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2008年1月

2008年1月31日 (木)

女性の権利に関する文章をあえて読んだアフガニスタン人に死刑判決

キム・セングプタ

木曜日、2008年1月31日

一人の若者、ジャーナリズムを学ぶ学生が、インターネットからレポートをダウンロードしたことに対し、イスラム教裁判で死刑判決を受けた。この判決は、更にその国の支配者達に指示された。これが、タリバン時代ではなく、「解放」から6年後、西欧の盟友ハミド・カルザイの民主的支配下にあるアフガニスタンだ。

サイード・ペルベス・カムバクシュの運命は、国内および国際的抗議を引き起し、アフガニスタンにおける市民的自由の侵食に対する懸念を深めている。彼は、あるペルシャ語ウエブサイトから、コーランが女性に対する抑圧を正当化していると主張するイスラム原理主義者は、預言者モハメッドの見解を事実を曲げて述べている、と主張するレポートをダウンロードした後、涜神のかどで訴えられた。

23歳のカムバクシュは、彼によれば、その件についての論議を引き起こす狙いで、バルフ大学の学生仲間と教師にその冊子を配った。しかし、彼に対する訴えがなされ、彼は逮捕され、彼の友人や家族の言い分によれば、法的代理人も許されずに、宗教者の判事に裁かれ、死刑を宣告された。

インデペンデント紙は、今日、カムバクシュの為、公正を確保するキャンペーンを立ち上げた。国連、人権団体、ジャーナリスト組織や西欧外交官は、カルザイ政府に、介入して、彼を解放するよう要請している。だがアフガニスタン議会は、昨日、死刑判決を確認する動議を可決した。

カムバクシュの死刑判決を提案した国会議員は、シブガトウッラー・モジャッデディ、カルザイの重要な協力者だ。この議員は、アフガニスタン政府に圧力をかけているとして国際社会を攻撃し、外部の非イスラム教的見解に影響されないようカルザイに迫った。

ジャハン-イ-ナウ(新世界)新聞の記者としても働いていたカムバクシュの事件は、アフガニスタンでは、アフガニスタンと西洋との対決激化のもう一つの章と見られている。

カルザイが、イギリスがその行為によって、ヘルマンド州の状況を実際に悪化させたと非難し、続いて、アシュダウン卿の国連特使任命を阻み、イギリスとアイルランドの外交官を追放した後に起きた。

カムバクシュが逮捕された北部の都市マザル-イ-シャリフでは、海外の干渉とされるものに対する聖職者が組織したデモがおこなわれた。国会の第一秘書?アミヌディン・ムザファリは語っている。「我々はイスラム教国の代表なのだ。従って我々は、イスラム教への畏敬の念に対する侮辱に決して耐えることができないことを、人々は理解すべきだ。」

タカール州の集会で、聖職者会議議長マウラビ・グラム・ラバニ・ラフマニは、こう語った。「政府と裁判所には、カムバクシュに対する判決を、できるだけ早く実行して欲しい。」パルワン州で、別の幹部聖職者マウラビ・ムハンマド・アシフは、こう語った。「この決定は聖なるコーランを軽視する連中に対するものであり、政府は外国から一層の圧力を受ける前に、判決を実行すべきだ。」

イギリス当局筋は、特にジャーナリストに対してとられた、そのように過酷な行為を懸念していると語っている。外務省や国際開発省は、この国のマスコミ労働者の訓練の為に大金を寄付している。イギリス政府は、ヘルマンドの首都、ラシカル・ガルの「戦争と平和報道機関」(IWPR)に資金をだしている。

カムバクシュの兄、サイード・ヤクブ・イブラヒミもジャーナリストで、IWPRに記事を書いており、その記事の中で彼は、国会議員を含む著名な大立者達を、殺人を含む残虐行為で糾弾した。彼はこう語った。「もちろん、弟のことを非常に心配しています。彼に起きたことは、極めて不正です。彼は冒涜的言動をしたわけではありません。彼は法律的な抗弁することさえ許されていません。行われたのは、秘密裁判です。」

ジャハン-イ-ナウの編集者、カユーム・バーバクは、マザル-イ-シャリフの検察幹部、ハフィズ・ハリキャルが、もしもカムバクシュに対して下された死刑判決に対して抗議をすれば、罰するとジャーナリストに警告した、と語っている。

IWPRのアフガニスタン所長、ジーン・マッケンジーはこう語っている。「これは、一部の非常に有力な司令官達による虐待の概要をまとめた最も痛烈な記事を書いた、ペルベスの兄ヤクブに、圧力を加えるべく仕組まれたものだと、我々は強く感じています。」

アフガニスタン独立ジャーナリスト協会の理事長ラヒムラー・サマンデルはこう語っている。「これは不当です。これは違法です。彼は記事のコピーを印刷し、それを見て、読んだだけなのです。我々が、読むことも、学習することもできないのであれば、どうして、この「デモクラシー」の正当性を信じることができるでしょう? 手遅れになる前に、死刑判決を取り消すよう、私たちはカルザイに求めています。」

カムバクシュに対する有罪判決をめぐる状況は、タリバン打倒以来、女性達が獲得した権利を取り返そうとする企みだとも見なされている。最も著名な女性国会議員、マラライ・ジョヤは、男性同僚達を批判した後、停職処分になっている。

アフガニスタン憲法の元で、カムバクシュは同国の最高裁判所に上訴する権利があると、法律専門家は言う。しかしながら、幹部聖職者の中には、宗教法のもとで有罪を宣告されたのだから、最高裁判所は非宗教的な解釈を本件に持ち込むべきではない、と主張している者がいる。

カルザイには、介入して、カムバクシュを赦免する正当な資格がある。しかしながら、例え彼が解放されても、原理主義者と軍閥の長達が、益々支配力を増しつつある国で、この学生が懲罰を免れることは困難だろう。

どうすればペルベスを救えるか

サイード・ペルベス・カムバクシュに対し、今にも行われようとしている死刑は、文明的価値観に対する侮辱だ。しかしながら、これは既定の結論ではない。もしも十分な国際的な圧力がカルザイ大統領の政府に加えられれば、まだ彼の死刑判決が覆される可能性もある。外務省に、彼の生命を救うよう要求して、キャンペーンに、読者の圧力を加えて頂きたい。www.independent.co.uk/petitionで、我々の電子請願に署名願いたい。

The Independent記事

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机の上の空 大沼安史の個人新聞」にある通り、こういうことをする政権を支援するための、戦艦への給油など凍結すべきだ。

「文書を配布して、有罪とされる」事件、弱小野党支持者の「ビラ播き」有罪事件は、別の属国でも起きている。アフガニスタンより、民度は高いのだろうか?

と書いた後、日教組教研集会に対する「グランドプリンスホテル新高輪」の会場使用拒否が報じられた。タリバン、いやアルカイダ、決して人ごとではない。

2008年1月30日 (水)

マケインが勝つと対イラン戦争になる可能性

Global Research、2008年1月28日

「更なる戦争」は、大統領選挙戦スローガンの中で最も奇妙なものということになる可能性がある。とりわけ、それが現実になる場合には。

大統領候補者ジョン・マケインは、日曜日、支持者たちにこう語って観測筋を驚かせた「今後戦争があるでしょう. ... こういうお話はしたくないのですが、今後別の戦争があるでしょう。我々は決して降伏はしませんが、別の戦争があるでしょう。」

MSNBCのジョー・スカーバラは、古参の保守派パット・ブキャナンに、マケインの発言についてこう言って質問した「彼は更なる戦争がやってくるのを約束すると言いました. ... 彼はそれほど経済問題から逃げたくてたまらないのでしょうか?」

パット・ブキャナンは、マケインは「約束」という言葉は決して使ってはおらず、単に更に戦争があるだろうと言っただけのことであり、マケインの見解では、「これは率直な発言で. ... ジョン・マケインがホワイト・ハウス入りすれば、アメリカはイランと戦争することになると思う。」と答えた。

「これが彼に対して私が非常に懸念することの一つです。」とブキャナンは続けた。

「ジョン・マケインが戦争大統領になるのは確実です。 ... 彼の全経歴は、軍隊、国家安全保証に覆われています。彼はプーチンのような顔をしています。彼はイラン人を恫喝しています。我々はイラクに100年い続けます。」

「それで、彼が更なる戦争と言う場合」スカーバラはコメントした。「彼は約束しているのです、もしもホワイト・ハウス入りしたら、我々は今の戦争を戦うだけでなく、新たな戦争を始めると。それが保守的な共和党が望んでいることでしょうか?

「彼が戦争を始めるとは、私は言っていません」とブキャナンは答えた。「彼は更なる戦争を期待して. ... 彼は歯に衣着せずに話していると思いますよ。マケインの海外政策を見れば、誰にでもわかりますから。ロムニーを支持した時のコクランのコメントを読みましたか? 彼は言いました。ねえ、ジョン・マケインは好戦的で、赤ら顔の、いつも激怒している怒れる男です。」

「嬉しいメッセージではありませんね」とスカーバラはコメントした。「レーガンばりではなく」

このビデオは2008年1月28日放送のMSNBCニューズ・ライブからのもの。

 字幕からの文字おこし

      :: 質問させてください。間もなく、ケネディの支持についてお話する予定です。フロリダのユニバーサル・オーランド・リゾートに来ています。フロリダ、フロリダ、フロリダです。ちょっと寒いですが、ジョン・マケインは、昨日非常に興味深いことを言いました。彼は更なる戦争がやってくることを約束すると言いました。更なる戦争について彼は話し続けました。5秒間に三回も言いました。彼はそこまで経済問題から逃げたくてたまらないのでしょうか

      :: はい。

      :: -- 彼は、基本的に、アメリカ人に対して、アメリカに厳しい時代がやってくるが、そうした将来の戦争になった時、自分こそアメリカを救える唯一の人物だと約束しているのです。

      :: 彼は約束とは言いませんでした。彼が言ったのは、誤解しないように、今後もっと戦争があるだろうということです。歯に衣着せぬ発言です。率直に申し上げますよ、ジョー。ジョン・マケインがホワイト・ハウス入りすれば、アメリカはイランと戦争すると私は考えています。これが彼に対して私が非常に懸念することの一つです。我々には、アメリカを韓国から撤退させたアイゼンハワーや、ベトナムから名誉ある撤退をしようとしたニクソンのような大統領が必要だと思う。この国が必要としているのはそういう大統領だと思う。ジョン・マケインが戦争大統領になることは確実です。ジョン・マケインのことを、平時のカルビン・クーリッジ大統領のような人物だなどと思うひとがいるでしょうか? それは非常識なことです。彼の全経歴は、軍隊、国家安全保証に覆われています。彼はプーチンのような顔をしています。彼はイラン人を恫喝しています。我々はイラクに100年い続けます。我々がイラクに100年駐留するのは、ジョー、我々は100年続く戦争を戦うということですよ。丁度イギリスのように、イギリス人がわが国に100い続けたら、アメリカ人と一世紀戦うことになったでしょう。ジョン・マケインが皆さんに約束することをお話しているのです。

      :: うわっ、もしもホワイト・ハウス入りしたら、我々はこの戦争を続けるだけでなく、新たな戦争を始めると彼は約束しているわけですね。

      :: 彼が戦争を始めようとしていると、私は言っていません。彼は更なる戦争を期待していて、戦争を予期していて、戦争を予言しているのです。彼は歯に衣着せずに話していると思いますよ。マケインの海外政策を見れば、誰にでもわかりますから。ロムニーを支持した時のコクランのコメントを読みましたか? 彼は、ジョン・マケインは、好戦的で、赤ら顔の、いつも激怒している怒れる男です。彼の全経歴は軍隊です。彼の争点、彼が得意なのは、国家安全保証、ファシズム、長期戦争、イラク駐留100年です。それが彼の得意なのです。そこで彼が本領を発揮するのです。

      :: パット・ブキャナンさん、ここでお別れの挨拶を申し上げ --

      :: うれしいメッセージではありませんね。

      :: 決して。

      :: 有り難う、パット。

      :: パット、バーはまだ開いてませんよね。

      :: あなたのことをお話しているのではなくて、ジョン・マケインのことを話しているのです。非常に、非常に好戦的でした。

      :: マケインは、率直に話していると思います。

      :: ええ。彼はそう言ったのでしょう。わかりませんが。いささか感じたので -- わかりませんが。昨日は、いささか不自然すぎるように感じたので。私は間違っているのかも知れません。パット・ブキャナンさん、どうも有り難う。

デビッド・エドワーズ、ミュリエル・ケーン

David EdwardsによるGlobal Research記事(英語原文)

Muriel KaneによるGlobal Research記事(英語原文)

http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=7924


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2008年1月29日 (火)

マケイン、更なる戦争を約束

Kurt Nimmo
Truth News
2008年1月27日

 

退役軍人向け医療保障について意見を述べようとして、洗脳された大統領候補者、ジョン・マケインは、大統領に選ばれた場合にアメリカ国民向けに用意している本音をうっかり漏らした。さらなる戦争だ。イラクだけではない、良く聞いて頂きたい、至るところでの戦争だ。今やネオコンの塊と化した共和党は、イスラム教徒が暮らす遥かかなたの国での酷い大量虐殺と、祖母や小学生の児童に長期的苦難を押しつける可能性の中毒で。

下のビデオが示すように、ジョン・マケインは、あきらかに、治療と投薬が必要な精神病患者戦争屋だ。特別追加ボーナスとして、まあ別紙Bと呼ぼうか、ヨロヨロ歩きの古強者の古いビデオをつけておこう。ニュー・ハンプシャー、デリーの市庁で撮ったもので、イラクに関する質問に答えて、アメリカ軍は100年間駐留するかも知れないとマケインが述べ、50年駐留というブッシュの主張の先を行ったビデオだ。

ペンタゴンは、2003年以来、直接間接に百万人以上のイラク人虐殺をやり遂げたのだから、ジョンが50年なり100年後に死ぬころには、厄介なイスラム教徒だけでなく、不運にもそこに住んだ少数のキリスト教徒とユダヤ人人口もイラクでは過疎になっているだろう。もちろん、そこで暮らしたいなどと思う人間などほとんどありはしない。アメリカ軍がこの国を汚染すべく努力をしているのだから。ちぇっ!社会病質者からの贈り物を出し続ける贈り物、劣化ウランを国中にまき散らして。劣化ウランの半減期は45億年だ。

「任務は完遂された」、実に。

 

しかし本当に驚くべき事実は、大手マスコミが、ジョン・マケインのことを、偉大なアメリカ人で、議員に値するばかりでなく(貯蓄貸付組合から政治家5人が賄賂をもらったあのキーティング・ファイブ・スキャンダルの汚点で、マケインは駄目になるのではと思われたが、さにあらず彼は頑張り続けている)ロン・ポールをほぼ完全に無視する一方、マケインを、有望な大統領候補者と考えている点だ。

席は、ビルダーバーグの女王ヒラリー・クリントンと、間もなく彼女の副大統領候補になるはずのシカゴ出身のCFR信奉者バラク・オバマ用に予約されているので、マケインは、もちろんホワイト・ハウスになど入れはしない。当然ながら、たとえヒラリーあるいは、マケイン、はたまた惑星クリプトイドから来た水玉模様のエイリアンがホワイト・ハウスの主になろうと、本当は全く無関係。お馴染みの計画、エリート基本計画は前進する。

http://www.truthnews.us/?p=1815

Sphere:関連記事

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下記は大統領選関連記事の一部

2008年大統領選挙の二人の勝者: 恐怖と戦争

バラク・オバマ、二つの顔

アメリカの兵器輸出: ブッシュ大統領、世界中の圧制者相棒に武器供給

シャーウッド・ロス

Global Research、2008年1月19日

「過去6年間、ワシントンは、様々な国の政府に対し、その国の人権、民主主義的な原理、あるいは不拡散などを尊重する態度と無関係に、ハイテク兵器の販売と移転、軍事訓練や、他の軍事援助を強化した。」Arms Control Association (ACA)によってオンラインで公開された最新号(Jan.-Feb.)の「Arms Control Today」は書いている。「何より肝心なのは、連中がテロに対する世界戦争で対米協力を誓ったことだ。」

その通り。ブッシュ政権は、9/11を世界中での見境のない兵器販売の口実に使い、2006年、新たな兵器の販売で169億ドルを達成したが、これは世界合計の41.9パーセントだ。これは、87億ドルのロシアや、31億ドルのイギリス、といった上位陣と肩を並べると、こうした情報を追跡する団体、防衛情報センター(CDI)上席アナリスト、レイチェル・ストールは書いている。

かつてアメリカの武器と訓練を得ることを禁じられていた専制君主達が、今やその両方を惜しみなく注がれている。「人権の実態とは無関係に軍事援助を供与することで、アメリカは、軍事援助を、(人権の実態を)改良する手段として使う機会を放棄しているばかりでなく、虐待をする政府に、その法外な行為に対して報奨を与えている」とストールは書いている。

アメリカの援助が増えているのと「同時に、人権の状態は悪化している」として、ストールはエチオピアの例をあげ、「この国は自国の国境内で、残虐な対反乱活動作戦を遂行している」とし、またネパールでは、治安軍が「平和的なストライキ参加者や反政府デモに発砲した。」という。ブッシュは何百万ドルもウズベキスタンに注ぎ込んでいるが、この国では何千人ものイスラム教徒が正当な法手続き無しに投獄され、多数の人々が拷問で殺害されている。

大々的に報じられたスキャンダルの一つは、もちろん、納税者からの100億ドルもの金を、ブッシュが9/11以来パキスタン軍に注ぎこんできたことだ。ここで常習的に自分の政敵を消してきたペルベス・ムシャラフ将軍は、最近は戒厳令を発令し、憲法を停止し、何千人もの人々を投獄した。ブッシュは、先にインドへの輸出を許可した時と同じように、ムシャラフに対し、核弾頭搭載可能なF-16ジェット戦闘機販売という何十億ドルもの商売を承認した。万一戦争を始めれば、長年の宿敵であるこの両国が互いに忌まわしい残虐行為を加える能力を増大させたのだ。

