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2008年9月28日 (日)

なぜアメリカはアフガニスタンで勝てると考えているのだろう?

タリバンは良く訓練され、残念なことに、益々現地の民間人に受け入れらつつある

Robert Fisk

20/09/08 "The Independent'

哀れな老いたアルジェリア人たち。彼等は残忍な政府から、同じ古ぼけたたわごとを聞かされ続けている。1997年、政権側はイスラム教の凶暴な敵方に対する"最終的な勝利"を宣言した。アルジェリア当局は、"テロリスト"は自暴自棄になって、アルジェやオラン周辺の山々で彼等が支配する村々の全ての男、女や子供の首を切り落としているのだから、自分たちの敵は、とうとう打ちのめされたと信じていたのだと、私は少なくとも三度、もちろん、しかるべき皮肉をこめて、報告したことがある。

そして連中は今またそれに取り組んでいる。新たに合併した"マグレブのアルカイダ"という敵による猛烈な自爆自動車攻撃が復活した後、アルジェのガタピシ、古びたFLN政府は、武装イスラム教徒に対する戦いは"最終段階"に至ったと宣言した。アルジェリア人ジャーナリストHocine Belaffoufiが、先日見事に表現したように「この政治的話法によれば ... 攻撃頻度の増大は、テロが敗北しているという否定できない証しだ。テロがより破綻すればするほど、攻撃はますます増大する...(テロ)が益々強くなればなるほど、攻撃は少なくなる。」

アメリカは、むろん、このとんでもないたわごとを、何年間も、南西アジアで広めようとしてきたのだ。そもそも、今をさかのぼる2001年、タリバンを打倒し、アメリカはアフガニスタンでの戦争に勝利したのだ。それからアメリカは、イラク戦争に勝利するべく堂々と立ち去っていったのだ。アメリカはイラク戦争に勝利したので、七年前、アメリカ人の息子たちに徹底的にこらしめられたタリバンが、彼らの道徳的、政治的破産を証明して、国の半分を再度掌握している場所、今や一日最低一件の自爆攻撃があり、お互い敵対する派閥の居住地へと分裂した国アフガニスタンにおける戦いに再度勝利すべく引き返すわけだ。

ドナルド・そういう事はおきるものだ・ラムズフェルドが、「 (アフガニスタンには)政府を樹立したし、カーブルにおいて、もはやイスラム教徒は支配していない。もちろん、時には手榴弾や臼砲が爆発することはある。だがニューヨークやサンフランシスコでも、犠牲者の数は減った。私としては希望に満ちている。」と宣言したのは大昔のことのように思える。奇妙なことに、80年代の昔、アフガニスタンのバグラム空軍基地にいたソ連の将軍から私は全く同じことを聞かされていた。そう、かつてのロシア人による虐殺を免れた数人のアフガニスタン人を、CIAの若者たちが拷問し、死に至らせたのと同じ、まさにあのバグラム空軍基地でだ。「テロリストの残滓」がアフガニスタンの山地に居すわっているだけだと、陽気なロシア人将校は請け合ったものだ。アフガニスタン人兵士と、限定されたソ連「介入」部隊が民主的なアフガニスタンで平和を回復しつつあったのだ。

そして今、イラクにおける"想像を絶する"進展の後、依然として私はホワイト・ハウスを占拠している夢想家の言葉を引用するわけだ。アメリカは、8,000人の兵士をメソポタミアから撤退させて、振り替え、更に4,700人をアフガニスタンの業火に投入するつもりだ。あるフランス人同僚の辛辣な表現によれば、余りに少なすぎ、余りに手遅れ、余りに緩慢だ。今や、より高度な兵器を装備し、良く訓練され、残念なことに、益々現地の民間人に受け入れらつつある、こうしたタリバン連中に引導を渡したいと思うなら、少なくとも、更に10,000人の兵員は必要だろう。アフガニスタンは、イラキスタンと読み替えよう。

