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2008年2月16日 (土)

果てしない戦争:フランスに助けを乞うブッシュ

ポール・クレイグ・ロバーツ

Global Research、2008年2月13日

Information Clearing House

「兵士達を支援しよう!」というのが、イラクとアフガニスタンに対するブッシュの侵略に資金を拠出し続けるため、民主党が与えた口実だ。だが、もちろん、戦費拠出が、兵士達を支援することはない。戦費拠出は、兵士たちの命と安らぎを、何十万人のイラク人とアフガニスタン人男性、女性、そして子供たちのそれとともにかみ砕き、吐き出す悪の機構を支援するのだ。戦費拠出は、ブッシュのイラクとアフガニスタン侵略と、二つの国々を傀儡国家に転換するための占領行為の継続を支援するのだ。

世論調査で、大半の兵士とその家族は、ブッシュの侵略を支持していないことがわかっている。ロン・ポールの共和党大統領候補指名キャンペーンが、軍関係者家族からの寄付の最も大きな割り当てを獲得した事実も、兵士たちと、彼等をイラクとアフガニスタンに駐留させて「支持する」という連中との間の深い溝を明確に示している。SUVの後ろで「兵士たちを支援しよう」と宣言するリボン・ステッカーは全て、本当はイスラム教徒に対するブッシュの侵略戦争を支持しているのだ。

ワシントン・ポスト(2008年2月9日)によると、一般教書演説での、軍人たちが使っていない教育給付金を家族に振り向けることを認めるという提案に対し、ブッシュの3.1兆ドル連邦予算は一銭も財源をさいてはいない。ブッシュは全国放映された演説で、喝采を受けたが、兵士たちとその家族は、ブッシュ予算では何の金も割り当てられていない。

政府のアナリストは、教育給付金は年間1-20億ドル程度かかると見積もっているが、戦争二日間分の拠出額と同じだ。

ブッシュと議会が兵士たちに与えたがっている金は、彼等に戦争をさせておくために必要なものだけなのだ。イラクから生還した、肉体的にも、精神的にも傷ついた兵士たちに対する世話が足りない悲惨な話は誰もが耳にしている。

対照的に、ブッシュの戦争に資金拠出するため、ブッシュと議会は現金支出と未来原価とで、既に少なくとも1兆ドル使っている。アメリカ人なら誰だって、他国のインフラストラクチャーを爆破し、何十万人もの国民を殺害するよりもっとましな、この莫大な資産の使い道リストが書ける。

これまでの所、ブッシュのイラクとアフガニスタン侵略によって、ろくなことは何も達成されていない。誰でも良識がいささかでもある人にとっては、2002年、2003年3月18日ブッシュのイラク侵略の半年前、侵略が戦略上の大失敗であることは明白だった。ウイリアム・S・リンドや私と他の人々は、2002年10月にそう予言した。三年後、元米陸軍中将で国家安全保障局の元局長のウイリアム・オドムが、ブッシュのイラク侵略は「アメリカ史上最大の戦略的大失敗だ」と宣言して、私たちの正しさを証明してくれた。もしも国家安全保障局の局長が「戦略的大失敗」を目の当たりにしても、そうとわからないのであれば、一体誰がわかるだろう?

オドム陸軍中将の評価は確かに正しい。ブッシュ、チェニー、ネオコン、そしておべっか使いのマスコミは完全に間違っていたのだ。今の状況をご覧あれ。スンナ派武装勢力を打ち破ることができず、アメリカという「超大国」は、武装勢力の指導者たちに、アメリカ兵士を攻撃しないよう何千万ドルもの賄賂を支払うという手段を使うしか方法がなくなっている。更にブッシュは武装勢力に「アルカイダと戦う」ための武器を供給している。スンナ派指導者たちは喜んで、その金と武器を受け取っているが、自分たちの国を破壊し、シーア派を日の当たる場所においたアメリカという敵と、どれだけの期間、彼等が協力者であり続けるのだろう?

