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2008年3月13日 (木)

ブッシュ-チェイニー戦争計画に関する軍幹部の不一致

Michel Chossudovsky

Global Research、2008年3月12日

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ウイリアム・ファロン海軍大将は、政権のイラン戦争計画にかかわる意見の相違から、アメリカ中央軍司令官を辞任することを余儀なくされた。

ゲーツ国防長官は、ウイリアム・J・ファロン海軍大将が「退役する許可を求めてきた」ので、同意したと語った。事の真相は、ファロン海軍大将はゲーツ国防長官に首にされたのだ。彼は三月31日付けで退職する。

ファロンは先週発行されたエスクワイア誌の、ブッシュ大統領のイラン政策に反対する人物とした描いたある記事の主題だった。記事は、ファロンを、イランの核計画を止めるための軍事行動をすることに反対する唯一の代弁者として描いていた。

記事は、昨秋アル・ジャズィーラTVとのインタビューでファロン海軍大将が行った発言を強調していた。そこでの発言はこうだ。

「[ワシントンからイランに向けられた]両国の摩擦に関するきりのない鳴り物入りの宣伝は、有益ではなく、役立つこともない....戦争にならないことを私は期待しており、そのためにこそ、我々は努力すべきなのだ.... 別の条件を作り出すために我々は最善を尽くすべきなのだ。」

公式発言として、ファロン海軍大将は、アメリカ中央軍司令官として仕事をする上で、「自分の意見と大統領の政策目的との間の食い違いを示唆する最近のマスコミ報道が、邪魔になった」ことを認めている。

中東戦争戦域からの、アメリカが支援するイラン攻撃ということになった場合、アメリカ中央軍は主要な地域司令部だ。ブッシュ政権は、アメリカ中央軍幹部による断固たる支援なしでは、大規模な戦域での戦争を遂行することはできまい。

ファロンは唯一の代弁者ではない。多くの上級幹部や下級士官がファロンの立場を支持している。

この退任はイランとの戦争への反対がアメリカ軍司令部内に浸透していることを確認するものだ。ドナルド・ラムズフェルド国防長官退任以来、再三にわたる高官レベルの人事改造にもかかわらず、政権が軍首脳部の支持を得られずにいることの反映でもある。

皮肉にも、ファロンはブッシュ-チェイニー閥の断固たる支持者だった。ロバート・M・ゲーツ国防長官との明らかな意見の不一致から辞任に追い込まれたジョン・P・アビザイド大将の解任後、ゲーツ国防長官は、ウイリアム・J・ファロン海軍大将を、今からわずか一年前の2007年3月アメリカ中央軍司令官に任命したばかりなのだ。

アビザイドがイラクにおけるアメリカ軍の失敗と弱みを認識していたのに対し、2007年3月年就任当時のファロン海軍大将は、ディック・チェイニー副大統領のイラン戦争計画にぴったりと足並みを揃えていた。彼はまた、「グローバル対テロ戦争」への献身をはっきりと誓っている。

昨年のファロン就任は、統合参謀本部司令官ピーター・ペースの解任と、後任にマレン大将が着任するのと同時だった。

ペース海兵隊大将は、イラクと、対イラン攻撃計画の両方に関して、政権との意見の相違を示唆していた。

ピーター・ペース海兵隊大将の統合参謀本部議長としての任期は2007年9月で終わった。ゲーツ国防長官は、後任の統合参謀本部議長として、元アメリカ海軍作戦部長マイケル・マレン海軍大将を選んだ。

マレンの主張はピーター・ペース海兵隊大将のそれと好対照だ。マレンは、イラン沿岸沖での2006-2007年の海戦演習の取りまとめ担当だったが、「アメリカ合州国を守りながら」「非対称戦争を遂行し」て「非対称戦争に勝利する」ことに対し断固として献身することを表明している。

2007年6月、ゲーツ国防長官は、戦略軍司令官のカートライト海兵隊大将を統合参謀本部副議長に任命した。十月にピーター・ペースを引き継いだマレン大将の任命とともに、この二つの新たな任命は、統合参謀本部権力構造の大規模刷新を示唆している。

 


ミシェル・チョスドフスキー
は 世界的なベストセラー America’s "War on Terrorism" 第二版, 2005年、Global Research刊の著者。 オタワ大学の経済学教授であり、Center for Research on
Globalizationの所長である。
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© Copyright Michel Chossudovsky, Global Research, 2008 

記事の英語原文urlアドレス:www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=8306

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