2001年以来、CDIは、「これらの国のアメリカに対する戦略的奉仕ゆえに、『テロに対する戦い』の上で、特別な役割をおっている」下記の25か国に対するうなぎのぼりのアメリカ軍事援助を追跡してきている。

アルメニア、アゼルバイジャン、グルジア、インド、ネパール、パキスタン、インドネシア、フィリピン、タイ、バーレン、オマーン、イエメン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、アルジェリア、チャド、マリ、モーリタニア、ニジェール、ジブチ、エチオピア、そしてケニヤ。

CDIは、この25か国に対するアメリカの海外の軍事援助や直接的な販売が、9/11以前と比較して、過去5年間に400%にも急上昇したことを実証している。2006年、アメリカ国務省が、これらの政府が自国民に対し、「深刻な」、「由々しき」あるいは「顕著な」虐待を、行っていると認識しているにもかかわらずだ。

「アメリカは、人権尊重が欠けている、場合によっては、民主的手順に問題があると批判しながら、同時に、まさにそうした諸国に対し、前例のないレベルの軍事援助を送っている。」とCDIは要約している。

ストール記者によると、アメリカが「テロ対策訓練」と称しているものの多くは「対反乱活動訓練」にすぎない。彼女によれば、この結果として、アメリカは「世界中の国内紛争に関与し、事実上、2001年9月11日以前から起きている、こうした諸国での内戦を継続するよう奨励している。」

ブッシュ大統領は中東から帰国したばかりで、外遊中「デモクラシー」の徳を説教したのだが、 こうした武器輸出で、彼の二枚舌は明らかだ。

シャーウッド・ロスは軍事、政治問題専門のマイアミ在住のライター。sherwoodr1@yahoo.comで連絡できる。

シャーウッド・ロスはGlobal Researchの常連寄稿者である。シャーウッド・ロスによるGlobal Research記事


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http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=7850

2008年1月27日 (日)

神よ、我々を重宝なグリーン阿呆から救いたまえ

Kurt Nimmo, Truth News

2008年1月24日

米国下院エネルギーおよび商業対策委員会委員長でミシガン選出議員であるジョン・D・ダニエルから、超大金持ちの元ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグ、そして今U2の表看板のボノに至るまで、炭素税を呼びかけている。宣伝は余りに激しく、教義の吹き込みは余りにしつこく、ニューヨーク・タイムズは、ことさらに「人は皆、地方自治体のごみ集積場のように空気を使って、二酸化炭素をただで吐き出している」とまで宣言した。言い換えれば、我々が呼吸することが、地球に対して有害だというのだ。

ポール・ジョセフ・ワトソンが「「炭素税支持」という国連の動きは「効果のない官僚的な計画」だとして非難する文書に100人以上の科学者が署名した」と書き、「過去30年間の気候変動は主に太陽の活動によるものであり、二酸化炭素排出を減らそうという試みは的外れだ」と結論づけたInternational Journal of Climatologyの最新研究結果を指摘しているにもかかわらず、アル・ゴアは議論は終わったと主張している。

ミスター・グリーンのアル・ゴアは、こうした現実に基づく科学を理由に、同意しない異教徒たちを「環境犯罪」のかどで生皮を剥がすまでは至ってはいない。昔の宗教裁判での少数派改宗ユダヤ人のように、これらの科学者たちは、異端の咎により迫害されるべきなのだ。ただ一つ欠けているのは拷問台だ。アルと新たなグリーン官僚達のグローバリスト独裁者は、こうした環境犯罪人達に、這いつくばって、宗教裁判の処刑を受けること、つまり罪滅ぼしの難行を求めるよう期待しているのだが。アルは現代版トマス・デ・トルケマダの生まれ変わり、地球環境カルトの大審問官だ。

そこで痛ましいごますり、ポール・デビッド・ヒューソン、別名ボノ登場だ。「木曜日、地球気候活動家のアル・ゴアがそばにいるということは、自虐的な罪悪感に心を開くようなものですと、アイルランド人ロック・スター、ボノは告白した」とAFPは報じている。「スイスのスキー・リゾート、ダボスでの世界的有力者達の年次集会で、元アメリカ副大統領と同じ舞台に登場したU2の看板役は、彼らの友情は、国内的な面での圧力の源泉だったと冗談を言った。なぜなら「アルはご存じの通りリサイクル主義者でして、… 私は贅沢な車を買いましたが、それはエタノールで走ります。」

ボノはダボスで道化師役を演じて役目を果たしたのであり、レスター・ブラウンがグローバリストに指摘したように、25ガロンのSUVのガソリン・タンクを、エタノールで満タンにするのに必要な穀物で、一人の人間が一年食べて行けること、その同じタンクを隔週ごとに一年間満タンにする穀物なら、26人の人間が食べて行けることなどどうでも良いのだ。「簡単に言えば、世界8億の裕福な自動車所有者と食料消費者の間における正面衝突の舞台はしつらえられたのだ。」

しかし、ダボスに集うワン・ワールド主義者達にとっては、飢餓など問題ではない。たとえば、スイスの豪華なリゾートに出席したヘンリー・キッシンジャーが、1970年代中頃の昔、NSCとローマ・クラブ間の話し合いを基本的に設定したのだ。ヨーロッパ貴族に支配されているローマ・クラブは、「世界の人口数の虐殺的削減を進めている主要機関だ」とロニー・ウォルフは書いている。「このグループが、世界的人口削減を要求する、カーター政権のグローバル2000文書原稿をかいた。」

呼吸は地球に対して有害であるという特殊な発想を思いつくには、ある種の社会病質者と、ハインツ・キッシンジャーのような発作的な社会病質者が必要だ。この思想は、今や当たり前のようになって、ニューヨーク・タイムズ紙のページで世界中に発信されるまでになった。これは、破廉恥にも、不幸にして油田上に暮らし、ウォール街やロンドンのシティの指図、つまり、特に世界銀行とIMFが企む類の、際限のない、略奪的な暴利、高利貸しという犯罪とは、基本的に反対のことを説く宗教を信じている、遥かかなたのイラク人に、死者百万人にのぼる民族皆殺し戦争をしかけるのに使われたのと同じ紙面だ。劣化ウランはそういう場合にこそ必要だ。

わが有名な道化師、ボノ氏に戻ろう。「ロック音楽という生き方は、グリーンなライフスタイルに必ずしも資するものではなかったことを認めた上で、ボノはゴアとの会話を宗教上の貢献に例えた… アイルランド人の司祭と一緒にいるようなものだと。自分の罪を告白し始めるんです。と彼は言う。「アル神父さま、私は単に騒音を垂れ流しているだけではありません。私は騒音を垂れ流し、ディーゼルを湯水の様に使うガルフストリーム社のジェット機で飛び回るロック・スターです… こういう習慣は辞めるつもりです。努めます、アル神父様、でも石油はトレーラートラックの車両隊列や、石油化学製品、整髪剤やでとても重宝でした。」

はっはっ、実に愉快。だが本当は愉快ではない。なぜなら今ここで話していることは、究極的には「持続可能性」であり、彼らの手先アル・ゴアを含めた国際連合とグローバリスト・エリートが、膨大で悲惨な人的コストをかけてこれを入手するのだから。これがグローバリストの支配格子の本質的な部分だ。「アジェンダ21で、世界の全資産を管理し、勘定し、制御するのに必要な世界的インフラストラクチャーが用意されることに留意せねばならない」とJoan Veonは書いている。

これには、森林、淡水、耕地、砂漠、牧草地、放牧地、農地、海や内陸水路、海洋環境、海洋生物、都市、住宅、下水や固形廃棄物、製造方法、空気、汚染、バイオテクノロジー、つまり生活のあらゆる面が、農業、生産や製造、研究や医学、等々、そしてあなた方や私も、含まれている。今やあらゆるものが「持続維持可能」をいわれる。持続維持可能な水、持続維持可能な森林、持続維持可能な市場、持続維持可能な農業、等々。

この全ての「持続可能性」を実現するには、世界政府が必要で、したがって、燃料使用税、通貨取引に対する税金(トービン税)、武器取引税、グローバル宝くじ、航空機での国際旅行、等々の様々なインチキやら、炭素税こそがすべてというわけだ。もちろん呼吸税はほぼ完璧だ。皆さんが、速やかに呼吸という行為をあきらめる予定であればだが。

ボノは、エリートにとって重宝な阿呆なので、贅沢なロック・スターのライフスタイルを続けることが許されるのだ。

テネシーにある20室のマンションで、2006年に221,000キロ・ワット時という、全国平均10,656キロ・ワットの20倍以上のエネルギー使用をしているアル・ゴアもそうだろう。

グローバル・エリートの手先には、それなりの特権があるというわけだ。

http://www.truthnews.us/?p=1787

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2011/3/17追記:

アメリカ政府、軍需産業、金融業界、世界の原子力産業などが、総力を挙げて推進してい行為の、「不都合な真実」が、今、日本国民の目ざましい自己犠牲?のおかげで、世界に明かになる。「広島・長崎」、世界の反核兵器運動のシンボルだった。「広島・長崎・福島」は、反核兵器のみならず、反原子力発電運動の世界的シンボルとなった。

2008年1月25日 (金)

バグダッドのパウエル 帝国の反社会的人格障害者

2003年9月16日

KURT NIMMO

    「私たちがネジ回しやクリネックスを使うのと同様に、反社会的人格障害者は、他人を操作し、利用するための道具としてとらえている。反社会的人格障害者は他者に対し何の共感も感じないし(共感をしている振りをすることはできるが)、人を虐待することに対して、何の恥も、自責の念も感じない。彼の宇宙の中では、彼が中心であり、全ての他人は彼に仕える為に存在しているのだ。」

    -- グレン・キャンベル

クリストファー・コロンブスは反社会的人格障害だった。

「人々は頭が良く、良き使用人となりそうに見えるし、彼等は、何も宗教がなさそうなので、極めて進んでキリスト教徒になるだろうと私は考えている」クアナハニの先住民と出会った際、コロンブスは日誌にそう書いていた。

コロンブスは自らを「[カリブ諸島]とアメリカ本土の総督兼支配者」に任命していた。彼は奴隷制度(エンコミエンド)を始め、先住していたタイノ族人口の体系的な絶滅に関与した。コロンブスが到着した頃、この先住民の人口はおよそ800万人だったが、彼が出発する時のタイノ族人口はおよそ100,000人だった。1542年に行われた国勢調査ではわずか200人しか残っていなかった。1555年までにハイチ先住民は完全に絶滅した。「全体的に見て、ヨーロッパが「西半球の文明化」を押し進める過程で、おそらくは一億人以上の先住民が「絶滅させられた」 」とワード・チャーチルは論じている。

「現在生きているアメリカ・インディアンの人口の方が、コロンブスが到着した時、あるいは史上のどの時代よりも多い。」ラジオ・トークショーの知ったかぶり屋ラッシュ・リンボーがかつて言ったことがある。「これが虐殺の証拠に見えますか?」

しかし2000年の国勢調査によるとインディアン・アメリカ人は1,678,765人で、コロンブス到来前の1200万を超えた人数より減っている。リンボーは嘘つきというだけではない。彼は知ったかぶりのばか者なのだ。だが彼がネオコン反社会的人格障害者者のための言い訳を考え出すことで快適な生活を送っていることを考えれば、これもおそらく予期されたことだ。

新たなカナン人を追い求めて

マサチューセッツ湾の初代総督ジョン・ウインスロップは、アメリカは新たなイスラエルで、清教徒はイスラエル人だと考えていた。現代のシオニスト同様、こうした福音主義的清教徒達は、何百万人もの先住民族が住む土地を、自分たちが専用所有すべき、旧約聖書の神によって与えられたものだと信じていた。アメリカ・インディアンはアメリカという「約束の地」における「新たなカナン人」だった。これら「カナン人」をキリスト教徒に改宗させることは、清教徒の天与の使命だった。それが万一失敗したら、キリストの名において彼等を虐殺することが認められていた。

「神はその敵を笑われ、神の民に対する敵をさげすみ、彼等を燃え盛る炉とされたもうた」 1637年のペクォト族インディアン虐殺にとりかかる時に、ジョン・メーソン船長はそう宣言した。「かくて主は異教徒を審判され、場所を死体で満たされた」「時として聖書は、女性と子供はその両親と共に死なねばならないと、言明している」とジョン・アンダーヒル船長は付け加えた。「我々の行為に対しては、聖書からの十分な明かりがある。」言い換えれば、清教徒は虐殺という発想に聖書を引き合いに出したのだ。丁度、現代のシオニストやキリスト教シオニストが聖書を引き合いに出すのと同様に。

200年の内に、ジョン・ウインスロップの「新たなイスラエル」は、ジョン L. オサリバンの「明白な運命(明白な天命)」(マニフェスト・デスティニー)となった。これは同様な福音主義的キリスト教の論拠を含んでいる。「領域や国という制限なしに、国境を押し広げるという、神によって定められた未来を持っていた。あらゆる移動と拡張は「明白な運命」という精神の一部で、アメリカ人が大陸中に広がり、相応しいと思う通りに国を支配し、居住することが神意であるという信仰だ。多くの領土拡張論者は、神を人類の運命を維持し、導く力を持つものと考えていた」とマイケル・T・ルブラッグは書いている。「明白な運命」は、「山の上の町」を作りだすのだという清教徒の観念をとらえ、そこにイデオロギー的、宗教的ステロイドを注ぎ込んだ。清教徒のような「明白な天命」の信者には、邪魔になる人々、つまりインディアンを撲滅することに何ら問題はなかった。

民主的指導者で影響力のある編集者のオサリバンによれば、先住アメリカ人の土地に対する邪魔されないヨーロッパ白人の帝国主義的拡張は、「木にとっての空間や大地のように、成長という原理と運命を十全に拡張させるのに相応しい権利」なのだ。オサリバンがこうした言葉を発して間もなく、アメリカ合州国はメキシコに対して戦争を布告し、現在アメリカ合州国の南西部となっている部分の多くの強奪を進めた。

ウイリアム・E・チャニングは1837年のヘンリー・クレイ宛ての手紙でこう書いていた。「インディアンは白人の前で消滅した、そして混血で退化した種族のメキシコ人はアングロ・サクソンの前で、消滅すべきだ。こんな下劣な詭弁など追い払え! 犯罪の必要性などない。ばくち打ちや強盗、略奪を正当化するものがないように、強欲な国民を正当化する運命など存在しない。我々は社会の進歩を誇るが、この進歩は、理性と道義を、暴力による支配に置き換えたもので出来ている。」

帝国という宗教的な熱狂と入り混じった「暴力による支配」は余りに強力だったので、アルバート・T・ベバリッジは上院に立ち、宣言した「神は英語を話す、チュートン系の人々を虚飾と怠惰な自己満足のためだけに千年もの間、備えさせてきたのではない。そうではない! 神は我々を、混沌が支配する場所に制度を確立する世界のまとめ役に選ばれた... 野蛮人とぼけた人々のなかで、我々が政府を運営すべく、神は我々を政府に熟達せしめた。」この発言から、あからさまな人種差別主義と、度を超えた狂的信仰部分を削除すれば、ウォール・ストリート・ジャーナルに先週ネオコン反社会的人格障害者が語ったものと良く似たものになる。第三世界に対するネオコンの戦いを突き動かしている「文明の衝突」、地球上の誰もが、ピストルで脅しつけられた「デモクラシー」を享受すべしという思想だ。アルバート・T. ベバリッジがもし今日生きていたなら、きっと同意してうなずくだろう。

帝国における習慣的な不正行為

だが「明白な運命」が破壊的行為を招いたのは、アメリカ西部とメキシコだけには限られなかった。アメリカは、プエルトリコ (1824)、ニカラグア (1857および1860)、パナマのある地方に(1860)軍事的に介入した。1898年、マッキンリー大統領は、ハバナ湾におけるアメリカ戦艦メイン号船上の偶発的爆発を、米西戦争を始める口実として使い、キューバを侵略し、占領した。

「フィリピン保有に付帯するのは、アメリカの政治家にとって見過ごすことのできない商業上の好機である」デューイ提督がカビテでスペイン太平洋艦隊を全滅させた時、マッキンリーはそう宣言した。<フィリピン>「併合」は、民家人200,000人の死亡と、ほぼ50年におよぶアメリカ植民地主義という結果を招いた。「人が何かを感じたり、考えたり、 したりする時には、その理由は一つしかない。そしてそれは利己的なものだ」フィリピンの侵略と占領についてマーク・トウェインは書いている。

「習慣的な不正行為、あるいは無能さは、文明社会の絆を全体的に解きほぐす結果を招きと、アメリカであれどこであれ、究極的にどこかの文明国による介入を必要とし、西半球において、アメリカ合州国がモンロー主義に固執する場合には、そのような不正行為あるいは無能さが甚だしい場合には、アメリカが、どれほどいやいやながらであれ、国際的な警察力を行使する」1903年にセオドア・ルーズベルト大統領は語った。言い換えれば、アメリカ合州国は、コスタリカ、コロンビアと、ベネズエラにおけるユナイテッド・フルーツ社の利益を守らねばならないという気持ちになったのだ。

ルーズベルトは、モンロー主義を固守し、アメリカ合州国はカリブ海の警察官だと1905年に宣言した。同年、ドミニカ共和国は委任統治のもとにおかれた。つまりアメリカが、万事をこなし、時折あることなのだが、現地人が反乱した場合の対処方法を支配者が知っている限りにおいて、どの特定の社会病質者が、選挙で選出されていない支配者として動くべきかを決定するのだ。ルーズベルトは、モンロー主義の固守に熱中して、メキシコ人がアメリカ国旗に敬礼するのを拒否すると、戦艦がベラスケスを砲撃し、海兵隊員が市の一部に侵攻した。

アメリカ人反社会的人格障害者: 他の要請の為に仕える

そしてアメリカ人反社会的人格障害者は、二十世紀の大半、そういう行動をしてきた。「アメリカ海外政策を動かしてきたものは、いかなる類の道義に対する献身でもなく、むしろ、他の要請の為に仕える必要性だった」とウイリアム・ブルムは書いている。(道徳観念の欠如は反社会的人格障害者の主要な属性だ)。ブルムの精細な研究が明らかにしている通り、アメリカ合州国は非公然、公然に、以下の国々に介入してきた。

