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2008年11月24日 (月)

昔の名前で出てきた「チェンジ(改革)」-第三次クリントン政権

ラルフ・ネーダー

2008年11月21日、"Counterpunch"

リベラルなインテリの方々が大統領選挙キャンペーンの間、バラク・オバマにうっとりされている際、小生は「失望する覚悟をしておいてください」と忠告申しあげていた。イリノイ州やアメリカの上院議員としての実績や、多くの進歩的な、ずっと前から始まっている行動の流れ等に、選挙キャンペーン中、彼が反対してきたことからして、その様な予測は、不幸にして、明々白々だった。

今や、その同じインテリが、オバマの移行チームや、彼の政権に早々に任命された連中についてわめき始めている。ヒラリー・クリントン上院議員を民主党予備選挙で打ち破ったのに、今やビル・クリントンの古株連中を引き込むのにおおわらわだ。ポリティコ紙によれば、移行用なり任命として彼がこれまでに選んだ47人のうち、31人がクリントン政権と関係していたという。あるクリントン派人物の発言がワシントン・ポストに引用されている。「これは、ちょっとしたクリントン風味などではありません。これはそのまんまクリントンです。徹頭徹尾。」

オバマの「外交政策チームは、今やタカ派、今や1990年代の民主党古株に支配されている」とジェレミー・スケイヒルが書いている。諜報機関を見なおしたりや任命を推奨するオバマの移行チームを率いているのが、一例として、コリン・パウエル国務長官が国連でイラクに対する戦争を呼びかけた間違った演説のように、CIAが諜報情報の政治利用に関与していた時期に、ジョージ・テネット長官の元で働いていたジョン・ブレナンやジェミイ・ミスチクなのだ。

ブレナン氏は、政府幹部として、彼は令状なしの盗聴や、拷問が可能な他国への臨時引き渡しを支持してきた。ナショナル・パブリック・ラジオは、今年オバマが寝返って改訂FISAに賛成投票をした際、彼はジョン・ブレナンの助言に従ったのだと報道している。

こうした二人の顧問や、オバマが暗い過去の日々から探し出した他の連中の詳細については、デモクラシー・ナウの2008年11月17日と、ジェレミー・スケイヒルの、AlterNet、2008年11月20日、「これが変化か? オバマのホワイト・ハウスを監視する、20人のタカ派、クリントン主義者やネオコン」をご覧いただきたい。

ホワイト・ハウスの大統領首席補佐官として選んだのがラーム・エマニュエルで、彼は究極的な、非情な大企業派民主党議員、軍事-海外政策タカ派でクリントン ホワイト・ハウスにおけるNAFTAや世界貿易機関での大企業グローバル化の黒子だ。

牧歌的な「希望と改革」キャンペーンの月日のオバマの言葉を思い出してみよう。「アメリカ人は…同じ年寄り連中に、仕事を何度も、何度も、何度もやらせておいて、なんとか違う結果を得たいというのは、大変なギャンブルだということを理解しています」こうした発言の後、万雷の拍手が続くのだった。

「これは、新たなスタートというよりは、2月2日恒例のグラウンドホッグ・デーだ」というのが、元ブッシュの顧問で、現在倫理公共政策センターにいるピーター・ウェーナーの評価だ。

バラク・オバマが、アメリカ人に対して政治的な詐欺をしているという徴候はたっぷりある。彼は今や、アイゼンハワー大統領が退任演説でアメリカ人に警告した、揺るぎない軍産複合体に日々巻き込まれつつあるのだ。

選挙後の初写真撮影時に彼はロバート・ルービンを横にはべらせ、ウォール街に、相場師やら、ペテン師のための7500億ドル緊急救済策に賛成したのは、決してまぐれだったわけではないと合図をした(ルービンは、今や悲惨な目にあっているシティーグループで、莫大な給料をもらう共同支配人の一人になる前は、1999年、財務長官としてクリントン財政規制緩和策の設計者だった。)

オバマ擁護派は言う。彼の選択は仕事をすませたかったためで、彼はワシントンの事情を良く知っている連中を必要としていたのだ。更に連中は言うだろう。改革は行動の優先順序と、進路を設定する大統領からのみ起きるのであり、彼の部下からおきるのではない。こうした説明は、大統領が任命した連中は、ボスがそうありたいという方向を示す鏡像ではなく、オバマの変化なるものを遂行する役人に過ぎないという仮定に基づいている。

読者が、万一そのようなありそうもないシナリオを信じたいような気分でおられるなら、マット・ゴンザレスがカウンターパンチで編集した、オバマの実績を検討されるとよろしいのではと思う。

記事原文のurl:www.counterpunch.org/nader11212008.html

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ご承知の通り、ラルフ・ネーダー、今回も大統領選に立候補していた。

宗主国でも属国でも、大本営マスコミ、もっぱら二大政党交代論。

それ以外の野党の記事は報じない。

属国の政治は宗主国政治のコピー。

属国のマスコミは宗主国マスコミのコピー。

従って、次回の属国衆議院選挙では、宗主国と同じ名前の民主党が勝つだろう。

そしてその結果も、宗主国と同じになるだろう。いや大連立か。

ネーダーの言葉はそのまま日本にあてはまりそう。「失望する覚悟をしておいてください」

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ネーダーのこの発言について、藤永茂氏も「私の闇の奥“ストーリー”はもう沢山だ(3)で触れておられる。

ぜひご一読を。

ふと思いついたのだが、属国日本の異常な首相による「改革」というキャッチフレーズで、それまでの、多少はましだった構造の破壊に成功したので、周回遅れで、これから、宗主国が「チェンジ(改革)」という美名のもと、破壊を推し進めるのだろう。

経済崩壊のもとを作った人物ルービンを、ぐるりめぐって、再び、采配を揮うる立場に付けるというのは、正気の沙汰ではない。ノーベル経済学賞なるものの受賞者数を確認していただくとわかるが、世界大恐慌を起こそうとしているアメリカが圧倒的に多い。ノーベル経済破壊学賞だろう。

それでいえば、最も多数の民間人殺戮に貢献しているキッシンジャー、そのアメリカのベトナム殺戮と、日本の植民地化に貢献した佐藤首相がノーベル平和賞というのもすごいことだ。ノーベル戦争賞だろう。

ノーベル賞というのは、せいぜい飴を楽しめばよいので、賞そのものは、世界ブラックユーモア賞と改名するべきではと思えてくる。

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