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2008年11月

2008年11月29日 (土)

ムンバイ・テロリスト、チェチェン作戦を使用

Russia Today - 2008-11-28

インドの都市ムンバイで、150人以上の人々を殺害し、300人以上を負傷させたテロリストは、チェチェンの過激派が北カフカスで使ったのと同じ戦術を使用したと、ロシアの大統領対テロ特使アナトリー・サフォーノフは語っている。

1990年代に北カフカスの町で、テロリストが家や病院を占拠し、無数の人質をとった。

「これらの戦術は、過激派チェチェン人野戦司令官シャミール・バサーェフやサルマン・ラドゥーエフが、ブジョンノフスクとピェルヴォマイスコエの町を襲撃する際に使用された。歴史上始めて、町全体が威嚇され、家や病院が占拠された。ムンバイ・テロリストは、こうした戦術を良く学んでいる」とサフォーノフは、木曜日にロシアの通信社インターファックスに語った。

ムンバイ・テロは、地域レベルの対テロ対策は十分ではないことの証明だとサフォーノフは語った。

「実在しない脅威との戦いや、ある国々の指導者による軍事上の冒険を支援するために、世界は膨大な資源を使っている。それなのに、大都市が一握りのテロリストによる襲撃に対して無防備であることが明らかになったのだ。世界規模のテロが最大の課題であり続けているという、一つの警告だ」サフォーノフはインターファックスにそう語った。

彼はまた、ムンバイ攻撃テロ集団の背後を徹底的に調べるのはインド諜報機関の仕事だと指摘した。「何らかの著名なテロ組織の下部組織」であるか否かを判断する必要があろうとサフォーノフは語っている。

大統領特使は、ロシア-インドの対テロ作戦作業グループが近い将来会合できると良いと期待を表明した。

「インドの人々への支援とお悔やみの気持ちを表明し、ムンバイのテロ攻撃で身内や愛する人々を亡くされたご家族に同情申しあげる」とサフォーノフは語った。

木曜日 テロリストは、ムンバイで、何軒かの一流ホテル、レストランと鉄道駅を含む10の標的を攻撃した。

警察は、都市の支配権を奪還したと語っている。

記事原文のurl:www.russiatoday.com/news/news/33921

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上記urlには煙があがるムンバイのホテルに似たブジョンノフスクの病院の写真がある。

2008年11月28日 (金)

決定的な選挙におけるベネズエラ社会主義者の勝利

James Petras

2008年11月27日、 "Information Clearinghouse"

チャベス派のベネズエラ統一社会主義党(PSUV)が、2008年11月23日、選出知事の72%を占め、投票の58%を獲得し、大半の資本主義寄りの世論調査会社やら、大半の野党好みマスコミによる予想を唖然とさせた。

PSUV候補者は、三州(グアロ、スクレ、アラグア)で、現職野党知事を打倒し、二州(ミランダとタチラ)で敗北した。野党は、観光の中心地(ヌエバ・エスパルタ)で知事の座を維持し、コロンビア、カラボボに接する州タチラ、と石油を産出するズリア州で勝利し、人口の多いミランダ州で逆転勝ちをおさめ、首都カラカス首都区長官の座を得た。65%という投票率は、これまでの全ての非大統領選挙を越えていることから、社会主義者の勝利は、特に意義深い。投票率が高いと野党が有利になるという、プロパガンダ世論調査会社の予想は、希望的観測を反映するものだった。歴史比較という文脈で見てみると、社会主義者の勝利の重みは明白だ。

1. ヨーロッパ、北あるいは南アメリカのいかなる与党も、自由で公開された選挙で、これほど高いレベルの国民支持をえているものはほとんどない。

2. セメント、鉄鋼、金融、および他の主要な民営資本主義主義独占企業の国有化を含めたいくつかの急進的な経済政策という文脈の中で、PSUVは高い水準の支持を維持した。

3. ベネズエラの主要輸出収入源である、石油価格の70%もの下落(一バレル140ドルから52ドル)にもかかわらず、社会主義者が勝利したが、これは政府の社会計画用の資金拠出を政府が維持したことによる所が大きい。

4. チャベス派候補者に関する投票判断の上で、選挙民はいっそう目が肥えた、つまり、十分に政府サービスを提供するよう努めた候補者には報い、大衆の要求を、無視したか、敏感でない人々を懲らしめたのだ。チャベス大統領は全ての社会主義者候補者の選挙で遊説したが、退陣するミランダ州のディスダド・カベジョ知事と、カラカス首都区長官らがそうであったように、地方のチャベス派現職知事に対して、強い不満がある地域では、投票者は、必ずしも一様にチャベスの指示に従ったわけではない。社会主義者の勝利は、大半が、意図的な階級的利害に基づく投票結果によるものであり、単にチャベス大統領との一体感を反映するものではない。

5. PSUVの決定的な勝利地よって、世界資本主義の崩壊が深化しつつあるのに対し、国家資金を、破産した資本主義の銀行、商業、製造企業の救済に注ぎ込むのではなく、社会主義政策によって対処する基盤ができた。資本主義の崩壊が、大半の重要な経済セクターの国有化を容易にしている。大半のベネズエラ企業は、国営および地方の銀行に負債が膨大にある。チャベス政府は、企業に借金を返済するか、企業の鍵を引き渡すか、尋ねることが可能で、実質上、痛みのない、社会主義への完璧に合法的な移行をもたらせる。

選挙結果は、極右と社会主義左翼との間の分極化が深化していることを示している。中道主義の社会民主的な元チャベス派知事たちは、事実上、政治地図から拭い去られてしまった。ミランダ州で当選した右翼、エンリケ・カプリレス・ラドンスキーは、2002年4月の失敗した軍事クーデターの際に、キューバ大使館を焼き払おうとした人物だし、新たに選挙されたズリア州知事パブロ・ペレスは、元右翼強硬派知事のロサレスが自ら選んだ候補者だった。

野党は州知事と首都区長官を支配して、中央政府を攻撃する基盤を得たものの、経済危機によって福祉サービスを維持するのに使える資源の額が大幅に減少し、連邦政府に対する依存の度合いが増すだろう。チャベス政府支出に対する正面攻撃は、国家と地方の資金を、ゲリラ戦争に向けさせ、連邦の福祉の低下を招き、草の根の不満をひき起こす。右翼は、州と市の福祉サービスを向上させ、腐敗とえこひいきを止めると約束によって勝利したのだ。縁故政治や極端な議事進行妨害といった、連中の過去の慣習に戻れば、大衆の支持を失い、地方での勝利を、全国的な力に変えようという願いを突き崩すだろう。新たに選出された野党の知事や首都区長官たちは、とりわけ深化しつつある危機という文脈の中で、連邦政府との協調と支持が必要であり、さもなくば彼等は国民の支持と信頼を失うだろう。

結論

マスコミが、社会主義者の勝利を認めることなど期待しても意味はない。野党が投票の40%を獲得した重さと、20%の州で勝利したことを、マスコミが懸命に誇張するのは予想通りのことだ。選挙後の期間、社会主義者が、結果を批判的に評価するだろうことは疑問の余地はないが、望むらくは、将来の候補者選びを再考し、チャベス大統領や‘社会主義’に対する忠誠心よりも、各地方の問題解決に対する業績を重視することだ。PSUV、チャベス大統領、議員や新たに選ばれたチャベス派幹部、が直面する、喫緊の最も差し迫った課題は、資本主義の世界的な崩壊に対処する、包括的な社会経済的戦略的計画の策定だ。これでは、石油価格、連邦政府の歳入の急激な低落、そして不可避な政府支出の減少への対象が特に重要だ。チャベスは、たとえ石油価格が、一バレル50ドル以下のまま、あるいはそれ以下に下がろうとも、全ての社会計画を維持すると約束した。もしも政府が、民間企業に対する膨大な助成金を削減するのに成功し、破産したか、あるいはほぼ破産状態にある民間企業への、いかなる緊急救済策にも乗り出さない限り、これは明らかに、前向きで、防御可能な立場だ。蓄えの400億ドルは、一時的緩衝材の役は果たせようが、単に、札を印刷し、大赤字を出し、通貨を切り下げ、既に高い率の年間インフレ(11月の時点で31%)を悪化させるだけではなく、連邦議会および州レベルにおける多数派の支持の元、政府が、厳しい選択をしなければならないという事実は、相変わらず存在したままだ。

唯一の合理的な戦略は、海外貿易の支配権を握り、直接に、製造、流通部門の経営を監督し、国民の生活水準を守るよう優先順序をつけることだ。官僚的な無能さを是正し、選挙で選ばれた怠惰な役職者を無力化するには、効果的な権力と支配権が、組織労働者や自治的な消費者や住民の評議会に引き渡されなければならない。近接する過去を振り返れば、社会主義者の市長や知事を選出するだけでは、進歩的政策がきちんと実施され、基本サービスが提供されるようにするのに十分でないことは明らかだ。リベラルな代議政治(たとえ社会主義者が選挙されていようとも)で、深化しつつある長びく経済危機の最中、厳しい決断と、国民にとって意味ある優先順とを実施させるには、最小限、人民管理と大衆の圧力が必要なのだ。

記事原文url:www.informationclearinghouse.info/article21332.htm

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上記記事、二大政党好みの大本営マスコミ記事(見出し)と比較いただきたい。

このベネズエラの選挙についても、予想通りのプロパガンダ記事が目立つ。

マスコミなるものの立場が、露出していて愉快。

日本国内やら、対米関係についての記事、どのような正体のものか、容易に想像がつく。

アメリカ茶番大統領選や、そして現状のどうでも良い情報は、しつこく洗脳報道するが、啓蒙的な記事は決して載せない。

ベネズエラ地方選、反チャベス野党連合が勢力拡大(朝日)

ベネズエラ統一地方選 重要地区でチャベス敗北(サンケイ)

ベネズエラ:統一地方選で野党躍進 チャベス派後退(毎日)

ベネズエラ統一地方選、野党が躍進…首都・重要州で勝利(読売)

ベネズエラ地方選で与党勝利、チャベス大統領の人気示す(AFP)

チャベス大統領派が勝利=野党が予想外の不調-ベネズエラ地方選(時事)

アメリカ茶番大統領選については、日本に帰化する前はアメリカ人だった、ビル・トッテン氏の文章、大本営マスコミのそれとは違い、納得が行く。

誰がなっても変わらない海賊国家の本質

2008年11月24日 (月)

昔の名前で出てきた「チェンジ(改革)」-第三次クリントン政権

ラルフ・ネーダー

2008年11月21日、"Counterpunch"

リベラルなインテリの方々が大統領選挙キャンペーンの間、バラク・オバマにうっとりされている際、小生は「失望する覚悟をしておいてください」と忠告申しあげていた。イリノイ州やアメリカの上院議員としての実績や、多くの進歩的な、ずっと前から始まっている行動の流れ等に、選挙キャンペーン中、彼が反対してきたことからして、その様な予測は、不幸にして、明々白々だった。

今や、その同じインテリが、オバマの移行チームや、彼の政権に早々に任命された連中についてわめき始めている。ヒラリー・クリントン上院議員を民主党予備選挙で打ち破ったのに、今やビル・クリントンの古株連中を引き込むのにおおわらわだ。ポリティコ紙によれば、移行用なり任命として彼がこれまでに選んだ47人のうち、31人がクリントン政権と関係していたという。あるクリントン派人物の発言がワシントン・ポストに引用されている。「これは、ちょっとしたクリントン風味などではありません。これはそのまんまクリントンです。徹頭徹尾。」

オバマの「外交政策チームは、今やタカ派、今や1990年代の民主党古株に支配されている」とジェレミー・スケイヒルが書いている。諜報機関を見なおしたりや任命を推奨するオバマの移行チームを率いているのが、一例として、コリン・パウエル国務長官が国連でイラクに対する戦争を呼びかけた間違った演説のように、CIAが諜報情報の政治利用に関与していた時期に、ジョージ・テネット長官の元で働いていたジョン・ブレナンやジェミイ・ミスチクなのだ。

ブレナン氏は、政府幹部として、彼は令状なしの盗聴や、拷問が可能な他国への臨時引き渡しを支持してきた。ナショナル・パブリック・ラジオは、今年オバマが寝返って改訂FISAに賛成投票をした際、彼はジョン・ブレナンの助言に従ったのだと報道している。

こうした二人の顧問や、オバマが暗い過去の日々から探し出した他の連中の詳細については、デモクラシー・ナウの2008年11月17日と、ジェレミー・スケイヒルの、AlterNet、2008年11月20日、「これが変化か? オバマのホワイト・ハウスを監視する、20人のタカ派、クリントン主義者やネオコン」をご覧いただきたい。

ホワイト・ハウスの大統領首席補佐官として選んだのがラーム・エマニュエルで、彼は究極的な、非情な大企業派民主党議員、軍事-海外政策タカ派でクリントン ホワイト・ハウスにおけるNAFTAや世界貿易機関での大企業グローバル化の黒子だ。

牧歌的な「希望と改革」キャンペーンの月日のオバマの言葉を思い出してみよう。「アメリカ人は…同じ年寄り連中に、仕事を何度も、何度も、何度もやらせておいて、なんとか違う結果を得たいというのは、大変なギャンブルだということを理解しています」こうした発言の後、万雷の拍手が続くのだった。

「これは、新たなスタートというよりは、2月2日恒例のグラウンドホッグ・デーだ」というのが、元ブッシュの顧問で、現在倫理公共政策センターにいるピーター・ウェーナーの評価だ。

バラク・オバマが、アメリカ人に対して政治的な詐欺をしているという徴候はたっぷりある。彼は今や、アイゼンハワー大統領が退任演説でアメリカ人に警告した、揺るぎない軍産複合体に日々巻き込まれつつあるのだ。