中国 (1945-49)
イタリア (1947-48)
ギリシャ (1947-49および1964-74)
フィリピン (1945-53)
韓国 (1945-53)
アルバニア (1949-53)
イラン(1953)
グアテマラ (1953-1990s)
中東 (1956-58)
インドネシア (1957-58および1965)
イギリス領ギアナ/ガイアナ (1953-64)
ベトナム (1950-73)
カンボジア (1955-73)
コンゴ/ザイール (1960-65)
ブラジル (1961-64)
ドミニカ共和国 (1963-66)
キューバ (1959年から現在まで)
チリ (1964-73)
東チモール (1975年から現在まで)
ニカラグア (1978-89)
グレナダ (1979-84)
リビヤ (1981-89)
パナマ (1989)
イラク (1990年代および2003)
アフガニスタン (1979-92および2001年から現在まで)
エルサルバドル (1980-92)
ユーゴスラビア (1999)

こうした介入と、非公然の卑劣な攻撃は、おびただしい数の軍事クーデター、無数の拷問、行方不明、大量飢餓、暗殺を招き、世界中で、文字通り何百万人もの人々が亡くなっている(東チモールでは、600,000人から700,000人という人口中の200,000人、インドネシアで百万人、エルサルバドルでは75,000人、グアテマラで100,000人、カンボジアで2百万人以上、ベトナムで3百万人)。

創造的破壊: ネオコン反社会的人格障害者

ブッシュ ・ネオコンというのは、帝国と、病理学的に身勝手な個人的利益に仕えた、歴代のアメリカ人社会病質者の中の、単なる最も新しい、また人によっては、最も悪辣でイデオロギー的におかしくなったものにすぎない。初期の反社会的人格障害者の一人、アルベルト・T・ベバリッジは、ユダヤ教-キリスト教の神は「我々を、混沌が支配する場所に制度を確立する、世界の世界のまとめ役に選ばれた」と信じていた。現代のネオコン社会病質者マイケル・レディーンは、混沌を進んで受け入れ、「創造的破壊は我々の得意分野だ。我々はそれを自動的に行っている...」と宣言している。

レディーンはこうした形の破壊を本気で信じているのかも知れない。更新した最新版グローバルな「明白な運命」という名のもとのネオコンの「暴力による支配」、とアメリカ版「山の上の町」を。それは「創造的」かも知れないが、何千人ものイラク人とアフガニスタン人にとっては、無慈悲な蛮行、悪質な大量虐殺にほかならない。1000-2000トンの劣化ウランをイラク中の土地にばらまくことは、創造的とはほど遠く、ほとんど想像を絶する規模の戦争犯罪、計り知れないほどの破壊行動だ。

ネオコンは、もちろん、単なる隣に住むイデオロギー的社会病質者などではない。金融上の社会病質者大組織は、とりわけ目立つのはIMFと世界銀行だが、第三世界の先住民を「キリスト教徒化」する興味は全くなく、コロンブスやコンキスタドールのように、金に、あるいはむしろ借金によってもたらされた新たな金融上の金にこそ関心がある。

「借金は効率的な道具だ」スーザン・ジョージは書いている。「他人の原料とインフラストラクチャーを、あり得る一番安い条件で手に入れることを可能にしてくれる」昔の社会病質者が、ペクォト族、ナラガンセット族、モホーク族、パカノケット族や他の多くの部族を先祖代々の土地から追い出すために考案された、キリスト教による独善的白人専用の「明白な運命」という仕掛けを利用したように、IMFと世界銀行を支配する反社会的人格障害者は、パプア・ニューギニアや他の国の本来のその土地の人々から土地を奪うための陰謀を企てている。UNICEFによると、第三世界の土地と天然資源の支配権を得るために使われる主要な道具であるIMFと世界銀行の「構造的見直し計画」のおかげで、年々500,000人の子供が亡くなっている。社会病質者だけが、ウォール街なり、シンガポールの事務所に座って、こうした犯罪的な金融政策によって引き起こされる、膨大な人々の苦悩や死にも動揺せずにいられる。

「アメリカ合州国が現在の強い地位を獲得したのは、共生という海外政策の実行によってではなく、脅威が現れるのを受け身で待ち受けたのでもなく、海外で、積極的にアメリカの統治原理を推進することによってなのだ。デモクラシー、自由市場、自由の尊重だ」とネオコンの双子ビル・クリストルとロバート・カガンは説明している。言い換えれば、ウォール街、投資銀行、多国籍企業、IMFと世界銀行が規定する「自由市場」と「デモクラシー」を第三世界に押しつけるのに、メリカ合州国は、一貫して、軍事力を使ってきた。「世界中におけるアメリカ的原理の支持は、アメリカの影響力を継続的に行使することによってのみ維持可能なのだ。」

ネオコン反社会的人格障害者の帝国主義的活動に対する抵抗

ケン・レイナーが言っている通り、我々は、ネオコンの軍事的な/国境を越えた世界支配ビジョンを理解する必要がある。それもなるべく早く。放置しておけば、「アメリカは、帝国主義的活動を続け、世界銀行、IMFとWTOを使って、世界中を企業支配のもとに、そして奴隷制と植民地状態におくだろう。現在、アメリカは、世界中の何十億人もの無力な人々の環境と生活を取り返しがつかないまでに破壊する道を、抑えられぬままに進んでいる」

小さな形ではあるが、ネオコン社会病質者と、彼等が仕えている多国籍企業の基本計画に対する抵抗が増大しつつある。例えば、9月12日、インド、バンガロールの労働者と農民が、セント・ルイスに本社をおき、遺伝子組み換え種子を販売しているモンサントが所有する研究施設の温室を破壊した。「メキシコ、カンクンでの世界貿易機関の会議出席者の注意を惹きつけられる時期に、攻撃をぶつけました」と遺伝子組み換えされた綿花の種をインドに導入することに反対する組織、カルナタカ州農民組合理事長、M.D. ナンジュンダスワミは言う。彼は、遺伝子組み換え種子は、環境的に危険であり、他花受粉を通して、在来種の遺伝子を汚染しかねないと言う。

メキシコのザパティスタ運動から、ブラジルのシン・ティエラ、インドの農民運動、そして更に先へと、ネオコンの非人道的なネオリベラル構想に反対する活動が増大しつつある。農民団体と協力して動くことが多い人道的NGOを締めつけることで、ブッシュがこうした運動を攻撃しようとするかも知れないが、そのような努力は失敗する運命なのだ。

抵抗は急激に増大しており、いつか忍耐と持続によって、アメリカ人反社会的人格障害者の支配が、ある日終焉を迎えるかも知れない。願わくは、自前のハイテク版「明白な運命」を支持するワシントンのネオコン反社会的人格障害者の徒党が、既に損なわれた地球上の生活圏を完全に破壊する前にそれが起きてほしいものだ。

カート・ニンモはニュー・メキシコ、ラス・クルーセス在住の、写真家、マルチメディア・デベロッパー。彼の素晴らしいオンライン・ギャラリーOrdinary Vistasをご覧いただきたい。ニンモは、CockburnとSt. Clairによる新刊「The Politics of Anti-Semitism」に対する貢献者である。

http://www.counterpunch.org/nimmo09162003.html

ニンモには、nimmo@zianet.comで連絡が出来る。

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全く異議はないが、国名リストの中から
「日本」(1945年から現在まで)
という項目が欠落しているのは、非常に不思議。

鉄の壁」という、今パレスチナで建設されている、現代版ベルリンの壁の淵源と思われる1923年に書かれた文章と、現代の帝国主義者の発想、つながっているのだろう。

「反米大陸」伊東千尋著に、この「明白な運命」精神の実態(とそれへの反抗)が描かれている。

朝日選書464「コロンブスが来てから」先住民の歴史と未来  トーマス・バジャー著、藤永茂訳にも(こちらは絶版?)。

「アメリカ・インディアン悲史」藤永茂著を思い出した。そして同著者による『闇の奥』の奥を。

2008年1月24日 (木)

ドルは90パーセント下落する:ジェラルド・セレンテ

Kurt Nimmo

TruthNews

2007年11月24日

ジェラルド・セレンテは、月並みな頭のおかしな破滅論者とは違う。トレンド・リサーチ・インスティチュート所長のセレンテは、サブプライム・ローン金融恐慌とドルの没落を一年前に、金の値上がりを5月に予想していた。彼は1997年のアジア通貨危機とソ連崩壊も予言していた。「今生きている人々の誰も、これまで見たことがないような経済状況を経験することになる」と彼はUPI通信社に語っていた。

ちょっとお待ち頂きたい。これでは、いわゆる「大恐慌」を生き抜いた人々まで含まれるではないか。セレンテは「2008年恐慌」は大恐慌よりひどくなると考えているのだろうか? どうもそのように見える。

「2008年の恐慌は、アメリカの生活水準の低下をもたらす」と彼は言う。

「私は未来が見える水晶玉を持っているわけでもなく、強力な念力を持っていると主張するわけでもないが、来年の感謝祭シーズンは、今年のそれとは劇的に違っているだろうということになら、何でも賭ける覚悟だ」とキャロリン・ベーカーは書いている。

「ドル急落ヒステリー、途方もないレベルの借金、抵当物受け戻し権喪失、破産、失業、エネルギー枯渇、石油や食料品価格の急騰、健康保険適用無しの医療、あるいは、単なる無治療、前例のないレベルのホームレス、そして全ての状況を勘案すると、2008年の数カ月で、アメリカは、1929年の再現、あるいは何か思いも寄らぬほど酷いものへの道をまっしぐら」という状況に我々は直面している。ベーカーは苛立って言っている。「これは古き良き昔です。皆さん。そしてそれはまた新たな暗い日々です。感謝祭おめでとう。せめて一口ずつ良く味わおうではありませんか。」

「デリバティブのディーラー、ヘッジ・ファンド、企業買収専門会社や他の市場関係者たちも破綻するだろう」とセレンテは予言している。

    最近発表されたシティグループやジェネラル・モーターズのような企業の大欠損が、「ここしばらくは」ごく当たり前となる、と彼は言う。

    「もしも大企業が倒産に至っても驚きません…」と語っている

しかしながら、大企業によっては、儲けるところも出よう。とりわけ不動産で。「不動産については、火事場泥棒状況になるでしょうが、それは現金を持っている連中にとってであり、中流階級の人々にとってではありません。楽に維持したり、支払ったりできないような大きな抵当があれば、家を失うのです」経済の専門家で、現れつつある北米連合の敵ジェローム・コルシは、アレックス・ジョーンズに昨年8月こう語っていた。「既に豊かな組織と個人だけが儲けられるような火事場泥棒状況がやって来ますが、普通の人が儲ける機会はありません。」

コルシは、今起きている現在の経済危機は仕組まれたものだと信じている。「グローバリズムへと向かう動きとして、またもや仕組まれていて、流動資産を市場の刺激用に注ぎ込んでいるのは、全く意図的なものです。」

    連邦準備制度理事会は今や全くのジレンマにおちこもうとしている。ドルを守るために金利を上げれば、経済を更に駄目にし、住宅市場の危機を更に深刻化する。今起きているのは経済停滞で、本当の収入の喪失、本当の富の喪失、と同時のインフレーションなのだ。ドルの下落とともに、当面の問題から脱出できる方法として提案されれば、アメロなりいかなる地域的解決策なりを、人々が受け入れるような方向に、危機は誘導されるだろう。

これは、チェス盤の新たな置き直しだ、というよりもむしろ、チェス盤をひっくり返して、駒を全部捨てるということだ。

「これまで見てきたアメリカ合州国地域経済、北アメリカ連合創造というゴールラインにたどり着く競争の中で一番早い競争だ。エリート達は、この機会はもう二度とないかのように動き回っている。この戦いが戦われているのは最後の瞬間なのだ。彼等は今回は勝てると信じており、北アメリカ連合が作れるかいちかばちかやる気で、ドルは大暴落させるつもりだ。」

スチーブン・ワトソンは、Infowarsで、下記のように要約して書いている。

    アメリカ経済の衰退は、我々に対しては依然として、経済混乱に対する解決策として提示されている、きわめて略奪的なグローバリストの政策によって引き起こされている。IMFや世界銀行のようなグローバリストの吸血鬼、つまり中央銀行と私益エリートは、第三世界のエネルギーをすっかり奪いつくし、今や先進国の奴隷化に力を注いでいる。

    単一通貨と「経済新秩序」は、グローバル支配への道の大きな一歩だ。ヨーロッパは既に強い単一通貨を持っており、ドルの余命はいくばくもないように見える。貨幣が私企業によって印刷され、流通している現状では、他国通貨との併合に対する要求が出たとて驚くべきことがあるだろうか?

もちろん、この「経済新秩序」を実現するためには、たくさんの人々が苦難を味わうほかなく、もしジェラルド・セレンテを信じるならば、それは、いわゆる「大恐慌」の間に祖父母、曾祖父母達が味わったものよりひどい。」

「今になっては疑うべくもない。天文学的数字のドルを「低い金利」でシステムに注ぎ込む連邦準備制度理事会議長アラン・グリーンスパンの計画は、巨大な怪物-未曾有のバブルと、深い経済緊縮への舞台を生み出したのだ」とマイク・ホイットニーは書いている。「グリーンスパンのインフレ政策は「貧富の格差」を拡大し、階級の間に、より大きな経済的両極化を生み出すように作られていた。不動産バブルがはじける頃には、何百万人もの労働者階級のアメリカ人が、自分の住宅の現在価値より遥かに高いローンを支払う状態に取り残されるだろう。これは必然的に、より深い社会的隔離を、ローン奴隷という永久的な底辺層を、生み出す可能性が極めて高い。」

    グリーンスパンは、バーチャルな破産状態へと国民を見事に導き入れた。実際、アメリカの今の状況と、大恐慌に先立つ期間の類似は目を見張るようだ。「信用取引」の株購入によって、市場で膨大な借金が積みあがる間、不動産抵当負債も、2000年から2006年の間に、4.8兆ドルから9.5兆ドルへと急増した。いずれの場合も「資産効果」が、成長のように見える消費景気を引き起こしたが、実際は、経済活動を動かす借金の、着実な、潜行性の拡大だった。いずれの期間においも、給料は平坦か下がっており、金持ちと労働者階級の間の溝は年々極端になっていった。

これを「新たな封建主義」と呼ぼう。

http://www.truthnews.us/?p=964

(訳注:ジェラルド・セレンテは著名な未来予測専門家。翻訳された著書に、トム・ミルトン共著「ビジネス・トレンドの読み方 チャンスをつかむメディア活用法」金山宣夫訳、TBSブリタニカ、1991 原題"The System to Profit from Todays Trends"および「文明の未来. 政治経済からビジネスまで」原題"Trend 2000"1998年、飯田雅美訳、日経BP社がある。)

オルタナティブ通信、1000年のスパンでみたサブプライムローン問題で、この記事の「グローバリズムへと向かう動きとして、またもや仕組まれていて」についての部分が触れられている。

2008年1月22日 (火)

オサマ・ビン・ラディンとは何者か? 2001年9月12日

ミシェル・チョスドフスキー

2001年9月12日

www.globalresearch.ca

ワールド・トレード・センターとペンタゴンに対するテロリスト攻撃から数時間後、ブッシュ政権は、根拠となる証拠も無しに「オサマ・ビン・ラディンと彼のアルカイダ組織が主要容疑者」だと結論を出した。CIA長官ジョージ・テネットは、ビン・ラディンには「複数の攻撃を、ほとんど、あるいは全く気づかれずに」計画する能力があると述べた。国務長官コリン・パウエルは、攻撃を「戦争行為」と呼び、ブッシュ大統領は、夕方にテレビ放映された国民に対する演説で、「これらの犯罪を犯したテロリストと、 彼らを匿う連中を一切区別しない」と断言した。元CIA長官ジェームズ・ウルジーは「国家による支援」と非難し、複数外国政府の共謀をほのめかした。元国家安全保証顧問ローレンス・イーグルバーガーの発言はこうだ。「このような攻撃を受けた時には、我々の力も、報復も、恐ろしいものであることを示す必要がある。」

一方では、公式発表を鸚鵡返しにする西欧のマスコミの呪文が、中東における民間の標的に向けられた「処罰処置」の開始を認めてしまった。ウイリアム・サフィアがニューヨーク・タイムズに書いた記事はこうだ。「我々を攻撃した連中の基地やキャンプを正当に特定した暁には、巻き添え被害は最小にしながらも、受け入れ、我々は彼らを粉砕しなければならない」「公然あるいは非公然に活動して、テロ組織を匿う国々を不安定化させよう」。

下記の文章は、オサマ・ビン・ラディンとイスラム教「ジハド」のつながりから、冷戦中および、その余波におけるアメリカ海外政策形成の歴史の概要である。

アフリカのアメリカ大使館爆撃における役割から、FBIによって「国際的テロリスト」と烙印を押された、ニューヨークとワシントンのテロ攻撃の主要容疑者、サウジ生まれのオサマ・ビン・ラディンは、ソ連-アフガン戦争の時代に「皮肉にもCIAの援助のもとで、ソ連の侵略者と闘うべく」採用されたのだ。1

1979年、バブラク・カマルの親共産党政権を支援するためのソ連のアフガニスタン侵略に対抗して「CIA史上最大の秘密活動」が開始された。2

アフガンのジハドを、あらゆるイスラム教国家がソ連に対して闘うグローバル戦争に仕立てたかったCIAとパキスタンのISI [Inter Services Intelligence=総合情報局]の積極的な奨励のもと、イスラム教の40か国から来た約35,000人のイスラム教過激派が、1982年から1992年の期間、アフガニスタンの戦いに参加した。さらに何万人もがパキスタンの宗教学校に留学した。結果的に、100,000人以上の外国人イスラム教徒過激派が、アフガン・ジハドによって、直接影響を受けた。3

