25の容認しえない矛盾:9/11公式説明の決定的な否定 デヴィッド・レイ・グリフィン新刊書評
エリザベス・ウッドワース
Global Research、2008年3月17日
「9/11の矛盾:議会とマスコミに対する公開質問状」"9/11 Contradictions: An Open Letter to Congress and the Press,"書評
デヴィッド・レイ・グリフィン博士著。Interlink Publishing、2008年3月刊。368頁。
政治家やジャーナリストが「陰謀論者」とレッテルを貼られる恐れなしに、堂々と論じることができる、9/11についての本がとうとう出現した。
「9/11の矛盾」はいかなる理論も提示してはいない。この史上空前の出来事に関する公式説明に絶えずつきまとう25の驚くべき内部的な矛盾を単に明らかにしているだけだ。
これまでは、世界を変えた日に関する執拗で物騒な疑問に、ジャーナリストや政治家は困惑し、疎んじていたが、その理由は以下のようなものだ。
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タワーの崩壊に関する技術的問題、軍が飛行を要撃しそこねたこと、および、ペンタゴンの比較的軽微な被害が、マスコミが分析するにはあまりに複雑と見なされていたこと。
しかしながら、読みやすい各章は、公式説明にもともと内在する一つの単純な内部的矛盾を巡って展開するので、グリフィンの新刊書を読む読者が専門知識を要求されることはない。「もしもジョーンズが「Pだ」と言い、スミスが「Pではない」と言えば、この二つの主張が両方とも真実ではありえないので、私たちの誰でも何かがおかしいことがわかる。」
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公式説明を疑う多くの人々が、それに代わる理論を提示したが、彼等の理論は、当然ながら、何より自分たち自身の信憑性に重きをおかざるを得ないマスコミによって、「陰謀論」として片づけられてきた。
しかしながら、本書は、公的な説明中の矛盾を説明する別の理論を提示するものではない。本書は単に、これまで決して議会やマスコミが調べてこなかった紛れもない矛盾を提示し、こうした組織のメンバーに現実と正面からまともに取り組み、本当に独立した調査を率いてくれるよう懇願している 。
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9/11の問題は六年昔の話で、ジャーナリストは多忙で、世界は進展している。
六年たったにもかかわらず、本件は決して解決しておらず、追跡できなくなってしまったわけでもない。「9/11についての公式説明は、軍事支出の増加、戦争の正当化、市民権の制限、行政府の強化に使われた。」実際、評者の知る限りでも、公式説明は、最近、海外の公開討論の場で問題にされた(2008年1月10日には日本の国会で、2008年2月26日には、ブリュッセルの欧州議会で)。9/11委員自身さえもが、委員会報告書の信頼性について、2008年1月2日のニューヨーク・タイムズ記事「CIAによって妨害された」で疑問を投げかけている(http://www.nytimes.com/2008/01/02/opinion/02kean.html参照)
それでは矛盾をみてみよう。だがまずグリフィン教授を引用しよう。
「科学という考え方においては、良い理論と悪い理論を区別する為の二つの基本的な規準がある。第一に、ある理論は、関係する事実のいずれについても、矛盾してはならない....第二に、それはいかなる内部的な矛盾も無しに、首尾一貫していなければならない。もしもある理論に一つ内部的な矛盾があれば、それは受け入れがたい理論だ。」
受け入れがたいというのは、例えば、関心を持った調査報道記者や議員に役立つように本の巻末に添付されている章の要約から引用した以下のような内部的な矛盾だ。
ペンタゴン攻撃の時間の近辺で、ホワイト・ハウス上空で発見された飛行機の正体に関して。それが軍用機ではないという軍による否定は、元軍当局者も同意している通り、それが空軍機E-4Bだったことを示しているCNNによるその飛行機の飛行映像と矛盾する。
[評者による注記。「E-4Bは、大統領、国防長官および統合参謀本部用の国家空中作戦指揮所として使われる」http://www.af.mil/factsheets/factsheet.asp?fsID=99にある、現行のアメリカ空軍データ表より引用。]
