ロシア国営放送TV、アフガニスタン産麻薬密売へのアメリカ関与を示唆
BBC Monitoring、ロシア、モスクワ、Channel One TV、
2008年2月10日 日曜 15:04 EST
ロシア国営のチャンネル・ワンTVがアフガニスタンからヨーロッパへの麻薬密売にアメリカ軍が関与しているという主張を含んだレポートを放送した。番組はイギリス軍における薬物乱用問題も大きく扱っていた。
このチャンネルの週間ニュース総まとめ番組「バスクレースナエ・ヴレーミヤ」は2月10日、国連によると、同盟国軍がこの国に進駐して以来、アフガニスタンで生産されるアヘンの量は倍以上に増えたと述べた。
レポートは更に、元イギリス首相トニー・ブレアが、この国をある時機に訪問したと述べた。訪問中に彼は約800人のイギリス兵と会ったと語った。「これはただの偶然か、あるいは残酷な運命の仕業ですが、この人数はまさにイギリス軍が薬物乱用のため毎年失う兵士の数です。イラクとアフガニスタンでのイギリス軍の戦闘による死亡数より多いのです」と記者は述べている。
レポートは更にイギリス軍は、薬物乱用のために、年間一個大隊分の兵士を失っているというBBCニューズのウエブサイト記事からの抜粋を紹介した(調査はこの話が2007年12月14日に公表されていることを明らかにした)。
レポートは、アフガニスタンにおけるアヘン生産増大の傾向をいかにして逆転させるかというより広範な問題の検討に進んだ。
ロシア麻薬取締局の省庁間および情報活動部門の長アレクサンドル・ミハイロフが登場して、この問題に取り組むための経済的な対策は地方の腐敗によって失敗していると語った。「地方当局は、破棄された量として量を記録したのひどい偽造リストをでっちあげたが、実際、作物は全く破棄されなかった。麻薬と戦うための資金の窃盗が続いており、しかもそれが横行している」と彼は語った。
アメリカ軍が麻薬密売に関与していると非難するのは、ロシア・イスラム委員会の代表ゲイダル・ジェマルだ。「特殊部隊による支配と黙認なしには、これらのどれも不可能です。例えばアフガニスタンでは、CIAや特殊部隊は非常に鉄面皮です。アメリカ軍の保護のもとで、彼らは必要な連中と会うのです。彼らは人材を集め、バグラム空軍基地に向かい、大量の麻薬の積荷を持ち込み、それが持ち出されるのです」と彼は語った。
レポートは更に、ヘロインは「1952年以来のNATO加盟国であり、この地域で最もアメリカに忠実な同盟国」トルコ経由で、バルカン諸国に入っている、と続けた。コソボがヨーロッパ最大のNATO基地を擁しているのは「もう一つの驚くべき偶然の一致」だと番組は語った。記者は、この基地の隣には「国際刑事警察機構の秘密哨所」があると付け加えた。「そこで彼らはアメリカの飛行機中のアフガニスタンのヘロインについてほぼ公然と語っています」と彼は語った。
マルコ・ニコビッチという名の、国際刑事警察機構の役人である男性は、90パーセントのヘロインは、今やシチリア人マフィアよりも強力なアルバニア・マフィア経由だと説明した。また彼は、コソボ独立を支持させるため、ヨーロッパの議員たちに、このマフィアのメンバーがわいろを送ったと主張した。
レポートは更に、ロシアにおける麻薬犯罪の高いレベルを、アメリカのアフガニスタン侵略と結びつけた。「アメリカがタリバンに対する戦争を開始して以来、ロシアの鑑識課は休みなしで働いています」と、捜査で没収した麻薬や、開封される麻薬の包みの画面に対して記者は述べた。
ロシア麻薬取締局の省庁間および情報活動部門の長アレクサンドル・ミハイロフが登場し、アフガニスタンにおける麻薬生産は益々専門的となり、麻薬はアフガニスタン経済を完全に支配していると語った。「今日の状況では、麻薬がアフガニスタンでの物々交換に使われる通貨になってしまっている」と彼は意見を述べた。
「ヘロインはこの国で唯一の交換可能通貨であり続け、NATOとその軍事同盟諸国が自分たちの問題を解決しない限り、当地の農業上の嗜好はほとんど変わらないでしょう。」と記者は結論づけた。
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