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2008年2月 9日 (土)

オバマの偽りの希望:なぜ私はオバマに投票しないか

レミ・カナジ

Global Research、2008年2月4日

人は一体どの時点で、二つの悪のうちの、ましなほうを支持するのを辞めるのだろう? この疑問はこの予備選挙戦で、とりわけ重要になった。ある人物が、表向きは、主流政治の悪を打破し、希望と変化に基づいた公約を造り出して、政治的なスターの地位についたためだ。この卓越した人物とは、大統領候補者バラク・オバマだ。

実質的な政策を求めて、オバマの政治上の見せかけの態度をこつこつと分析し始めて、私は大変な結論に至った。つまり、バラク・オバマには投票すべきでない数多くの理由があるのだ。特にアラブ系アメリカ人コミュニティ内の人々にとって。

オバマ上院議員は反戦ではなく、中東における軍国主義に対する適切な代替案を心から求めているわけでもない。アラブ系アメリカ人や左派と目される人々は、無邪気に、また時には故意に、彼が侵略、爆撃、そして今も続いているアフガニスタン占領の熱心な支持者であるという真実を見落としている。彼の見解が、アフガニスタンに再び関心を向けさせたい熱望という民主党の公約と合致していることも忘れてはならない。そのような公約は追加部隊を配備し、財政支援を増やすというオバマの計画と良く合うが、イラクの場合と同様、アフガニスタン民間人の苦闘を深めるだけにすぎない。オバマはレバノン戦争(イスラエル軍が何百人ものレバノン人民間人を殺害し、何万発ものアメリカ製クラスター爆弾で、民間インフラストラクチャーを破壊したにもかかわらず)に全面的に賛成し、民主党の今の競争相手ヒラリー・クリントンと同じぐらい、親イスラエル的言辞を強調した。ほぼ全員の他候補と同様、オバマはイスラエルの40年間にわたるパレスチナ占領に全面的に賛成で、ガザ封鎖を従順に是認した。驚くべきことに、これがかつてはパレスチナ・コミュニティの著名なメンバーの顔色をうかがい、エドワード・サイードが基調講演者となったコミュニティの募金運動に参加し、ラシド・ハリディとシカゴで夕食をともにし、州議会議員時代には、アリ・アブミナから称賛された政治家なのだ。不法滞在者、愛国者法、ゲイの人権、およびその他様々な国内問題に対する、弱腰姿勢を反映する、彼の国内的右寄り路線への転換は生々しいほど明らかだ。

オバマは5年前、イラク戦争に対する反対を表明したが、彼の「勇気」は、それが政治的野心にほとんど影響しない時期に発揮されたのだ。上院議員となってからは、彼はおよそ3000億ドルの戦費に賛成投票したし、もしも大統領に選ばれれば、更に何十億ドルも割り当て続けよう。オバマは既に、自分は「必要な時にはタフになれる」タイプの指導者であると立証しようとして海外政策でタカ派になれる能力を強調している(例えば「意思決定に必要な詳細が得られる諜報情報」があれば、パキスタンを爆撃するという彼の著名な宣言)。

911以後、海外問題の経験不足は、全民主党議員にとって泣き所になっている。候補者が、共和党の競争相手に対し、自分の力量を示そうとする時に、これ以上苦労する分野はない。アミール・ペレツのイスラエル国防大臣としての出世を見れば十分だ。彼は大臣の座につくまでは、イスラエルによる占領に反対する有名な左翼だった。胆力を誇示することで、イスラエル国民の中で自らを確立しようとして、レバノンの破壊を支持し、決定を右翼の活動家であるかのように熱心に擁護した。オバマは経験不足から、就任初年度、全ての民主党議員や大半の共和党議員がそうなるだろうと同じ様に、イラクの軍事占領を制御する能力は限定されよう。更に、中間選挙キャンペーンではうまく紛れ込んだ、彼の曖昧な段階的撤退の説明に対する期待は、主流アメリカ政治の力学と、議会の混乱を無視している。下院でも上院でも、民主党も共和党も議席を減らすわけにはゆかないのだ。これこそが、選挙の年には、ほとんど何事も達成されない理由だ。2006年中間選挙後、撤退が「目前に迫った」時に生じた興奮を思い出すことが、潜在的有権者には役立つかもしれない。連邦議会で大公聴会が行われると断言され、説明責任が未来の波であると宣言された。予想通り、キャンペーンが説明責任に取って代わり、イラク国民は生きるか死ぬかの瀬戸際におかれたままだった。究極的に、2010年の選挙前に、イラクから撤退することができるような有力候補者などいない。