彼の2004年の著書「新たな真珠湾」で、グリフィンは既に、航空機迎撃に関する標準業手順が、9月11日には不可解にも中断されていたことを書いている。複雑な防空システムのネットワークは、軍幹部レベルによる調整なしには、機能を完全に無効にできたはずがない以上、グリフィン博士が、本書冒頭で、9/11委員会が質問しそこねた疑問を提示しているのは論理的であると評者は推論する。ブッシュ大統領、ドナルド・ラムズフェルド国防長官、そして統合参謀本部総長代理のリチャード・B・マイヤーズ将軍が、あの朝一体何をしていたのか? それぞれについて、彼らの居場所に関する報告の中から不可解な矛盾が現れた。そして同じことが、ディック・チェイニー副大統領にも言える。こうした公人の誰一人として、宣誓した上での尋問をされておらず、今や彼らを取り囲む矛盾は、徹底的な厳しい調査によって、埋葬されなければならないことが極めて明白だ。
第II部では、11、175、77、および93便の一貫性のない振る舞いについて軍が通知を受けたと報告されている時刻の矛盾をグリフィンは、入念に追跡している。各々について、目を見張るような矛盾を彼は暴き出しており、一体どうしてこの包括的な過ちが実際に起きてしまったのか、更に評者の提案だが、「攻撃の間中進行していた前代未聞の航空軍事演習と、一体どのような関係があるのだろうか」について、本格的な調査が必要であることを示している。
第III部では、初期のマスコミ報道を通して、9/11以前のハイジャッカーとされる人々の嗜好や習慣に関する疑問を綿密に追っているが、西欧の性的および飲酒習慣を持ち始めていたという困惑させられる事実が明かされていることからして、彼らを、創造主にまみえる覚悟のできた敬虔なイスラム教徒として描き出すには無理がある。携帯電話と航空機電話に関する調査、飛行機内での彼らの行動に関する報告の矛盾は、機内の神話という、まとまった全ての現象に対する、まさに卓越した否定にほかならない。
最後に、第IV部では、タワーそのものを扱い、タワーの崩壊が事前にわかっていたこと、および何十人もの消防士たちの異様な口頭証言、例えば、ビルの地下二階での大規模な爆発。50トンの水圧プレスが破片と化したこと。135キロの鋼鉄の扉が、まるでアルミ箔の切れ端のようにしわくちゃになったことの報告などを含んでいる。
グリフィン博士が、事実上、この世界を変えた出来事について行われた調査の膨大な集積に対する個人運営の手形交換所となっていることは興味深い。この厳粛な多数の証拠に対する彼の中立的な手法が、この問題を最終的にバッサリ切り開く斧となる可能性が極めて高いように思われる。入念に調査された25の矛盾のそれぞれが、世界から、未知の裏に潜む真実を隠蔽する公式なうわべから崩れ落ちるレンガなのだ。
評者自身、作家で退職した職業司書として、グリフィン博士の各章や脚注であげられている包括的な調査を批評し、解題的な支援をさせて頂けることは名誉なことであった。そのプロセスの間、私は終止、直接に彼の仕事ぶりの、正確で、秩序だった、倫理的な基準を目の当たりにすることができた。彼の仕事で明らかな、並外れて高い質と責任感とが、議会とマスコミの人々(更に実にあらゆる階層の人々)を刺激し、皆が彼の挑戦に対して立ち上がり、この極めて重要な国際的問題を調査するようになることを願うばかりだ。
エリザベス・ウッドワースによる Global Research記事
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© Copyright Elizabeth Woodworth, Global Research, 2008
記事原文のurlアドレス:www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=8374
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本書の別書評に下記がある。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/911-8203.html
また、グリフィン自身が、この著作から要約した記事に下記がある。
9/11の矛盾:チェイニーはいつバンカー(掩蔽壕)に入ったのか
9/11のバーバラ・オルソンからの電話というテッド・オルソン報告と、それに対する3つの公式な否定
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デビッド・レイ・グリフィンの本、The New Pearl Harborは「9.11事件は謀略か」として翻訳されている。本書の翻訳も期待したい。
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9-11事件の真相追求というテーマで、デビッド・レイ・グリフィンによる著作の他、決して見逃してはならない必読書にマイケル・ケイン「Crossing the Rubicon」がある。いくらまっても、なぜか翻訳はあらわれない。
その著者がポイントをまとめた記事の翻訳は、ジェラス・ゲイのweb下記アドレスで読める。
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