デモクラシーの名の下にサダム・フセインを転覆させたブッシュとネオコンが、イランと組んでいる大半のシーア派を、イラク新たな支配者の立場におこうとするのは誰の目にも明らかだった。今のところ、イラクのシーア派は、アメリカ占領に反対する真面目な武装勢力には参加せずに、時機をうかがっている。その代わり、彼等はスンナ派のように、関心の大半をお互いに各地区内での民族浄化に向けている。依然としてアメリカ人がうまくやって行けるよりは高いレベルではあるにせよ、戦闘活動が減少している理由は、大半の地区がもはや分離されており、アル・サドルが自分の民兵に休戦を命じており、スンナ派武装勢力が、アメリカ兵士を攻撃しないように金をもらっているからだ。

ブッシュは戦争を始め、今やその戦争で負けるのを防ぐため、アメリカ兵士を攻撃しないようにとブッシュがイラク人たちに金を支払っているのだ!

スンナ派とシーア派は益々強くなっており、伝統的アメリカ軍方針に反する、長引くたて続きの戦闘服務期間のため、アメリカ軍兵士は疲労困憊し、志気をくじかれている。

ブッシュの侵略が核武装したパキスタンを不安定化させるだろうことも明白だった。2月8日、ベテラン海外特派員ウォーレン・シュトローベルは、マクラッチー紙で「パキスタンは今やアメリカ対テロ戦争の中央戦闘正面となった。」と報道した。2月9日、ワシントン・ポストは、「パキスタンは、新世代の、聖戦思想を受け入れて、親西欧政府[アメリカから金をもらっている傀儡の簡略表現]を倒そうとしている現地と国際的テロリストと同盟している、百戦錬磨の過激派という増大する脅威に直面していると、アメリカ諜報機関幹部は昨日記者団に語った。」と報じている。

タリバンと同盟しているパキスタン人部族に対するパキスタン軍の戦闘にアメリカ軍兵士も参加させるよう、アメリカ高官はパキスタンに圧力をかけてきたが、無駄だった。「匿名を条件に話した」アメリカ高官は、オサマ・ビン・ラディンとタリバン指導者ムラー・モハンマド・オマールが、最高幹部たちと一緒にパキスタンにいるのと主張して、パキスタンにおけるアメリカ軍の役割拡張に対する支持を喚起しようとしていた。アフガニスタンでの戦争に勝利するために、ブッシュはパキスタンを爆撃したいのだ。

使えるアメリカ兵は全てイラクに縛りつけられているため、アメリカはNATOの兵士たちを、再生したタリバンに反撃するための傭兵として使おうとしている。ヨーロッパ人は、アメリカ軍団のヨーロッパ版代理人としての自分たちの役割にうんざりしており、NATOの司令官たちは、アフガニスタンにおけるNATOの敗北を語りつつある。

NATOはソ連のヨーロッパ侵略に対抗するために作られた同盟だ。アメリカは、無用なNATOを海外におけるアメリカの火遊び用兵士の供給源として、18年間も存続させ続けた。ヨーロッパ人はアメリカ帝国のための傭兵であり続けることにあきている。特に民間人を虐殺する役には。

喉から手が出るほど兵隊が欲しいアメリカ国防長官ロバート・ゲーツは、ヨーロッパ人を「国際テロ」の脅威でおどかそうとしている。しかしヨーロッパ人は、ヨーロッパにテロをもたらす最良の方法は、アメリカ人のためにイスラム教徒との戦争に派兵することだということがわかっている。ゲーツが是が非でも欲しいドイツとフランスの兵士たちを手に入れられるかどうかは、アメリカがドイツとフランスの指導者、アンゲラ・メルケルとニコラス・サルコジに、たっぷり何十億ドルも与えて、二人が自分たちの党派と別れ、世論を無視して、両国の兵士を中東におけるアメリカとイスラエルの覇権で死ぬべく派兵するほど大胆にさせられるか否かにかかっている。