かつて19世紀末、タリバンは、そう、イギリスは黒いターバンをした敵のことを実際に「タリブ」と呼んだのだが、捕獲したイギリス兵の喉を掻き切るものだった。今やこの不幸な伝統が繰り替えされていて、アメリカはびっくりしているのだ! 今年7月13日にタリバンがアメリカ軍の山岳基地を急襲した際、捕獲された二人のアメリカ兵士は、捕獲した連中に処刑された。

アフガニスタンで8月18日に殺された10人のフランス兵のうち4人は、タリバンに降伏し、ほぼ即座に処刑されたことが分かった。彼らの通訳は、任務開始の直前に逃亡したことは明白で、これが意味するところは一目瞭然だ。しかも、この窮地を助けられたかも知れないフランスのヘリコプター二機は、アフガニスタン軍の代役として、どうしようもなく、無力な、アフガニスタン大統領ハミド・カルザイを守るのに忙しかったのだ。あるフランス兵はタリバンのことを、極めて率直にこう語った。「やつらはいい兵士だが、情け容赦ない敵だ。」

先月、ヘラト近くのアジザバード急襲で、アメリカ軍が「30人から35人のタリバン」を殺害したと誇らしげに宣言した、在アフガニスタン・アメリカ人幹部将校、デヴィッド・マッキーナン大将は、今やバグラム基地のあのソ連人将軍の筆耕役のようなものだ。"対ゲリラ作戦における民間人死傷者... に関する新たに現れた証拠にかんがみて(原文のまま)," 不幸な大将は、今や、元々の調査を見なおすのは「自重したい」と、ここでも、また大きな(原文のまま)の注記がいるが-のたまっている。「関する」証拠とは、もちろん、アメリカがアジザバードで、大半女性と子供の、おそらく90人ほど殺害したことだ。アフガニスタンにおける哀れなNATO同盟諸国中の我々の役割を率直に認めようではないか。今年だけでも、500人以上のアフガニスタン民間人を虐殺したのだ。この中には、7月、結婚式に対するNATOミサイル攻撃で、47人の客をDeh Balaの村中に散り散りに吹き飛ばした件も含んでいる。

オバマもマケインも、バグダッド政府が崩壊した際、兵士たちを大急ぎでイラクに戻す前に、本気でアフガニスタンで勝利するつもりでいるのだろうか。イギリスが19世紀にできなかったことで、ロシアが二十世紀末にできなかったことを、アメリカは21世紀の初めに実現しようとしており、おまけに、このひどい戦争を核武装したパキスタンにまで持ち込もうとしている。またしても夢想だ。

強力な国家の無力さを理解していた、ジョセフ・コンラッドなら、きっとこれをもとに何か書いたことだろう。そう、アメリカは、アフガニスタンで勝利した後に敗北したのだから、またもや勝利しようとして、敗北することになろう。そういう事はおきるものだ。

記事原文Robert Fisk's World: Why does the US think it can win in Afghanistan?

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記事原文には300を越すコメントが書き込まれている。

ニューヨークで自民党の麻生首相が、憲法解釈を見なおすことにふれた集団的自衛権というもの、実態は、アメリカとその同盟国(属国)の集団的先制虐殺権だろう。

民主党の小沢氏は、まさにこの記事にあるアフガニスタンのISAFへの派兵が方針だ。

つまり、選挙結果が、二大派閥(二大政党というのは、マスコミが作り上げている虚構だ)のどちらにころんでも、いや大連立をしてでも、アフガニスタン新植民地戦争へ属国日本軍参戦は、規定事実だろう。困難な憲法破壊を、とりあえず迂回して。派閥間で政権が移っても政治は浄化されない。二大派閥政治は強化はされるかもしれないが。

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08/10/01追記:なわのつぶや記0802という記事を拝見した。上記コメントと同じ意見の方も、おられるのだ。

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