選挙後の初写真撮影時に彼はロバート・ルービンを横にはべらせ、ウォール街に、相場師やら、ペテン師のための7500億ドル緊急救済策に賛成したのは、決してまぐれだったわけではないと合図をした(ルービンは、今や悲惨な目にあっているシティーグループで、莫大な給料をもらう共同支配人の一人になる前は、1999年、財務長官としてクリントン財政規制緩和策の設計者だった。)

オバマ擁護派は言う。彼の選択は仕事をすませたかったためで、彼はワシントンの事情を良く知っている連中を必要としていたのだ。更に連中は言うだろう。改革は行動の優先順序と、進路を設定する大統領からのみ起きるのであり、彼の部下からおきるのではない。こうした説明は、大統領が任命した連中は、ボスがそうありたいという方向を示す鏡像ではなく、オバマの変化なるものを遂行する役人に過ぎないという仮定に基づいている。

読者が、万一そのようなありそうもないシナリオを信じたいような気分でおられるなら、マット・ゴンザレスがカウンターパンチで編集した、オバマの実績を検討されるとよろしいのではと思う。

記事原文のurl:www.counterpunch.org/nader11212008.html

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ご承知の通り、ラルフ・ネーダー、今回も大統領選に立候補していた。

宗主国でも属国でも、大本営マスコミ、もっぱら二大政党交代論。

それ以外の野党の記事は報じない。

属国の政治は宗主国政治のコピー。

属国のマスコミは宗主国マスコミのコピー。

従って、次回の属国衆議院選挙では、宗主国と同じ名前の民主党が勝つだろう。

そしてその結果も、宗主国と同じになるだろう。いや大連立か。

ネーダーの言葉はそのまま日本にあてはまりそう。「失望する覚悟をしておいてください」

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ネーダーのこの発言について、藤永茂氏も「私の闇の奥“ストーリー”はもう沢山だ(3)で触れておられる。

ぜひご一読を。

ふと思いついたのだが、属国日本の異常な首相による「改革」というキャッチフレーズで、それまでの、多少はましだった構造の破壊に成功したので、周回遅れで、これから、宗主国が「チェンジ(改革)」という美名のもと、破壊を推し進めるのだろう。

経済崩壊のもとを作った人物ルービンを、ぐるりめぐって、再び、采配を揮うる立場に付けるというのは、正気の沙汰ではない。ノーベル経済学賞なるものの受賞者数を確認していただくとわかるが、世界大恐慌を起こそうとしているアメリカが圧倒的に多い。ノーベル経済破壊学賞だろう。

それでいえば、最も多数の民間人殺戮に貢献しているキッシンジャー、そのアメリカのベトナム殺戮と、日本の植民地化に貢献した佐藤首相がノーベル平和賞というのもすごいことだ。ノーベル戦争賞だろう。

ノーベル賞というのは、せいぜい飴を楽しめばよいので、賞そのものは、世界ブラックユーモア賞と改名するべきではと思えてくる。

2008年11月22日 (土)

アメリカのミサイル網

Manjit Singh

Geopolitical Monitor - 2008-11-17

ブッシュ政権外交政策の主眼点ともいうべき、アメリカが計画中のヨーロッパ・ミサイル防衛網は、最近の大統領選挙でのバラク・オバマ勝利後、どうやらごみ箱入りの運命のようだ。

金曜日、ロシア大統領ドミトリー・メドベーシェフとのサミットで、フランスのニコラ・サルコジ大統領は、ワシントンに対し、計画中のミサイル防衛網配備は、ヨーロッパに対し安全保障をもたらし損ねるのみならず、緊張を高め、国際関係を複雑化し、必然的に、大陸に不安定をもたらすだろうと警告した。フランスはヨーロッパの大国の一つで、主要なアメリカ同盟国で、現在は欧州連合理事会議長国だ。従って、フランスがミサイル防衛計画に対して新たに反対を表明したことは、ブッシュ大統領の外交政策資産に対する大打撃だ。

興味深いことに、サルコジ大統領は、前任者ジャック・シラクより、ブッシュ大統領にはるかに親密に提携してきており、これまで、公的にブッシュの外交政策を支持しながら同時にフランス独自の外交政策イニシアチブを構築してきた。そこで、ブッシュの最も意欲的な対ヨーロッパ外交政策課題に対する、近しい同盟者サルコジからの直接的な異議申し立ての大きな理由は、ミサイル網に反対してはいないが、技術的な実現可能性に関して懐疑的な態度を表明し、「可能性を検討する」意図に対しては承認している次期大統領バラク・オバマの最近の勝利だろう。

事実、オバマが大統領選挙に勝利した数時間後、金曜日の仏露サミットにおけるサルコジの相手役はアメリカのミサイル防衛網提案への対応を発表した。メドベーシェフ大統領が、対抗策として、ロシアは、ポーランド国境に近い、バルト海地域にあるカリーニングラードに自前のイスカンデール・ミサイルを配備する意図を表明したのだ。アメリカのミサイル防衛網を打ち破るというロシアの狙い(それによって核抑止力を維持する)は、何十年ものヨーロッパの非軍事化を逆転させ、ヨーロッパ-アメリカ同盟内部での離反を深めることはまず確実だ。

実際、サルコジは既に、この件をNATO同盟諸国と話し合うつもりで、更に、ロシアをメンバー国として含む欧州安全保障協力機構(OSCE)の支援の元で、汎ヨーロッパ安全保障会議を開催する予定だとほのめかしている。確かに後者のグループは、アメリカのミサイル防衛網によるヨーロッパの再軍備に反対するだろうし、ヨーロッパのNATO同盟諸国、特に西ヨーロッパ(元アメリカ国防長官ドナルド・ラムズフェルドが、あざけるように「古いヨーロッパ」と呼んだ国々)が、ヨーロッパ-アメリカ防衛同盟で仲間割れする可能性が一層高まろう。

しかもオバマは、特にヨーロッパにおいて、NATOの協力強化なしには外交政策目標を進めることができないのだ。西ヨーロッパのNATO加盟国が、オバマが、ヨーロッパ再軍備というブッシュ路線を破棄してくれれば、我々もアフガニスタンからの軍撤退のペースをゆるめよう、というような交換条件を提案する可能性が高そうだ。

ロシアとしては、もしオバマが、ヨーロッパ再軍備という、ブッシュの計画を放棄すれば、見返りとして、カリーニングラードにミサイルを配備するというロシアの計画を中止すると既に譲歩している。

とはいえこの危機の結果を左右するのは、経済的な懸念の可能性がある。昨年ロシアとヨーロッパは、1000億ユーロの貿易をしており、特に最近の世界同時不況を考えればヨーロッパの諸大国が、そうした貿易を駄目にしようとするなどとは考えがたい。EUはロシアの第一の顧客で投資家であり、一方ロシアはヨーロッパの主要エネルギー源となっている。ヨーロッパにおいて、再会された冷戦のための防衛力強化への資金拠出を巡る懸念が、大半のヨーロッパ諸国にとって抑止的効果を持つことも確かだ。

経済以外にも、ロシアは使えるカードがある。安保理事会拒否権を使って、ロシアはイランに対するいかなる新規制裁措置をにも反対すると表明した。一方で、メドベージェフは、今月末、更にアメリカとは不和の二国を訪問予定だ。キューバとベネズエラ(ロシアは最近、ベネズエラ軍の戦力向上契約をしている)だ。

ロシアが対決路線カードを活用し続けて、オバマが自称する国際主義的な狙いに協力するのを交換条件に、ヨーロッパの現在の非軍事化という現状を維持するという互恵的な合意を、オバマに受け入れさせようとするのはまず確実だ。

半世紀昔のキューバ・ミサイル危機を見ているようで気味が悪いが、今回は大団円の方が、クライマックスより優先しているようだ。

記事原文のurl:www.geopoliticalmonitor.com/content/weekly_forecasts/2008-11-17/us-missile-shield-november-17-2008/

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ヨーロッパでのMDをめぐる状況の展開と、東アジアでのそれとは実に対照的。

費用60億円の迎撃ミサイル発射実験、海自が失敗 読売記事

日本の軍・政治のトップは、第二次大戦の教訓を学ばず、かつての敵国の走狗となって、ごみ箱入りミサイル・システムに驚くほど巨額なむだ金を投じている。

陸では、パトリオット(愛国者)ミサイルPAC3なる売国的ミサイルが配備されている。

ミサイルで幸せになるのは、属国・宗主国のトップと軍需産業だけだろうに、さほど報道されずに、厚生省暗殺事件一辺倒。

昔攻めたアジア諸国との信頼関係がない、アパ論文が大手を振って通る日本には、ロシアに対するフランスのように、同調してくれる近隣諸国の声など決してあらわれない。

「属国でいてくれた方が安心」「余剰資金はごみ箱に捨ててほしい」と周囲の国々には思われているのかも知れない。今回の金融バブル崩壊で、宗主国に、10兆円既に献上したのだろうか、するのだろうか?

いや、そう思われるような特殊なイデオロギーを持っていればこそ、宣伝してくれればこそ、ごみ箱ゆきのミサイルを売りつけるのに便利なので、傭兵の「トップにしてもらえる」のだろう、と今気がついた。

彼のトンデモ発言が宣伝されているのは、イラクでの安保条約・地位協定成立と並行する、対アジア諸国向けの日本属国恒久化の高等戦術のようだ。

「安保をなくして、独立したい」という異論反論を言うようでは、属国での出世はおぼつかない。

2008年11月21日 (金)

果てしない戦争へのオバマの「とぎれのない移行」

wsws.org

2008年11月18日

次期大統領バラク・オバマは、11月4日の大統領選勝利後、始めてのテレビ放送インタビューとして、日曜に、CBSの番組「60ミニッツ」に出演した。

彼は広範な話題を論じたが、具体性を欠きながらも、落ち着いた様子は、ブリーフィング用書籍の山は通読したが、自分自身の立場というものをほとんど持たず、また何より、誰も不快にさせないよう躍起になっている人物を思わせるものだった。

しかしながら、この一週間一体何に「集中していた」のですかと問われた時、彼はきっぱりと答えた。「何よりも国家安全保障チームを機能させておくことが重要だと考えています。なぜなら移行期間というものはテロ攻撃に対して潜在的に脆弱な時期ですから。国家安全保障の移行に関しては、できる限りとぎれがないようにしたいと考えています。」

次期オバマ政権に、権力を引き渡そうとしている政権が追求してきた戦略や政策を考えると、「国家安全保障のとぎれがない移行」という言いまわしは、熟考に十分値する。

ブッシュ政権はブッシュ・ドクトリンとして知られるようになった明らかな国家安全保障政策を公言していた。本質的にドクトリンは、アメリカ政府が、アメリカ合州国にとって軍事的な脅威をもたらすと思われるいかなる国へも先制攻撃を行う「権利」を宣言していた。公式に述べられたこの侵略戦争政策の基礎となっているのは、海外での戦争と国内での圧政によって、富と権力の独占を強化するというアメリカ支配層エリートの決意だ。

ブッシュ・ドクトリンは、イラクとアフガニスタンの戦争と占領の継続、並びに、パキスタン、シリア、ソマリアやイエメン等、他の多数の国々に対する一連の軍事攻撃とに至ったアメリカ軍国主義の爆発を、政治的表現に表現したものだ。

同様に、「国家安全保障」と「グローバル対テロ戦争」も、誘拐、臨時引渡し、拷問と裁判なしの拘禁を含む、犯罪的政策の正当化として発動されたのだ。

この分野において「とぎれがない移行」を行うというオバマの決意は、彼が大統領選で勝利できたのは、こうした政策のおかげで喚起された大衆の嫌悪感による部分がかなり大きいという事実に反するように見える。選挙民が見たいと期待したものが何かあったとすれば、それは「とぎれ」つまり、差異、中断、とぎれこそが、ここにあらわれるはずだ。

ところが、すでに選挙の準備段階から、ブッシュと自分との違いは、戦略的というよりは、戦術的なもの、あるいは、節操ある人格だということを、オバマは繰り返し明らかにしていた。彼は予防戦争政策を暗黙裡に奉じているが、これはつまり、彼はパキスタン国内の標的を攻撃し、イランの核兵器開発といわれているものにも先手を打つ策をとるであろうことを意味している。

移行プロセスが進行するにつれ、アメリカの外交政策をめぐる戦術的な違いにもかかわらず、軍事的侵略や国際的な犯罪を通したアメリカの金融独裁者たちの世界的な戦略目標追求は、オバマが一月にホワイト・ハウスに入った後、まもなく終了するというわけではないことが一層明らかになりつつある。

むしろ、体制支配層内部では、政権交代は、アメリカ資本主義の世界的な利益追求に対する、オバマという人物による、より好都合な政治的隠れみのを実現しながら、アメリカ軍国主義をより効率的なものにする変化をもたらす手段の一つと見なされているのだ。

日曜日のインタビューで、オバマは、イラクの兵員を「引き下げる」が、それは、アフガニスタンでのアメリカの戦争に「てこ入れ」するためにすぎないという決意を繰り返した。自分の「最優先課題」は「アルカイダをきっぱりと撲滅する」ことだと宣言して、「世界対テロ戦争」は単に継続するばかりでなく、エスカレートする可能性が高いことを明らかにしている。

日曜日に、オバマの元で追求されるであろう軍事政策の本当の姿が、次期政権の政策を設定している民主党支配者層との緊密な結びつきを反映している見解をもった新聞の一つニューヨーク・タイムズの論説という形で、多少詳しく説明された。

「危険な新世界のための軍隊」という題の論説は、イラクやアフガニスタンで見られたもののいずれもが小さく見えてしまうような規模の複数の戦争に備えるべくアメリカ軍を増強するための、背筋が凍るような青写真を描いている。

イラクでの長引く戦争と占領のおかげで、アメリカは「兵員と装備に無理をさせすぎてきた … 」ために、アフガニスタンにおいて必要と思われているエスカレーションや、「次の脅威」と対決する用意ができていないという事実の悲嘆で論説は始まっている。