イスラム教「ジハド」は、資金のかなりの部分を、黄金の三日月地帯の麻薬取引で生み出された、アメリカ合州国とサウジアラビアの支援を受けてきた。

1985年3月、レーガン大統領は、国家安全保証決定指令166に署名したが...[それは]ムジャヒディンに対する秘密軍事援助の強化を承認し、秘密のアフガン戦争には新たな目標があることを明らかにしていた。秘密工作を通じて、アフガニスタンのソ連軍を敗北させ、ソ連撤退を促すことだ。アメリカの新たな秘密援助は、武器供給の劇的増強で始まったが、1987年には年間65,000トンにまで着実に伸びた、..。パキスタンのラワルピンジ近くの幹線道路沿いにあるパキスタンISIの秘密本部への、CIAとペンタゴンの専門家による「絶えざる訪問」もあった。そこでCIA専門家はパキスタンの諜報機関員と会い、アフガン反乱軍の作戦を立てる手助けをした。4

中央情報局(CIA)

(CIA)は、パキスタンの軍事Inter-Services Intelligence (ISI)を使って、ムジャヒディンの訓練の上で重要な役割を演じた。代りに、CIAが支援するゲリラ訓練は、イスラム教教育に組み込まれた。

    「支配的主題は、イスラム教は完璧な社会政治学的なイデオロギーであり、聖なるイスラム教が、無神論者ソ連の軍隊によって侵されており、アフガニスタンのイスラム教徒は、モスクワがてこいれしている左翼アフガン政権を打倒して、独立を回復すべきだというのである」5

パキスタンの諜報組織

パキスタンのISIは「橋渡し役」として使われた。「ジハド」作戦に対するCIAの秘密支援は、パキスタンのISIを通して、間接的に、機能していた。つまりCIAは、ムジャヒディンに対する支援を、直接することはなかった。言い換えれば、これらの秘密活動を「成功させるため」、ワシントンは「ジハド」の究極的な狙い、つまりソ連崩壊が、ばれないよう配慮していた。

CIAのミルトン・ベアドマンによれば「我々がアラブ人を訓練したわけではない。」しかし、カイロのアル-アラム戦略研究センターのアブドル・モナム・サイダリによれば、ビン・ラディンと「アフガンのアラブ人」は、「CIAによって提供された極めて高度な種類の訓練」を授けられていた。6

CIAのベアドマンは、この点、オサマ・ビン・ラディンは、ワシントンに成り代わって自分が演じていた役割に気づいていなかったことを確認した。ビン・ラディン自身の言葉は (ベアドマンによる): 「私も、兄弟たちも、アメリカの援助を証拠だと見た。」7

民族主義と宗教的情熱という動機で動くイスラム戦士は、自分たちがアメリカになりかわってソ連軍と闘っていることに気づいていなかった。諜報組織の幹部間では連絡がとられていた一方、戦場のイスラム教徒ゲリラ指導者たちは、ワシントンやCIAとは何の接触もなかったのだ。

CIAの支援とアメリカの膨大な金額の軍事援助資金の注入によって、パキスタンのISIは、「政府のあらゆる面において、膨大な力を及ぼす並列の構造」へと発展した。8  ISIは軍事、諜報機関員、官僚、秘密工作員や情報提供者で構成されており、その数150,000人と推測されている。9

その間、CIA工作はジア・ウル・ハク将軍が率いるパキスタン軍事政権を強化した。

    [将軍の]ジアが、ブットを放逐し、軍事政権ができて以来..、CIAとISI [パキスタン軍の諜報組織]の関係は次第に緊密になっていった。アフガン戦争期間の大半、パキスタンは、アメリカ合州国よりも、はげしく反ソ的だった。1980年にソ連軍がアフガニスタンを侵略して間もなく、ジア[ウル・ハク]は、ソ連の中央アジア諸国を不安定化させるべくISI幹部を送り込んだ。CIAがこの計画に合意したのは、ようやく1984年10月になってからに過ぎない ...。「CIAはパキスタン人よりも慎重だった。」パキスタンとアメリカ合州国の両国は、アフガニスタンに対し、一連の偽装を行った。表面上は和解交渉をしているふりをしながら、密かに、軍事的拡大策が最善の方向だと合意していたのだ。」10

黄金の三日月地帯という麻薬三角地帯

中央アジアにおける麻薬貿易の歴史は、CIAの秘密活動と密接に結びついている。ソ連-アフガン戦争前は、アフガニスタンとパキスタンのアヘン生産は、小さな地域市場向けのものだった。地域におけるヘロイン生産はなかった。11 この点で、アルフレッド・マッコイの研究で、アフガニスタンにおける二年間のCIA作戦による猛攻の間に、「パキスタン-アフガニスタン国境地帯は世界第一位のヘロイン生産国となり、アメリカの需要の60パーセントを供給している。パキスタンでは、ヘロイン中毒者の人口は、1979年のほぼゼロ状態から、1985年の120万人になった。他のどの国よりもずっと急激な伸びた。」ことが確認されている。12

    CIAの手先達がまたもやこのヘロイン貿易を支配した。ムジャヒディン・ゲリラがアフガニスタン内部の領土を獲得すると、彼らは農民に対し、革命税としてアヘンを栽培するよう命じた。国境を超えたパキスタンでは、パキスタン諜報組織の保護の元で、アフガン指導者や地方犯罪組織が、何百ものヘロイン工場を運営していた。この十年の取り締まりの甘い麻薬取引で、イスラマバードにあるアメリカの麻薬取締局は大規模押収や逮捕を実施しそこねた..。アフガニスタンにおけるアメリカの麻薬対策が、ソ連の影響に対する戦いの下に位置づけられていたために、アメリカの役人は、アメリカのアフガン人同盟者たちによるヘロイン取引犯罪の調査を拒否したのだ。1995年、アフガン作戦の元CIA指揮官チャールズ・コーガンは、CIAが、冷戦を優先し、麻薬に対する戦いを犠牲にしてきたことを認めた。「我々の主要任務は、ソ連に対してできるだけ損失を与えることだった。我々には麻薬取引の調査に注ぐための資源も時間もなかった'..。我々はこの点について、詫びる必要はないと思う。あらゆることに副産物はつきものだ。確かに麻薬という点で、副産物はあった。だが主要目的は完遂された。ソ連はアフガニスタンを去ったのだ。13

冷戦の後

冷戦が終わり、中央アジア地域は、膨大な石油埋蔵量ゆえに戦略上重要なばかりでなく、世界アヘンの四分の三を生産し、企業連合、金融機関、諜報機関や組織犯罪に、何十億ドルもの収入をもたらしている。黄金の三日月地帯の年間取麻薬取引(1000から2000億ドルの間)は、全世界年間麻薬生産量のおよそ三分の一を占め、国連による推計では、5000億ドルの規模だ。14

ソ連崩壊とともに、アヘン生産の新たな急増が起きた。(国連推計によれば、1998-99年のアフガニスタンのアヘン生産は、旧ソ連共和国内武装反抗勢力の増強と並行しているが、過去最大の4600メートルトンに達した。15 犯罪組織と手を組んだ、旧ソ連内の強力な企業連合が、ヘロイン流通経路の戦略的支配を巡って戦っている。

ISIの大規模な諜報組織・軍ネットワークは、冷戦終結後も解体されなかった。CIAは、イスラム教「ジハド」を、パキスタンの外部から支援し続けた。新たな秘密の構想が、中央アジア、コーカサスとバルカンで活動を開始した。パキスタンの軍事および諜報組織は、本質的に「ソ連解体と中央アジアにおける、6つの新たなイスラム教共和国登場の触媒として機能した。」16.

一方、サウジアラビアのワッハーブ派イスラム教宗教者は、非宗教的な国家組織に侵入し、イスラム教共和国やロシア連邦内で足場を固めた。反米イデオロギーにもかかわらず、旧ソ連において、イスラム教原理主義は、ワシントンの戦略的利益に大いに貢献した。

1989年のソ連軍撤退後も、パキスタンのデオバンディス派イスラム教徒と、その政党ジャミアト-ウル-ウレマ-エ-イスラム(JUI)にタリバンが支援され、アフガニスタン内戦は衰えずに続いた。1993年、JUIは、ベナジール・ブット首相の連立政権に参加した。JUI、軍とISIの間のつながりが確立された。1995年、カーブルのヘズブ-イ-イスラミ・ヘクマチヤル政府の失脚とともに、タリバンは強硬派イスラム教政府を作っただけでなく、「アフガニスタン訓練キャンプの支配権をJUIの派閥に引き渡した...」 17

サウジのワッハーブ主義運動による支援を得て、バルカンと旧ソ連で戦う志願兵の募集の上で、JUIは主要な役割を果たした。

ジェーン・ディフェンス・ウイークリーは、この点に関し「タリバン兵士と武器の半分は、ISIの元で、パキスタンからきているもの」であることを確認している。18

実際、ソ連撤退後、アフガン内戦において、双方がパキスタンのISI経由で、秘密支援を継続した。19

言い換えれば、CIAが支配するパキスタンの軍事諜報組織、総合情報局(ISI)に支援され、タリバンのイスラム教国家は、アメリカの地政学的利益に大いに貢献したのだ。黄金の三日月地帯の麻薬取引も、ボスニアのイスラム教徒軍(1990年代初期に始まった)やコソボ解放軍(KLA)に資金援助と武器を与えるのに用いられた。マケドニア攻撃時、最後の数カ月、KLA-NLAテロリストの兵卒としてムジャヒディンの傭兵が戦った証拠がある。

女性の権利の目に余る低下、女生徒向け学校の閉鎖、女性職員の政府機関からの解雇や、「イスラム法の刑罰」の施行等を含む、タリバンによる恐怖支配を、なぜワシントンが見てみない振りをしていたのかという理由が、これで氷解する。20

チェチェン戦争

チェチェンについていえば、反乱勢力の主な指導者シャミール・バサーエフとアル・ハッターブは、CIAが支援するアフガニスタンとパキスタンのキャンプで訓練、教化された。アメリカ議会のテロおよび不正規戦対策委員会の委員長ヨセフ・ボダンスキーによると、チェチェンにおける戦争は、ソマリアのモガディシオで1996年に開催されたヒズボラ・インターナショナルという秘密サミットの間に、計画された。21 サミットには、オサマ・ビン・ラディンやイランとパキスタンの諜報部門幹部が参加した。この点で、チェチェンにおけるパキスタンISIの関与は、チェチェン人に武器と専門知識を提供するというレベルを遥かに超えている。ISIと過激派イスラム教徒という代理人が、実際この戦争を支配している。22

ロシアの主要パイプライン経路は、チェチェンとダゲスタンを経由している。イスラム教テロに対する、ワシントンによる通り一遍の非難にもかかわらず、チェチェン戦争の間接的な受益者は、カスピ海盆地からの石油資源とパイプライン回廊の支配権を競い合っている英米の石油コングロマリットだ。

総勢35,000人とみられる二つの主要なチェチェン反乱軍(それぞれシャミール・バサーエフとエミール・ハッターブ司令官によって率いられる)は、チェチェン反乱軍の組織化と訓練の上で主要な役割を演じているパキスタンのISIによって支援されていた。

    「[1994年] パキスタン総合情報局は、1980年代初期にCIAとISIが作りあげ、有名なアフガン人軍閥将軍ガルブディン・ヘクマチアルが運営するアフガニスタン、ホスト州のアミール・ムアイア・キャンプで、バサーエフと彼の信頼のおける副官たちのために、集中的なイスラム教教化とゲリラ戦争の訓練を行うよう手配をした。1994年7月、アミール・ムアイアを卒業し、バサーエフはパキスタンのマルカズ-イ-ダワル・キャンプに送られ、高度ゲリラ戦術の訓練を受けた。パキスタンで、バサーエフは、パキスタンの軍や諜報組織の最高幹部と会っていた。国防大臣アフタブ・シャーバン・ミラニ将軍、内務大臣ナセルラ・ババール将軍、イスラム教の大義を支える役目のISI部門の長、ジャベド・アシラフ将軍、(今では全員退職済)。間もなく、こうした高官とのコネはバサーエフにとって大いに役立った。」23

訓練と教化期間の後、バサーエフは1995年の第一次チェチェン戦争で、ロシア国軍に対する攻撃を指揮する役を与えられた。彼の組織は、モスクワの犯罪組織との大規模なつながりや、アルバニアの組織犯罪やコソボ解放軍(KLA)との結びつきを展開していた。1997-98年、ロシアの連邦保安(FSB)によると「ユーゴスラビアで、隠れ蓑として登録した何社かの不動産会社を通じて、チェチェン軍閥の長達がコソボの不動産買い占めを始めた」 24

バサーエフの組織は、麻薬、ロシア石油パイプラインからの盗油や、破壊工作、誘拐、売春、偽ドル札取引や核物質の密輸を含む多数の悪事にも関与していた(アルバニアの崩壊したピラミッドにつながったマフィア参照、25 麻薬や、様々な非合法活動取引で稼いだ資金は、大規模なマネー・ロンダリングと並行して、傭兵採用と武器購入に注ぎ込まれた。

アフガニスタンでの訓練中、シャミール・バサーエフは、サウジ生まれの古参ムジャヒディン司令官、アフガニスタンで志願兵として闘った「アル・ハッターブ」と連携した。バサーエフがグロズヌィに帰還してわずか数カ月後、(1995始め) ムジャヒディン戦士訓練のためにチェチェンに軍事基地を設置するためにハッターブが招かれた。BBCによると、ハッターブのチェチェン駐在は「サウジ・アラビアに本拠をおき、モスクと豊かな人々が資金を供給しており、資金をチェチェンに注ぎ込んでいる戦闘的な宗教組織[国際]イスラーム救援機構を通してお膳立てされたもの」だ。26

結語

冷戦時代から、ワシントンはオサマ・ビン・ラディンを故意に支援しながら、同時に彼をFBIの世界「最重要指名手配者リスト」に載せている。

バルカンや旧ソ連で、ムジャヒディンがアメリカの戦争をせっせと闘っている間、アメリカを本拠として活動するFBIは、ソ連-アフガン戦争以来、秘密活動を通して国際テロリズムを支援してきたCIAとは、ある面において独立して動き、アメリカ国内でテロに対する戦争を遂行している。

残酷な皮肉だが、イスラム教聖戦は、ブッシュ政権によって「アメリカに対する脅威」だとされており、ワールド・トレード・センターとペンタゴンに対するテロ攻撃を行ったとして非難されているが、まさにその同じイスラム教組織が、バルカンや旧ソ連内でのアメリカの軍事-諜報活動の主要な手段なのだ。

ニューヨークとワシントンにおけるテロ攻撃の後、ブッシュ政権とNATO同盟諸国が人類の未来を脅かす軍事的冒険に乗り出すのを防ぐべく、真実が勝利せねばならない。


Michel Chossudovskyは、国際的ベストセラーAmerica’s "War on Terrorism" 第二版、Global Research、2005年刊行の著者。彼はオタワ大学の経済学の教授で、Center for Research on Globalizationの理事長。

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注: 中東戦争拡大の危機について人々に知らせ、警告する目的で、読者がこの記事を他に投稿されることを歓迎します。引用元と著作権の表記をお忘れなく。

メデイア問い合わせは crgeditor@yahoo.com

関連記事: 2001年9月11日にオサマはどこにいたのか?(英語原文)  Michel Chossudovsky, 2006年9月9日


注:

   1. Hugh Davies, International: `Informers' point the finger at bin Laden; Washington on alert for suicide bombers, The Daily Telegraph, London, 1998年8月24日。

   2.  Fred Halliday, "The Un-great game: the Country that lost the Cold War, Afghanistan, New Republic, 1996年3月25日):

   3. Ahmed Rashid, The Taliban: Exporting Extremism, Foreign Affairs, 1999年11-12月。

   4. Steve Coll, Washington Post, 1992年7月19日。

   5. Dilip Hiro, Fallout from the Afghan Jihad, Inter Press Services, 21 November 1995年.

   6. Weekend Sunday (NPR); Eric Weiner, Ted Clark; 1998年8月16日。

   7. 同上

   8. Dipankar Banerjee; Possible Connection of ISI With Drug Industry, India Abroad, 1994年12月2日。

   9. 同上

  10. Diego Cordovez and Selig Harrison, Out of Afghanistan: The Inside Story of the Soviet Withdrawal, Oxford university Press, New York, 1995年. International Press ServicesでのCordovez and Harrisonの書評も参照、1995年8月22日。

  11. Alfred McCoy, Drug fallout: the CIA's Forty Year Complicity in the Narcotics Trade. The Progressive; 1997年8月1日。

  12. 同上

  13. 同上

  14. Douglas Keh, Drug Money in a changing World, Technical document no 4, 1998, Vienna UNDCP, p. 4. Report of the International Narcotics Control Board for 1999, E/INCB/1999/1 United Nations Publication, Vienna 1999, p 49-51, And Richard Lapper, UN Fears Growth of Heroin Trade, Financial Times, 2000年2月24日も参照。

  15. Report of the International Narcotics Control Board, 前掲書 p 49-51, Richard Lapper, 前掲書も参照。

  16. International Press Services, 1995年8月22日。

  17. Ahmed Rashid, The Taliban: Exporting Extremism, Foreign Affairs, 1999年11-12月, p. 22.

  18. Christian Science Monitorで引用、1998年9月3日)

  19. Tim McGirk, Kabul learns to live with its bearded conquerors, The Independent, London, 1996年11月6日。

  20. See K. Subrahmanyam, Pakistan is Pursuing Asian Goals, India Abroad, 1995年11月3日。

  21. Levon Sevunts, Who's calling the shots?: Chechen conflict finds Islamic roots in Afghanistan and Pakistan, The Gazette, Montreal, 1999年10月26日。

  22. 同上

  23. 同上

  24. Vitaly Romanov and Viktor Yadukha, Chechen Front Moves To Kosovo Segodnia, Moscow, 2000年2月23日。

  25. The European, 1997年2月13日, See also Itar-Tass, 4-5 January 2000.

  26. BBC,  1999年9月29日。


Michel ChossudovskyはGlobal Researchの常連執筆者。Michel ChossudovskyによるGlobal Research記事

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2008年1月20日 (日)

イラクの民族主義者達が目覚めつつある

2008年1月18日

ミドル・イースト・オンライン

出現しつつあるスンナ派-シーア派連合がイラクの様相を変えることが出来るかもしれない。もしもアメリカ合州国が身を引いて、どいてくれたらばだが、とロバート・ドレイフュスは語っている。

