ブットをひいきにしていた外交問題評議会
2007年12月30日 Kurt Nimmo
外交問題評議会は、腐敗した大統領候補ベナジール・ブットのほうを、暴虐な独裁者ペルベス・ムシャラフよりもひいきにしていたので、彼女の暗殺は若干の後退ということになる。予想通り、外交問題評議会は、パキスタンの政治的な罠の中に、自分の鼻、というよりアメリカの鼻を突っ込むよう奨励している。
外交問題評議会の上級研究員ダニエル・マーキーによれば、「ワシントンの選択肢の中には」「軍や民間の政治リーダーと協力して、ムシャラフ大統領を排除できるようにする」案もある。言い換えれば、外交問題評議会のグローバリストにとって、肥やしの中深く入り込むことは、常に選択肢の一つであり、それがお好みの選択肢であることも明らかだ。
外交問題評議会は8月「特別会議」を開催し、ブットを招き、彼女に「デモクラシー」について説明させたことを想起しよう。つまり、彼女が盗賊政治を再び行う立場にたつのを弁明する機会を与えたわけだ。
2003年、スイスの裁判所はブットと彼女の夫、アシフ・ザルダリに、何百万ドルものマネー・ロンダリングに対する有罪判決を出し、「執行猶予6カ月、それぞれに50,000ドルの罰金を科し、200万ドル以上の金をパキスタン政府に支払うよう」命じたとBBCは報じている。ジュネーブの裁判官ダニエル・ドヴォーは「二人は何百万ドルもスイスの口座に不法に預金し、金をパキスタンに送金するよう要求していた。」と言った。
「1998年スイス当局は、ブットと彼女の家族のものであるスイスの口座に、およそ1380万ドル預金があるのを発見したと語った」とサンフランシスコ・クロニクルは報じている。「スイスとパキスタンの捜査官たちは、この金の大半は、1980年代末と1990年代にブットが首相だった頃のパキスタン政府との仕事の見返りとして、世界最大の通関検査会社の一社ソシエテ・ジェネラル・ド、サベイランスから出ていたと主張している」
予想通り、こうした汚職の罪やらスペインでの犯罪は、線香花火のように消えてしまった。ブットはお気に入りの娘なのだ。「ペルベス・ムシャラフ将軍は、ブットを無数の汚職犯罪に対して免責した」ガイ・ランドルがクライキー誌に書いている。「同時に彼は代替の選択肢になりそうな反対派リーダーを根こそぎ拘留した。元高裁長官チョードリや何百人もの弁護士、元クリケット選手で政治リーダーのイムラン・カンに至るまで。ブットが選挙で勝って、ムシャラフと彼の取り巻き連中には閑職を与えるという話を、ムシャラフはまとめていたのだと指摘する向きもあろう」
高圧的なムシャラフはワンワールド主義者にとってのやっかい者だったので、明らかに、ブットは、再起するよう仕立て上げられていたのだ。だがパキスタンの誰かがそれには合意せずに、有罪判決を受けた犯罪人ブットを殺害した。
これも冷酷な暴力団が権力を得ようと画策する世界新秩序における普通の出来事だ。
今や外交問題評議会とその仲間は汚れたムシャラフを置き換える為の新たな手先を探さなければならなくなった。
Truth News
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