「アフガニスタンのタリバンとアルカイダを打ち破るべく」「世界中のアルカイダ勢力を追跡して」戦うことに加え、「イランの核を持とうという野望、常軌を逸した北朝鮮、勃興しつつある中国、独断的なロシアや、ソマリアや核兵器を持ったパキスタンのような多数の不安定な国々」との対決にアメリカ軍は備えなければならないのだとタイムズ紙は主張するのだ。

更におよそ100,000人の兵士と海兵隊員を、アメリカの地上軍に加えて、総計759,000人の現役兵員とするというオバマ自身の呼びかけを同紙は繰り返している。しかしながら、これは「大変な規模に見える」が、それでもまだ不十分だとまで断言するに至っている。

軍がイラク戦争のおかげで「ひどく伸びきってしまっている」と宣言した上で、タイムズ紙は、「これらの問題を克服する、最も確実な処方箋は、はるかに大規模な地上軍だ」と結論づけている。

一体どこから、どうやって、オバマ政権は、こうした「極めて大規模な」数の兵員を調達するのだろう? タイムズは言及していない。だが、一つの論理的な結論は、もしも、それほど大規模なアメリカ軍規模の変化が必要なのであれば、それはおそらくは、徴兵制の再開、徴兵復活を意味しよう。大統領選挙キャンペーンで、オバマは「国家への奉仕」と「犠牲」を反復して欣求することによって、またもや何万人ものアメリカの若者を駆り集め、アメリカ帝国主義の軍国主義的な投機地おける砲弾の餌食に使うことの、イデオロギー的な基盤を置いたのだ。

タイムズ紙は、アメリカ軍は大幅に拡張しなければならないと考えているだけではなく、「新たな技術」の開発、とりわけ「ゲリラ反抗勢力」を鎮圧し、「非正規戦争」を遂行する能力に磨きをかけるよう呼びかけている。言い換えれば、「21世紀の戦争」を継続するということは、ジョージ・W・ブッシュの言葉を借りれば、アメリカ資本主義のための原材料、市場と、安価な労働力のプールを確保するための、より汚らしい植民地型の占領と抑圧された諸国の従属をも意味している。

同時にタイムズ紙は、アメリカ軍の「揚陸能力」、つまり「膨大な量の兵員と資材を、速やかに世界中に移動させ、必要な時に海運で供給する」能力の増強を擁護している。

同紙はまた、中国の海軍強化について警告し、ワシントンは 「いかなる国による重要な海運レーンに干渉も許す」ことはできないと断言している。海兵隊による迅速な介入に必要な補給品を保持する領海事前集積部隊艦船と、標的とする諸国の沿岸で、攻撃を実行できる小型船舶である沿岸戦闘艦に、大規模な新規投資をするよう、この論説は強く促している。

「私たちが要求しているものは、費用がかかるだろう」とタイムズ紙は認め、92,000人の地上部隊を追加する現在の計画は、今後六年間にわたり、1000億ドルかかるだろうと語っている。同紙が擁護している、かなり大規模な増強は、海軍の強化と他の軍用ハード購入と同様に、はるかに膨大な支出を必然的に伴う。

「イラクから軍を撤退することによって得られる蓄えの多くは、軍隊の修復と再建」に充てなければなるまいと論説は述べている。イラクで一カ月に100億ドルも消費するのを止め、その代わりに「アメリカ再建」に投資するというオバマ選挙キャンペーンの約束はだいなしだ。それどころか、その資金は更なる死と破壊の準備に使われるのだ。

緊急救済で何兆ドルもウォール街の銀行に注ぎ込むという状態下、社会的支出を増やすという約束は棚上げせざるを得ない、という継続的な警告をもたらしている中、アメリカの戦争装置に何千億ドルもの追加資金を注ぎこむ必要性に疑問の余地がないことは、単なる偶然ではない。

タイムズ紙の論説とオバマへの移行の進展が、アメリカ資本主義の絶望的な経済危機が、これからの歳月、更に爆発的なアメリカ軍国主義の展開をもたらすだろうという厳しい警告の役割を果たしている。

Bill Van Auken

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2008/nov2008/pers-n18.shtml

2008年11月19日 (水)

アメリカのまぬけなイラク政策

Paul Craig Roberts

2008年11月18日、 "Information Clearinghouse"

あらゆる点から見て、アメリカは、大恐慌以来最悪の経済危機に直面しており、救済措置と景気刺激のため、2兆ドルを当面資金調達する必要性が生じている。これはどんな国にとっても膨大な金額だ。とりわけこれほどひどい債務があって、破産寸前である国にとっては。もしも、海外から金が借りられなければ、印刷するしかない。これはハイパー-インフレーションをひき起こす可能性をもった政策だ。

普通の生活では、債権者たちに援助を訴えなければならない借り手は、自分の財務の安定を取り戻すべく、ありとあらゆる努力をするものだ。だがブッシュ政権は違う。

ブッシュのイラク戦争の現金支払い経費は、現在でおよそ6000億ドルだが、この数値は毎時、何百万ドルも増加している。

更に、負傷し、身体障害者となったアメリカ兵の長期的医療や、消耗した機器の代替費用、戦債の利子支払い、戦争で浪費された資源とマンパワーという無駄な消費といった、既に発生している、ずっと大きな未来経費がある。専門家は、ブッシュのイラク戦争で、既に発生した現金支払い経費と、将来経費は3兆ドルで、増加しつつあると見積もっている。

もしも、2008年11月のミドル・アメリカン・ニューズのリチャード・ラマウンテン記事が正確であれば、こうした経費さえ小さく見える。ラマウンテンによると、アメリカの侵略と占領によって祖国を追われたイラク人のためのアメリカ亡命プログラムは、多数の増加し続けるイスラム系アメリカ人を生み出しかねない。こうした人びとは、アメリカのイラク侵略によって、生活に不利な影響を受けた人びとだ。

もしもアメリカが、アラブ人やイスラム教徒全般に対し、親イスラエル路線を継続するならば、イスラム系人口の増加と、「対テロ戦争」に取りつかれている政府とによってひき起こされるであろう結果は、アメリカの市民的自由にとって、恐るべきものとなる。そうした移民によって持ち込まれる潜在的テロを封じ込めるため、ワシントンは完全な警察国家を押しつけるだろう。アメリカが自前のサダム・フセインを持つことになるのだ。

アメリカの市民的自由にとって問題となりかねない移民を避けるため、戦争は終わらせなければならない。破産したワシントンが、アメリカ経済を救済する目的で、必要な外国の金を借りられるようにするためにも、戦争は終わらせなければならない。

戦争の為の年間現金支払い経費の予算は、外債でまかなわねばならない財政赤字に加え、毎年1500億ドル増えつつある。正気な人間ならば、自国経済を救うために外債が必要な、アメリカのような政府なら、アメリカ軍など求められていないイラクから、アメリカ軍を撤退させるという変化にとびつくはずだと考えるだろう。

そうはせず、ブッシュ政権は、イラクにアメリカ軍を貼り付け、アメリカ政府が何千億ドルも失い続ける条約を実現すべく、イラク政府と一年間にわたって奮闘してきた。

朝鮮戦争は55年前に終わり、それでもアメリカは依然、韓国に軍隊を置いている。

ドイツは1945年に打ち破られ、それでもアメリカは依然、ドイツに軍隊を置いている。

帽子を手に恭しく債権者のもとに行かねばならない国は、まず第一に、どこで経費を削減できるか検討しなければならない。年間7000億ドルの軍事費というのは、手始めとして相応しかろう。

しかしアメリカ政府には、知性より、ごう慢さのほうがたっぷりあって、借金を支払うために、ドルを印刷しなければならない破たん国家へと向かいつつある。

アメリカが、自らを、そしてドル本位制を救うのに、まだ遅すぎるわけではないが、それには、ごう慢さから謙虚さへの迅速な移行が必要だろう。アメリカ以外の各国は、アメリカに金を貸すのを止めることで、アメリカを破滅させることができる。その場合、貿易も財政赤字も、資金手当てはされなくなる。

世界は、アメリカをそういう形で破滅させたいと思っているわけではない。アメリカの債権者たちは、自分たちの何兆ものアメリカ・ドル資産の価値をできるだけ保ちたいはずだ。もしもドルが準備通貨であり続けられれば、これはより容易に実現可能だ。従って、アメリカ政府には、計画を持って債権者を訪問する機会があるわけだ。

あるべき計画とは以下のようなものだ。世界に対するアメリカの覇権を実現するというネオコンの狙いを否認するという宣言。アフガニスタンとイラクの戦争を終わらせ、海外軍事基地を閉鎖し、軍事費を削減することにより、アメリカの年間借り入れの必要性を数千億ドルほど減じる予算。アメリカ国内における付加価値に応じて、アメリカ企業の世界的規模の利益に課税することで、アメリカ国内に職場、製造能力や、輸出の潜在能力を取り戻す新たな企業課税制度。

そのような計画が、ロシア大統領が「共同の家」と呼んだものへの一居住者として、アメリカは、他国の主権と大志を尊重しており、他国と平和的に協力する用意があることを、立証するだろう。そのような計画が、アメリカ政府が借金能力や、返済できる借金には限界があることを自覚するに至り、重要なことから先にやる用意があることを実証するだろう。そのような計画が、アメリカは、関税の壁を設けることなく、維持が不可能な輸入への依存を抑えることができることを示すだろう。

もしもアメリカに、そのような計画を持って、債権者たちに申し入れるような、リーダーシップが有れば、世界中は安心のため息をもらすだろう。今アメリカが直面している多くの経済的困難を避けることもできようし、ハイパー-インフレーション恐慌の可能性も弱まろう。

そのような好ましい結果を得るには、アメリカ人は徳を独占していて、世界に対する覇権を主張する資格がある「なくてはならない国民」なのだという妄想を、ワシントン政府は放棄せねばならない。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article21254.htm

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「日本」という文脈では、少なくとも、下記の文章は補足したほうが良さそう。

日本のまぬけなアメリカ政策

日本は1945年に打ち破られ、それでもアメリカは依然、日本に軍隊を置いている。

それは、日本を守るためではなく、対テロ戦争の世界基地としてだ。

しかも、膨大な基地経費の大半を、なんと自分で負担してくれる。

その上、おどせばいくらでも金が引きだせる暗証番号無用のATMだ。

2008年11月17日 (月)

キエフ、南オセチア戦争の真実が語られることを恐れる

ボイス・オブ・ロシア

2008年11月13日

ウクライナの首都キエフで“Voina 080808. Istoriya predatelstva”(「戦争 08.08.08 背信の物語」)というグルジアの南オセチアに対する最近の侵略を語る映画の上映が、阻止された。この映画は、ニュース映像、目撃者の証言とドキュメントに基づいている。

11月13日、火曜日、ロシア人映画作家アレクセイ・アキーモフによるこのドキュメンタリー映画が、キエフのハャット・ホテルで上映されるはずだった。ところが、ウクライナ当局は映画上映を禁じた。映画上映は、攻撃的な若者たちのデモを引き起こしかねないというウクライナ治安機関トップの書状が、映画を見にやってきた、ヴェルホヴナヤ・ラダ(国会)議員や一般人代表に提示された。従って、映画上映は禁止された。

事実から判断すると、結果的にロシアが平和に対する侵略者に対して実力行使をする必要性に迫られたカフカスにおける八月戦争についての真実を、当局は、ウクライナ人に知って欲しくなかったのだ。ウクライナ議会のコンスタンチン・コサチェフ議員の、コメントは下記の通り。

グルジア-オセチア、およびグルジア-アブハジア紛争は、当初、更なる流血の防止と、人の死という損失の排除を目指したものだったというのが我々の立場です。そして我々はまさにそれを継続して行っています。ソ連後の空間で、より多くの紛争がおきるようなことがあれば、私たちは同じことをします。

ウクライナ大統領ビクトル・ユシチェンコと彼の熱心な支持者たちは、南オセチアの出来事を違う風に解釈している。彼等は、侵略行為をしたグルジアを、事実上、犠牲者として、描き出している。そして、平和な民間人の皆殺しを急遽停止させたロシアを、侵略者として、描こうとしている。そのような解釈は、有力なウクライナ政治家の反ロシア的な見解に基づいており、サアカシビリ政権との気ごころの通じた親密な関係とつながっている。

政治的共感と趣味だけが、そうしたやり方を決めているわけではない。映画「08.08.08戦争。背信の物語」は、南オセチアでの出来事におけるヴィクトル・ユシチェンコ大統領の見苦しい役割についての話だ。南オセチアの民間人や平和維持軍の兵士を殺害するのに使われたウクライナ兵器が、サアカシビリ政権に供給されたのは、彼の同意によるものだ。現在、ヴェルホヴナヤ・ラダ(国会)の特別委員会が、この問題に対する調査を行っている。それを率いるヴァレリー・コノヴァリュク議員は、ユシチェンコ大統領と他の何人かの幹部、武器の輸出に関与した組織のトップは、無数の不正行為を罰せられるべきだという意見だ。グルジアへの武器輸出による収入が何に使われたのかは依然として不明だ。

かくして、カフカスにおける戦争に関するより広範なグラスノスチは、キエフの支配エリートの利害関係に反しているわけだ。

記事原文のurl:www.ruvr.ru/main.php?lng=eng&q=34997&cid=56&p=13.11.2008

2008年11月15日 (土)

オバマ移行チーム、更なる戦争と抑圧を示唆

2008年11月14日

次期大統領バラク・オバマの、民主党予備選挙、最終選挙の双方における勝利は、大部分、拭うことのできないブッシュ政権の名残を構成する、長年の軍事侵略、拷問、臨時引き渡し、国内でのスパイ活動や、その他のあらゆる犯罪に対するアメリカ人の圧倒的な反感のおかげだ。

