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2007年7月

2007年7月19日 (木)

オサマ:さらなる賞金、さらなるたわごと

オサマ:さらなる賞金、さらなるたわごと

2007年7月14日土曜日、10:50 am

おきまりの策略だ。イラクでの、もがき苦しむような取り組みと思われていることに対し、「テロに対する戦争」という見方をあおるためのものだ。実際、イラクにおける取り組みは、イラクを粉砕したからには、粉砕するような成功(しゃれを言いたいわけではない) で、「アメリカ上院は、アルカイダが力をつけているという報告を受けた後、金曜日に、オサマ・ビン・ラディンに対する懸賞を倍増して5000万ドルとする案を決定し、ジョージ・W・ブッシュ大統領に対して、彼の逮捕に再び焦点を合わせるよう要求した」とロイターは報じている。「87-1の投票で、上院は、殺害あるいは捕獲、あるいはアメリカ合州国に対する911攻撃の首謀者逮捕につながる情報に対する報奨を設定した」

もちろん、オサマ・ビン・ラディンが911に関係しているという何の証拠もなく、政府は、明らかにでっち上げのビデオ、オーディオ・テープのほんの一握りを示す以上、何も提供することを拒否している。

その上、アラブとアジアのメディアが何年も前に報道したように、オサマ・ビン・ラディンは、2001年12月、アフガニスタンで死んでいるのだ。「アフガンのタリバン運動の 重要人物が、昨日、アルカイダ組織の指揮官オサマ・ビン・ラディンの死亡を発表し、ビン・ラディンは肺の重い合併症を患い、自然な穏やかな死を迎えたと述べた。匿名にしておいて欲しいと要求した関係者は、パキスタンのオブザーバー紙に対して、彼自身トラボラでのビン・ラディンの葬儀に参列し、埋葬の前に死に顔を見た」とエジプトの新聞、アル-ワフドが2001年12月26日に報じている。

2002年1月18日に、CNNが報道している通り、ビン・ラディンは「三日に一度、透析が必要」で、匿名のアメリカ当局者によれば「ある場所からほかの場所へと移動を続けながら、山中の隠れ家で発電が必要がという事に直面するというのは、問題となりえよう」と、ネオコンがはびこっているブッシュ政権さえもが認めていることを想起すべきだ。どんな医者でも知っているように、血液透析、つまり腎臓透析「というのは、腎不全末期患者の為のものだ。つまり、サンジェイ・グプタ医師が言うように、患者の腎臓は完全に停止してしまっている」。「アルカイダ」が、世界で最も後れた発展途上国の一つの地域で、人里はなれた山間地にある洞窟で、死につつあるオサマを複雑な透析装置にかけ続けることが可能だと信じるのは、控えめに言っても、ばかげている。上に引用したブッシュの雑用係が言うような「問題」などではなく、不可能事だ。

2002年10月、ロンドンに本社があるアラブのニュース雑誌が、オサマの遺言を公開した。「別れを告げる人間として遺言を書いた」とアラブのニュース雑誌アル・マジャラのハニ・ナクシャバンディがCNNに語っている。「雑誌記者の一人が、アルカイダ・テロリスト・ネットワークの指導者による、アフガニスタンでの、2001年12月14日付け署名があるといわれている、4ページの文書を入手した、と言っている…。CNNのために翻訳されたその文書の中で、筆者はアフガニスタンで自分を匿ってくれたタリバンへの失望を表明し、裏切りについて語り、自分の子供たちにアルカイダを避けるよう促している」

当然ながら、この話は間もなく、オーウェルの「1984年」に書かれている様なメモリー・ホールへと投げこまれ抹消されることとなった。オサマを悪魔化するという企み、ビン・ラディンとは違って今も健在で、オサマが、死ぬべき運命の肉体を離れ、天国で72人の処女と暮らしている今も、6年近く、アメリカ下院でうろついているな企みと、話しが合わないからだ。オサマが自分の「子供たちに、アルカイダを避けるように」警告したというのは興味深い。ムジャヒディンの傭兵やカモ連中のデータベースにちなんで名付けられた、CIA-ISIの仕掛けた組織には、良い助言だ。

「私の最後の助言は、全世界のムジャヒデインに向けたものだ」とオサマの遺言は言う。「一休みして、当面、ユダヤ人や十字軍と戦うのを棚上げにして、グループから、スパイや卑怯者や、仲間の学者だと自称する詐欺師連中を追い出すことに力を注ぐように。」要するに、「アルカイダ」には、その指導者だとされる人物によれば、CIAが作り出したいんちきなテロ組織には当然あり得ることだが、まがい物の聖戦の戦士やら、気取り屋、スパイや密告者が、はびこっている。

最後に、オサマが死んでいるという事実を裏書きするものとして、昨年7月にCIAは「十年間オサマ・ビン・ラディンと彼の副官たちを追跡する任務だった部署を閉鎖した」というニューヨーク・タイムズ報道がある。貴重な資源を、たとえその追跡が、ずっと見せかけだったにせよ、死者の追跡のために浪費する意味はない。

「アメリカ諜報機関の最高幹部は、今週下院の軍事委員会に、既にアメリカ政府が申し出ている報奨に対して、ビン・ラディンが潜伏していると信じられているパキスタン北西部僻地の住人たちは、無感覚であることがわかったと報告した」ロイターは続ける。「アメリカ政府は、攻撃を予防したり、攻撃に関与した連中を訴追するのに役立つ様々な情報に対する「正義のための報奨」プログラムに、6200万ドル以上費やしたと語っている」

もちろん、北西部の貧困にあえぐほこりまみれの農民パキスタンが「金銭的な報奨に無感覚なのは」オサマがとうの昔に、パキスタン国内ではなく、アフガニスタンの国境で亡くなり、埋葬されているからだ。

だが気にすることはない。こうしたことなど全く問題ではない。上院が、またもや「アルカイダが力をつけている」と語る中で、アメリカの愚鈍な大人や子供たちを脅かすために仕組まれたプロパガンダなのだから。オーウェルのエマニュエル・ゴールドスタイン同様、フォックス・ニューズやCNNでの、二分間憎悪セッションの素材だ。実際、スパイどもは、深夜、油を灯して「アル-サハブ」プロパガンダ・テープを量産している(「アルカイダ」とみなされる「プロパガンダ部隊」は、今年過去わずか6カ月の間に62もの「メッセージ」を出した)、テロリズムが中心でありつづけるためなら、「アルカイダ」のせいだとされる最近の出来事、つまりグラスゴー空港に対する下手な「攻撃」が、まるで不出来で、全くのお笑い種であってもかまわないのだ。要するに、あの漫画のようなふざけた行為が、我々から徐々に自由を奪い去り、ハイテク警察国家の中に閉じ込めるために使われているという事実さえなければ、本当にお笑い種なのだが。

Kurt NimmoのAnother Days in the Empire記事

オリジナル記事は下記。

http://prisonplanet.com/articles/july2007/150707_b_bounty.htm

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