ゲーツはヨーロッパに、NATOの存続は危機に瀕していると語った。「私たちは、進んで戦おうという国々とそうではない国、という二重構造の同盟になってはならず、また、なることはできない。」アメリカ政府幹部にしては、極めてまれな、わずかの良心の表明として、先週ミュンヘンでのNATO会議で、イラクに対するアメリカへのヨーロッパ人の怒りが、ヨーロッパがアフガニスタンでタリバンと戦うのに十分な軍隊を派兵しようとしてくれない理由だとゲーツは認めたが、それによって、ゲーツが不正直にも「アフガニスタンにおける国際的任務」と呼んだものが、失敗に瀕しているのだ。

アフガニスタンの「任務」など、イラクの「任務」と同様、アメリカとイスラエルの覇権の為の任務なのだ。アフガニスタン侵略の公式理由は、9/11とタリバンがオサマ・ビン・ラディン引き渡しを拒否したことだとされている。こうした理由は、ヨーロッパ、NATO、あるいは、いかなる「国際的任務」とも全く無関係だ。イラク侵略の公式的理由は、アメリカに脅威を与えるのだという、存在するとされたが、実際には存在しなかった大量破壊兵器であり、もう一つはより致命的で、ブッシュ政権によれば、9/11をしかけたことにあるのだ。

もしアメリカが今、負けた二つの戦争で、危うく助かるために外国の兵士が欲しいというのであれば、アメリカはそれをイスラエルに要求すべきなのだ。イスラエルこそが、今アメリカが中東で戦争をしている理由なのだ。イスラエルに兵士を供給させよう。ブッシュ政権を支配し、アメリカを違法な戦争に引きずり込んだネオコンは、イスラエルの極右政権と組んでいる。ネオコンの狙いは、イスラエルの領土拡大にとってのあらゆる障害を除去することだ。シオニストの狙いは、ヨルダン川西岸全部と南部レバノンを手に入れることで、将来はもっと要求するだろう。

あのセリフ「任務は完遂された」は覚えておられるだろうか? ネオコンが得々と「簡単に勝てる戦争」を約束したのを覚えておられるだろうか? 無知にも「タリバンを打倒した」と自慢していたのは覚えておられるだろうか? これらの嘘は全て、イスラエルの利益のため、中東における果てしのない戦争にアメリカを縛りつけておくべく仕組まれていたのだ。ブッシュの侵略に他の理由などない。ブッシュと彼の政権全体が、タリバンやイラクの大量破壊兵器について白々しい嘘をついたことは良く承知している。

ブッシュ政権とは、一体何という無知と詐欺の塊だろう。ブッシュは、イラクで敗北し、アフガニスタンで敗北し、パキスタンは彼の目の前で崩壊しつつあり、今や彼は、自分のネオコン幹部にとってのけなし相手として格好のおもちゃだったフランスに、アフガニスタンで助けてもらうため、派兵を請い願うまでに落ちぶれた。

ブッシュは、アメリカをなんとも大変な物笑いの種にしてくれたものだ。この全くの痴れ者とその支持者たちは、一体何という破滅をアメリカにもたらしたことだろう。ネオコンどもは、一体何という売国奴だろう。連中は最後の一人まで、大反逆罪のかどで、即座に逮捕されるべきだ。ネオコンこそがアメリカ最大の敵であるのに、しかもその連中がわが政府を牛耳っている! 全てのアメリカ人は、6年間のブッシュの「対テロ戦争」が初期警察国家であることを示さなければならない。

今出番を待っているのは狂ったジョン・百年戦争・マケインだ。アメリカ人有権者は、この発狂した党がアメリカを全滅させる前に、共和党を全滅させるだろか?

ポール・クレイグ・ロバーツは、レーガン大統領第一期で財務次官補をつとめた。元ウォール・ストリート・ジャーナルの副編集者。以下のような多数の学問的役職を持っている。ジョージタウン大学、戦略国際問題研究所、ウィリアム・E・サイモン講座教授、フーバー研究所、スタンフォード大学上級研究員。フランス大統領フランソワ・ミッテランから、レジオン・ド・ヌール勲章を授与された。

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