こうした政策に対する入念に計算した批判や、主要な民主党のライバル、ヒラリー・クリントン上院議員に対する、彼女が2002年10月アメリカのイラク侵略に賛成票を投じたことに対する非難のおかげで、オバマの「あなたが信じられる変化」なるものは、アメリカ国内、海外両方で多くの人によって、彼が選出されれば、軍国主義やら民主的な権利に対する攻撃が終わることになるという約束であるかのように受け止められている。

ところが、新政権への移行が進展するにつれ、オバマの変化という約束に対する信頼など、このプロセスに関与する連中の政治的実績を検討しそこねた場合にのみ、維持できるものにすぎないことがわかる。

オバマ-バイデン移行チームの大半は、バルカン半島でのアメリカの戦争と、ブッシュ大統領のもとで、行われた戦争の準備をしたイラク体制転覆政策に関連したクリントン政権のベテラン達が占めている。

この関係で象徴的なのが、クリントンの元国務長官マデレーヌ・オルブライトを、今週末のワシントンでの金融サミット(G20)に、彼の名代として送るというオバマの決断だ。1996年のCBSのニュース番組“60 Minutesでのインタビューで、アメリカの対イラク経済制裁が、50万人のイラク人児童の死をもたらした事実を突きつけられた際、オルブライトは答えた。「難しい選択でしたが、その価値はあったと思っています」彼女は後に、アメリカが支援したユーゴスラビア解体と、それに続く、民間の標的に対する広範な爆撃で突出していた対セルビア戦争の、主な計画立案者となった。それが、オバマの世界に対する顔なのだ。

オバマ次期大統領の軍事政策で言えば、期待される変化なるものは、実にささやかであることの最もはっきりした徴候は、次期大統領が、ブッシュの国防長官ロバート・ゲーツが、政権交代後も、居残る可能性があると公表したことだ。

次期大統領の顧問二人の発言を引用して、ウォール・ストリート・ジャーナルは火曜日に報じた。「次期大統領バラク・オバマは、国防長官ロバート・ゲーツに、少なくとも一年間、留任するよう依頼する方向にあるようだ。」

ゲーツの留任は、ジャーナルが指摘しているように、ブッシュ政権の軍国主義的な海外政策を、本質的には継続するという、きわめて明らかな前兆を示すこととなろう。「次期大統領同様、ゲーツはアフガニスタンにより多くの兵員を展開することを支持している」と同紙は書いている。「しかし国防長官は、イラクからのアメリカ軍撤退に関する固定した日程には強く反対しており、彼が任命されれば、2010年中頃までには、イラクから大半の兵員を撤退させるという、選挙キャンペーンの約束を、オバマが事実上棚上げすることを意味するだろう。」

ゲーツを留任させることに対して、民主党指導部内部が本格的に支持していることを示したのは、先週末CNNインタビューでの、(ネバダ選出の民主党議員)ハリー・レイド発言だ。「彼は残せば良いではないですか?」とレイドは言った。「彼は決して登録した共和党員だったわけではない。」

国防長官に選出される可能性が高いとして、もっとも頻繁に引用されるもう一人の人物は、元クリントン時代の海軍長官リチャード・ダンツィヒだ。六月に、ダンツィヒは、ゲーツを留任させることへの個人的な支持を表明し、イギリスのタイムズ紙に語った。「私の個人的な立場は、ゲーツは非常に素晴らしい国防長官で、オバマ政権では、もっと素晴らしくなるだろう。」

ゲーツが留任しようが、退任しようが、オバマが選んだペンタゴン移行チームの主要メンバーは、次期政権は「イラクとアフガニスタン問題を、ブッシュ政権とは違ったやり方で扱うが、それもせいぜいこの二つの戦争地帯における、アメリカ軍事戦略をすっかり再構築するところまでの話である」ことを示していると、ジャーナルのYochi Dreazenは、続きのコラムで書いていた。

このチームの共同代表者ミシェル・フルールノアは、クリントン時代に国防省にいた、軍事政策に関する超党派シンク・タンク、センター・フォー・ニュー・アメリカン・ストラテジーの理事長だ。アメリカ軍のイラクからの撤退に、固定した日程を設定するという考え方に、彼女は公然と反対している。2007年3月、彼女はセンターのために、イラクに対する政策方針書を共著したが、そこでこう明言している。「アメリカは、あの包囲された国や周囲の地域には、永続的な利害関係を有しており、これらの利害関係は、予見しうる将来において、大規模な軍事駐留を必要としている。」

移行チームメンバーで顕著なもう一人の人物にサラ・シューワルがいる。彼女は、ハーバード大学“人権”専門家で、イラクで、デヴィッド・ペトレイアス司令官の顧問として働き、軍の対ゲリラ野外教本草稿作成に参加している。

ペンタゴンの移行準備の上級顧問として働く人物にサム・ナンがいる。彼は1987年から1995年まで上院軍事委員会委員長だった。右派の民主党議員で、冷戦の戦士であるナンは、ビル・クリントン大統領による、ゲイが軍に公然と勤務することの禁止解除、というクリントン提案に反対するキャンペーンを率いた後、上院を去っていた。

この移行チームの性格は、次期オバマ政権の本当の狙いと一致している。何万人ものもアメリカ兵によるイラク占領の継続と、進行中のアフガニスタン植民地戦争の大幅なエスカレーションだ。

中央情報局(CIA)の移行チームでも図柄は同じだ。公刊されている報告書類によると、この工作の主役を担っているのは、現在国家テロ対策センターとして知られている機関を率い、かつてCIA高官として働き、元CIA長官ジョージ・テネットの首席補佐官を勤めたジョン・ブレナンだ。彼は2005年にCIAを退職した。

いわゆるグローバル対テロ戦争の上席担当者であったブレナンは、彼がCIA在籍中に実施された、拷問、暗殺、臨時引き渡し、国内スパイ行為を実行する判断に非常に詳しく、また関与していこものと推測せざるをえない。

オバマの諜報関連移行チームで、目立つ人物には、テネットの元で、CIAの情報分析作戦を率いていたジェイミー・ミスチクもいる。戦争を売り込むのに活用された、イラクの「大量破壊兵器」やら、アルカイダとのつながり、というまやかしの諜報情報を作り出し、いずれの主張も、根拠がないと否定したCIAのアナリスト報告を抑え込む上で、彼女は主導的な役割を果たしていた。2004末にCIAを辞めた後、彼女は、比較的短期で終わったとは言え、非常に実入りが良い仕事を見つけた。今や破産したウォール街の企業リーマン・ブラザーズで、グローバル・ソブリン・リスク・アナリストのトップという仕事だ。

選挙遊説中、オバマは時折、令状なしの盗聴、水攻め、裁判なしの無期限拘留といった、ブッシュ政権の諜報機関の乱用を非難してきたが、夏の上院での投票では、国家安全保障局に大幅に強化した国内スパイ権限を与えることや、違法な盗聴を実行する上で、ブッシュ政権に協力した通信会社に対する遡行免責に賛成する投票をしている。

ゲーツの場合同様、ブッシュの元でアメリカの諜報活動を担当した連中が、オバマの元でも居残る可能性は否定されていない。国家情報長官マイケル・マコネルとCIA長官マイケル・ヘイデンの両者はいずれも、次期民主党政権でも、留任する用意があることを明らかにしている。先週、オバマに大統領向け諜報ブリーフィングを行ったマコネルは、次期大統領のチームを「非常に頭が切れ、非常に戦略的だ」と表現した。

オバマの移行チーム全体のトップ、ジョン・ポデスタは、先週末、次期大統領は、ブッシュ政権によって発せられた多数の大統領命令を速やかに廃止する予定だと強調し、特に、幹細胞研究や、国内での石油採掘、等を例として上げた。これには、アメリカ軍や諜報部隊に、世界中で侵略行動を遂行することを承認した複数の大統領命令は含まれていなかった。

パキスタンに対する越境攻撃のエスカレートと、地球上の石油の豊富なこの地域を支配するために、ワシントンが軍事力を行使するのを正当化するのに使われた口実である、いわゆる対テロ戦争の遂行を、オバマが誓っていることを考えると、これらの大統領命令を自分のものとして採用する可能性が極めて高い。

ブッシュ政権に対する民衆の反感の波によって、オバマが大統領選挙で勝利してから、わずか10日にすぎない。それでも、次期大統領と彼の顧問の行動は、来年1月就任の就任後も、アメリカ軍国主義や国際的犯罪の増長を終わらせたいという、何百万人ものアメリカ人の切望は実現しそうもないことを、既に明らかにしている。

Bill Van Auken

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2008/nov2008/pers-n14.shtml

2008年11月14日 (金)

スペイン、アフガニスタンへの増派の可能性を否定

マドリッド 2008年11月10日

プレンサ・ラテイナ

スペインは、月曜日、国連軍の一部として、ほぼ800人のスペイン兵が展開されているアフガニスタンに、更に多くの兵士を派兵する可能性を否定した。

ミゲル・アンヘル・モラティノス外相は、ブリュッセルで、より多くの兵員送るか否かの問題ではなく、アフガニスタンの不安定さに対し、いかにして政治-軍事的な開発戦略を遂行するかこそが大事なのだと語った。

アフガニスタンにおけるスペイン軍駐留に関する議論は、日曜に、ヘラトでの自爆攻撃で、スペイン兵が二人死亡して、勢いをました。

与党、スペイン社会労働党(PSOE)の幹事長代理ホセ・ブランコは、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ大統領には、アフガニスタンのスペイン軍を増強する計画が無いことを確認した。

閣僚会議は、海外駐留スペイン兵の人数を数年前、3,000人に削減した。

国防大臣によると、1989年以来、52の平和維持作戦および人道支援任務に、72,000人のスペイン兵が従軍している。

記事原文のurl:www.prensa-latinaenglish.com/Article.asp?ID={0EAF7F6F-899C-42E5-952D-72B8F8311C91}&language=EN

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定額給付金なる「1万2千円」の選挙買収資金を、全国民に配るという愚行、やがて消費税を上げるというのだから、学校で習った中国の故事「朝三暮四」そのもの。

「朝三暮四」商業マスコミでさえ書いている。

宋の国に狙公という人がいた。猿を可愛がって沢山飼っていた。

サルの気持ちを理解し、猿も主人の心をつかんでいた。

家族の食べ物を減らしても、猿の食欲を充たしていた。

急に貧しくなったので、餌のどんぐりを減らすことにした。

猿たちが自分になつかなくなってしまうのではないかと心配し、猿に言った。

「どんぐりをやるのに、朝は三つで暮は四つにする。足りるか」

猿たちは皆起ち上がって怒りだした。そこで狙公は急に言い変えて、

「では朝は四つで暮は三つにしよう。足りるか」と言うと、

猿たちは皆平伏して喜んだ。

小泉郵政選挙、『B層』が大挙して、広告会社の作戦に騙され、自民党に投票し、今の惨状を招いたことになってる。

『B層』というのは、果たして「一部だけ」なのだろうか。

1万2千円という、ゴミのような定額給付金、無意味な「オバマ・フィーバー」、最近日本語翻訳も公開された宗主国からのとんでもない「年次改革命令書」(インチキな金融システムで恐慌をおこした禁治産者国家が、それよりは、まだまともな経済運営をしている国に、一体どうして、金融制度をいじれと命令できるのだろう。属国は悲しい。)やら、近々国会通過する「テロ特措法=給油法」から話題をそらすための政治家(二大派閥)・マスコミ共謀の壮大な撒き餌と考えると意味が通じる。「同じことばかり報道する時には、必ず何か本命が意図的に隠されている」のだろう。

「世に倦む日日」給付金問題と田母神問題 -自民党と民主党の結託と世論誘導 を拝読して気がついた。

「景況回復を狙う」やら「自民有利に選挙を進めたい」ためなどの理由より、よほど意味がわかる。

トヨタの奥田氏が「気に食わない番組からはスポンサーをおりる」と発言し問題になっている。

何のことはない、日常我々は、奥田氏の気にいる「洗脳番組」を見せられているわけだ。

洗脳報道をする新聞はよまず、テレビは見ないほうが、家計、精神衛生、頭脳の発達、地球温暖化対策(本当は寒冷化しているという説もある)等、様々な意味で、良さそうだ。

2008年11月11日 (火)

中東戦争でのカナダの役割: カナダ...合州国

081103uscanada_4 (EIによるイラスト)

Hicham Safieddine The Electronic Intifada - 2008-11-05

中東の人たちを含めて、世界中の人びとは、10月14日のカナダ議会選挙になどほとんど注目しているまい。カナダ人自身が国境の南、ホワイト・ハウス大統領選の動向に、むしろ興味があるように見える以上、別に驚くべきことでもない。しかも、カナダの選挙では、議会の構成にはほとんど変化が起きなかったのだ。保守党は、優勢を維持し、少数派による政府を構築したが、自由党は多くの議席を失った。

とはいえ、現状維持となり、投票に至るまでの国民的論議の話題として、海外政策が事実上欠如していたということが、中東におけるカナダの地政学的役割の変容を強化している。そしてこれは今日、大いに懸念すべきことなのだ。アフガニスタンとイラク侵略の後、世界の覇権国という地位を、人の手を借りずに維持するという、アメリカ合州国の能力が部分的に弱体化していることを考えると、カナダが、これから益々積極的な役割を担う可能性があるからだ。バラク・オバマが大統領になる以上、これは一層あてはまる。カナダは、アフガニスタンに大規模な軍事駐留をしている諸国の一つだ。ジョージ・W・ブッシュの子分スティーヴン・ハーパーが率いる保守党は、反戦運動が落ち目になっている時は常に、より積極的なカナダの役割を得ようと努めてきた。ハーパーの政策は、ブッシュのような悪評がまだなく、戦争活動をイラクから、パキスタンとアフガニスタンに移行したい意志を表明している、オバマのようなアメリカ大統領の"穏健な"ビジョンと組にして売りだせば、大衆に一層受けるだろう。