1月13日、イラクで新たに登場しつつあるスンナ派-シーア派民族主義者ブロックが、イラク内戦を終結させ、イラク石油産業の私営化を阻止し、クルド人国家の分離を挫折させることを狙いとした画期的合意に署名した。これは大きな前進で、2008年のイラク政治の様相を変える可能性がある。

過去二年間、イラクの民族主義者達は、アメリカ占領に反対し、アルカイダに反対し、イラク情勢に対するイランの高圧的な干渉に反対してきたが、自己の存在主張には苦闘してきた。出現しつつある連合は、イラクにおける本当の国民融和の種を宿しているが、アメリカ合州国からは独立して出現したのだ。様々な融和的「ベンチマーク」(勝手な訳注:イラク改革要望書)に従えという、ヌリ・アル-マリキ首相の政府に対する、絶えざるアメリカの圧力とは無関係だ。新たな連合は、マリキを首相の座から追い出すか、彼を連合に参加させるかすることを狙っている。

スンナ派-シーア派連合の前には非常に大きな障害が立ちはだかっており、イラクは新たな支配ブロックの元で安定化を狙う間にも、新たな激しい内戦の中に沈みかねない。それでも、そうなる可能性もあるのだが、それには大きな「もしも」がある。「もしも」アメリカ合州国が身を引いて、どいてくれたらばだ。

2005年の不正なイラク選挙以来、アメリカ合州国は、イラクにおいて、不安定で、今や全く信用の落ちた四党連合を支援し続けてきた。これらの党派のうち二つは極端に宗教的なシーア派党派、つまりイスラム・ダーワ党とイラク・イスラム最高評議会(ISCI)で、いずれもイランによって強力に支援されている。後の二つは、クルドの軍閥政党、クルディスタン民主党(KDP)とクルド愛国同盟(PUK)だ。その間、イラクの二人の首相、イブラヒム・ジャファリ(2005-06)とマリキ (2006-2008)、いずれもダーワ党だが、スンナ派アラブ人の政府参加強化の門戸を開けることを、断固として拒否してきた。しかし今や連合が崩壊しつつある以上、パートナー達は益々お互いに反目するようになっている。

アメリカ占領のもとでイラクを支配してきたシーア派-クルド人の契約が破綻する可能性が、サダム・フセインの打倒以降に出現した無数の政治党派間で、互いに競合する会派間の連合を、何にも束縛されずに検討する状況をもたらした。

新たな12党派連合のパートナーには、 スンナ派の宗教的党派や非宗教的な全国対話戦線を含むほぼ全てのスンナ派アラブ人政党、イラクシーア派平信徒である元首相イヤド・アラウィの率いる非宗教的な国民イラク・リスト、二つの大きなシーア派政党、ムクタダ・アル-サドルのブロックとファディラ(徳)党、ダーワ党の分派、雑多なより小規模な集団、イラク国会の無所属議員を含む人々が含まれている。指導者たちが語るその目標の中には、イラクの石油、天然ガスおよび他の貴重な資産が、あらゆるイラク国民のものであり続けるようにすることと、石油産業に私営化の道を開くであろう提案されている石油新法と、クルド地方政府が署名した違法な石油取引のいずれにも反対というのがある。もう一つの目標は、彼等によれば、石油の豊富なイラク北部キルクーク周辺の地域をクルド人が奪取するのを阻止することだ。さらに彼らが言うには、スンナ派とシーア派を団結させた新たな連合は「セクト主義という狭い社会を克服」するだろうと。

更に、包括的な国民和解の努力として、残りのスンナ派レジスタンス集団、アメリカが支援する覚醒会議に参加していない連中や、いわゆる「関連する地方市民グループ」を含めた会談が行われているという報告がある。アラブ・プレスによると、イラク政府と政党の代表も入れたカイロでの会議の準備として、6つのスンナ派レジスタンス党派がイギリスで会合した。ベイルートでの会合でも、並行する試みが進められている。またフランスのニコラス・サルコジ大統領が現在中東を歴訪中だが、彼はイラクで敵対している政治党派を一緒にさせようというフランス案を再提案した。サルコジは「暑さと激情から遥か離れた中立的な土地フランスで、できるだけ大規模なイラク内ラウンドテーブル会談を主催しよう」と提案した。サルコジが提案した会議が武装抵抗勢力の代表を含めるのかいなかは定かではないが、それも可能だろう。(同じような会談を主催するというフランスからの以前の提案は、マリキからは無視され、アメリカ合州国からも激励はなかった。)

サドルのブロックが対立するブロックに参加しようとしているという事実は、決定的に重要な意味を持つ。サドルはイラク国会で32議席を率いているのみならず、バグダッドと南部では、彼のマフディ軍団民兵は手ごわい勢力だ。ファディラ党も、石油産業とイラクの輸出の大部分を支配しているイラク第二の都市バスラ内部と周辺で、大きな力をもっている。

イラクにおけるあらゆる政治再編の決め手は、強力で新たなサフワ(覚醒)運動、つまりイラクの部族指導者を中心とする総勢100,000人の民兵軍団の動向だ。現在、サフワ運動は、首都の西と北、アンバール、ディヤラ、サラフディンとニネベ県、バグダッドそのもの、およびバグダッド南部の郊外ベルト地帯で強力だ。サフワは政党ではない(したがって国会に議席を持っていない)ものの、評価すべき勢力であり、新たな民族主義者連合とダーワとISCIから、熱心に口説かれている最中だ。選択を強いられれば、部族指導者達は、特にISCIをイランの手先と見なしているため、サフワ運動はシーア派の宗派政党とより、民族主義者と手を組む可能性が遥かに高い。

これ迄のところ、アメリカ合州国は、その不評が高まりつつあるにもかかわらず、マリキの不安定な政権を支え続けてきた。アメリカ高官は、特に大統領選挙の年に、もしもマリキが倒れるようなことがあれば、結果は予想がつかないことになると恐れている。さらに、民族主義者達は、マリキとは違って、マリキとブッシュ大統領が、7月迄には署名するつもりでいる、アメリカが提案するアメリカのイラク駐留長期延長には到底署名しそうにない。

今週、イラク国防相、アブドゥル・カデール・モハンメド・ジャシムがアメリカ合州国訪問を延長し、その間彼はペンタゴンで長期計画参謀と会合した際、アメリカのイラク駐留がどれほど定着しているかという一端がみられた。訪問の際に、2018年まで更に十年間、かなりの数の軍隊がイラクに駐留せねばならないとジャシムが宣言したのだ。

1月11日国会で、いわゆる「説明責任と公正法」が通過したことは、一年前の米軍増派の時点に設定されたベンチマークの少なくとも一つが実現した印だとして、ブッシュ大統領を含めたアメリカ高官によって広く歓迎された。この法律は、何十万人ものイラク人を政府機関や仕事から排除した過酷な反バース党規則を、和らげるものと期待されていた。

半ば空の国会で、つまり275議席のうち、わずか140議席しか選出されていない議員が出席して、法案は通過した。それが助けるべきはずであった、いくつかのスンナ派や非宗教的党派や元バース党員を含む国民によって広く非難されており、新たな法律は、何千人もの元バース党員を治安業務から追い出す、イラク国防省、内務省、軍や警察におけるパージの引き金となりかねないように見える。言い換えれば、まさに上っ面とは全く逆の目的だ。実際、サドルのブロックが極めて反バース党的なので、意見が分かれる問題を新たな連合における潜在的パートナーからサドルを分離させるくさびとして利用するため、マリキがこの瞬間を狙って法律を強行通過させる可能性もある。

要するに、イラクは依然として崩壊した国家だ。イラク経済は壊滅状態にある。宗派間内戦は和らいだが、戦闘はいたるところで起きている。前の週、アメリカの二つの大規模軍事行動、バグダッドのすぐ北での徹底的な攻勢と、首都の南部地域に対するもっとも激しい空爆の一つで、多数が亡くなった。キルクーク周辺は一触即発状態だ。バスラや他の南部の都市におけるシーア派内部の戦闘は、内戦レベルよりわずか下であり、今にも爆発しようとしている。アメリカの干渉なしでさえ、安定したイラク人の連合が根付くまでには、魔法が必要なのかもしれない。

ロバート・ドレイフュスはネーション誌の寄稿編集者であり、Devil's Game: How the United States Helped Unleash Fundamentalist Islam 「悪魔のゲーム:いかにアメリカ合州国がイスラム原理主義者を解き放つ手助けをしたか」(メトロポリタン刊)の著者である。

http://www.middle-east-online.com/english/?id=23930

2008年1月17日 (木)

北朝鮮が偽100ドル札の黒幕である証拠はほとんどない

Kevin G. Hall

Global Research, 2008年1月14日

マクラッチー新聞

ワシントン

二年前、北朝鮮の独裁体制を孤立化させ、財政的に破綻させるキャンペーンを強化しながら、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、北朝鮮政府が偽造アメリカ紙幣を印刷していると非難した。

「誰かがアメリカの紙幣を偽造している場合、その連中を止めさせたい」ブッシュは2006年1月26日に語った。

だがマクラッチー紙の10カ月間の三大陸にわたる調査の結果、北朝鮮に対するブッシュの非難を裏付ける証拠はよくても不確実なものであり、ニュースに引用される脱北者の主張は疑わしく、恐らくはいんちきであることがわかった。

主要な法執行機関であるスイス連邦刑事警察偽造通貨局は、北朝鮮がほぼ完璧な偽造100ドル札を作る能力があることさえ疑問視している。

北朝鮮による偽造にまつわるアメリカ政府の主張の多くは、アメリカと外国の新聞向けに脱北者とのインタビューを設定した韓国人に端を発する。結果として報道されたニュースは国会議員、調査員、政府高官に引用された。

しかしながら、いくつかの話の主な情報源であるKim Dong-shikは姿をくらました。元ルームメートのMoon Kook Hanは、Kim Dong-shikは金のために、嘘をつく人物だと語っている。

アメリカによる告発、試される

アメリカの告発に対する最初の国際的テストは、 2006年7月、ブッシュ政権の要請で、アメリカが北朝鮮を相手どる事件として、国際刑事警察機構インターポールが中央銀行当局者、警察や、紙幣印刷機業界幹部を招集した時のことだった。

フランスのリオンで会議が開かれた後、国際刑事警察機構は2005年3月に、アメリカ合州国の要請で、会員諸国に、紙幣印刷機、用紙あるいはインクの北朝鮮への販売を禁止することを呼びかけるオレンジ・アラートを発行した。

60人以上の専門家を招集しても、偽造と戦う主要なアメリカ政府機関である財務省検察局は、持ち合わせていると主張する証拠の詳細は決して提供せず、諜報情報を引用し、集まった人々にアメリカの主張をそのまま信用して欲しいと要求したのだ。

最も決定的な反応は、2007年5月、偽造貨幣調査が業務で、アメリカの通貨当局と協力してきたスイス連邦刑事警察偽造通貨局から現れた。

ワシントンにより多くの証拠を提出するよう呼びかけながら、スイスは北朝鮮がほぼ完璧な偽札の黒幕であることを疑問視していると語った。

スイスの警察当局は北朝鮮自身の貨幣が「それほど酷い品質であり、一体この国が高品質のスーパーノートを印刷する立場にあるのかさえ自動的に疑わしめるものだ」と述べた。

これまでに表面化した最も確実な証拠は、1990年代後半に100万ドル以上の偽札、その大半をモスクワの北朝鮮大使館から、ヨーロッパに輸送したとされるアイルランド共和国軍分派の指導者シーン・ガーランドの2004年の起訴だ。

ガーランドは今、アイルランド共和国にいるが、アイルランド大使館はアメリカ合州国は彼の引き渡しを要求していないと言う。

様々な見解

北朝鮮に対する主張推進を助けた元アメリカ当局者達は、アメリカ政府がどのようにしてその結論に達したかについて様々な見解を述べている。

北朝鮮の犯罪活動にまつわる詳細を集める国務省の作業部会の取りまとめ役だったデビッド・アシャーは、部会は偽造の証拠を捜し出しており、主張の正しさを証明するのに諜報情報に頼る必要はないと語ったが、詳細を話そうとはしなかった。

北朝鮮が偽札の黒幕だという証拠を要求された時、8月8日にブッシュは言った。「諜報上の機密事項について自由に話す立場にない。」

国務省諜報部の長を2003年に辞めたカール・フォードは、自分自身「独自判断をするに足る諜報情報など全く見たことがない」と語っている。

しかしイラクが大量破壊兵器を持っていたという政府の誤った主張に反対して辞職したフォードは「政府が北朝鮮に関わる詳細情報を公開したがらないのでは、試験に落第だ」と語っている。

いまも世界中の銀行がほぼ完璧な偽札を没収している最中であるにもかかわらず、ブッシュ政権はもはや北朝鮮が偽札を印刷していると公的に非難するのを止め、北朝鮮の核兵器計画中止にまつわる交渉の話題から外したと国務省高官は述べている。

容疑者

元印刷局長のトーマス・ファーガソンのような業界専門家達は、偽札が余りに良くできていて、政府の印刷機を使える誰かによって作られたように見えると語っている。

専門家の中には、おそらくはイランがこの札を作ったと言う者もいる。ロシアあるいは中国の犯罪組織だという人々もいる。

"Moneymakers: The Secret World of Banknote Printing"の著者であるクラウス・ベンダーは、偽札は余りに良くできており、アメリカの政府機関、例えばCIA等でしか作ることができないと語っている。

立証はされていない疑惑だが、一つの前例がある。彼の新刊CIAの歴史本で、ジャーナリストのティム・ウェイナーは、この組織が如何に貨幣を偽造し、ソ連経済を弱体化させようとしたかの詳細を描いている。

「当然ながら、それがいかに馬鹿げていようといまいと、そのような主張に対して我々はコメントしない」とCIAの広報担当者マーク・マンスフィールドは述べた。

Global Research記事  Kevin G. Hall

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もとになっているのは下記の記事。こちらより大分詳しい。

http://www.mcclatchydc.com/homepage/story/24521.html

原田武夫国際戦略情報研究所公式ブログは上記マクラッチー紙に触れている。

ついには香港メディアでも噴出した「正論」

原田武夫氏の最新刊「北朝鮮VS.アメリカ -「偽米ドル」事件と大国のパワー・ゲーム」、(ちくま新書)が、まさにこの話題を扱っている。

こうした報道とは逆の立場にたつ有名ジャーナリストの手になる話題の小説、一体どのような役割をはたしたのだろう。垂れ流しは許されない。

既に池田信夫blogでも「北朝鮮VS.アメリカ」として、本書は簡潔に紹介されている。

暗いニュースリンクには、下記の通りマクラッチー紙記事の翻訳がある。

米マクラッチー紙報道:「北朝鮮のドル紙幣偽造」はガセネタ

野次馬根性から、同趣旨の下記記事を以前、訳したことがある。

金正日ではなくCIAが偽ドルを作っていると専門家は主張

---------

下記の関連記事、なかなか詳しい。

North Korea and the Supernote Enigma
By Gregory Elich
2008年4月14日
Korean Policy Institute
http://www.kpolicy.org/projects-spotlight.html

2008年1月16日 (水)

9/11とスター・ウォーズ:ミサイル防衛に何十億ドルかけても飛行機4機さえ止められなかった

皆さん

スター・ウォーズを覚えておられるだろうか? レーガンと父親ブッシュの時代に大いに議論を巻き起こした、鳴り物入りで宣伝されたミサイル防衛システムを覚えておられるだろうか? 1300億ドルもの税金がこのシステム開発に注ぎこまれた。知らない場所から発射された民間航空機の10倍以上の速度で飛行するミサイルを探知し、阻止し、アメリカ国内の標的に到達する前に撃墜するように設計されている。連邦議会予算事務局のウェブによれば、ICBM (大陸間弾道ミサイル)は、秒速6から7キロ(時速約14,000マイル)で飛行する。報告書には、ミサイル迎撃システムが数分の内にICBMを撃墜しなければ、手遅れになると書いてある。

9/11以前に、多数のスター・ウォーズ・システムのテストが行われたのを記憶しておられるかも知れない。失敗したテストもあり、成功したものもあった。だが重要な疑問を挙げたいと思う。もしも、こうした高度な軍事システムが、民間ジェット機の10倍以上の速度で飛行する、知らない場所から発射されたミサイルを探知し、数分の内に撃墜するよう設計されていたのなら、なぜ2001年9月11日に、わずか時速600マイルで飛行する巨大な4機の飛行機の一つとして探知できなかったのだろう? この疑問は特にペンタゴンに突入した77便にあてはまる。

ニューヨーク・タイムズは、9/11にハイジャックされた一機目は午前8:20頃に発見された[NY Times、9/15/01]が、77便が9:38にペンタゴンに衝突するより一時間以上前のことだと報じている。77便は突入する42分前の午前8:56に行方不明になったことが報告されていたとタイムズは書いている。たとえ連邦航空局のレーダー・システムが完全に故障していて、連邦航空局の担当者が軍に警告し損ねていても、ワールド・トレード・センターが8:46に攻撃されたことは、軍の全幹部が数分以内に知ったに違いない。もう一棟が突入された9:03までには、彼等は大問題が起きているのを知っていたに違いない。アメリカ軍の鳴り物入りで宣伝されていたミサイル探知システムが、アメリカの防衛システムの中心に突入する42分前に消えたことがわかっていた77便の位置を見つけられなかったなどということがなぜ起こりえるのだろう?

これにまつわる他の疑問もある。9/11以後ミサイル防衛システムについてほとんど聞かなくなったのはなぜだろう? 国防を最優先とする現在のアメリカ政府は、明らかにミサイル防衛に関心がある。連邦議会予算事務局報告書の中で明らかなように、この計画は資金援助も、軍の関与も受け続けている。9/11前にはマスコミで大いに話題となっていたこの十億ドルもするシステムについて、あの出来事以後、ほとんど話を聞かないのはなぜだろう? パワー・エリートは、ここで上げているような疑問を我々に持っては欲しくないのだろうか?

