刺激パッケージ、タバコ税増税で財政をまかなう、州児童健康保険プログラムの拡張と、連邦による幹細胞研究への財政支援」だけに限定したいのだという。

2008年アメリカ大統領選挙キャンペーンを、過去これまでになかった程熱心にアメリカ人が見守っているのは間違いない。選挙人登録率は、不況に見舞われたミシガン州では、史上最高記録の98.3パーセントで、過去二週間、30州の不在者投票所には長蛇の列ができている。投票率は、1960年の記録72パーセントと並ぶか、越えるものと見られている。水曜日の夜、国民のほぼ55パーセントが7つの放送局とケーブル局で放送されたオバマの30分間の情報CMの一部か全部を視聴したが、このような番組としては記録破りの数値だ。

火曜日には、何千万人の人々が、共和党政権を民主党政権に変えれば、自分たちの生活状態が良くなったり、イラク戦争を終わらせられるのではと願って、オバマに投票するだろう。しかし、オバマ勝利の結果は、民主党の広報担当者たちが既にはっきりと語り始めたように 、一つの右翼の資本主義政権を、もう一つの政権と置き換えるにすぎない。オバマは、この危機の負荷を労働者に押しつけろという、ウォール街からの明らかな委託を受けて、大恐慌以来、自由企業制度に対する最大の危機のさなかに政権につくのだ。

Socialist Equality Party(SEP)は、社会主義プログラムに基づいた、労働者階級の独立した大きな政党を建設する基礎を敷くため、2008選挙に出馬している。これこそが、世界的な経済危機、帝国主義者の戦争の拡大と、民主党右派の大規模な攻撃に直面している労働者にとって、唯一の望みある展望なのだ。

SEPの選挙キャンペーン詳細を知るには、ここをクリック。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2008/nov2008/obam-n01.shtml

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上記記事の下から二つ目の部分を、もじれば、日本そのまま。

日本の総選挙では、何千万人の人々が、自公政権を民主党(自・民大連立)政権に変えれば、自分たちの生活状態が良くなったり、新自由主義政策を終わらせられるのではと願って、民主党に投票するだろう。しかし、民主党勝利の結果は、一つの右翼の資本主義政権を、もう一つの政権と置き換えるにすぎない。民主党は、この危機の負荷を労働者に押しつけろという、兜町からの明らかな委託を受けて、大恐慌以来、自由企業制度に対する最大の危機のさなかに政権につくのだ。

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