事実は、中東でアメリカの拡張主義を支援する上で、カナダの現在の役割は、一部の人びとが考えているよりも、ずっと大規模で、複雑なのだ。カナダが率いる国際占領軍が、アフガニスタンのカンダハル州に配備されて、この役割は一層あからさまになった。これは平和維持行為や外交に力を注ぐという(少なくとも公式な)政策に反する、海外政策の軍事化への緩やかな移行と軌を一にしている。そして、この移行を自由党も保守党も一様に採用した。2005年、自由党は、軍事予算を、五年間で130億ドル(全てカナダの数値)増加すると約束した。2006年に、保守党が政権を獲得した。彼等は、新たな機器や兵器の購入を目指した150億ドルに加え、20年間にわたって、軍事支出を年間2パーセント増加すると発表した。180億ドルもの軍事予算によって、カナダは、NATO同盟諸国では軍事支出の上で六位となり、軍事輸出の上では、世界第六位に地位に躍り出た。

ところが、アメリカの計画を支援する上でのカナダ役割は、アフガニスタンに限られないのだ。アメリカのイラク侵略には参加しないという2003年の公式決定にもかかわらず、カナダ軍は、作戦中と、作戦終了後に、いくつか重要な役割を担っている。これには、兵站業務(糧食、重機の輸送、補給線の確保)、ヨルダンでのカナダの連邦警察によるイラク警察の訓練などが含まれ、更には軍隊で指導的な立場すらとるにいたっている(ピーター・デヴリンなどのカナダ人司令官は、トップの地位についていた)。元駐カナダ・アメリカ大使ポール・セルッチは、 侵略作戦中の2003年3月、「皮肉なことに、カナダの海軍、飛行機および兵員は ...このイラクにおける戦争で、イラクにおけるアメリカの行動を全面的に支持している46のほとんどの国より、ずっと大きな間接的支援だ ...」と指摘し、カナダによる共謀の範囲を請け合っている。

カナダ海外政策の軍事化は、軍の元大統領首席補佐官リック・ヒリエルを生み出すという、軍隊イデオロギーの衣替え現象を伴った。ヒリエルは、マスコミお馴染みの人物となり、政治的野望で汚されることのない、信頼できる権威筋として、アメリカ人司令官のデヴィッド・ペトレイアスやトミー・フランクスなどと同様な役割を担ったのだ。

アラブ・イスラエル紛争に関するカナダの立場は、決して極端ではないとは言えないものだ。カナダのイスラエルに対する支援は増大しつつある。カナダ政府は、ハマースが選ばれた後で、パレスチナ政府に対する援助を停止した最初の西側大国の一つだ。息の詰まるようなガザ封鎖が、パレスチナ国民を傷つける可能性があるにもかかわらず、自由党の有力選挙候補者の一人、ケン・ドライデンは、「 ガザに流れ込むあらゆる援助を止めよ」と呼びかけることをためらわなかった 。

レバノンに関しては、ハーパー首相は、2006年のイスラエルによるレバノン侵略を、"予定の反撃"だと呼ぶ一方で、ヒズボラの軍事・政治部門は、数年前にテロリスト・リストに加えられた組織に、参加しているとしている。

国内的に、歴代政府は、いわゆる"対テロ戦争"という点で、イスラム教系のカナダ国民に対する最小限の義務に答え損ねてきた。最近作られた法律が、ビザ申請に関する決定的な立場の上で、移民省により強い発言権を与えたが、この動きを、移民の活動家たちは、透明性を損ない、応募者に対する、民族的、人種的プロファイリングへの道を開くものだと解釈している。しかも、カナダは、アメリカと同盟している西欧諸国中で、自国民をグアンタナモから本国送還をさせそこねている、唯一の国なのだ。今年公開されたビデオは、カナダ人抑留者オマール・カドルの拷問に、カナダ外交官が連座している度合いのひどさを明らかにした。ビデオが公開されても、カドルの弁護士が期待していたほどには、大衆が騒ぐ事態にいたらなかった。この最近の事態は、カナダ政策の変化の重大さと、そのような変化に対する国民の認識と承認との間にある溝を明らかにしている。大衆の想像上では、国際的平和維持軍というカナダのイメージが、依然として支配的だ。カナダは、歴史上、ずっとそうした平和維持の役割を維持してきたというわけではない。実際、カナダは、アメリカの多くの帝国主義者的な試みにおいて、アメリカを支持してきた。1950年代の朝鮮戦争から、ハイチにおける体制転覆、そして最近ではアフガニスタンに至るまで。しかし、概してカナダのやり方は、決してアメリカほどには侵略的ではなく、カナダは国際法や多国間外交に多少の配慮を示してきた。それが今や蝕まれつつあるのだ。

こうしたこと全てから見て、カナダを穏健派勢力として扱うのは、見当違いであることがあきらかだ。カナダは、今日、きっぱり、ネオコン・アメリカ陣営に属している。だから、これこそが、中東におけるアメリカの海外政策に反対している政治家、外交官、そして活動家たちが、この流れを逆転させるための活動の上で、カナダのそうした立場の人たちに伝えるべきメッセージなのだ。そういう行動をしないようでは、非難に、いや、恐らくは、告発に値しよう。

Hicham Safieddineは、レバノン系カナダ人ジャーナリスト。本記事はレバノンのアル-アクバル紙に2008年10月23日木曜日に掲載された記事を編集翻訳したものである。

記事原文のurl:electronicintifada.net/v2/article9932.shtml

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前空幕長の断片的なニュースが商業マスコミでたれながされている。

1. 日本は侵略国家ではない。

2. 真珠湾は、アメリカの罠にはめられたのだ。

(3. だから、今やアメリカの傭兵となって、イラクやアフガニスタン侵略に加担すべきだ。)

商業マスコミは、1にのみ焦点をあてている。これまで、決して、3に触れようとしてこなかった。今後も、決して触れることはないだろう。おそらく、この三点セット、傀儡支配層の合意だろう。

日本にとって、世界にとって、重要なのは、なんとも不思議、理解の困難な、2項から3項への飛躍だ。

3' だから、安保条約を廃棄して、独立する。そして、憲法を変え、自衛隊を日本軍にする。

というのなら、是非はともあれ、論理的整合性がありそうに思えるのだが。

彼の論理の通りにするのであれば、冒頭のカナダ国旗同様?、日の丸には星が51並ぶべきだろう。

国歌なるものも、アメリカ国歌のメロディーで歌うか、アメリカ国歌の歌詞を君が代で歌うか、すべきだろう。

ついでに、国語として、日本語を廃止し、英語にすべきだろう。

2008年11月 9日 (日)

ブッシュ-オバマ-マケイン政権

Morton Skorodin

2008年11月1日、 "Information Clearinghouse":

我々が今暮らしているこの時代は、ブッシュ-オバマ-マケイン政権だ。

ブッシュは、親切にも、オバマのパキスタン爆撃キャンペーンを始めてくれた。アメリカ人から、ウォール・ストリートへの最近の富の移転(およそ8400億ドル)では、三人が結託した。

24時間/7日間/週のマスコミというジュークボックスが、金ばかりかかる無用の産物を、我々がしっかり見つめないよう、目をそらせてしまう。サーカスは、実にやかましく、見た目が面白いので、社会の深層構造を隠してしまう。アメリカは、科学的広報活動を使った軍事独裁制度だ。この科学的広報活動の一部は、アメリカの民主主義という虚飾の、入念な培養、かつ誇示なのだ。覚えておくべき大切なことは、マケインとオバマは、金まみれの支配者たちによって、入念に吟味して選ばれたのであり、それも特に秘密というわけでもないことだ。それは「選挙キャンペーン献金」と呼ばれている。彼等の吟味の後、我ら人民は、承認された二人の候補者のいずれかを選ぶわけだ。

八百長。マケインはカモだ。オバマは(オバマが解体するはずのない、あのメディア・コングロマリット、タイム-ワーナーの)タイム誌の表紙に、繰り返し聖別掲載された君主だ

アメリカには、話題にするほどの左翼は存在しない。これには物質的な理由がある。弱い労働組合、ほとんど存在しないストライキ。(なぜ労働組合が弱いのかという理由は、この記事の範囲を越える。) そこで、ラルフ・ネーダーやエミー・グッドマンのような左翼のスターは、鎖に繋がれていて、存在感がなく、ちようど、膨れ上がったメーシー百貨店のアドバルーンが、上にあがればあがるほど更に膨らんでいるようなものだ。それで彼等の努力は、どれほど善意のものであっても、背後に力は無く、時として全く無力だ。

見世物社会と、ネオ全体主義者風全情報認知社会の融合だ。国家側にはテクノロジーと、資源があり、それを徴発して、16だか18の“諜報”機関を使い、国民全員をスパイし、民衆を、いかに、そしてどれだけ“情報を与えてやる”かについて、すっかり方針統一をしている五社のマスコミを使って、できうる限り我々を支配している。一方、国民は細分化されたままで(他者に対する意味のあるつながりを奪われて)いる。唯一の巨大な非企業・政府組織といえば、体制内の教会だ。

ハンサムな王子様と、彼の引き立て役の、邪悪だが、器量の良い女王。連中は漫画本のスーパーヒーローだ。テレビにうってつけで、抑圧と無知の重要な手先なのだ。(来年2月までにアメリカの全家庭にデジタルTVを持たせようという膨大な努力を考えて頂きたい。ニューオリンズに暮らす我々の同胞に、給水することにもっと注力してくれたらと私は思う。)

バラク・オバマも、サラ・ペイリンも、まゆつばものだ:

バラク・オバマ- この名前は、もう限りなく異質だ。ヒッピーの母親が、黒人の、本当のアフリカ人の子供を生んだのだ(息が止まる!)。これは、多くの白人にとって、周到にお膳立てされた警察国家過剰のように、気味の悪いものに聞こえる。共和党大会での、北朝鮮風警棒を持った警察官の服装をしたダース・ヴェイダーが、熱心なリベラルで、正義の活動家のように見えるようなものだ。

サラ・ペイリンは、スーパーヒーロー・ママで、彼女は世界破滅に赴く道々、牛乳とクッキーを配ってくれる。彼女は普通の銃所持賛成派、キリスト教信者等というわけではない。彼女は、実際、ヘリコプターから狼を撃つし、いささか極端にお行儀よく言えば、「白人国粋主義者」を連想させる漫画版なのだ。

この二項対立は支配者のためにしかならない。いずれの側にも必要なのは、全く同じものだ。平和、経済的な安心、そして、押しつけがましい政府からの自由だ。

分割して支配せよ。支配者たちは、1600年代から、階級闘争に対抗するために、人種戦争を推進してきた。連中はその点、非常に巧妙だ。

大統領選挙後、経済は益々悪化し、更なる軍事上の冒険があるだろう。事態が展開してゆけば、形勢は「あの黒人が悪いのだ。」ということになろう。このプロセスは既に始まっている。

アメリカ軍の立案者に関する限り、大統領選挙のサイクルと、国民の感情など、侵略的行動の発表時期を決める要素の一つに過ぎず、あたかも、第二次世界大戦でノルマンジー上陸作戦のための最適時期として、天候も考慮に入れるようなものだ。

これはハンサムな大統領がいる軍事独裁制度だ。選挙などジョークだが、より重要なのは、国民の時間の無駄だ(恐らく、いくつか地方の人種を除いて)。そんなものは忘れよう。反抗のための効果的な方法を、考えて、見つけ出そうではないか。

Morton Skorodin、M.D.

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article21132.htm

2008年11月 7日 (金)

世界的金融危機で、東ドイツ人、マルクスに殺到

2008年10月16日木曜日、1:48pm EDT

ロイター

エリック・キルシバウム

ベルリン(ロイター)

ベルリンの壁崩壊から二十年後、共産主義創建の始祖カール・マルクスは、東ドイツでは大流行だ。世界的な金融危機のおかげだ。

彼による1867年の資本主義の批判的分析、"資本論"は、出版の墓場からよみがえり、学術出版社カール-ディーツ-フェァラークにとって、ありそうもなかったベストセラーになってしまった。

「誰も、'資本論'の需要など決して現れることなどなるまいと思っていたのですが」代表取締役ヨルン・シューェトルンプは、今年これまでに1,500冊販売しており、2007年一年で売れた量の三倍で、1990年から100倍の増加だとロイターに語った。

「銀行家や経営者さえも、今'資本論'を読んで、彼等が我々に対して何をしてくれたのかを理解しようとしているんです。マルクスはもう今や、決定的に'はやり'です。」とシューェトルンプは言った。

マルクスの古典的論文のリバイバルは、1989年まで共産主義国家で、現在高い失業率と貧困に苦しめられている東ドイツの多数の国民による、資本主義の広範な拒絶を反映している。

一カ月間の強烈な金融界の混乱で、アメリカ合州国の銀行が何行も倒産し、ドイツでも他国でも、政府による一連の救済措置を余儀なくされていることが、反資本主義心情に油を注いでいる。

彼女自身東独出身者であるアンゲラ・メルケル首相は、今週5000億ユーロの金融救済パッケージを発表したが、この措置は無責任な銀行家たちへのご褒美だと非難されている。

最近の調査では、52パーセントの東ドイツ人が、自由市場経済は、「不適当」だと考えており、43パーセントが、資本主義よりは社会主義の方が好ましいと述べているが、何十人も普通の東ドイツ人にインタビューしてみて、この所見が確認できた。

「「資本主義の恐怖」を学校で習いました。本当にその通りでしたよ。カール・マルクス本当に正しかったのです」東ベルリンの46歳のIT労働者トーマス・ピビットはそう語った。

「壁の崩壊までは、かなりよい暮らしでした」彼は付け加えた。「誰もお金のことを気にしませんでした。なぜなら、お金など重要ではなかったのです。たとえ仕事を欲しいと思わなくても仕事はありました。共産主義思想というのは、そう悪いものではありませんでした。」

