« チャーリー・シーンの「米政府が9/11事件を隠蔽工作」発言で激震 | トップページ | ブラックウォーター・スキャンダルにおける好戦的底流 »

2007年10月 6日 (土)

ネオコン「ゴッドファザー」ノーマン・ポドレツ、 ブッシュに語る。イランを爆撃せよ

ネオコン「ゴッドファザー」ノーマン・ポドレツ、 ブッシュに語る。イランを爆撃せよ

ザ・サンデー・タイムズ

2007年、9月30日

サラ・バクスター、ワシントン

ネオコン思想創始者の一人が、核兵器の入手を許すよりは、イランを爆撃すべきだとジョージ・W・ブッシュ大統領を非公式に促した。

首席海外政策顧問としてルドルフ・ジュリアーニの2008年大統領キャンペーンに加わったネオコン運動の知的教祖、ノーマン・ポドレツが、この春遅く、ニューヨークのウォルドーフ・アストリア・ホテルで、ブッシュと非公開の会合を持った。

この会合は、過去数年にわたるかなりの死傷者数にもかかわらず、ホワイト・ハウス上層部に対する、ネオコンの揺るぎない影響力を露している。

ホワイト・ハウスで、依然としてブッシュ首席補佐官代理として働いているカール・ローブがメモを取った。だが45分続いたこの会合は大統領の予定に載っていなかった。

サンデー・タイムズとのインタビューで「ブッシュに、イラン核施設に対して行動するよう促し、なぜ他の代案はないと考えているかを説明した」と77歳のポドレツは述べた。

「私は最悪の場合のシナリオ-イラン爆撃、対、イランが核爆弾を入手するのを許した時の最悪の結果とを示した。」

彼はブッシュにこうも語った。「あなたは、もう一つのホロコーストを防ぐという最高の責任を負っている。あなたは、そうするだけの胆力がある唯一の人物だ。」大統領は非常に真面目そうを表情だった、とポドレツは語った。

ほとんどの時間、ブッシュは耳を傾けるだけだったが、ネオコン仲間のロバート・ケーガンが、イランに対して国連経済制裁を遂行し続けることの有効性について使ったセリフ、「無益なものに、チャンスを与える」をポドレツが口にした際、大統領もローブも笑ったと言う。

「彼は私に同意するかどうかについてはいかなる素振りも見せなかったが、とても熱心に聞いていた。」とポドレツは語る。

それでも、「イランに核兵器を入手させたり、あるいは復帰不能限界点に至らせたりしたまま、ジョージ・ブッシュが大統領官邸を去ることはあるまい」とポドレツは確信している。復帰不能限界点とは、イランが核兵器を製造するのに十分な技術的能力を取得することを意味している。

「イランに核爆弾の入手を許すようなことがあれば、自分は歴史的な被告席に置かれてしまうだろう、と何度か大統領は言った。大統領は、脅威が完全に具現化するまで待ったりするのは、待ちすぎだと考えている。私はこれに100%同意する。」イラン大統領マフムード・アフマディネジャドが先週国連で、イランの核開発計画に関する議論は「終わった」と宣言して以降、イランを如何に押しとどめるかという課題が、改めて緊急度を要するものとなったとポドレツは言う。

イランは平和用途の核エネルギーを得ようとすることに対し、「傲慢な大国連中」が課するいかなる経済制裁をも無視するだろうとも、彼はつけ加えた。

フランスのニコラ・サルコジ大統領は、きっぱりと言った。「彼らの計画は軍用を狙っていることは誰でも知っている。」ただし、イランに対するより強力な経済制裁をという彼の主張は、それ以上の遅れに鑑みて、無視された。

国連安全保障理事会は、ロシアと中国との膠着状態に直面して、金曜日、核開発計画に関する国際原子力機関 (IAEA)の質問に対するイラン回答に十一月までの猶予を認めた。

イランのナタンツ・ウラン濃縮施設の存在を最初に暴露した、論議を呼ぶ反対派組織、イラン全国レジスタンス委員会が、イランはナタンツの南三マイルにある、花崗岩の山の下に、秘密地下軍事施設を建設して、国際原子力機関を騙していると、先週発表した。