そして、もっと重要な疑問は、なぜマスコミがそうした質問をしないのかということだ。軍の防衛システムが9/11には役に立たなかった原因究明に、なぜ軍は何百万ドルか支出しないのだろう? 一体どうして9/11委員会の予算は、チャレンジャー事故やモニカ・ルインスキー事件に割り当てられた予算より少ないのだろう? なぜ我々民衆は、こうした質問をして、回答を求めないのだろう? 次のテロ攻撃に怯えながら暮らすのではなく、今行動して、こうした重要な疑問に対する回答を要求しよう。

とりあえず以降の部分の翻訳は略。

原文はこちら。

http://www.wanttoknow.info/911starwars

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属国マスコミも当然そういう質問はしないが、垂れ流しはきちんとしてくれる。

決まった時間に予定通り発射したミサイルを撃墜した実験を、成功と報じる。

本当の攻撃で場所と時間を予告する国がどこにあるだろう?

そして、とうとう迎撃ミサイルの新宿御苑訓練配備の垂れ流し記事。

世界最強の暴力団に、みかじめ料を払わされ、出入りに使う車両のガソリンをせびられ、入りもしない効き目もないミサイルというゴミに膨大な血税を吸い取られる。属国は悲しい。

田岡氏の希有な正論は例外。たとえば『北朝鮮・中国はどれほど恐いか』。

マスメディアはとりあげないが、迎撃ミサイルの愚をいう田岡氏の本を評価するブログはある。

タカ派はバカ派

天木氏のブログに下記の記事がある

正気正気の沙汰とは思えない迎撃ミサイルの新宿御苑訓練配備

2008年1月13日 (日)

日本の国会議員、公式版9/11のお伽話に疑念を呈す

2008年1月12日

Kurt Nimmo, Truth News

藤田幸久議員が、公式版9/11のお伽話を巡り、福田首相を厳しく質問責めにしたことを、ニューヨーク・タイムズやCNNが報道する等と期待してはいけない。

藤田氏は日本国会の参議院議員であり、事件の公式説明という、見え透いたうそに関する彼の疑問は実に重大事件だが、アメリカではブリトニーの苦労ほどの重要さもないのだ。藤田議員の説明は、福田首相が2001年、元首相小泉純一郎のもとで内閣官房長官であったがゆえに一層重要なのだ。

日本のテレビから録画されYouTubeに載せられているこのビデオの英語訳版はまだないが、911.video.deのサイトでは、下記を掲載しており、明らかに日本語からの翻訳と思われる。

    2008年1月11日、民主党の藤田幸久議員は、日本の国会参議院で20分間演説をした。日本政府に対してなされた、あるいは公開の、アメリカ政府による9/11公式発表について、彼は外交防衛委員会で質問した。

    彼は福田首相に、2001年小泉内閣のもとで内閣官房長官だったのは誰かと尋ねた。

    「テロリストが一体どうやってペンタゴンを攻撃できたのか?」

    テロは戦争犯罪かどうか質問した。何人か日本人も殺されており、彼はこれは犯罪だったと思うので、たとえ日本政府が、ブッシュが小泉にそう言ったので容疑者はアル-カイダだと考え、自衛隊をイラクに派兵していても、日本の警察は本当の容疑者を調査すべきだ。日本の警察はブッシュ大統領が万一、容疑者の一人であったなら、彼を逮捕するだろうか?

    「対テロ戦争」中のアメリカ海軍に対する日本の補給支援プログラムの更新を巡る議論との関連で、この発言がなされた。

YouTube

    アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュは、最近日本の福田康夫首相に、東京はアフガニスタンにおける戦争を支援する為の重要な海軍作戦行動を、かならずや再開するよう圧力をかけた。これに反対する日本の民主党は、アメリカが率いてインド洋で作戦展開する海軍に、燃料と水を供給する任務の再開を阻んでいる。

    日本政府は対テロ戦争の一員であり続けたがっている。反対派は、この作戦は国連によって公式に認められたものではないと主張している。反対派は日本の艦船によって供給された石油がイラクにおける作戦に転用されたと主張しているが、この非難をアメリカは否定している。

    政府は任務を権限づける法律に変更を加えた。法は国会の承認後、毎年更新が必要である。新法は日本艦船は対テロ・パトロール中の艦船にのみ、給油、給水が可能であるとしている。攻撃であれ、救助作戦、あるいは、人道的救済であれ、軍事作戦に従事する艦船は、日本の補給を受けられない。

    藤田幸久氏は、石破茂防衛大臣と額賀福志郎財務大臣に対し、9/11攻撃に関与した人々についてアメリカ政府が日本政府に通知したやり方について尋ねた。

    藤田幸久氏は、9/11に亡くなった24人のうち、わずか13人の身元は確定されたが、11人の遺骸は行方不明であることを強調した。これら日本人の死について公式の警察調査は存在しないことを彼は指摘した。

    アメリカで多数の人々が9/11の公式説明を疑っていること、そして、きわめて多数のウェブ・サイトや科学者が政府説明と矛盾する証拠を集めていることを彼は説明した。

        彼は何枚か大きく伸ばした下記の写真を示した。

        a) ペンタゴンの突入口と出口穴

        b) ペンタゴンに至る飛行経路

        c) 爆発するWTCタワー

        d) WTC 7の崩壊

    日本政府の「対テロ戦争」支持は、アメリカ政府が提供する情報のみに基づいていると彼は結論づけた。戦争をより積極的に支援しようと進める政府に対して、彼は更なる調査を要求した。

    藤田幸久議員は参議院には2007年に初当選した。

    日本の民主党は、1998年にいくつかの小さな党が合併して作られた社会的、自由主義的政党である。

    衆議院では二番目に大きな党で、参議院では最大の党で、長らく政権にある自由民主党に対向する主要政党である。

尊敬すべき日本の政治家が公開のテレビで、2001年9月11日の事件との関連でブッシュが逮捕される可能性があるのかと質問しても、商業マスコミは、これを報道には、あるいは、ついでに触れることにすら、値しないとする。

だが、当然ながら、「防衛」産業と心地よい同盟を結び、CIAのオペレーション・モッキンバードのおかげで、ずっと昔、利にくらんで我々を裏切ったネオコン商業マスコミは、イタリアの元大統領フランチェスコ・コッシガが、攻撃はCIAとモサドの工作だったと暴露してもだんまりをきめこんだ。ドイツの元調査技術大臣アンドレアス・フォン・ビューローが、確実な情報に基づいた意見として、9/11はアメリカ政府の最高幹部レベルが仕組んだものだと述べても、これまた連中は無視した。

かくて再び、もう一つの重要なニュースの話題が、オーウェルの「1984年」で、主人公が、不都合な歴史の記事を捨てた穴、メモリー・ホールへと追いやられるわけだ。

http://www.truthnews.us/?p=1644

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以下は、上記記事を読んで思ったよしなしごと。

大変不思議に思うのは、このアメリカ政権によるインサイド・ジョブと思われる9/11事件を口実にアメリカが侵略し、壊滅状態にしたアフガニスタンに自衛隊を派兵するという「テロ根絶法案」を、同じ人物が得々として、進めようとしていることだ。

「インサイド・ジョブを口実にして破壊した国に、宣撫工作に入ることはできない」とするか、

「インサイド・ジョブではなく本当の事件の犯人をかくまったから破壊した国に、宣撫工作に入るのだ」とするのか、どちらかが理屈にあうだろう。

FBIは、ビン・ラディンを、9/11の黒幕だとは断定していない」ことに、この議員は触れているのだろうか?

2008年1月12日 (土)

FBI捜査広報課長、ビン・ラディンを9/11と結びつける確証はないと語る 06年6月10日

2006年6月10日  グローバル・リサーチ   Muckracker Report

先週6月6日、一通の刺激的な電子メールがインターネット・ニュースグループを駆けめぐり、Muckraker Reportにもポール・V・シェリダン氏(2005年の市民正義基金賞受賞者)から送られてきた。それはオサマ・ビン・ラディンに関するFBI重要指名手配テロリスト・ウエブ・ページに注意を払うよう呼びかけている。[1] (電子メールで問われている疑問は、「オサマ・ビン・ラディンの重要指名手配ポスターには、2001年9月11日の出来事との直接的な関係がなぜ何も書いていないのでしょう?」FBIは、ビン・ラディンについてのウエブ・ページで、オサマ・ビン・ラディンは、1998年8月7日のタンザニアのダルエスサラームと、ケニヤのナイロビでのアメリカ大使館爆破事件との関連で指名手配されていると書いている。FBIによれば、攻撃で200人以上が亡くなった。FBIはビン・ラディンを「指名手配」している理由の最後に、「さらに、ビン・ラディンは、世界中のテロリストによる攻撃の容疑者である。」と書いている。

2006年6月5日、Muckraker Reportは、なぜビン・ラディンの重要指名手配ポスターには、オサマが9/11に関しても指名手配されているとは書いていないのか調べようとFBI本部(202) 324-3000に連絡をとった。Muckraker Reportは、FBIの捜査広報課長レックス・トム氏と話した。ビン・ラディンの重要指名手配ウエブ・ページに、なぜ9/11についての言及がないのか尋ねるとトムは答えた。「オサマ・ビン・ラディンの重要指名手配ウエブ・ページに9/11についての言及がない理由は、FBIはビン・ラディンを9/11に結びつける確たる証拠を持っていないからです。」

このFBIスポークスマンが余り気軽に衝撃的な発言をするのに驚いて私は尋ねた。「どうしてそんなことがあり得るのですか?」トムはこう続けた。「ビン・ラディンは9/11に関連して公式に告発されているわけではありません。」私は尋ねた。「どうしてそうなるのですか?」トムは続けた。「FBIは証拠を集めます。証拠を集めたら、それを司法省に渡します。司法省は、そこで、それが連邦の大陪審に対して提示するのに十分な証拠かどうか判断します。1998年のアメリカ大使館爆破事件では、ビン・ラディンは公式に大陪審によって起訴され、告発されています。FBIはビン・ラディンを9/11に結びつける確かな証拠を持っていないので、彼は9/11事件については、公式に起訴され、告発されているわけではありません。」

このFBI言明の真の意味が、皆さんの頭脳を刺激し、血圧を上げるまでにそう長くはかかるまい。皆さんが私と同じように考えられるとすれば、すぐさま是非とも答えを知りたい極めて重大な疑問の集中砲火と格闘されているはずだ。何よりもまず、アメリカ政府がビン・ラディンを9/11と結びつける十分な確証を持ち合わせていないのであれば、「洞窟からやつをいぶり出す」目的でアフガニスタン侵略をするための十分な証拠は一体どうやって得られたのだろう?」連邦政府はビン・ラディンやタリバンを「根絶するため」にアフガニスタンに侵略するのだと主張した。大手メディアのキャスター連中を通して、ブッシュ政権は、アメリカ国民に向かって、オサマ・ビン・ラディンは公共の敵第一号であり、2001年9月11日のおよそ3000人の人々の死の張本人だと言ってきた。それなのに、ほぼ五年もたった今、FBIはビン・ラディンを9/11と結びつける確証を持っていないというのだ。

もう一つは、アメリカ政府が2001年12月13日に公表したビン・ラディンの「自白」ビデオだ。ほとんどのアメリカ国民はこのビデオを覚えている。それはビン・ラディンと彼の数人の同志たちが、アメリカに対する911テロリスト攻撃の喜びを物語っている様子を示すビデオだった。国防省は、このビデオ公表とともにプレスリリース出したが、その中でドナルド・H・ラムズフェルド国防長官は語っていた。「ビデオが発見される前から、ビン・ラディンが911攻撃の張本人であることは明白でした。」[2] ラムズフェルドのこの発言が意味するところは、ビン・ラディンは「自白ビデオ」より以前から9/11の黒幕であることがわかっていて、ビデオは単にアメリカ政府が既に知っていたことの再確認に役立っただけなのだ。ビン・ラディンが9/11攻撃の張本人だと。

「9/11自白ビデオ」の公表を報道するBBCニュースの中で[3] ブッシュ大統領は、多くの人々に肉親の死をまざまざと思い出させてしまうという理由からビデオの公表を躊躇したと伝えられた。しかし、彼はそれがビン・ラディンの罪の「劇的な宣言」になるだろうことも知っていたのだ。「奴を捕まえてやる」ブッシュ大統領は語った。「生け捕りかどうかなど問題外だ。」

ビン・ラディンのテープに関するCNNの報道の中で[4]、当時ニューヨーク州知事だったルディー・ジュリアーニは「ビデオで、ビン・ラディンやその仲間を狙った米軍の軍事行動に対する疑念は完璧に消え去るだろう。」と語った。上院諜報委員会の副議長でもある、リチャード・シェルビー・アラバマ州共和党上院議員は言った。「ビデオの公開は、ビン・ラディンが911の攻撃に関与していたことを信じようとしない世界の人々に事実を知らせる上で重要です。」シェルビーはさらに「このビデオを見た後で、一体どうやっを否定し続けられるのか見当もつきません」とまで言ったのだ。さてシェルビー上院議員、米連邦捜査局FBIは明らかにビデオの自白を信じていないのだが、なぜあなたはそう思われるのだろう?

Muckraker Reportは、アメリカ政府からビン・ラディンの「自白ビデオ」が本物だと証明する資料を得ようとしたが無駄だった。それなのに、ブッシュ政権とアメリカ議会は、死んだような主流メディアと一緒に、ビデオをあたかも本物であるかのように写しだしたことは争う余地がない。なぜFBIはこの「自白ビデオ」を確証と見なさないのだろう? つまり、FBIが例えば麻薬密輸のような犯罪の調査中に、もしも麻薬カルテルのメンバーが、アメリカで成功している流通作戦について話を始めるようなビデオを発見したら、そのビデオは連邦大陪審に提示されるはずだ。ビデオ中の正体が突き止められた連中は告発されるはずであり、万一逮捕されたら、そのビデオだけでも連邦裁判所で有罪判決を引き出す十分な証拠となるはずだ。それなのになぜビン・ラディンの「自白ビデオ」は、FBIにとって同じ重要性を持たないのだろう?

2006年6月5日、FBIのスポークスマン、捜査広報課長のレックス・トムは「FBIはオサマ・ビン・ラディンを9/11に結びつける確かな証拠を持っていません。」と語ったのだ。これは世界中で一面の見出しになるべきだった。なぜそうならなかったのか理由を調べるのは読者の課題だ。なぜアメリカのメディアは、激怒や偏見や偏向を持たずに、2001年9月11日の出来事を調べようとはせず、政府が提供する9/11のシナリオをそのままオウム返しにするのだろう?なぜアメリカのメディアは、9/11について政府の説明とは矛盾するような意見を言いそうな人々を探すのではなしに、政府が9/11の隠蔽工作を後押ししていると言いそうな人々を要注意人物にして出演させないのだろう? また9/11について違う意見をもった人々が、まれに航空会社に対して迫るような場面があると、なぜ大手メディアは政府の9/11に対する説明に対して当然の疑問を明らかに引き起こすような証拠には耳を傾けようとはせず、そういうゲストを狂った陰謀説論者だとあざけるのだろう。コンピューターのマウスを何回かクリックするだけで、それと矛盾する確認可能な情報が多数見つかるのに、大手メディア・コングロマリットはなぜ盲目的に政府の9/11説明に満足しているのだろう?

誰がメディア論調を制御しているのだろうか。アメリカのメディアが2001年9月11日の事件でオサマ・ビン・ラディンを告発しているのに、一体どうしてアメリカ政府はそうしないのだろう? FBIがオサマ・ビン・ラディンを2001年9月11日の出来事と結びつけるための「確かな証拠」を持っていないのに、どうしてアメリカのメディアはまるで、ビン・ラディンがツイン・タワーの崩壊や、ペンタゴン攻撃や、ユナイテッド航空の93便の消滅の張本人であるという決定的証拠を持っているかのように、五年間もビン・ラディンと9/11を結びつけた話を流しつづけているのだろう?

オサマ・ビン・ラディンを9/11と結びつける確かな証拠はないのだ。…

どういうことなのか考えて見ていただきたい。


[1] 連邦捜査局、最重要指名手配テロリスト、オサマ・ビン・ラディン, http://www.fbi.gov/wanted/terrorists/terbinladen.htm [2006年5月31にアクセス]

[2] アメリカ国防省、プレスリリース、アメリカ、オサマ・ビン・ラディンのビデオテープを公開, 2001年12月13日, http://www.defenselink.mil/releases/2001/b12132001_bt630-01.html [2006年6月5日にアクセス]

[3] BBCニューズ、ビン・ラディンのビデオ、ニューヨークっ子を激怒させる、2001年12月14日, Peter Gould, http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/americas/1711874.stm [2006年6月5日にアクセス]

[4] CNN、テープのビン・ラディン: テロ攻撃は「イスラム教に大いに貢献した」、2001年12月14日, http://archives.cnn.com/2001/US/12/13/ret.bin.laden.videotape [2006年6月5日にアクセス]


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偶発的におきてしまう交通事故や殺人事件の報道ではなく、こうした事実の周知こそが、今回ごり押しされた「属国悪法」新テロ特措法に関する報道の最小限の前提だろうに。目くらましこそが商業マスコミの役割だ。

2006年6月に翻訳した記事だが、日本のマスコミでこの事実に触れたものを見た記憶がない。そうした報道をご存じあれば、是非ご教授いただきたい。

2008年1月10日 (木)

ブット暗殺: 恩恵を受けるのは誰か?

F.ウイリアム・イングドール

Global Research、2008年1月4日

恐らくは最高の警備によって守られているであろう著名政治指導者の暗殺は容易なことではない。確実に、狙いを果たし、しかも黒幕までたどれるような人物が生きたまま逮捕されないようにするには、プロ諜報機関、訓練が必要だ。典型的には、1914年7月サラエボにおけるフランシス・フェルディナンド皇太子暗殺から、JFKにいたるまで、拳銃の引き金を引いた人物は、はるか奥深い陰謀の手先にすぎない。12月27日のパキスタン元首相ベナジール・ブット暗殺の場合もそうだ。ラテン語の決まり文句Cui bono、つまり誰の利益になるのだろう?

彼女のPPP党が1月8日に予定されていた選挙で圧勝しそうに見えた瞬間にブットが殺害され、ムシャラフ大統領の独裁的支配に対する大衆的な反抗を引き起こすことになった事件の背景には何があった?