資本主義はもっとひどい

旧共産主義国での失業率は14パーセントで、西側平均の倍であり、給料はずっと安い。何百万もの職が、ドイツ統一後に失われた。多くの東ドイツの工場は、西側の競争相手に買収されたり、休業したりした。

「共産主義はクxだと思っていたが、資本主義はもっとひどいね」、旧東ベルリン中心部のアレグザンダー・プラッツ近くを散歩していた76歳の元鍛冶屋ヘルマン・ハイベルは言った。

「自由市場は残忍だ。資本家は、もっと、もっと、もっと、搾取したがるんだ」と彼は言う。

ヘルムート・コール首相が「繁栄の展望」を約束した時、東では、自由市場への希望は高かった。

しかし、ベルリン郊外、ライプツィッヒとバルト海沿岸の一部地域は繁栄しているものの、それ以外の多くの地域は、過疎化と高い失業率に苦しんでいる。

野党の左翼政党は、エーリッヒ・ホーネッカーのSED党がその根源にあたるが、国民の失望に乗じて、30パーセントの支持がある東で最も人気のある政党となった。

「資本主義が我々にとって良い制度だとは思いません」と、46歳の市職員モニカ・ウェーバーは言った。

「富の分配は不公平です。それを目の当たりにしています。強欲な銀行家たちのおかげで、私たちのような弱い連中が、この金融の混乱に対して、高い税金で金を払わせられるのです。」

多くの東ドイツ人同様に、ラルフ・ヴルフも、ベルリンの壁が崩壊し、資本主義が共産主義にとって変わるのを喜んだという。しかし多幸感はあっけなく消えた。

「一体自由市場経済とはどういうものかを理解するには、数週間で十分でした。」とヴルフは語る。「ひどい実利主義と搾取です。人間は自分を見失います。物質的な快適さはありませんでしたが、共産主義にもいいところはありました。」

だが、全員が資本主義を非難しているわけではない。アストリド・ゲルバーは、勤めていた会社が休業するまでは、東ベルリンで仕立屋のマスターだった。

「私にとって夢のような仕事でした」と42歳のゲルバーは言った。彼女は七年間失業していて、新聞雑誌売り場を始めたのだが、週に90時間も働いたため、家族がばらばらになってしまった後で、店を閉めた。

「資本主義には良いところもありますが、共産主義だってそうですよ」と彼女は言った。「一方の方が、もう一方より良いとは言えませんね。」

記事原文のurl:www.reuters.com/article/artsNews/idUSTRE49F5MX20081016

記事は、実際は二ページ。

2008年11月 5日 (水)

NATOの軍艦、ソマリアに向かう

wsws.org

バリー・スミス

2008年11月4日

NATO諸国や他国からの軍艦が、表向き、海賊に対処し、湾中で船舶を護衛するということで、アデン湾、ソマリア海岸沖に合流しつつある。

商船ファイナ号が、9月末北部ソマリアから展開している海賊にハイジャックされて、このラッシュに火がついた。商船ファイナ号は、ベリーズに船籍登録してあるが、ウクライナの企業トマックス・チーム社が運用しており、33輌の旧ソ連T-72戦車と、装甲軍人運搬車、弾薬と保守部品を含む重火器を輸送していた。

武器は、最終的な目的地を南スーダン政府として、あきらかにケニヤで荷降しされるはずだった。同国の大使が、事態を明らかにすべく最近ハルツームに召還されたものの、ケニヤはこれを否定している。

アメリカ合州国政府の主要な心配事は、武器が、アメリカが支援するソマリアの傀儡政権、暫定連邦政府(TFG)に対して戦っている、イスラム教武装反抗勢力の手に渡らないようにということだ。アメリカは海賊には武器の荷下ろしをさせないと断言している。

船は、ダロッド族の一部族マジェルティーンと、ハウィエ族の一部族ハブレ・ゲディールという二つの異なる氏族からなる約50人によって、依然として捕らわれている。ハウィエとダロッド族は、ソマリアにおいて、長らく反目している。海賊は、当初3500万ドルの身の代金を要求していたが、2000万ドルに値下げした。連中は現在500万ドルを要求している模様だ。

現場に現れた最初の軍艦は、「対テロ」作戦の連合機動部隊150からのもので、その主力は、イギリス、フランス、ドイツとアメリカだ。ジブチに基地を置き、部隊は14ないし15隻で、アデン湾、オマーン湾、アラビア海、紅海およびインド洋をパトロールしている。

アメリカ、イタリア、ドイツ、ギリシャ、トルコおよびイギリスからの7隻の軍艦からなるNATOの小艦隊は、アライド・プロバイダー作戦という名で、称するところによれば、国連世界食糧計画(WFP)による食糧輸送を護送支援する目的で、当地に到着したのだとされている。年末に向け、ベルギー、キプロス、フランス、ドイツ、リトアニア、オランダ、スペイン、スエーデンとイギリスの艦船によって、EUがこれを引き継ぐことになったいる。インドも、自国の積み荷を守るために軍艦を派遣すると言っており、韓国も派遣を検討中だという。

穀物の90パーセントが海運で運ばれ、240万人のソマリア人が、毎月30,000-35,000トンの救援物資の輸入に頼っているので、WFPは護衛は不可欠なものと見なしている。しかしながら、元イギリス国防大臣大臣デズモンド・ブラウンはより大規模な懸案を指摘し、EUの安全保障と、生き方の防衛は、世界の貿易経路が確保できることに依存していると語った。「単にEU内部だけの問題でなく、あるいはEUの国境だけでもなく、ソマリアとケニヤ沿岸、より広くはこの世界を石油が安全に移動するのを保障することです」と彼は言う。

フランスの外交官も、国際海事警察を立ち上げようと、国連総会でロビー活動しており、フランス大統領ニコラ・サルコジは、そのような機関が、海賊に対し、「予防的」および「懲罰的」という両方の行動をするよう要求している。

ソマリア外務省は、事前に、外国部隊が、ソマリア当局と協調することを条件に、もし必要であれば、海賊に対して、武力を行使する許可を出している。NATOは、その交戦規則に基づき、国際法に則って「武力を行使する可能性がある」ことを確認している。

ロシアも乗り出した

ロシアも、ロシア人乗組員が二人いる商船ファイナ号がハイジャックされる直前から、地域にフリゲート艦を派遣していた。セルゲイ・ラヴロフ外務大臣は、この地域に海軍艦船を所有する諸国は、海賊に対して協力して対処すべきであり、ロシアは「アメリカやEU同様に」海賊に対する国際行動を要求する国連決議を元に行動すると語った。

「既に配備されている海軍と協調するのは効果的だろう」とラヴロフは語っている。「万事、その方向に動いているようだ。」

ソマリア大統領アブドゥラヒ・ユスフは、沿岸と、ソマリア国内の両方で、ロシア軍が海賊と戦う許可に合意し、ソマリア国内に、ロシア軍基地設置の可能性を開いたが、ロシア軍がTFGにてこいれする可能性もある。

ソマリア国内の敵対勢力間における最近の和平合意のもと、エチオピア はソマリアから、今後数カ月の間に兵員を撤退させる可能性がある。戦車を含む、エチオピアの兵器の積み荷は、撤退の一環として、モガディシュ港を先月出航した。ピーク時の15,000-18,000人に対し、現在ソマリア国内には、わずか2,500人のエチオピア人兵士しか残留していない。

ソマリアの在モスクワ大使モハメッド・マフムード・ハンジュルは、「ロシアには、わが国との軍事的、技術的協力を出来るだけ早急に開始して欲しいと願っている。現在、両国の外務省間で、ソマリアの国境警備隊、戦闘部隊と治安部隊の訓練における、ロシアの援助についての、前向きな交渉が進行中である。」と発表した。

ソマリアは、旧ソ連の共和国、南オセチアと アブハジアの独立を承認する意向も発表した。今のところ、ニカラグアのみが、グルジアの立場に反対するロシアの立場を支持している。

ロシアのこの地域への戦略的回帰は本格的だ。ソマリアはずっとアメリカの「対テロ戦争」の最前線だった。しかし、1991年の独裁者マハメッド・シアド・バーレの追放と、ソ連邦の崩壊まで、ソマリアは冷戦中はソ連と同盟していた。ロシアはまた、最近、歴史的にアメリカによって支配されてきたもう一つの戦略的に重要な地域、ベネズエラとの紐帯を作り上げた。

海賊

イギリス外務省のシンク・タンクの一つチャタム・ハウスは、最近ソマリアにおける海賊についての報告書を作成した。報告書は、この地域における、国際的海軍力の駐留を強化することを呼びかけ、海賊と戦うために、ヨーロッパ側の構成部分を強化し、ソマリアに代わり、アフリカ連合または国連が、沿岸警備隊を運用することを提案している。

報告書は、ソマリの海域において、少なくとも10年間、海賊が問題となっており、海賊未遂と実行例の数は、過去三年にわたり増加していると書いている。2008年の海賊件数は2007年の倍以上に増え、60以上のハイジャック未遂と実行となっている。

国際海事局の局長、ポテンガル・ムクンダンは、12隻の船舶と259人の乗組員が、現在、身の代金のかたに、とりこになっていると語っている。国際海事局は、年間16,000隻の船が、アラビア沿岸をアフリカの角を隔てる、長さ920、幅300マイルの湾、アデン湾経由で航海し、そこは世界の石油の10パーセントを輸送するのに使われていると推計している。

スエズ運河への北上途上、紅海に入るため、ソマリア北部海岸で、船舶が速度を落とすので、ソマリアは特に海賊に狙われやすい場所なのだ。海岸線は3,000キロもあり、アフリカでも最長の一つで、小型船には理想的な人けのない海岸が多数ある。

海賊は、作戦の基盤として漁船を使用し、活躍の範囲を拡大し、今やイエメン沿岸迄も到達可能だ。連中はカラシニコフ急襲用ライフルや、ロケット推進の擲弾発射筒等を含む重火器を入手しており、全地球測位システムのついた強力な高速艇を使っている。

東アフリカ船員援助プログラムは、ソマリアにおける海賊の数は、五年前の約100から、1,000以上に増えたと推測している。武装集団は、元々貧しい漁民であることが多いが、わずか数カ月で何千ドルも稼ぐことができる。

海賊は、ソマリア国内における力の真空状態の一症状にすぎない。海賊が事実上消滅していた唯一の期間は、イスラム法廷会議による2006年の下半期、六カ月間の支配の時だけだ。2007年1月に、アメリカが支援するエチオピア軍によって、イスラム法廷会議が追い出された後、海賊は急速に復活し、この期間に、身の代金の平均金額は三倍になった。

チャタム・ハウスは、身の代金は、イスラム教徒のアル・シャバブ民兵への資金を含め、ソマリアでの戦費の足しになっていると考えている。アル・シャバブの広報担当シェイク・ムフタル・ロボウは、これを否定しているが、一方で「商船を乗っ取ることは犯罪だ。」が「アラーの敵のために武器を運搬する船舶をハイジャックするのは、別の話だ。」と語っている。

海賊たちは、いかなる集団とも距離をおいている。「我々は武装反抗勢力や、テロリスト組織とは無関係だ。金が欲しいだけなのだ」と海賊のスポークスマン、スグレ・アリは語っている。「自分たちは海賊だとは思っていない。我々の領海で、違法に魚を獲ったり、ゴミを廃棄したり、武器を携行したりしている連中こそ海賊だ。我々は自分たちの領海をパトロールしているにすぎない。我々を沿岸警備隊のようなものと考えて欲しい。」

海賊の攻撃によって、保険加入者の中には、船舶が自前で警備を雇って、40パーセントも保険料を値引きするものもあるが、アデン湾を使う船舶の保険料は十倍も上がってしまった。これは警備会社の、この地域への殺到を招いており、イラクでの事業を縮小しつつあるブラックウォーター・ワールドワイドのような警備会社にとって、潜在的に儲かる可能性が高い新規市場となっている。

国際海事局は、武装警備員を乗船させれば、海賊の武器使用を促進したり、軍備競争を誘発したりしかねないと警告している。ブラックウォーターは、2007年9月に、17人のイラク民間人を射殺した件での役割に関し、現在調査されている。

「警備会社はイラクでは、常にお手柔らかだったわけではないが、ソマリアは、かなり微妙な状況にあると思います」チャタム・ハウスのロジャー・ミドルトンは語っている。

しかしながら、最近、ある有力なイギリス海軍司令官は、基本的に、海賊と戦うというのは、法的には非常にややこしいことだという前提の上で、この地域を航海する商船は、自費で民間警備会社を雇って、脅威に対処するよう、強くうながした。

「それが大きな流れです」とアメリカ第五艦隊のスポークスマン、ネイト・クリステンセン大尉は同意している。「船会社には、自らの安全を確保すべく、事前防止対策をとることを奨励したい。」

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2008/nov2008/soma-n04.shtml

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海賊対策に自衛隊をソマリア沖に派遣してはという提案、民主党の長島昭久氏が2008年10月17日、テロ特別措置法委での質問時におこなったものだった。

自民党の発案ではない。asahi.com新聞では、攻守所を変えたようなニュアンス。

海賊対策に自衛隊 首相、ソマリア沖派遣に新法検討

ともあれ上記記事、両党(正しくは傀儡政党の二大派閥)への情報源、圧力源に近そう、に思えてしまう。宗主国のキャッチ・フレーズ「チェンジ」の実態は、与党政党の名前や、大統領らの名前がすっかり変わったことだった。確かに「チェンジ」とはいえる。ただし、戦争拡大政策はもちろん継続される。

同じように、属国でも、政権が「チェンジ」すれば、与党の名前や、首相の名前がすっり変わり、属国政策は、無事、継続されるのは明らかだ。そのために、目くらましのためにこそ、「チェンジ」するのだろう。

