オハイオ州選挙管理当局者、投票装置に欠陥があったと語る
ボブ・ドリーハウス
2007年12月15日公開
ニューヨーク・タイムズ記事
シンシナティー発
選挙投票で、かろうじてブッシュ大統領の二度の選出をもたらした州、オハイオで使われた五つの投票システムの全てに、2008年総選挙の無欠さを台無しにしかねない致命的な欠陥があることが、同州の選挙管理幹部に委託された報告で判明した。
「レポートについて、選挙管理役、州務長官のジェニファー・ブルンナーは、予想していたよりも酷かった、と語っている。「多分いずれかのシステムの方が、他よりは良いという結果になることを期待していたので。」
投票場で、研究を行ったチームは、メモリー・カードにアクセスする鍵をこじあけることができ、装置に偽の票数計算を入れるのには携帯型機器を用いた。選挙管理委員会で、チームは、悪質なソフトウエアをサーバーに導入することができた。
ブルンナー氏は、オハイオの88中、50以上の郡で使われているタッチ-スクリーンを含め、同州の投票装置を全て入れ換えるよう提案した。投票者が手で記入した投票用紙を読み取って、電子的に記録する光学スキャニング装置を全ての郡で使って欲しいと彼女は望んでいる。
来年十一月の大統領選挙で新たな装置が使えるようにするには、四月までに立法と資金調達が必要だと彼女は主張している。変更にかかる費用は推測できていないと語っている。
投票問題の実績があるもう一つの激戦州フロリダも、タッチ-スクリーン装置を止め、光学スキャニング方式のものに切り換える。そうしたシステムは、専門家たちがこの装置の方が他の装置より信頼性があると言っており、大半のタッチ・スクリーンとは違い、数え直しのため紙の結果が残ることから、受けが良いのだ。
民主党員のブルンナー氏は、オハイオで、2004年選挙を監視すると同時に、ブッシュ大統領の再選キャンペーン副議長を勤めて、攻撃の的となった共和党員J. ケネス・ブラックウェルの後任だ。
2000年と2004年の選挙で一時間にも及ぶ行列の問題がトップ記事となり、数え直しで不正を行った罪で二人の選挙作業人の有罪判決がだされたクリーブランドを含むクヤホガ郡でのスキャンダル後、投票を徹底的に調査するという約束の一部として、彼女が研究を命じたのだ。ブルンナー氏の事務所が、一時的にその郡の選挙管理委員会を掌握している。
金曜日に発表された研究で、イレクションズ・システムズ・アンド・ソフトウエア社、プレミア・イレクション・ソリューションズ(旧ディーボルド社)、およびハート・インターシビック社製の投票装置と中央サーバーが、簡単に改竄されることが判明した。
プレミア社の広報担当者、クリス・リッゴールは、ハードウエアとソフトウエアの問題は、2008年には設置可能になる同社の新製品では修正されている、と語っている。
「オハイオなりアメリカ合州国のどこかで、選挙投票システムに対する攻撃がうまくいったことが文書になった例は一つもないことに留意するのが重要です。」と彼は言う。
イレクション・システムズ・アンド・ソフトウエア社の広報担当者、ケン・フィールズは、報告書所見のいくつかについて、同社は強く反対すると語った。「選挙分野における、わが社の35年間の経験が、イレクション・システムズ・アンド・ソフトウエア社の投票装置技術が、正確で、信頼性があり、安全に守られていることを証明していると申し上げられます」と彼は述べている。
190万ドルの連邦政府資金をかけた研究では、平行評価をするために、企業および学者のチームが編成された。12の選挙管理委員会の委員長と副委員長の超党派グループが顧問として働いた。
クリーブランド州立大学、ペンシルバニア州立大学、カリフォルニア大学、サンタ・バーバラ、およびペンシルバニア大学の教員と学生で構成された学者チームは、体系的な変更が必要だと述べている。「検討したシステム全てに致命的な警備上の欠陥があり、システムの技術的な制御は、信頼できる選挙を保証するには不十分である」とチームは書いている。
投票装置を入れ換えることに加え、ブルンナー氏は、経費削減手段として、5つ以下の投票区用の投票場を廃止し、投票日の15日前の期日前投票を導入するよう提案している。
写真は、オハイオ州の投票システムの研究に関するコロンバスにおける記者会見でのオハイオ州務長官ジェニファー・ブルンナー
http://www.nytimes.com/2007/12/15/us/15ohio.html?_r=2&oref=slogin&oref=slogin
天木直人氏の下記ブログでも、電子投票についての疑念が書かれた。もっともな御意見だが、最後の一行だけは全く賛成できない。小選挙区制、二大政党制、郵政選挙をあおるマスコミが、改心する可能性があるだろうか?
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