ワシントンが2001年9月11日テロ攻撃の黒幕として非難した、オサマ・ビン・ラディンの組織だとされる怪しげな組織「アルカイダ」を、ムシャラフの政府は不作法なほど素早く非難した。ムシャラフはわずか数日後に、アルカイダが張本人なのは「確実だ」と宣言した。後にアメリカの圧力で、スコットランド・ヤードに現地調査するよう依頼したのだが。「この連中(アルカイダ)が...ベナジール・ブットを殺害したと確信をもって申し上げたい」ムシャラフは1月3日にテレビ放映された演説でそう語った。彼は、パキスタン軍と戦っている戦闘的な部族長で、アルカイダやアフガニスタンのタリバンともつながっているというバイトゥッラー・メスードの名前を挙げた。メフスドは嫌疑を否定した。このように劇的な、イスラム過激派に対する望ましいプロパガンダ効果がある事件の黒幕だったなら、むしろ逆に、あからさまに自分がやったと言っただろう。

ブット殺害をアルカイダと結びつけることで、ムシャラフは好都合なことにいくつかの狙いを実現した。まず、アメリカの対テロ戦争の真意に対する懐疑が世界的に広がっている今、ワシントンにとって非常に有用なアルカイダの神話を強化でき、ムシャラフはワシントンにとってより価値が高まるのだ。次に、それによってムシャラフには、政治上の強敵が都合よく粛清された責任をなすりつけるもっともらしい身代わりができ、独裁支配が強化できるわけだ。

ムシャラフ政権がブットの遺骸に対し、所定の解剖を行うことを拒否した事実も注目に値する。ブットは、すんでのところで自分が殺されかけ、自動車の側にいた支持者134人が殺された10月の爆弾攻撃に関する追跡調査の実行を政府が拒否したことを公然と非難した。ブットはパキスタン当局が十分警備をしてくれないと非難し、彼等はカラチ・テロ攻撃の共犯だった可能性があるとほのめかした。亡くなるちょっと前のイギリスのテレビ・インタビューで、パキスタンの軍と諜報機関の腐敗と、イスラム教主義者を一掃すると彼女は明言していた。

その同じ、デヴィッド・フロストとのインタビューで、ブットは、オサマ・ビン・ラディンは、パキスタン生まれのイギリス国民で、ダニエル・パールを殺害したと「白状した」パキスタンISIの諜報機関工作員オマール・シェイク・モハンマドに殺害されている、という爆弾発言もしている。彼は2002年2月に逮捕された。もしもベナジールの主張が正しければ、オマール・シェイクは2002年2月に逮捕される前にオサマを殺害したに違いないが、そうなると、少なくともその日以後の時折西欧のマスコミに送られていた全てのオサマのメッセージは、明らかに偽造だ。

ブット殺害から数日後、パキスタン当局は、ブットを殺害した自爆テロ犯の切断された頭部とされる写真を公開した。は、死んだリー・ハーヴェイ・オズワルド同様、都合の悪いことは決して言わない。更に奇妙なのは、ブットが町中くまなく軍・治安機関複合体によって支配されている軍駐屯都市、ラワルピンジで殺されたことだ。殺害に使われた武器はパキスタン軍の特殊部隊にのみ支給されるシュタイアー9mm拳銃だ。むむ。

アメリカのパキスタンに対する政治支配を強化し、この地域全体での「対テロ戦争」の拡大と深化へのお膳立てをするために、ブッシュ-チェニー政権とその同盟国が画策をしていることは、もう何カ月も知られていたことだ。

ブットとは一体誰だったのか?

ブット家そのものは民主的なものとはほど遠く、封建地主の家系なのだが、軍やISI諜報機関の支配的な役割には反対していた。PPP党首として父親の後を継ぎ、ベナジール自身死ぬまで保持していた地位「終身党首」だと言っていた。ブットの夫、アリ・ザルダリは、ベナジールが首相だった頃、大口の政府契約を受注させるのに10%の分け前を要求する「ミスター10%」としてパキスタンでは知られている。2003年、ベナジールと彼女の夫は、マネー・ロンダリングと、スイス企業から首相として賄賂を得ていたことで、スイスで有罪判決を受けた。一家は数十億ドルを得ていたとされている。彼女は1993年から1996年までの首相として、イスラム教主義者、特にアフガニスタンのタリバンに対する宥和政策を擁護していた。

ハーバードで学んだベナジールは、アメリカとイギリス双方の諜報機関と親密な関係にあった。ワシントンで暮らす場合、彼女はアメリカのネオコン議員トム・ラントスの事務所を使っていたが、情報に通じた報告によると、一つの理由は、副大統領チェニーが、ムシャラフが昨年戒厳令を発令して以来、高まる国民の反対運動を前にして、パキスタンという戦略的同盟を救うための「安全な」手段として彼女を支援していたからだという。ブットにムシャラフと彼の面子を保つ取引をさせて、独裁制に民主的な装いをもたらす一方、ワシントンは戦略的支配を維持するという計画だったのだ。12月28日のワシントン・ポストによると、「ベナジール・ブットにとって、パキスタンに帰国するという決断は、ブットが十月に帰国するわずか一週間前、国務長官コンドリーサ・ライスからの電話会話中に決定された。この電話は、一年以上にわたる秘密外交の頂点であり、パキスタンで最も有力な政治支配家系の後継者が、テロに対する戦いにおけるワシントンの主要な同盟国を救済できそうな唯一の人物で.... ペルベス・ムシャラフ将軍の政治的な将来がほころび始めた今、ブットが彼を権力の位置にとどめておけそうな唯一の政治家となったことが明らかとなった時にかかってきたものだ。」

11月、元ブッシュ政権における諜報部門の帝王で、今や国務副長官であるジョン・ネグロポンテが、イスラマバードに派遣され、選挙を行って、事態を和らげ、ブットと連立政権を作るようムシャラフに圧力をかけていた。だがパキスタンに戻って、支持者が動員されるやいなや、ブットは予定されていた選挙で、あからさまにムシャラフや軍部の支配に反対するような選挙連合を狙うことを明らかにしたのだ。

アメリカとムシャラフの冷笑的な取引?

情報に通じた諜報筋によると、ワシントンとムシャラフの間では、水面下で冷笑的な取引が成立していたという。ムシャラフはチェニーお気に入りのパートナーとして知られており、チェニーは現在アメリカの対パキスタン政策を運営している唯一の人物とされている。

ムシャラフが、アメリカ特殊部隊がパキスタン国内に駐留するという「第二の手段」に合意するのであれば、ムシャラフの独裁継続を容認し、ブットを使った民主的な装いは脇におく。ワシントンは「目をつぶる」というものだ。

12月28日、ブット暗殺から一日後、ワシントン・ポストは、2008年早々、米中央軍とアメリカ特殊作戦軍のもとで「アメリカ特殊部隊は、現地の対内乱軍および秘密のテロ対策部隊の訓練、支援の目的の一端としてパキスタン駐留を大幅に増強する」と報道した。アメリカ-米パキスタン同盟における大きな変化だ。9/11直後、アメリカによる爆撃もありうるという極端な圧力のもとでムシャラフから引きだした、アメリカ軍にパキスタンの核兵器に対する直接の支配権を与えるという合意を除けば、これまでムシャラフと彼の軍はそうした直接的なアメリカ支配は拒否してきた。

ブットが消し去られたことで反対派は空白となった。全国的支持を自由に駆使できる信頼に足る政治指導者がいないこの国では、街路でムシャラフを進んで守る軍隊が、組織として強化されることとなった。これによって、ペンタゴンとワシントンは、将来的な中国の経済的覇権に対する軍事的対抗力を強化する機会を得たわけだ。これがワシントンの本当の地政学的目標だ。

F. ウイリアム・イングドールはNew World Orderの首席アナリストで、石油と地政学に関するベストセラー本, A Century of War: Anglo-American Politics and the New World Order,’ の著者。彼の著作何十もの言語に翻訳されている。

F. ウイリアム・イングドールによるGlobal Research記事

http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=7728

2008年1月 6日 (日)

ベナジール・ブット暗殺とパキスタン不安定化の背後にある英米連合の野望

アメリカのパキスタンに対する政治支配を強化し、この地域全体での「対テロ戦争」の拡大と深化へのお膳立てをするためにブッシュ-チェニー政権とその同盟国が画策をしていることは、もう何カ月も知られていたことだ。ベナジール・ブット暗殺が、この計画を変えるわけではない。実際、ブッシュ-チェニーの選択肢を簡素化してくれたのだ。

口実を使って、混沌の種をまく

「イスラム世界にデモクラシーをもたらす」というのは、ブッシュ-チェニーによる圧力と軍事力の適用、パキスタン政府再建策の(ブット/シャリフ-ムシャラフ連合)連立、そして軍事介入の秘密計画という劇的な企みを覆い隠すために使われるオーウェル風詭弁だ 。様々なアメリカによる不安定化計画が、既に何カ月も、高官やアナリスト達には知られていた。パキスタン軍部の転覆案だ。

ブット暗殺は予期されていたことのように見える。実際に暗殺がおきるずっと前から、アメリカ高官の間ではペルベス・ムシャラフかベナジール・ブットどちらかの暗殺がありそうだという「うわさ」があったという報告さえある。

ジェレミー・ページの記事、「誰がベナジール・ブットを殺したか? 主な容疑者」で簡潔に要約されている通り、主な容疑者は1) 「ブットのことを異教徒で、アメリカの傀儡と見なしていたパキスタンと海外の戦闘的なイスラム教徒」、そして、2)Inter-Services Intelligence(三軍統合情報部)、つまりISI、事実上CIAの支局だ。ブットの夫アシフ・アリ・ザルダリはISIが10月の攻撃に関与していたとして直接非難している。

ブット暗殺が、アルカイダそのものが英米共謀の軍事-諜報作戦であることには触れずに、「アルカイダ」だけのせいにされるのは予想通りだ。

ページの記事は、今や主な容疑者とされている人物の名前を挙げた始めてのものの一つだ。バイトゥッラー・メスードは、ワジリスタンの外でパキスタン軍と戦っているタリバン戦士だとされている。矛盾した諸報告が、メフスドを「アルカイダ」、アフガニスタンのタリバン、ムラー・オマール(いずれもここを参照)と結びつけている。彼をテロリストのA.Q. カーンと結びつけるアナリストもいる。

メスードのプロフィール、そしてその報道は、9/11後の全ての「テロリスト」に対するプロパガンダ処理をそのまま繰り返している。これはそこで、英米共謀した軍事-諜報機関のプロパガンダ関与というおなじみの疑問を引き起こすこととなる。メフスードはISIあるいはCIAにつながっているのだろうか? ISIやCIAは、メフスードについて何を知っているのだろう? より重要なのは、メスード、あるいは彼をめぐるプロパガンダ操作は、ブッシュ-チェニーにとって、この地域における今後の攻勢の口実をもたらすのかどうかだ?

古典的「対テロ戦争」プロパガンダ

ブット暗殺にまつわる詳細は明らかになりつづけようが、明白なのはそれがレバノンにおけるアメリカの手先ラフィク・ハリリの場合同様に政治的な暗殺だったことが。極めて怪しいハリリ暗殺同様、ブット暗殺も、西欧風「デモクラシー」の偉大なメッセンジャーの殉教として大手マスコミにとりあげられている。その間、舞台裏でのアメリカ政府の冷酷な行動は、ほとんど注目を集めていない。

2007年12月28日ニューヨーク・タイムズのブット暗殺に関わる報道は、見え透いたプロパガンダの煙の背後にあるブッシュ/チェニーの狙いの真実を覆い隠す主流マスコミのオーウェル風報道歪曲の完璧な例である。この記事は、ブッシュの主目的は 「イスラム世界にデモクラシーをもたらし」て、「イスラム過激派を追い出す」のだというホワイト・ハウスの詭弁をそのまま繰り返している。

実際は、あからさまに犯罪的なブッシュ-チェニー政権はデモクラシーの正反対のことだけを支持し、推進してきている。混沌、ファシズム、そして英米に忠実な傀儡政権のでっちあげだ。

実際、ブッシュ-チェニーと、世界中にいる連中の相手役にとって重要で揺るぎない戦略地政学は、でっちあげられた「対テロ戦争」押しつけと拡大の継続だ。偽装作戦とでっちあげた口実によって引き起こされた事態による、ユーラシア亜大陸いたるところでの戦争の継続だ。

実際、「対テロ戦争」で使われる小道具はきまって、英米軍事情報機関になりかわって活躍するイスラム教過激派だ。その一つが「アルカイダ」であり、パキスタンのInter-Services Intelligence(三軍統合情報部)、ISIだ。メスードはまさにこのプロフィールにぴったりあてはまる。

ブッシュ-チェニーのパキスタンを救済する

同じニューヨーク・タイムズ紙の記事からの愉快な引用の中で、ウェンディー・チェンバレン、元駐パキスタン・アメリカ大使(であり9/11につながるアフガニスタン縦断パイプライン建設という多国籍工作の陰の主人公)が、得々と述べている。「アメリカはパキスタン政治制度中の重要な参加者だ。」

アメリカは「重要な参加者」であり続けるどころではなく、もう何十年も最高経営者の一人なのだ。

1990年代初期以来、パキスタン指導者は、ブット、シャリフそしてムシャラフまで、ことごとく西欧の利害に屈してきた。ISIは、事実上、CIA支局だ。

ブッシュ-チェニーにとって、ムシャラフはこの国の政治指導者であったし、そうであり続けているが、彼の「信頼度」と、支配力に対する疑念、つまり彼の政権の大衆に対する支配と、民衆不安の増大、そして世界支配エリートによる彼の政権に対する支配という見地から、ブッシュ-チェニーは、不細工な(親米、イラク風)連立政権の押しつけを試みるに至っている。ロバート・シーアが書いているように、ブッシュ-チェニーは、ムシャラフ、ブットとナワズ・シャリフの間で「ロシアン・ルーレット」をさせてきた。彼等全員ひどく腐敗し、進んでアメリカの手先になりたがっている

ブットともうひとりの元首相ナワズ・シャリフという二人の帰還は、アメリカの地域権力の代理となる有力者を分散してリスクを回避するというアメリカの企みであったに過ぎない。

ジョン・ネグロポンテとコンドリーサ・ライスは過去数カ月の間、本当は一体何を仕込んでいたのだろう?

ブット暗殺の恩恵を受けるのは誰か?

「対テロ戦争」戦略地政学とプロパガンダ環境という青写真は、9/11以来、世界戦争の継続を押しつける世界支配エリートの利害の為に使われてきたが、これも明らかなブット暗殺の受益者だ。ブッシュ/チェニーや、彼等に共謀する民主党内の戦争支持/占領支持派の片割れ連中は、戦争継続政策を押しつけるのに「テロ」という口実の日常的な使用を熱心に支持している。

例のごとく、恐怖、「テロ」、「治安」と軍事力は、またもや、ワシントンの政治的詭弁と、24時間対応のマスコミ集中砲火の焦点だ。

2008年のアメリカ大統領候補者やその選挙キャンペーン顧問たちは、ごく一部を除き熱心に「対テロ戦争」を支持し、代わる代わる、それぞれの言い方の「アメリカはテロリストを押しとどめなければならない」という詭弁を思考の混乱した支持者に押しつけている。9/11共謀者で日和見主義者ルディー・ジュリアーニや、タカ派のネオリベラル、ヒラリー クリントンやらを筆頭とする支持率の下がりかけた候補者たちは、大衆の恐怖が、また新たに追加されたことで既に恩恵を受けている。

ムシャラフは強敵がいなくなったことで恩恵を受けてはいるが、秩序を再確立する方法を見つけ出せねばならない。ムシャラフは「テロリスト」取り締まりや、本格的な戒厳令を押しつけるのに理想的な正当化ができ、ブッシュ-チェニーはムシャラフ背後の陰で動いて、あやつり続けるか、あるいは、もしもムシャラフが余りに信頼できないことがわかったり、英米の計画にあいそこなったりした場合は、追い出せる。

ブット暗殺の背後におけるISI関与の可能性は誇張しすぎることはない。9/11以来あらゆる主要な「テロ」活動の背後におけるISIの役割は、現在の戦略地政学的現実の背後にある、常に語られることのない揺るがぬ事実だった。シャリフやムシャラフではなくブットならISIの計画を脅かしたろう。

ブット、イスラム過激派、そしてパイプライン

彼女が殉教者となった以上、ベナジール・ブットにまつわる多くの不都合な歴史的な事実は隠されるか、忘れられるかするだろう。

ブット自身が、自分の暗殺に関わっていると噂されている、まさにその「テロ」環境そのものの創生に深く関与していた。政治家として経歴の間ずっと、彼女は戦闘的なイスラム教徒、タリバン、ISIや、西欧政府の野望を支持してきた。

ミシェル・チョスドフスキーがアメリカの「対テロ戦争」で書いているように、ブットの第二期政権の間に、ジャミアト-ウル-ウレマ-エ-イスラム(JUI)とタリバンが躍進し、ブット連立政府に歓迎されて入った。JUI、軍部とISIとの間のつながりができたのは、この時のことだ。

ブットのISIやタリバンとの関係は、混乱だらけだが、ブットが権力を握っていた時、この双方を支持していたこと、そして熱心に英米の介入を支持していたことは明らかだ。

彼の二冊の画期的な本「タリバン: イスラム過激派、中央アジアにおける石油と原理主義」および「ジハド:中央アジアのイスラム過激派」の中で、アフメド・ラシドは、ブット政権の、ISI、タリバン、「イスラム過激派」、多国籍石油企業の利害、英米高官や、諜報機関代理人たちとのコネの詳細を十分に描いている