森田実の時代を斬る 08/12/30(その1)で、派兵反対に奮闘されている記事がよめる。

2008年11月 3日 (月)

オバマ、民主党ホワイト・ハウスへの「期待度低下工作」を開始

wsws.org

パトリック・マーチン

2008年11月1日

民主党の大統領候補バラク・オバマは、火曜日の投票日に投票の結論が出る前に、既に社会改革という約束から、身を引き始めている。民主党は、11月4日、ホワイト・ハウスを制し、下院、上院それぞれで多数派を取るだろう。

インタビューでもマスコミへの説明でも、民主党は選挙時の約束を否定する基盤を敷こうとし始めている。「多幸症的な支持者の多くが、オバマが実現できることについて、非現実的な希望を抱き始めているという懸念の真っ只中、バラク・オバマの上級顧問たちは、もしも来週の選挙に勝利した場合の、オバマ大統領への期待度を引き下げるための計画を練り上げた。突然の金融危機や、深くつらい不況という見通しのために、オバマ・チーム内部で、国民を現実に引き戻すことの緊急性が高まった。」と金曜日にロンドン・タイムズは報じた。

候補者本人が、期待度を引き下げるのを率先している。木曜日フロリダ州サラソタでの演説で、オバマは彼が選挙キャンペーンに登場する時にいつも話すテーマを繰り返した。「私はここで、こうしたことがどれも容易だというふりをするつもりはありません。特に今は」と語り、医療保険拡張等のような約束を遂行するのが困難な理由として「この経済危機のコストと、イラク戦争のコスト」を挙げた。

社会福祉の拡大と言うよりは、緊縮経済政策を擁護する口調で、彼は宣言した。「ワシントンは倹約しなければならず、不必要なことへの支出を延期しなければなりません。大統領として、私は連邦予算の各項目を子細に検討し、必要のない項目はやめ、必要で、より費用が少なくて済む項目を作るつもりです。」

コロラドのラジオ局から最初の百日間の目標について質問されて、医療改革、地球温暖化やイラク等の問題は、対処するのにもっと長い時間がかかると彼は答えた。「最初の百日間は大切ですが、肝心なのは、恐らく、最初の千日間ということになるでしょう。」

オバマは冨の再配分を支持している、というマケインの選挙キャンペーンの主張(その最もヒステリックなものは、彼は隠れ社会主義者だというのだが)をふりはらうのに四苦八苦してきた。ABCニューズのキャスター、チャールズ・ギブソンに水曜日のインタビューで「私が金持ちや成功した人々を懲罰することに関心があるなどという認識は馬鹿げています。」と語った。

ギブソンが、オバマが金持ちに課税することを主張しているのは「一種の典型的な階級戦争」ではないかと水を向けると、オバマは最も裕福なアメリカの資本家ウォーレン・バフェットが、自分を支持していることをあげて言った。「私がお話しているのは、...ビル・クリントン政権下で1990年代当時、年間250,000ドル以上の収入がある人々にかけていた税率に戻そうということなのです。決して懲罰的な率ではありません。私たちが言っているのは、累進課税を36から39にするということです。」累進課税は共和党大統領セオドア・ルーズベルトが始めたもので、経済改革とは何の関係もないと彼は述べた。

木曜日、フロリダ州での集会で、元大統領ビル・クリントンも同じ話題に触れた。オバマの横に立ってクリントンは言った。オバマ政権では「多数の百万長者や億万長者が生まれるでしょう。」1990年代の自分の実績を、ブッシュの過去八年間と比較して、クリントンは続けた「彼等よりも我々が多くの百万長者や億万長者を生み出したことは知っていますが、中流階級の所得は増加し、誰もが良い仕事を持っていたので、皆さんはそれに気がついておられないのです。それをバラク・オバマがまたやろうとしているのです。」

これは1990年代の経済実績の異様な歪曲だ。クリントン政権は、クリントン自身がかつて認めていたように、政策を証券市場のなすがままに任せ、経済的不平等は、共和党の前任者の元ではびこっていた以上のレベルで増大していた。

これほどあからさまな百万長者や億万長者の利益の擁護が、時折一般大衆向けの言葉づかいをするにもかかわらず、オバマ選挙キャンペーンが、なぜ大企業の代弁者たちからの支持を益々増やしているかという理由だ。先週イギリス金融資本による二つの主要刊行物、日刊紙ファイナンシャル・タイムズと週刊誌エコノミストが、いずれもアメリカ人にオバマ大統領を選出するよう強く進める記事を載せた。エコノミスト記事は、支配層エリートの象徴かつ、公的な代弁者としてのオバマの価値に触れ、アメリカ合州国は、世界に対して、リーマン・ブラザーズと対になったアメリカ資本主義や、グアンタナモ湾と対になったアメリカの正義ではない、自分を「再売込み」しなければならないのだと書いた。

民主党の優勢に便乗して獲得した重要な業界として、国防産業がある。選挙キャンペーンへの献金を追跡しているワシントンの政治資金監視団体、Center for Responsive Politicsによると、軍事産業は、共和党の競争相手、ジョン・マケイン上院議員よりも、34パーセント多く、オバマに献金している。

「国防部門では、民主党へのかなり大規模な移行が起きています」とこの団体の広報担当者は語っている。この移行は、オバマがイラク戦争反対を余り言わなくなり、アフガニスタンとパキスタンにおけるアメリカ軍の作戦の強化を再三呼びかけ、軍事支出の増加を主張していることと軌を一にしている。

木曜日にウォール・ストリート・ジャーナルがインタビューした何人かの主要民主党議員は、来年早々 医療のような重要な問題の意欲的な法制化の可能性を否定した。「物事は、改革するより、進展するにまかせた方が良い」南カリフォルニア選出の下院院内幹事で、下院のアフリカ系アメリカ人議員集団ブラック・コーカスのメンバーであるジェームズ・クライバーンは同紙に語った。「大改革は危険だ。」

いわゆるブルー・ドッグ派という名の50人ほどの経済的保守派の下院民主議員集団のリーダーである、アーカンサス選出下院議員マイク・ロスによると、オバマは10月に彼を招いて、オバマ政権は、あらゆる支出増を、必ずそれに見合った支出削減あるいは増税で埋め合わせる、アメリカ議会の賦課方式予算を必ず守ると請けあったという。

下院民主党最大の集団は、同紙によると、新政権を、医療等の様な、より広範な課題ではなく、「超党派的な支持が確実な、わずかな項目、例えば、経済刺激パッケージ、タバコ税増税で財政をまかなう、州児童健康保険プログラムの拡張と、連邦による幹細胞研究への財政支援」だけに限定したいのだという。

2008年アメリカ大統領選挙キャンペーンを、過去これまでになかった程熱心にアメリカ人が見守っているのは間違いない。選挙人登録率は、不況に見舞われたミシガン州では、史上最高記録の98.3パーセントで、過去二週間、30州の不在者投票所には長蛇の列ができている。投票率は、1960年の記録72パーセントと並ぶか、越えるものと見られている。水曜日の夜、国民のほぼ55パーセントが7つの放送局とケーブル局で放送されたオバマの30分間の情報CMの一部か全部を視聴したが、このような番組としては記録破りの数値だ。

火曜日には、何千万人の人々が、共和党政権を民主党政権に変えれば、自分たちの生活状態が良くなったり、イラク戦争を終わらせられるのではと願って、オバマに投票するだろう。しかし、オバマ勝利の結果は、民主党の広報担当者たちが既にはっきりと語り始めたように 、一つの右翼の資本主義政権を、もう一つの政権と置き換えるにすぎない。オバマは、この危機の負荷を労働者に押しつけろという、ウォール街からの明らかな委託を受けて、大恐慌以来、自由企業制度に対する最大の危機のさなかに政権につくのだ。

Socialist Equality Party(SEP)は、社会主義プログラムに基づいた、労働者階級の独立した大きな政党を建設する基礎を敷くため、2008選挙に出馬している。これこそが、世界的な経済危機、帝国主義者の戦争の拡大と、民主党右派の大規模な攻撃に直面している労働者にとって、唯一の望みある展望なのだ。

SEPの選挙キャンペーン詳細を知るには、ここをクリック。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2008/nov2008/obam-n01.shtml

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上記記事の下から二つ目の部分を、もじれば、日本そのまま。

日本の総選挙では、何千万人の人々が、自公政権を民主党(自・民大連立)政権に変えれば、自分たちの生活状態が良くなったり、新自由主義政策を終わらせられるのではと願って、民主党に投票するだろう。しかし、民主党勝利の結果は、一つの右翼の資本主義政権を、もう一つの政権と置き換えるにすぎない。民主党は、この危機の負荷を労働者に押しつけろという、兜町からの明らかな委託を受けて、大恐慌以来、自由企業制度に対する最大の危機のさなかに政権につくのだ。

2008年11月 2日 (日)

悪名高いパレスチナ人傭兵アブ・ニダルは「アメリカのスパイ」

恐れられていた暗殺者はサダムとアルカイダとのつながりを見つけるために雇われていたと秘密報告書にある。

Robert Fisk

2008年10月25日 "The Independent"

イラク秘密警察は、英米によるイラク侵略のわずか数カ月前、アブ・ニダルをバグダッドで尋問した時点で、この悪名高パレスチナ人の暗殺者が、アメリカおよびエジプトやクウェートのために働いていたと考えていた。これまでにインペンデント紙が入手している、サダム・フセインの暴虐な治安機関が「サダム以外極秘」として書いた秘密文書には、彼がアメリカと"共謀"していて、エジプト人とクエート人の助けを得て、サダムとアルカイダを結ぶ証拠を見つけ出そうとしていたと書いてある。

ジョージ・ブッシュ大統領は、このイラクのアルカイダとの関係を、大量破壊兵器保有と一緒に、2003年の侵略の理由の一つとして使う予定だった。西側の報道は、アブ・ニダルが2002年8月に自殺したというイラクの主張は受け入れず、サダム自身の治安組織が、彼の存在がお荷物になった際に、彼を殺害したことを示唆していた。イラクの秘密報告は、「この正しい国家に対してスパイという裏切り的犯罪」を白状した後で、彼が実際自殺したことを示唆している。

四半世紀以上の期間にわたる、暗殺や残虐な攻撃により、20ヶ国で、900人以上の民間人を殺し、負傷させた傭兵、アブ・ニダルの最期が、2002年9月、サダム"大統領諜報局"のために作成された一式の諜報報告に描かれている。エジプトとクエートの諜報部員が、アブ・ニダルこと本名ハリル・アル-バンナに、自分たちのためにスパイをして欲しいと、"アメリカ情報機関も承知の上で"、依頼したと文書には書いてある。彼の死から五日後、イラク諜報機関の長、タヒール・ジャリル・ハブッシが、バグダッドでの記者会見で、イラク人職員が、市内の隠れ家のアパートを訪れた際、アブ・ニダルは自殺したと語ったが、悪名高いパレスチナ人が、非業の死に至る前に、一連の長い尋問を受けたことを秘密報告書は明らかにしている。こうした尋問の記録は、決して公開を意図したものでなく、イラクの「特別諜報部隊M4」がサダム用に書いたものだ。アブ・ニダルは、尋問者に嘘をついていた可能性はあるが、 報告書には拷問については書かれていない。文書は、イラク人が、イラクにおけるニダルの任務が一体何であったかと思っていたことの率直な報告書であるように見える。報告書は、クエートの支配者アル-サバ家の一員であるあるクエート人少佐が彼をあやつっていたとして名前をあげ、ニダルは"イラク内外でテロ行為を遂行する"任務も与えられていたと書いている。ニダルがイラクに存在することが、イラクがテロ組織を匿っているという口実をアメリカに与えることになろう」と報告書にはある。

「暗号化されたメッセージは、クエート人達が彼に、アルカイダ分子がイラクにいるかどうか調べてほしいと間接的に依頼したことを示している。我々の結論は、彼[アブ・ニダル]が、自分に不利なデータについて質問されると、理屈にあわない答えをして、態度が穏やかになった時に確認された。彼は具体的な事はいわず、歴史的な事実について話し答えをはぐらかそうとした。彼は短い曖昧ではっきりしない答えから、一般論に飛び ... 狼狽しているように見えた ...。 しかし、エジプトの諜報機関とも協力し、アメリカとクエートの諜報機関と彼が結託していることに関する不利な証拠の重みに納得した後、彼はこの公正な国家に対するスパイという裏切り的犯罪が暴露されたことを自覚した ...と尋問担当者は言及している"

アブ・ニダルは、イラクになじみがないわけではない。彼はバグダッド、ダマスカス、リビヤ政権が"殺し屋"として彼を利用したがった際には、リビヤの首都トリポリを拠点に活動していた。1982年、イスラエルがヤセル・アラファトに責任があるとして非難し、破滅的なレバノン侵略を始めるきっかけとなった暗殺未遂、イスラエル駐ロンドン大使ショルモ・アルゴフに対する攻撃を組織するのに資金を出したのはイラクだった。またムアマール・カダフィ大佐は、後にアブ・ニダルと緊密な関係を打ち立てた。1985年に、彼の見境のない武装集団が、イスラエルに向かう乗客を、ローマとウイーン空港で攻撃し、合計18人を殺害した。彼の伝記を書いたパトリック・シールは、アブ・ニダルは時として、イスラエルの諜報機関モサドのためにも働いたと示唆し、自分の手下の裏切りを恐れた場合、スパイと見なされた人物は生き埋めにされ、数日間チューブを通して食事を与えられ、もしもアブ・ニダルの"法廷"が死刑が適切と判断すると、チューブを通して弾丸が打ち込まれたことを書いている。

