ドルは90パーセント下落する:ジェラルド・セレンテ
Kurt Nimmo
TruthNews
2007年11月24日
ジェラルド・セレンテは、月並みな頭のおかしな破滅論者とは違う。トレンド・リサーチ・インスティチュート所長のセレンテは、サブプライム・ローン金融恐慌とドルの没落を一年前に、金の値上がりを5月に予想していた。彼は1997年のアジア通貨危機とソ連崩壊も予言していた。「今生きている人々の誰も、これまで見たことがないような経済状況を経験することになる」と彼はUPI通信社に語っていた。
ちょっとお待ち頂きたい。これでは、いわゆる「大恐慌」を生き抜いた人々まで含まれるではないか。セレンテは「2008年恐慌」は大恐慌よりひどくなると考えているのだろうか? どうもそのように見える。
「2008年の恐慌は、アメリカの生活水準の低下をもたらす」と彼は言う。
「私は未来が見える水晶玉を持っているわけでもなく、強力な念力を持っていると主張するわけでもないが、来年の感謝祭シーズンは、今年のそれとは劇的に違っているだろうということになら、何でも賭ける覚悟だ」とキャロリン・ベーカーは書いている。
「ドル急落ヒステリー、途方もないレベルの借金、抵当物受け戻し権喪失、破産、失業、エネルギー枯渇、石油や食料品価格の急騰、健康保険適用無しの医療、あるいは、単なる無治療、前例のないレベルのホームレス、そして全ての状況を勘案すると、2008年の数カ月で、アメリカは、1929年の再現、あるいは何か思いも寄らぬほど酷いものへの道をまっしぐら」という状況に我々は直面している。ベーカーは苛立って言っている。「これは古き良き昔です。皆さん。そしてそれはまた新たな暗い日々です。感謝祭おめでとう。せめて一口ずつ良く味わおうではありませんか。」
「デリバティブのディーラー、ヘッジ・ファンド、企業買収専門会社や他の市場関係者たちも破綻するだろう」とセレンテは予言している。
最近発表されたシティグループやジェネラル・モーターズのような企業の大欠損が、「ここしばらくは」ごく当たり前となる、と彼は言う。
「もしも大企業が倒産に至っても驚きません…」と語っている
しかしながら、大企業によっては、儲けるところも出よう。とりわけ不動産で。「不動産については、火事場泥棒状況になるでしょうが、それは現金を持っている連中にとってであり、中流階級の人々にとってではありません。楽に維持したり、支払ったりできないような大きな抵当があれば、家を失うのです」経済の専門家で、現れつつある北米連合の敵ジェローム・コルシは、アレックス・ジョーンズに昨年8月こう語っていた。「既に豊かな組織と個人だけが儲けられるような火事場泥棒状況がやって来ますが、普通の人が儲ける機会はありません。」
コルシは、今起きている現在の経済危機は仕組まれたものだと信じている。「グローバリズムへと向かう動きとして、またもや仕組まれていて、流動資産を市場の刺激用に注ぎ込んでいるのは、全く意図的なものです。」
連邦準備制度理事会は今や全くのジレンマにおちこもうとしている。ドルを守るために金利を上げれば、経済を更に駄目にし、住宅市場の危機を更に深刻化する。今起きているのは経済停滞で、本当の収入の喪失、本当の富の喪失、と同時のインフレーションなのだ。ドルの下落とともに、当面の問題から脱出できる方法として提案されれば、アメロなりいかなる地域的解決策なりを、人々が受け入れるような方向に、危機は誘導されるだろう。
これは、チェス盤の新たな置き直しだ、というよりもむしろ、チェス盤をひっくり返して、駒を全部捨てるということだ。
「これまで見てきたアメリカ合州国地域経済、北アメリカ連合創造というゴールラインにたどり着く競争の中で一番早い競争だ。エリート達は、この機会はもう二度とないかのように動き回っている。この戦いが戦われているのは最後の瞬間なのだ。彼等は今回は勝てると信じており、北アメリカ連合が作れるかいちかばちかやる気で、ドルは大暴落させるつもりだ。」
スチーブン・ワトソンは、Infowarsで、下記のように要約して書いている。
アメリカ経済の衰退は、我々に対しては依然として、経済混乱に対する解決策として提示されている、きわめて略奪的なグローバリストの政策によって引き起こされている。IMFや世界銀行のようなグローバリストの吸血鬼、つまり中央銀行と私益エリートは、第三世界のエネルギーをすっかり奪いつくし、今や先進国の奴隷化に力を注いでいる。
単一通貨と「経済新秩序」は、グローバル支配への道の大きな一歩だ。ヨーロッパは既に強い単一通貨を持っており、ドルの余命はいくばくもないように見える。貨幣が私企業によって印刷され、流通している現状では、他国通貨との併合に対する要求が出たとて驚くべきことがあるだろうか?
もちろん、この「経済新秩序」を実現するためには、たくさんの人々が苦難を味わうほかなく、もしジェラルド・セレンテを信じるならば、それは、いわゆる「大恐慌」の間に祖父母、曾祖父母達が味わったものよりひどい。」
「今になっては疑うべくもない。天文学的数字のドルを「低い金利」でシステムに注ぎ込む連邦準備制度理事会議長アラン・グリーンスパンの計画は、巨大な怪物-未曾有のバブルと、深い経済緊縮への舞台を生み出したのだ」とマイク・ホイットニーは書いている。「グリーンスパンのインフレ政策は「貧富の格差」を拡大し、階級の間に、より大きな経済的両極化を生み出すように作られていた。不動産バブルがはじける頃には、何百万人もの労働者階級のアメリカ人が、自分の住宅の現在価値より遥かに高いローンを支払う状態に取り残されるだろう。これは必然的に、より深い社会的隔離を、ローン奴隷という永久的な底辺層を、生み出す可能性が極めて高い。」
グリーンスパンは、バーチャルな破産状態へと国民を見事に導き入れた。実際、アメリカの今の状況と、大恐慌に先立つ期間の類似は目を見張るようだ。「信用取引」の株購入によって、市場で膨大な借金が積みあがる間、不動産抵当負債も、2000年から2006年の間に、4.8兆ドルから9.5兆ドルへと急増した。いずれの場合も「資産効果」が、成長のように見える消費景気を引き起こしたが、実際は、経済活動を動かす借金の、着実な、潜行性の拡大だった。いずれの期間においも、給料は平坦か下がっており、金持ちと労働者階級の間の溝は年々極端になっていった。
これを「新たな封建主義」と呼ぼう。
http://www.truthnews.us/?p=964
(訳注:ジェラルド・セレンテは著名な未来予測専門家。翻訳された著書に、トム・ミルトン共著「ビジネス・トレンドの読み方 チャンスをつかむメディア活用法」金山宣夫訳、TBSブリタニカ、1991 原題"The System to Profit from Todays Trends"および「文明の未来. 政治経済からビジネスまで」原題"Trend 2000"1998年、飯田雅美訳、日経BP社がある。)
オルタナティブ通信、1000年のスパンでみたサブプライムローン問題で、この記事の「グローバリズムへと向かう動きとして、またもや仕組まれていて」についての部分が触れられている。
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