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2008年1月17日 (木)

北朝鮮が偽100ドル札の黒幕である証拠はほとんどない

Kevin G. Hall

Global Research, 2008年1月14日

マクラッチー新聞

ワシントン

二年前、北朝鮮の独裁体制を孤立化させ、財政的に破綻させるキャンペーンを強化しながら、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、北朝鮮政府が偽造アメリカ紙幣を印刷していると非難した。

「誰かがアメリカの紙幣を偽造している場合、その連中を止めさせたい」ブッシュは2006年1月26日に語った。

だがマクラッチー紙の10カ月間の三大陸にわたる調査の結果、北朝鮮に対するブッシュの非難を裏付ける証拠はよくても不確実なものであり、ニュースに引用される脱北者の主張は疑わしく、恐らくはいんちきであることがわかった。

主要な法執行機関であるスイス連邦刑事警察偽造通貨局は、北朝鮮がほぼ完璧な偽造100ドル札を作る能力があることさえ疑問視している。

北朝鮮による偽造にまつわるアメリカ政府の主張の多くは、アメリカと外国の新聞向けに脱北者とのインタビューを設定した韓国人に端を発する。結果として報道されたニュースは国会議員、調査員、政府高官に引用された。

しかしながら、いくつかの話の主な情報源であるKim Dong-shikは姿をくらました。元ルームメートのMoon Kook Hanは、Kim Dong-shikは金のために、嘘をつく人物だと語っている。

アメリカによる告発、試される

アメリカの告発に対する最初の国際的テストは、 2006年7月、ブッシュ政権の要請で、アメリカが北朝鮮を相手どる事件として、国際刑事警察機構インターポールが中央銀行当局者、警察や、紙幣印刷機業界幹部を招集した時のことだった。

フランスのリオンで会議が開かれた後、国際刑事警察機構は2005年3月に、アメリカ合州国の要請で、会員諸国に、紙幣印刷機、用紙あるいはインクの北朝鮮への販売を禁止することを呼びかけるオレンジ・アラートを発行した。

60人以上の専門家を招集しても、偽造と戦う主要なアメリカ政府機関である財務省検察局は、持ち合わせていると主張する証拠の詳細は決して提供せず、諜報情報を引用し、集まった人々にアメリカの主張をそのまま信用して欲しいと要求したのだ。

最も決定的な反応は、2007年5月、偽造貨幣調査が業務で、アメリカの通貨当局と協力してきたスイス連邦刑事警察偽造通貨局から現れた。

ワシントンにより多くの証拠を提出するよう呼びかけながら、スイスは北朝鮮がほぼ完璧な偽札の黒幕であることを疑問視していると語った。

スイスの警察当局は北朝鮮自身の貨幣が「それほど酷い品質であり、一体この国が高品質のスーパーノートを印刷する立場にあるのかさえ自動的に疑わしめるものだ」と述べた。

これまでに表面化した最も確実な証拠は、1990年代後半に100万ドル以上の偽札、その大半をモスクワの北朝鮮大使館から、ヨーロッパに輸送したとされるアイルランド共和国軍分派の指導者シーン・ガーランドの2004年の起訴だ。

ガーランドは今、アイルランド共和国にいるが、アイルランド大使館はアメリカ合州国は彼の引き渡しを要求していないと言う。

様々な見解

北朝鮮に対する主張推進を助けた元アメリカ当局者達は、アメリカ政府がどのようにしてその結論に達したかについて様々な見解を述べている。

北朝鮮の犯罪活動にまつわる詳細を集める国務省の作業部会の取りまとめ役だったデビッド・アシャーは、部会は偽造の証拠を捜し出しており、主張の正しさを証明するのに諜報情報に頼る必要はないと語ったが、詳細を話そうとはしなかった。

北朝鮮が偽札の黒幕だという証拠を要求された時、8月8日にブッシュは言った。「諜報上の機密事項について自由に話す立場にない。」

国務省諜報部の長を2003年に辞めたカール・フォードは、自分自身「独自判断をするに足る諜報情報など全く見たことがない」と語っている。

しかしイラクが大量破壊兵器を持っていたという政府の誤った主張に反対して辞職したフォードは「政府が北朝鮮に関わる詳細情報を公開したがらないのでは、試験に落第だ」と語っている。

いまも世界中の銀行がほぼ完璧な偽札を没収している最中であるにもかかわらず、ブッシュ政権はもはや北朝鮮が偽札を印刷していると公的に非難するのを止め、北朝鮮の核兵器計画中止にまつわる交渉の話題から外したと国務省高官は述べている。

容疑者

元印刷局長のトーマス・ファーガソンのような業界専門家達は、偽札が余りに良くできていて、政府の印刷機を使える誰かによって作られたように見えると語っている。

専門家の中には、おそらくはイランがこの札を作ったと言う者もいる。ロシアあるいは中国の犯罪組織だという人々もいる。

"Moneymakers: The Secret World of Banknote Printing"の著者であるクラウス・ベンダーは、偽札は余りに良くできており、アメリカの政府機関、例えばCIA等でしか作ることができないと語っている。

立証はされていない疑惑だが、一つの前例がある。彼の新刊CIAの歴史本で、ジャーナリストのティム・ウェイナーは、この組織が如何に貨幣を偽造し、ソ連経済を弱体化させようとしたかの詳細を描いている。

「当然ながら、それがいかに馬鹿げていようといまいと、そのような主張に対して我々はコメントしない」とCIAの広報担当者マーク・マンスフィールドは述べた。

Global Research記事  Kevin G. Hall

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http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=7792

もとになっているのは下記の記事。こちらより大分詳しい。

http://www.mcclatchydc.com/homepage/story/24521.html

原田武夫国際戦略情報研究所公式ブログは上記マクラッチー紙に触れている。

ついには香港メディアでも噴出した「正論」

原田武夫氏の最新刊「北朝鮮VS.アメリカ -「偽米ドル」事件と大国のパワー・ゲーム」、(ちくま新書)が、まさにこの話題を扱っている。

こうした報道とは逆の立場にたつ有名ジャーナリストの手になる話題の小説、一体どのような役割をはたしたのだろう。垂れ流しは許されない。

既に池田信夫blogでも「北朝鮮VS.アメリカ」として、本書は簡潔に紹介されている。

暗いニュースリンクには、下記の通りマクラッチー紙記事の翻訳がある。

米マクラッチー紙報道:「北朝鮮のドル紙幣偽造」はガセネタ

野次馬根性から、同趣旨の下記記事を以前、訳したことがある。

金正日ではなくCIAが偽ドルを作っていると専門家は主張

---------

下記の関連記事、なかなか詳しい。

North Korea and the Supernote Enigma
By Gregory Elich
2008年4月14日
Korean Policy Institute
http://www.kpolicy.org/projects-spotlight.html

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