インで最も有力な親政府派新聞の一紙ケイハンは、「なぜ戦争にならないか」という題の最近の社説で、公開されているもの以外の核プロジェクトがあることをほのめかしている。「イラン核施設は発表された場所だけに限られているのだろうか?」と同紙は問うている。

「アメリカは、万一こうした施設を破壊すれば、イランの核計画を完全に根絶する、あるいは、少なくとも、かなり長期間遅らせられるという確信があるのだろうか?」

イラン革命防衛隊の幹部で、イランの精神的指導者アヤトラのアリ・ハメネイの側近であるホセイン・シャリアトマダリが編集する同紙は、アメリカの軍事行動に関する「けんけんごうごうの騒ぎ」は「イラン人を脅すことだけを狙った心理戦争」だと結論づけた。

社説は、アメリカの軍事と諜報組織の情報源が、疑わしいイラン核施設全てが特定されているわけではないこと、他の施設がイランの山岳地帯の貫通できないほど地下深くに作られている可能性があると認めている等、いくつかの泣きどころにも触れている。

中東アメリカ軍司令官のウイリアム・ファロン海軍大将は、先週「年中、戦争をするぞと言い続けるのは役にたたない」と述べた。だが、「イランに対する圧力は継続する。我々はこの地域では、実に、非常に堅固な戦力を有している。特にイランと比較して。これは是非国民皆には、念頭に置いて貰いたい事実だ。」とも付け加えている。

ポドレツはブッシュに、アメリカは、核兵器を用いずとも、イランを軍事的に攻撃することは可能だと考えていると話した。「私は核兵器の利用には反対で、それが必要だとも思わない。」と彼は言う。昨春英国海軍捕虜をイランが捕縛したことに対するイギリスの対応で、テヘランの指導者たちは、核保有国になれば更に一層大手を振って行動できるだろうと確信したに違いないとポドレツは考えている。

ポドレツは、新刊書「第四次世界大戦:イスラム・ファシズムに対する長い闘い」の中で見解を展開した。彼が第三次世界大戦と呼ぶ冷戦、つまり42年間続いたイデオロギー戦と、かなりの共通点があると彼は信じている。

「今起きていることを理解する鍵は、これを我々の文明に対する冷戦時の全体主義的な挑戦の後継者として見ることだ」と彼は言う。

イラク、アフガニスタンとイランは、同じ長い闘いの、異なる前線にすぎないと彼は確信している。

ネオコンという言葉が発明される前から、自身をネオコンと称していたポドレツは、「反体制派のインテリたち」の小さな集団から、ロナルド・レーガンの、そして後にはイラク戦争の背後の知的勢力の一つにまで、運動が発展する様を見つめてきた。

その過程で、副大統領ディック・チェニーの元首席補佐官「スクーター」リビーや、前世界銀行総裁ポール・ウォルフォウィッツといった重要な連中が失脚した。「狙い撃ちにされた仲間もいれば、意気阻喪したものもいる」とポドレツは語っている。

しかし、このネオコンは、最近ロンドンで核武装したイランなど許せないと語った共和党の大統領選本命候補ジュリアーニが、海外政策を立てる手伝いをしているわけだ。

ポドレツは自説イスラム・ファシズムを、この前ニューヨーク市長に既に説明している。「彼はこれを第四次世界大戦とは呼ばなかったが、そう思っていることは知っている」とポドレツは語っている。

ビデオを見る(YouTube)

CNNによる共和党大統領候補討論の中で、ジュリアーニは、イランの核エネルギーを破壊するために、核兵器の使用も考慮すると語った。(2007年6月)

http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/us_and_americas/article2558296.ece

« チャーリー・シーンの「米政府が9/11事件を隠蔽工作」発言で激震 | トップページ | ブラックウォーター・スキャンダルにおける好戦的底流 »

イラン」カテゴリの記事

アメリカ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« チャーリー・シーンの「米政府が9/11事件を隠蔽工作」発言で激震 | トップページ | ブラックウォーター・スキャンダルにおける好戦的底流 »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