一般大衆が抱いているイメージとは逆に、オバマは人道主義者ではない。イラクの戦争解決の責任を、常に彼はイラク国民だけのせいにしており、違法な侵略と占領に対するアメリカの責任を許している。イラク国民の持続可能な未来も、賠償金に対する彼等の権利も、彼は支持していない。というより、彼は主として、アメリカの財政的、軍事的負担を緩和する為に、戦争の終局的な終結を支持しているのだ。彼の立場は、イラクに対する人道的な対応と、軍事的な対応との間の深い相違の例証であり、後者はイラク民間人に対し劇的な悪影響をもたらす。しかも、アメリカのキャンペーンにはほとんど配慮せず、イラク人の窮状はイラク人自身の責任だと、オバマは真っ向から責めている。イラク人が自分たちの独力で前進することや、デモクラシーを受け入れることを拒否しているという絶え間ないスローガンは、単純な現実を無視している。そんなものはそもそも彼等に提示されはしなかったし、インフラストラクチャー上、あるいは経済的に、イラクを再建しようとする真面目な試みもありはしなかった。

アラブ系アメリカ人は、間違えてはならない。ボビー・ケネディばりの修辞とカリスマ的な演説がいかに魅力的であろうと、もしも私たちのコミュニティーが、現状を黙認し続けるのであれば、現状は決して変わらない。私たちは、同様な課題に直面している他集団(つまり、ラテン系やアフリカ系アメリカ人コミュニティー)との揺るぎない連携を築き始めるべきだ。さもなければ、私たちのわずかな票数は、選挙時に利用されるだけのものでしかない。不幸なことに、組織的作業と対外活動は、まだ初期段階にある。私たちを代弁すると自称する多くの組織は、体制の一部となっており、結果的に有権者からその正当な要求をはぎ取ることになる。更に、私たちのコミュニティーは、総選挙の為の政治に没頭してしまい、私たちが最も影響力を行使できる、州や地方レベルでの活動に十分に集中していない。バラク・オバマは、マイク・ハッカビーよりは、私たちの懸案事項をより支援してくれるかも知れないが、もし私たちのコミュニティーが、私たちの窮状(さらに他の少数民族集団の窮状)を認識しないような候補者の支持を始めてしまえば、アメリカ国内の私たちのコミュニティーや海外の家族が、その候補者を支持したことで苦しむのだ。

一つの疑問が残っている。生き残る可能性がある候補者のうちの誰が、最後まで残るのだろうか? 不幸なことに、現在の力では、私たちの投票の力は実行可能な影響を与えるほどには強くはない。見込みのある候補者に接触するのは有効かもしれないが、それは様々な懸案事項について、私たちがどのような立場にあるのかを徹底的に全参加者に周知する計画と結びついていることが必要だ。私たちの関心事を理解するのを拒否するような候補者を熱心に推薦するのは、基本的に欠点のある方法だ。もしも制度が壊れていて、ワシントンの政治のゲームが腐敗しているのであれば、そこで力足らずのまま戦っても、その制度を強化するばかりだ。否定的に物事を見る人は、私たちの投票は、激戦州でこそ価値があると主張する。だが、もしもそれが本当であれば、私たちの票は無視されるのではなく、切望されるはずだ。我々の票としては最大の有権者が揃う場である、ミシガンでのアラブ系アメリカ人研究所の「全国指導者会議」に、どちらの側の、残る可能性がある候補者もわざわざ出向きはしなかった。

私たちの現在の窮状は、二大政党制度の限界を強調している。小さな声は力を持てないのだ。アラブ系アメリカ人コミュニティーの為のより良い未来を作り、アラブ世界に対する政策に対して前向きな影響をもたらす唯一の方法は、自己投資をして、より小さな声をまとめ、効果的に社会を変えるような連合の形成を始めることだ。この方法によって、私たちは、盲目的に主義に従うことなく、合法的に力を得ることが可能となる。より良い未来を望むだけではいけない。それに向けて努力をしなければならないのだが、残念ながら、バラク・オバマや他の主な候補者達が吐き出す中身のない美辞麗句は、問題を永遠に凝固させてしまうことにしか役立たない。そこで、いざ投票だ! ただし、良心に顧みて、そして、私たちのコミュニティーにとって意味があるような形で、投票して欲しい。

レミ・カナジはニューヨーク市に住むパレスチナ系アメリカ人の詩人・作家。彼はwww.PoeticInjustice.netの共同創立者で、近刊の詩選集Poets for Palestineの編者。彼にはremroum@gmail.comで連絡できる。

レミ・カナジはGlobal Researchの常連寄稿者である。レミ・カナジによるGlobal Research記事


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