著書「ジハド」の中で、ラシドはこう書いている。

「ISIではなく、パキスタンの最近の歴史で最もリベラルで、非宗教的な指導者ベナジール・ブット首相が、中央アジアとの新たな関係にとどめの一撃を加えたのは皮肉なことだ。アフガニスタンにおけるより広範な和平過程の可能性を開いたであろう、より広範な平和過程を支持するのではなく、新たな西欧指向の貿易や、トルクメニスタンから南部アフガニスタン経由で、パキスタンに至るパイプライン経路を作るという性急で押しつけがましい政策でブットはタリバンを支援した。タリバンがこの経路の治安をもたらすはずだった。アフガニスタンにおける子分ガルブディン・ヘクマチアルのカーブル攻略がまるで進まず、タリバンはそうするのに十分な力があるように見えたので、ISIは、間もなくこの政策を支持した。」

著書「タリバン」の中で、ラシドは更に詳しい歴史を書いている。

「ブットが1993年に首相に選ばれた時、彼女は中央アジアへの道路を通したがっていた。いらだつパキスタンの運輸、密輸マフィア、JUIとパシュトウーンの軍部、政治高官によって強く支援された新たな提案がだされた。」

「ブット政権はタリバンを全面的に支援したが、ISIは、彼らの力については懐疑的で、彼等は使えるが、南部の周辺的勢力だと確信していた。」

「アメリカ議会はイランを不安定化するためCIAに2000万ドルの秘密予算を認め、テヘランはワシントンがこの予算の一部をタリバンに注ぎこんだと非難した。この嫌疑を常にワシントンは否定してきた。ブットはワシントンに何人か特使を送り込み、アメリカに、パキスタンとタリバン側についてより公的に介入するよう促した。」

ブットは一つ失敗をした。彼女はアルゼンチンの石油会社ブリダスが提案したパイプラインを頑強に支持し、(アメリカお気に入りの)ユノカルによるパイプラインに反対した。このおかげで彼女は1996年に放逐され、ナワズ・シャリフが権力に返り咲いた。ラシドはこう書いている。

「1996年ブット政府解散の後、新たに選ばれた首相ナワズ・シャリフと、その石油相チョードリ・ニサル・アリ・カーン、軍部とISIはユノカルを全面的に支持した。パキスタンはタリバンにたいするより直接的なアメリカの支持を望み、タリバンを正当化するため、建設を早く始めるようユノカルを促した。基本的にアメリカとユノカルはISIの分析と狙いを受け入れた。アフガニスタンにおけるタリバンの勝利によって、ユノカルの仕事がずっとやりやすくなり、アメリカの承認が促進されるというものだ。」

魅力的で華やかな親西欧風イメージにもかかわらず、ブットの本当の経歴は汚職と便宜供与に満ちている。

よみがえった「対テロ戦争」

英米の主要な戦略地政学的犯罪はどれも、アメリカの軍事諜報組織と直接、間接につながる「テロ」代理人によって練り上げられ、実行されたか、あるいは、諜報組織の要員として遂行すべく操られておきた、都合のよい口実が先行している。ベナジール・ブットの暗殺はそうしたもう一つの暴力的な例に過ぎない。

これはパキスタンの9/11だ。パキスタンのJFK暗殺であり、その衝撃は長期にわたって続くだろう。

大手商業マスコミのニュース報道とは逆に、混乱はブッシュ-チェニーの「対テロ戦争」のためになるのだ。「世界的に治安を強化する」という掛け声が、力強いアメリカの対応、ブッシュ-チェニーによるこの地域全体に対するアメリカが先導する武力や他のやり方でのブッシュ-チェニーによるこの地域全体に対する「取り締まり」の道ならしとなるだろう。言い換えれば、暗殺はアメリカが永遠に撤退しなくなっただけでなく、その駐留を強化することを可能にした。

パキスタンの選挙は、それがもし行われればだが、単純な二者択一だ。親米派ムシャラフか、親米派シャリフだ。

ブッシュ-チェニーの9/11計画の狙いは、成否様々な結果となった一方で、様々な抵抗にも出くわした(「テロ」によっても、また政治的にも)が、「対テロ戦争」というプロパガンダの基盤はしっかりとし、ゆるぎもせず、いつも決まって強化されていることは疑うべくもない。

今やムシャラフに対する唯一の競争相手として現れたナワズ・シャリフについていえば、彼もムシャラフやブット同様、英米の利害つまり、パイプライン、貿易、アメリカ軍事駐留の継続への迎合は伝説的なほどだ。ジャン-シャール・ブリサールとギヨーム・ダスキーが著書Forbidden Truth(禁じられた真実)で書いているように、シャリフの政権を転覆させた、ムシャラフが率いた1999年10月の軍事クーデターは、二つの派閥の敵対意識や、「シャリフの個人的な汚職と政治的な誇大妄想癖」、そして「シャリフがカシミールとアフガニスタン問題について、あまりにワシントンの調子に合わせすぎるという懸念」とがあいまって誘発された。

言い換えれば、どちらの手駒が大統領の座を得ようと、ブッシュ-チェニーの勝利だ。

ラリー・チン

グローバル・リサーチ、2007年12月29日

http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=7699

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テロ以外は、人ごとでないように読めるのは被害妄想だろうか?

属国の政治は、疑似二大政党という独裁政治の帝国本国によって、

A. テロと、傀儡政党大連立の組み合わせ

B. テロは当面ないが、傀儡政党の大連立

の、いずれかを押しつけられるもののようだ。日本の場合はさしあたってB案か。

2008年1月 5日 (土)

子供を洗脳するよう仕組まれた国連のプロパガンダ漫画

スーパーヒーローによって若い世代に吹き込む格好の手段

「マーベル・コミックスと国連は、スーパーヒーローが、世界から戦争と病気をなくす為に国連の機関と協力する姿を描く漫画を共同制作する」とUPI 通信社が報じた。「国連とマーベル・コミックスは、戦争で荒廃した架空の国で、スーパーヒーローが、UNICEF救援活動従事者や国連平和維持軍と共に活動するという漫画を共同制作する。」

この「戦争で荒廃した国」なるものがどこの国をもとにしたかは明らかにされていないが、私から例を挙げさせてもらおう。ユーゴスラビアだ。この例では、アメリカ合州国は密かにテロ集団、いわゆるコソボ解放軍を援助し、多少はドイツBNDの協力も得て、NATOによって送られた「アルカイダ戦士」で軍を満たした。

計画どおり、このプロジェクトはユーゴスラビアの社会的、人種的分離に油を注ぐのに役立ち、「平和維持」作戦におあつらえむけの状況を造り出した。これはIMFや銀行家がユーゴスラビア経済の破壊を進め、第三世界化と計画的貧困化を導入することも助けた。

当局の台本をそのまま報じる大手マスコミが大いに貢献し、25,000人から100,000人のイスラム教徒女性を強姦するよう彼が軍隊に命じたと攻撃したことで、スロボダン・ミロシェヴィッチは、サダム・フセインに続いて、「新たなヒットラー」となった。

国連とその人形使い、アメリカ合州国の命を受け、NATOは、その憲章にもろに違反してユーゴスラビアを爆撃した。「ユーゴスラビアはどのNATO加盟国も攻撃してはいない」マイケル・パレンティは書いている。「アメリカの指導者達は国際法や外交を無視した」もっとも、「ベトナム、ニカラグア、パナマ、イラクあるいは他のならずもの国家にたいするやり口を見ればわかるように、アメリカの外交というのは、もちろん全く別物なのだ。」

「国連は、いくつかの西欧諸国による一方的な外交活動で損なわれてしまった国連の国際的イメージを、子供たちに国際協力の価値を教えることによって改善したいと願っている」UPIは続けている。「まずは漫画を、およそ百万人のアメリカの子供に配るが、この最初の配布に続いて、より多くの国の子供たちに届けたいと願っていると国連は言っている。」

国際協力とは、例えば、中世的な経済制裁のもとで500,000人ものイラクの子供の計画的な虐殺や、胸の悪くなるような正確さで展開されたルワンダでの大量虐殺のことだ。実際、我々が商業マスコミ経由でそういう事実を知ることは決してないが、過去長年に亘って「人道的な」国連が訴えられてきた悪事のごたまぜがある。

「国連平和維持軍は、世界中で様々な犯罪やスキャンダルに関与してきた」とスコッツマンが2002年に報告している。

    国連のソマリアでの平和維持活動中、カナダ、ベルギーとイタリアの兵士が拷問と殺害に関与していたといわれている。

    1993年のカナダ政府による一人の若いソマリア人男性に関する調査で、彼がソマリア軍によって殺されていたこと、そして残虐行為を隠蔽しようとして、高官が噓をついたことが判明した。二人の兵士が投獄された。

    ベルギーでは、二人の兵士が一人のソマリア人少年を抱えて火にかざしている写真を新聞が掲載した。三人の空挺部隊員が告訴されたが、軍事法廷で放免された。

    あるイタリアの雑誌は、同国のエリート空挺部隊の兵士が、明らかに裸のソマリア人を電極棒で拷問し、ソマリア人女性にわいせつ行為をしている様子の写真を掲載した。ソマリアでイタリア軍を指揮していた二人の将軍が辞職した。

    2000年1月国連は、その歴史始まって以来初めて、何十万人ものルワンダのツチ族を自宅から追い出した大量虐殺犯罪に対する共犯として訴えられた。

    二人のルワンダ人女性は、自分たちの家族を守るべきはずなのに、家族を殺人者に引き渡したり、撤退してしまったりしたことで、国連を告訴した。

    この二人の女性の家族は、フツ族によって800,000人が虐殺された(そのうち大半がツチ族だが)1994年大量虐殺の中で殺された。

    ボスニアでは、20人以上の国連平和維持軍兵士が、窃盗と汚職のかどで、任務から追放された。ほぼ4ダースの連中が、病院で精神病患者を虐待したかどで帰国させられた。カナダの国連平和維持軍兵士は、ある十代の精神障害の少女に対する強姦、打擲と、わいせつ行為で訴えられた。

こうした事実のどれひとつとしてマーベル社の漫画本に載ると期待してはならない。

Kurt Nimmo

Truth News

2007年12月30日

http://www.truthnews.us/?p=1473

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アニメ、漫画大国日本では、あの民主党代表の肝入りで、超党派大連立でこの漫画の日本語版がまかれるようになるだろう。

訴えられる国連平和維持軍兵士の中に、日本国籍兵士が混じるのも、もう間近。

2010/2/18追記:

ハイチ地震のどさくさにまぎれて、属国支配の為に、属国が軍隊を派遣した。本当に、地震後の福祉対策のためなのであれば、工兵部隊を派兵するだろう。さにあらず、派兵されたのは中核の戦闘部隊らしい。

アメリカの海兵隊に相応する人々なのではと想像している。派兵部隊の出発の式典程度しか、マスコミ報道では読み取れない。素人には、傭兵としての派兵そのものとしか思われない。何の異議も申し立てない社民党、もはや歴史的役目を終えたのだろう。党の完全消滅も遠い未来のことではないだろう。

2008年1月 4日 (金)

ブットをひいきにしていた外交問題評議会

2007年12月30日 Kurt Nimmo

外交問題評議会は、腐敗した大統領候補ベナジール・ブットのほうを、暴虐な独裁者ペルベス・ムシャラフよりもひいきにしていたので、彼女の暗殺は若干の後退ということになる。予想通り、外交問題評議会は、パキスタンの政治的な罠の中に、自分の鼻、というよりアメリカの鼻を突っ込むよう奨励している。

外交問題評議会の上級研究員ダニエル・マーキーによれば、「ワシントンの選択肢の中には」「軍や民間の政治リーダーと協力して、ムシャラフ大統領を排除できるようにする」案もある。言い換えれば、外交問題評議会のグローバリストにとって、肥やしの中深く入り込むことは、常に選択肢の一つであり、それがお好みの選択肢であることも明らかだ。

外交問題評議会は8月「特別会議」を開催し、ブットを招き、彼女に「デモクラシー」について説明させたことを想起しよう。つまり、彼女が盗賊政治を再び行う立場にたつのを弁明する機会を与えたわけだ。

2003年、スイスの裁判所はブットと彼女の夫、アシフ・ザルダリに、何百万ドルものマネー・ロンダリングに対する有罪判決を出し、「執行猶予6カ月、それぞれに50,000ドルの罰金を科し、200万ドル以上の金をパキスタン政府に支払うよう」命じたとBBCは報じている。ジュネーブの裁判官ダニエル・ドヴォーは「二人は何百万ドルもスイスの口座に不法に預金し、金をパキスタンに送金するよう要求していた。」と言った。

「1998年スイス当局は、ブットと彼女の家族のものであるスイスの口座に、およそ1380万ドル預金があるのを発見したと語った」とサンフランシスコ・クロニクルは報じている。「スイスとパキスタンの捜査官たちは、この金の大半は、1980年代末と1990年代にブットが首相だった頃のパキスタン政府との仕事の見返りとして、世界最大の通関検査会社の一社ソシエテ・ジェネラル・ド、サベイランスから出ていたと主張している」

予想通り、こうした汚職の罪やらスペインでの犯罪は、線香花火のように消えてしまった。ブットはお気に入りの娘なのだ。「ペルベス・ムシャラフ将軍は、ブットを無数の汚職犯罪に対して免責した」ガイ・ランドルがクライキー誌に書いている。「同時に彼は代替の選択肢になりそうな反対派リーダーを根こそぎ拘留した。元高裁長官チョードリや何百人もの弁護士、元クリケット選手で政治リーダーのイムラン・カンに至るまで。ブットが選挙で勝って、ムシャラフと彼の取り巻き連中には閑職を与えるという話を、ムシャラフはまとめていたのだと指摘する向きもあろう」

高圧的なムシャラフはワンワールド主義者にとってのやっかい者だったので、明らかに、ブットは、再起するよう仕立て上げられていたのだ。だがパキスタンの誰かがそれには合意せずに、有罪判決を受けた犯罪人ブットを殺害した。

これも冷酷な暴力団が権力を得ようと画策する世界新秩序における普通の出来事だ。

今や外交問題評議会とその仲間は汚れたムシャラフを置き換える為の新たな手先を探さなければならなくなった。

Truth News

http://www.truthnews.us/?p=1470

2008年1月 1日 (火)

アメリカとイギリス:「風土病的監視社会」カート・ニンモ 07/12/31

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人権保護団体で、監視とプライバシーに関する監視団体であるプライバシー・インターナショナルによると、
プライバシーと政府による監視という点で、イギリスとアメリカ合州国は最低の範疇に入るという。「ギリシャ、ルーマニアとカナダが最高のプライバシー保護 of ロンドンに本拠をおくプライバシー・インターナショナルが調査した47カ国の中で、マレーシア、ロシアと中国が最悪だった」とAP通信社は報じている。

プライバシー・インターナショナルの理事長サイモン・デーヴィス氏は「全般的な傾向はプライバシーは各国で続々と消滅しつつある。しっかりしたプライバシー保護を続けるものと期待していたドイツやカナダのような諸国さえもが、泥沼に沈みつつあり… 過去五年間、監視イニシアチブの話がうんざりするほど繰り返されてきた」と語っている。

アメリカ合州国では、民主党が議会を掌握した後も、何も変わっていない。「いくつかのプログラムが廃絶され、あるものは再検討されるものと期待していたが、そういうことにはなっていない」とデーヴィス氏は言う。

当然、変わるわけなどない。民主党は、共和党と同じの、グローバル支配を求める変質者どもから指令を受けているからだ。カナダやドイツのような抵抗勢力ですら「監視イニシアチブ」を実施し始めていることすらも、驚くにはあたらない。世界的支配の格子という考え方は、いかなる国をも例外としない。報告書は言う「プライバシー保護は西欧中で悪化しているが、東欧の旧共産主義諸国では良くなっている。」後者はかつては厳格な監視社会として知られていた。

「事実は、現代的な監獄惑星(プリズン・プラネット)の実現方法は、オーウェルの「1984年」すらも超えており、我々の社会とハクスリーやオーウェルらが小説化した世界との唯一の違いは、プロパガンダを包みこむのに使う宣伝技術が表面的に若干洗練されているだけに過ぎない」とポール・ジョセフ・ワトソンは書いている。「それでも幕の後ろをちらりとでも覗いてみれば、人間に、監禁状態を受け入れさせ、他の連中も鉄格子の無い監獄の中に閉じ込める為に、昔ながらの、恐怖による人心操作やら、でっちあげた民意という戦術が依然として使われていることがわかる。」

プライバシー・インターナショナル報告を読むと、「テロリズムや、入国管理や国境の治安に対する懸念のおかげで、往々にして個人のプライバシーに対する配慮もなしに、本人確認や指紋確認システムの普及が進んでいる」かのように思い込まされる。実際、こうした報告は、まさにでっち上げの偽装にほかならず、ワトソンが示唆しているような「恐怖による人心操作や、でっちあげた民意という昔ながらの手法」の本質的な一部なのだ。

「我々はこの結果に意気消沈するべきではありません」プライバシー・インターナショナルのデーヴィス氏は語る。「プライバシー重視のシステムが今後現れ、消費者は間もなく、プライバシーは政治的な問題であることに気がつくようになるというのが私たちの見解です。」

残念ながら、これは希望的観測だ。政府は益々究極的な侵入、つまり我々の生理にもとづく生物測定法による監視とモニターに向けて動いており、メキシコ政府の場合のように、バイオチップ技術によって、人間を家畜のように追跡しようとしている。

支配者たちは大衆に対して科学的な独裁制を押しつけようと決めているが、それは監視と追跡から始まるのだ。「これは鉄格子の無い牢獄だ。これはイギリスの哲学者ベンサムが考え出した、パノプティコン、つまり囚人からは見られることなしに、看守が個々の囚人を常時監視できるように作られた監獄だ。これはビッグ・ブラザーの悪意に満ちた、注意深い凝視のもとに、全ての国民をしっかりと囲い込む巨大で、強力で、遍在する大衆監視、追跡管理の格子を作り上げようとする、益々加速する西欧政府の動きの報告だ」とワトソンは書いている。「今や我々の周囲に張りめぐらされつつある監獄惑星(プリズン・プラネット)のインフラストラクチャーの諸装置と比べれば、オーウェルの「1984年」などピクニックのようなものだ」

カート・ニンモ

Truth News

2007年12月31日

http://www.truthnews.us/?p=1475

属国である日本も、当然、同じ風土病を患っている。

監視テレビだけではない。悪評高い指紋を要求する成田の入管システムやら、電子投票制度などをすぐに思いつく。

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