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2008年2月 7日 (木)

アフガニスタン政府高官、学生は死刑にされるまいと語る

在カーブル、ジェローム・スターキーとキム・セングプタ

2008年2月6日水曜日

学生ジャーナリスト、サイード・ペルベス・カムバクシ

死刑判決を受けた学生ジャーナリスト、サイード・ペルベス・カムバクシは死刑にされないだろうとアフガニスタン政府高官が昨日述べた。

大臣顧問ナジブ・マナライはこう主張した。「彼の命については心配していません。アフガニスタンの司法制度がこの判決を避ける最善の方法を見いだすと確信しています。」

これは、アフガニスタン当局に対する国際的な圧力が高まる中、23歳の青年は死刑判決を取り消されるだろうという非常に明瞭なきざしだ。

カムバクシは、イスラム教を侮辱したかどで、イスラム法廷で死刑を宣告された。北部アフガニスタンのバルフ大学で、本人によれば、議論を巻き起こすことを狙った行為として、女性の権利に関する記事を配布した後、イスラム法によって有罪とされた。彼の家族は、彼は弁護士を付けることも許されず、秘密法廷だったと言っている。

表決は、法廷が撤回する前に、アフガニスタン上院により間もなく是認され、国際的な抗議を引き起こした。外務省に対し、できる限りのあらゆる圧力をアフガニスタン政府にかけて、死刑を防ぐよう促すインデペンデント紙の嘆願に63,000人以上が署名した。国連の人権高等弁務官ルイーズ・アルブールは、大統領と高官に、「言論の自由を尊重するこの国の憲法下における彼等の責任を指摘する」書面を書いた。ハミド・カルザイ大統領のスタッフは、世界中の圧力団体から学生ジャーナリスト恩赦の訴えが殺到していると語った。

大統領はこの件を「憂慮」しており、「状況をしっかり見守っている」と大統領広報官フマユン・ハミザダは語った。ただし彼はこう付け加えた。「裁判手続きが進められています。」

マナライ氏はアフガニスタン文部大臣の上級顧問で、マスコミにおける言論の自由にまつわる紛争仲裁担当だ。彼はこの学生ライターを非難したが、絞首台に向かうことはまずありえないと主張した。

彼は言う。「彼がしたことにたいしては、全く弁護の余地はありません。彼は問題を引き起こしていました。彼はイスラム教の預言者を侮辱しました。これは人間が犯しうる最大の罪の一つです。アフガニスタンの法律では死刑に値する犯罪です。イスラム法は死刑を認めています。

「しかし、無罪の者を罰してしまうより、有罪のものを罰せずにおくほうがましゆえ、刑を課するのは避ける方が良い、という預言者の格言があります。一つの法廷は彼に有罪宣告をしましたが、これは第一段階に過ぎません。三段階の裁判があります。彼の命は心配していません。」

大統領は、判決が最高裁で支持された場合に、死刑囚を恩赦できる。しかし政府筋は、私的には、カルザイ大統領は問題が大統領府に上げられる前に、判決が控訴審で却下されることを望むだろうと示唆した。

アフガニスタン憲法は世界人権宣言に立脚しており、この宣言は言論の自由を尊重している。一方、イスラム法は預言者マホメット批判を禁じている。しかしマナライ氏は、アフガニスタンでは、イスラム法の制限の中で自由な言論が存在しうると主張している。

彼は言う。「どんな国にも、自由にはそれぞれ限界があります。アフガニスタンにおける言論の自由限界は、イスラム法の枠組み内で、ということです。」 彼はそうした限界を、ホロコースト否定に対する、ヨーロッパの法による規制と比較した。彼は言う。「ヨーロッパ人には、 自らの文明に危険だとみなされる思想についての意見を防御する権利があります。我々も同じ条件があります。イスラム法があるのです。」

アナリストの中には、カムバクシは、実はアフガニスタンの軍閥司令官達と大統領の間の複雑な政治的画策の犠牲者だと考えているむきもある。高官の中には、イスラム法廷は大統領の敵に乗っ取られ、大統領に、死刑判決を出したイスラム法学者か、それに反対している国際社会か、どちらかを選択するよう強いている考えているむきもあるとアフガニスタン・ジャーナリスト擁護委員会の理事長ジア・ブミアは言う。

「これは政治問題になった単純な事件です」と彼は言う。「彼[カムバクシ]は記事を印刷しただけなのに、連中は彼を不信心者よばわりします。宗教保守派は日に日に強くなっています。政治家達は宗教には関心がないのに、自分の利益の為に、保守派集団との関係を構築しようとするからです。イスラム教が政治ゲームに使われているのです。何かを得るために、宗教をだしにするのです。」

このニュースは、ロンドンでは慎重に受け入れられた。自由民主党党首ニック・クレッグは、こう述べている。「この出来事は、アフガニスタンが向かっている方向に関して深刻な疑問を提起している。このような全く不当な仕打ちを防ぐのに国際的非難が必要であるようではいけない。」

影の外務大臣ウイリアム・ヘイグは、こう語っている。「彼以外のアフガニスタン国民が似たような経験をせずに済むことを願っている。法による支配に向かうことこそ、アフガニスタンに平和をもたらすのに必要不可欠だ。」

ペルベスを助ける方法

サイード・ペルベス・カムバクシを救おうというインデペンデント紙のキャンペーンは、既に63,000人以上の署名を集めた。そして、圧力は効果を示しつつあるようだ。

だが、女性の権利についての記事をダウンロードしただけの罪という、この学生の運命は不確かなままである。読者もキャンペーンに参加されて、アフガニスタン政府に対し、外務省が、彼の命を救うべくできる限りのあらゆる圧力をかけるよう促して頂きたい。

www.independent.co.uk/petitionで、我々の電子請願に署名願いたい。

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