それゆえサダムの秘密警察によるニダルの尋問は、これほど残虐な男にとって、実にふさわしい懲罰だったように見える。イラクの諜報報告書で、彼が行ったとしている様々な犯罪の中には、外国、スイスとオーストリアで使用するはずだった14個の偽装スーツケース爆弾の準備がある。諜報機関のファイルによれば、イラクの北部クルド地域で、アメリカが"隠れ家"を支援した当時、イスラエルによってヨルダン川西岸やガザで負傷させられ、バグダッドの病院で治療を受けていたパレスチナ人から、彼のいわゆるファタハ革命評議会の新メンバーを採用しようとしていた。

報告には、いくつかおかしな点と、いくつか答えられていない疑問がある。報告書は、例えば、アブ・ニダルは、本来偽のイエメン・パスポートを使って、何年も前にイランからイラクに入り込んだが、これはクウェートにいた、ナビル・ウスマンという名の、彼自身の代理人に手助けされていたとしている。アブ・ニダルは、レバノンとドバイ経由で送った暗号化されたメッセージで、クウェートと通信していたと言われている。報告書は彼の誕生は1939年としているが、彼は1937年、当時はパレスチナだったヤッファで生まれたと信じられており、彼は1984年にはリビヤに住んでいたが、"リビア当局とは何の関係もなかった"と書いている。エジプトの治安機関によって、二カ月間拘留されていたとも書かれている。アブ・ニダルにバグダッドで隠れ家を提供したと言われている男は、パレスチナ人と一緒に2002年に尋問され、アブドルカリム・ムハンマッド・ムスタファという名だった。

アブ・ニダルは本当にイランからイラクに入れたのだろうか、イランの諜報機関が、きっと尋問したに違いないが? アブ・ニダルは、サダムの秘密警察ムカバラトに見つからずに、イラクのバース党が強い州でこっそり暮らすことができたのだろうか? 彼はどれだけの時間、尋問されたのだろう? 文書はこうした疑問には何も答えていない。

彼の最期は、しかし陰鬱な記録だ。「尋問を更に続けるための安全な場所に彼を護送する連中と同行するよう要求されると、服を着替えさせて欲しいと要求した。自分の寝室に入って、自殺した。彼を蘇生させようという試みは失敗した...」アブドルカリム・ムスタファの運命については何も知られておらず、単に彼は"裁判にかけられた"とある。しかし、アブ・ニダルが今どこに横たわっているかは知っている。

「サブリ・アル-パンナの遺体は」、最終報告書はこう結論をだしている。「2002年8月29日に、アル-カラフ・イスラム教墓地[バグダッド]に埋葬された。永眠の地が見つかるまで、埋葬場所を示す標識とビデオと写真で'M7'として記録されていた。」この残虐な男のための"永眠の地"はこれまで見つかっていないようだ。

ビン・ラディン同様に恐れられていた男によるテロの年月:

アブ・ニダルは、かつてはオサマ・ビン・ラディン同様に恐れられた。彼の悪名高い攻撃には以下のようなものがある。

*1978 彼の"ブラック・ジューン(六月)"運動は、ロンドン、パリ、マドリッド、ブリュッセル、クウェートそしてローマでの、PLOメンバー殺害を行ったとされている。

*1982 駐イギリス・イスラエル大使ショルモ・アルゴフがメイフェアで狙撃され、終生麻痺のままとなった。

*1984 ヨルダンの定期旅客機がアテネを離陸する際、ロケットで攻撃された。暗殺された人々の中には、在アテネ・イギリス文化アタッシュと、イギリス人の駐ムンバイ高等弁務次官がいる。

*1985 エジプト航空機がハイジャックされ、乗客6人が殺害され、エジプト特別奇襲隊が飛行機に突入した際に、60人が死亡した。

*1985 武装集団が、ウイーンとローマ空港のエル・アル発券カウンターを攻撃し、18人を殺害し、120人を負傷させた。

*1986 イスタンブールのシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)で機関銃攻撃により22人が殺害された。パンアメリカン航空のジェット機がカラチでハイジャックされた際に、20人の乗客と乗員が殺害された。

*1988 武装集団がポロス市でギリシャの遊覧客船を攻撃し、9人殺害、98人負傷。

記事原文のURL:www.informationclearinghouse.info/article21091.htm

2008年11月 1日 (土)

オバマを拒否し、ネーダー/マッキニーを支持する12の理由

James Petras

2008年10月29日

"Information Clearinghouse"

アメリカにおける大統領選挙は、またもや、アメリカのインテリの品位と、発言の結果がすぐに問われる、最終的試練となっている。権力に対して直言するのがインテリの責任だとするなら、アメリカの有名で権威ある評論家達による最近の発言の大半は、惨めな失格だ。民主党大統領候補バラク・オバマ上院議員の反動的な外交および国内政策に光をあて、暴露し、非難するかわりに、彼らは、「限られた差異」ですら、前向きの結果をもたらす可能性があり、「オバマはより小さな悪」であり、「変化への可能性の機会を生み出す」のだという批判的な弁明をすることで、オバマを支持することに決めている。

            こうした主張を筋の通らないものにしているのは、オバマの公的な発言や、彼の最高政策顧問や、彼の政府で、政策立案者となるだろう連中は、あからさまに、最も好戦的な海外政策と、ポールソン-ブッシュ-ウォール街と全く軌を一にする極めて反動的な国内経済政策を明らかにしているという事実だ。戦争、平和、経済危機や、アメリカの給与所得階級の救済に関する主要な点に関して、オバマは大半のアメリカ人が拒否し、否定している政策を進展、深化させると約束している。

オバマを拒否する12の理由

1.      オバマは、公然と、繰り返し、アフガニスタンへのアメリカ軍の介入、アメリカ兵員の人数増強、体系的な越境攻撃への関与も含め作戦の拡大をエスカレートさせると約束している。言い換えれば、オバマはブッシュよりも大変な主戦論者だ。

2.      オバマは、彼の政権は「対テロ戦争」を、パキスタンに対する、体系的で、大規模な地上攻撃と空爆で拡大すると公然と宣言した。戦争をアフガニスタンの武力反抗勢力に同情的と判断した村や町や都市を含めてエスカレートしようというのだ。

3.      オバマは、転進、つまり武装抵抗勢力を打ち負かす、イラク軍の軍事能力次第によって、戦闘地帯から訓練と兵站へのアメリカ軍配転に賛成で、イラクからのアメリカ軍撤退には反対だ。オバマは、イラクからのアメリカ軍撤退の期限を、はっきりと定義することに反対している。イラクのアメリカ軍は、イラン、シリアや南部レバノンでの、軍事衝突も含む、中東における彼の全般的な政策を追求するのに不可欠だからだ。

4.      オバマは、親イスラエル・ロビーや植民地的拡張主義者の立場や、ユダヤ人国家の好戦的な政策に対する、無条件の支持を宣言している。アメリカにどれだけの費用がかかろうと、イスラエルの軍事攻撃を支持すると彼は約束した。イスラエルに対する、彼の卑しむべき追従は、ワシントンでの、2008年度アメリカ・イスラエル公共問題委員会の年次総会における彼の演説で明らかだ。主要なシオニスト・プロパガンダ機関幹部や、主要なユダヤ系アメリカ人団体のトップたちと長らく、悪名高いつながりを持っている主席顧問が、彼の演説を書き、中東政策を立案している。

5.      オバマは、イラン核開発計画で、ウラン処理を継続すればイランを攻撃すると約束している。選挙のわずか数週間前に二度、オバマの副大統領候補ジッセフ・バイデンは一連の「摩擦が起きている地点」(イラン、アフガニスタン、パキスタン、ロシアおよび北朝鮮を含む)を列挙し、オバマは「強力に対応するだろう」と強調した。オバマの上級中東顧問には、対イラン戦争の青写真となるような報告書を発行した「超党派政策センター」と深いつながりを持つデニス・ロスのような主要なシオニストがいる。オバマが提唱しているイランとの交渉など、大規模武力攻撃の恐怖を用いて、イランに主権をあきらめろと最後通告を発する口実にすぎない。

6.      オバマは、中東での敵意、戦争と、この地域のアメリカの政策に対する不信の主要な原因である、イスラエルのパレスチナ人追放と、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地拡張を、無条件に支持している。首席政策顧問、スピーチライターや、更には閣僚候補者など、三十人ものイスラエル優先主義者が、彼の主要選挙キャンペーン事務局にいては、事実上、「内部からの影響」やら「大衆の圧力をかけて」、シオニスト権力構造に対する、オバマの卑屈な服従を変えさせる希望など皆無だ。オバマを支持することによって、「進歩的知識人」は、事実上、彼のシオニスト指導者たちの味方となる。

7.      国内問題では、オバマの主要な経済顧問たちは、ウォール街から非の打ち所のない信任を受けている。ポールソン財務長官による、7000億ドルもの税金を使った、アメリカでも最も豊かな投資銀行の緊急救済を、彼は、躊躇せず、即座に是認した。オバマは、連邦の資金の利用を巡って、ポールソンや銀行に対し、生産者や住宅所有者に対する融資やクレジット用ではなく、銀行の買収案に反対しそこねた。ポールソンやウォール街緊急救済へのオバマの支持は、利子支払いの再交渉を待つ間、抵当流れを、わずか三カ月間だけ、延期するという、彼の貧弱な提案と見合っている。オバマは、労働者にとって賃金の良い職を生み出すような新たな大規模の、長期的公共投資計画を考えるかわりに、失敗した資本主義を救済する目的で、経営をやりそこねた金融機関や、破産した資本主義企業への政府資金振り向けを拡大することを提案している。

8.      オバマの経済チームは、あからさまに「自由市場」イデオロギーを擁護し、実行すると宣言しており、広範な、民間部門の失敗、腐敗、崩壊にもかかわらず、公営生産活動や社会福祉への政府資金の大規模注入をするといういかなる試みにも反対だ。

9.      オバマは、私企業の保険会社、保守的な医療団体や、病院協会や巨大製薬会社が運用、支配する、失敗した、民営の健康保険計画を擁護している。彼は、高価で、アメリカの家族の三分の一以上にとって、資力を越えてしまう、非効率的で、国家助成による 利益のための民営の計画を支持し、成功した連邦メディケア計画にならって計画された統一全国健康保険には、あからさまに反対している。

10.  オバマは、アメリカの何百万人もの人々や、世界の何億人もの人々にとって、食料品価格を上昇させた一方、巨大農産企業の、大いに助成され、儲かるエタノール燃料計画を、支持しているし、支持し続けている。

11.  オバマは、犯罪的なキューバ経済封鎖の継続を支持し、ベネズエラのポピュリズム的なチャベス大統領や他の中南米の改革者たちと敵対的対立をし、国内では保護主義を、中南米では、自由な市場へのアクセスを促進するという二枚舌の政策を推進している。彼の主要な中南米政策顧問は、上面だけの糊塗や、かけひきを提案するだけだが、アメリカ覇権の主張という点では、不屈の支持をしている。

12.  オバマも、自由市場顧問や億万長者の財政支援者たちも、悪化する景気後退から我々を救い出すような、いかなる包括的な政策あるいは戦略も、提案も構想もしていない。 逆に、オバマが提示するバラバラの対策の道筋は内部的に矛盾している。緊縮財政と、仕事を生み出すことは、両立しない。ウォール街の緊急救済は、生産的な投資用の資金を枯渇させてしまう。また新たな戦争を追い求めることは、国内の経済回復を損なう。

結論

「現実主義」の名において、公的に、あからさまに、あらたな戦争も、億万長者の緊急救済や、利益を目指す、民間企業が経営する健康保険を是認する政治家を支持する知識人は、「責任ある批判者」という自らの主張を放棄している。彼らは、批判的知識人としての自分達の責任を投げ捨てる、C. ライト・ミルズが「常軌を逸した現実主義者」と呼んだ存在そのものだ。「より小さな悪」を支持すると主張することによって、連中は「大いなる悪」を促進するのだ。更に四年間の、悪化する景気後退、植民地戦争、国民の疎外の継続だ。更に、彼らは、正々堂々と意見を述べ、戦争や、ウォール街のための緊急救済に反対し、国内経済における本当の大規模公共投資、統一健康保険制度、維持可能な、環境にやさしい経済政策、そして大規模で、長期的な所得再分配政策を提案している、全く別の候補者、ラルフ・ネーダーとシンシア・マッキニーを、実質的に無視したり、あるいは、徹底的に排除したりしているマスコミ、大政党、法制度の仲間だ。

            ひどく、容認することができないのは、ほんの一瞬でも、オバマ政治機構に対する連中の「決定的に重要な支持」が、急進的思想に対する余地を生み出すだろうなどと信じるという、こうしたインテリの主張(民主党というロバの尻のつまらない腫れ物)だ。シオニストや民間の軍事専門家が、オバマの中東戦争政策を完全に支配している。イラン、パレスチナ、パキスタン、アフガニスタン、またはイラクとの平和の余地など皆無だろう。ウォール街がオバマの財政政策を支配ししいる。誰かケンブリッジ卒業生の進歩派が忍び込んで、家を無くした家族に施しをするような余地なぞあるまい。

            大企業労組の財務担当が、選挙キャンペーンのたびごとに何百万ドルも拠出しても、50年以上にもわたって、進歩的な法律の一つも作れずにいるのに、アメリカの進歩的な「タレント文化人」が、素晴らしいほど組織と無縁の連中である自分たちが、「圧力をかけて」、オバマ大統領に、顧問や、支援者や、軍事エスカレーションへの大衆的支持を破棄させ、イランとの和平や、労働者や失業者のための社会的公正を推進したいと思わせられるなどと想像するのは、妄想ではあるまいか。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article21117.htm

日本革命的共産主義者同盟(JRCL)中央委員会という組織のwebにある下記文章、この文章と趣旨がよく似ているようだ。「シンクロニシティ」?

自公政権を打倒しよう!共産党・社民党など憲法改悪反対・新自由主義的「構造改革」反対の政党・候補者に投票を

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