FLAG社海底ケーブル三度目の切断、今度はUAE、オマーン間
2008/02/02
Mathaba
「イランを遮断し」それ以外の大半の中東と西アジアにも影響を及ぼしたが、イスラエルとイラクの通信だけは「損ねなかった」ケーブル切断から二日後、同じイギリス企業が所有する別のケーブルが切断され、再び地域を「インターネットの暗闇」に陥れた。」図はFLAG社のヨーロッパ-アジア"FEA"海底ケーブル網。
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ドバイのインターネット・サービス・プロバイダー"DU"社長のオマール・サルタンは、金曜日、一本の海底ケーブルがペルシャ湾で切断され、深刻な電話回線途絶を引き起し、同じイギリス企業が所有する別の海底ケーブル二本が、今週エジプト、アレクサンドリア北部8.3キロ(5マイル)の地中海で切断された後、中東と西アジアの大半の地域で既に起きているインターネット機能停止の状況をさらに悪化させたと語った。
オマール・サルタンは、出来事は「極めて異例で」あると語った。イギリス企業FLAG FALCON社が所有するアラブ首長国連邦とオマーン間を繋ぐ海底ケーブルが損傷した原因は判明していないと語った。DUは報道発表で、出来事の原因は「まだ判明していない」と語っている。
FALCONケーブルの所有者U.K. FLAGテレコムは、ケーブルは金曜日05:59 UTCに、ドバイ沖56キロ(35マイル)で切断され、「工作船には連絡済であり、数日中に現場に到着するものと期待している」と語った。このイギリス企業は、エジプト(アレクサンドリア)とイタリア(パレルモ)をつなぐ海底ケーブルで、水曜日に地中海で切断された一本の所有者でもある。報告によると、この損傷は、中東と西アジア全体の業務用・私用利用を阻む広範なインターネット機能停止を引き起し、イランを「完全に」遮断した。
影響を受けなかったのは、地域に二カ国しかない親英米同盟国であるイスラエルとイラクの二国のみで、いずれもケーブル切断から全く影響を受けずに済んでおり、これまでのところケーブル上を、錨が引きずられて引き起こされたとされている断線原因について論議を招いている。まれな出来事が一週間に二度も起きたという事実、しかも二件とも同じイギリス企業が所有するケーブルで、イスラエルの両側でおきていること、通信やビジネスに対するインターネットの重要性などから、出来事への疑惑を招いている。
作業員達が依然として、ペルシャ湾で、どうしてケーブルが切断されたか判断しようとしているところだと、会社方針上、匿名を条件に在インドFLAG幹部が語ったと同社は報じている。金曜日早々、FLAGは、火曜日に工作船がアレクサンドリア沖のケーブル切断現場に到着するものと期待しており、修理作業は一週間ほどかかると語ったが、なぜ修理作業にそれほど長くかかるのかについては説明しなかった。
FLAGヨローッパ・アジア(FEA)は世界最長の私設海底ケーブルである。FLAGテレコムは、アメリカ合州国から、イギリス、西欧と中東、更に南アジアや極東、そして再びアメリカ合州国へと、北半球世界を結ぶ海底通信ケーブルを所有している。
金曜日、エジプトの通信情報技術大臣タリク・カメルは、水曜日の海底ケーブル切断の原因は、ロボット装置を使って修理チームが損傷したケーブルに触れて初めて判明するだろうと語った。
--mathaba
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http://mathaba.net/news/?x=580589
この記事を紹介するGlobalResearch.caの記事は、この記事概要の後に、「偶然の一致か、ネットワーク戦争か?」という記事を補足している。そこで、ペンタゴンが、情報作戦を、空、地上、海および特殊作戦と並ぶ中核軍事能力にすべきだと考えていることを示す、最近機密扱いから解除された文書の概要に触れている。
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更に、4本目のケーブル切断というmathaba続報も現れている。
カタールのハロール島とUAEのダス島の間のケーブルが切断されたとカタール・テレコムが語っているという新たな報道だ。
エジプト当局が?「航行禁止区域であり、該当時間に船が通行した記録はなく、船の錨が原因ということはありえない」と述べている報道もある。
通貨リアルをドルではなくユーロなど主要通貨のバスケットに連動させようという中東諸国の動きと無関係なのだろうか?日本のマスコミ報道では、中東におけるネット障害が偶発的に起きている程度にしか読み取れない。農薬ギョウザ事件より、遥かに大きな問題だろうに。イランの石油取引市場開設目前(別記事「脆弱なドル覇権 イランの石油取引市場はドルを崩壊させかねない」参照)というタイミングが絶妙だ。
ダボス会議でイスラエル外相「イランの孤立化を」という記事があったことに、後から気がついた。イスラエル、米英大本営の報道管制指令か。マスコミが沈黙を決め込むわけだ。
http://www.afpbb.com/article/politics/2341492/2557751
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追記:(09/01/16 一年前の記事だが、同じことがいま再び起きているようだ。これは、予行演習だったのだ、と今にして思う。ケーブルを切断するためには、ルートを正確に知る必要がある。ルートを正確に知っているのは、持ち主か、敷設した会社の関係者しかいないだろう。)
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